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2022年6月23日木曜日

【緊急直撃】寺脇康文の『相棒』は、あんさんかいな?

 


「おいおい、どうでもいいことなんやが、また、あんさんではなかったようやんけ」


と、けったいな関西弁もどきのiMessageが、エヴァンジェリスト氏のiPhone SE(第1世代)に入ってきた。2022年6月23日の朝7時過ぎである。画面の上に表示されたネグリジェ姿の男の画像が表示され、友人のビエール・トンミー氏からのメッセージであることを示していた。


「おいおい、朝っぱらから、何なんだ?君は、昨晩も、というか、今日の明け方まで、ネットでエロ画像を見ていて、この時間は、疲れて寝ていたんじゃないのか?」

「ああ、確かに疲れはしたんやが、興奮が冷めず、ちょっとネットでニュースを見てたんや」

「おお、興奮したのか!?『回春』できてきたんだな?なかなか、ソレが『復帰』しないとボヤいていたが」

「いや、興奮はしてんのやが、『復帰』まではいってへんねん…」

「ああ、脳だけは『回春』してきたが、体はまだ、ということだな」

「残念ながら…おーっと、そんなことどうでもいいええやろ!そんなことより、何やら、戻ってくるそうやないけ」

「『二ツ橋シェフ』のことか?」

「はああ?誰やねん、その『ナントカ・シェフ』は?」

「『アッラ・フォンターナ』のシェフだ。釣りに行って、そこにいた子どもが海に落ちそうになっていると思って助けようとして自分が怪我をしたんだ。それで、暢子が、ああ、主人公だ、シェフ代行になるんだが、なかなかうまくいかず、ある朝、遅刻までしてしまったところに、『二ツ橋シェフ』が松葉杖で戻ってきたんだ。だが」

「はああ?ああ、あの『ナントカどんどん』ちゅう、クダラン朝ドラのことやな。やめれ、やめれ」

「ただ、遅刻したことや『二ツ橋シェフ』が松葉杖で戻ってきたのは、夢だったんだ」




「そないなこと、どうでもええねん。『ナントカどんどん』は、昔からヴェネティアにある『イカスミパスタ』をその主人公が開発したというトンデモあらへんストーリーになっとるいうから、この前、怖いもの見たさで、土曜日にまとめて放送するんで、問題の第50回を見たんやが、まさかと思うとったら、ホンマに店の誰もイカスミパスタを知らずに主人公が開発したしたことになっとったわ。大丈夫か?NHK!こんな脚本の責任、誰がとるんや、思うたで」

「『まさかやー』だろ?」

「いや、『まさかやー』は、その『ナントカどんどん』やあらへんねん。水谷豊や」

「はあ?『豊さん』?」

「やめれ、ちゅうねん。知り合いでもあらへんくせに、その云い方」

「『豊さん』が、どうしたんだ?ああ、監督した映画『太陽とボレロ』が公開されて手が空いたから、秋から放送の『相棒』の撮影に戻ってきた、ということか」

「おお、それや、『相棒』やねん」

「なーんだ、そんなことで、朝っぱらからiMessageを送ってきたのか。君も暇だなあ」

「ちゃう、ちゃう。戻ってきたんは、水谷豊やあらへん。寺脇や。正確には、『寺脇康文』いうんか?寺脇が、水谷豊の初代『相棒』やったんやろ?それが、次のシリーズで、14年ぶりに『相棒』として戻ってくるちゅうニュース見たねん」

「うっ……もうニュースに出たのか」

「は?ニュース見てないのか?あ、いや、ニュース出る前から知ってたのか、寺脇が戻ってくること?」

「ああ、そこんとこは、ノーコメントだ」

「ふん、まあ、残念やったなあ。次の『相棒』狙ってたんやろ?」

「そんなことはない」

「知ってるで。及川光博の後は自分だ、とか、成宮ナントカの後こそ自分だ、とか、云っていたらしいやないけ」

「いや、それは、世間が勝手にそう見ていたり、『プロの旅人』が妄想してそう書いていただけだ」

「何、いうてんねん。あんさんと『プロの旅人』は、読売新聞が安倍ナントカのスポークスマンみたいなんとおんなじ関係やろ」

「知らん、知らん」

「あんさん、今回もまた、まき子夫人から『石原プロ』入り打診の電話が入るかもしれんから、『相棒』のオファーを断った、とでも云うんかいな?」

「知らん、知らん」

「もう、その手は通じへんで。芸能界に疎いワテかて、石原プロが解散してもあらへんことくらい知ってんねやで」

「知らん、知らん」

「『同級生』のSteve JOBSから、AppleのCEOをやってくれ、と頼まれるかもしれんから、ちゅう手も使えへんで。なんせ、Steve JOBSはもうこの世にいーへんさかいな」



