「君はやはりSMAP入りするみたいだな」
4泊5日の旅(出張)に出ているエヴァンジェリスト氏にビエール・トンミー氏が電話して来た。
「何をまた馬鹿げたことを云っているのだ」
「ほほー、お惚けかい?」
「こちらは過酷な出張で疲労困憊なのだ。戯言はいい加減にしてくれないか。電話を切るぞ」
「ネタは上がっているのだ」
「火のないところに煙を立てるのか」
「『うぬぼれ営業』氏の筋から情報は得ている」
「何!?『うぬぼれ営業』の筋から?」
「木村拓哉だけになるかもしれないSMAPの新メンバーに、『うぬぼれ営業』氏自身、勧誘されているようだ」
「ああ、アイツは嘗て『平家派」に入らないか、と誘われたことがあったようだからな」
「それに、『うぬぼれ営業』氏の父親は、『ジャニーズ1期生』だって云うじゃあないか」
「まあ、それは本当だ。尤も、『ジャニーズ1期生』ってジャニーさんが作った少年野球チームだけどな」
「しかし、SMAPの新メンバーにと誘われているのは、『うぬぼれ営業』氏だけではないのだろ?」
「な、な、何を云いたいのだ」
「『うぬぼれ営業』氏を通して、君もSMAP入りを請われているのだろう」
「知らん!知らん、知らん、知らん」
「まあ、君の場合、石原プロとのこともあるからな」
「いつも云っていることだが、ワシは石原プロとは一切関係ない!」
「分ってるさ、今はまだ関係ないのだろう、表向きは」
「知らん、知らん、これ以上はノーコメントだ」
「レンタル移籍という手もあるではないか。一時的に、石原プロからジャニーズ事務所に移籍するのだ、君の保有権は石原プロが持ったままな」
「えっ、レンタル移籍!?」」
「そうすれば、今度こそ君はSMAPのメンバーになるのだ」
「今度こそ?」
「ああ、『大人SMAP』か。それは君の妄想ではないか」
「まあ、そうううことにしておいてもいい。しかし、今度こそ本当に『SMAP解散危機』なのだ。そこで君が救世主になるってことなのだろ?」
「仮に、仮にのことだが、ワシがレンタル移籍でSMAP入りしたところで、木村君と『うぬぼれ営業』とワシとの3人ではメンバーが少ないと思うが」
「心配いらないようだ。『うぬぼれ営業』氏は、夫人もSMAPに入れるつもりのようだから」
「ナニ!マダム・ウヌボーレもSMAPに?しかし、女性ではないか。ジャニーズには女性タレントはいないぞ」
「なんだ!君らしくもない。そんな固定観念に縛られるなんて」
「うう…..まあ、ジャニーズについに女性タレント誕生って、それはインパクトあるな。新SMAPには相応しいかもしれんな。ついでに、君もSMAPに入ったらどうだ。どうせ、暇を持て余してるのだから」
「やはり、新SMAP構想があるのだな」
「(しまった)いや、いや、ワシが SMAPには入るとか、新SMAPだとか、そんなのは、君の妄想だ」
「いや、『うぬぼれ営業』氏の筋からの情報だ」
「アイツは極め付きの嘘つきだぞ。どちらにしろ、これ以上はノーコメントだ。後は、事務所を通してくれ」
そう云うと、エヴァンジェリスト氏は携帯を切り、携帯の電源まで切ったのであった。