[参考]


【緊急特報】尊(ミッチー)が結婚!「いよいよ貴方の出番ですか?」


【後任】「いや、ワタシではない、多分。新相棒は」



「知らん、知らん」

「ああ、そうかいなあ。分ったで!あんさん、やっぱり『相棒』になるんは、水谷豊の『相棒』やのうて、『相棒』の水谷豊の後任、ちゅうことなんやな。それも知っとるで」



[参考]


【相棒後任決定!?】成宮寛貴の新相棒?杉下右京退職?



「知らん、知らん。ワシには、今は、『スーパー・マン』としての任務もあるんだからな」



[参考]


募られて『スーパー・マン』!



「水谷豊やテレビ朝日とあんさんとで、水面下では、もうそないなことになっとるんやな?次の次の『相棒』のシリーズでは、寺脇とあんさんとで『相棒』のタッグ組むことになってんやな?」

「ノーコメントだ」

「せやから、あんさん、寺脇が『相棒』に戻ってくることも事前に知ってたちゅうことなんや!」

「ノーコメントだ!これ以上は、事務所を通してくれ!」

「あんな、あんさんが所属する事務所は、『オフィス・トンミー』やで。ワテの会社や」

「いいから、クダラン妄想は資源の無駄使いだ」

「は?何が資源の無駄使いやねん?」

「アンタとのこんなクダランiMessageのやり取りも、直ぐに『プロの旅人』で公開されるんだ」

「まあ、せやろな」

「だがな、今、『プロの旅人』は、『【緊急衝撃特報】ナンパ老人、危機一髪!』という緊急シリーズの真っ最中なんだ。それも、『【牛田デラシネ中学生】変態の作られ方』という長編人気シリーズを中断しての緊急特報の真っ最中なんだ。中断して展開している緊急特報を中断させるなんて、もう滅茶苦茶なことになるんだぞ。世界に読者を持つ貴重なBlogの資産を無駄に使わせる訳にはいかんだろ」

「アホ抜かせ。『プロの旅人』のどこが貴重やねん。ただのオゲレツBlogやないけ。やけど、『ナンパ老人、危機一髪!』てなんや?ワテ、もう『プロの旅人』読んでへんさかい知らへんねんけど、また、ワテのことを、ないことないこと、書いてんのやないやろなあ!?」

「ノーコメントだ!これ以上は、事務所を通してくれ!...あ、孫を迎えに行く時間だ。切るぞ!(プチっ!)」




(おしまい)



2022年6月18日土曜日

【緊急衝撃特報】ナンパ老人、危機一髪![その6]

 


クルマの運転免許でなければ、何の運転免許を取られたのですか、あの方は?」


ビエール・トンミー氏を取材対象とする特派員は、ビエール・トンミー氏が石原プロ入りを噂された頃に『免許』をとったんだな、というエヴァンジェリスト氏に、口をひょっとこのように尖らせ、頭部全体をひねりながら、iMessageでそう質問した。


「何を寝ぼけている。決っているだろ、小型船舶の免許だ。石原プロの若手俳優は皆、小型船舶の免許を持っていたからな。石原プロは、西部警察とかアクションものが多くなっていたから、小林さんが、若手俳優に小型船舶の免許を取るよう、指示でもしたんだろうなあ」

「小林さん?」

「ああ、石原裕次郎のマネージャーで、石原プロの専務だった、『コマサ』こと、小林正彦さんのことだ。小型船舶だけではなく、クルマの大型免許も必要だったと思うぞ」

「大型免許って、云いますと?」

「バスやトラック、ダンプカーにタンクローリーなんかの免許だな」




「何故、小型船舶とか大型自動車とかの免許まで取る必要があったんですか?」

「まあ、アクション系のドラマを売りにしていたからだろうなあ」

「あ!貴方が、石原プロ入りを固辞したのは、小型船舶や大型自動車の免許を取らないといけなかったからではありませんか?貴方は、小型船舶、大型自動車はおろか、普通のクルマの運転免許すらお持ちではない。貴方は、日頃、自分の体の幅以上あるものを操る自信がない、と仰ってきていらしゃいますものね」

「ノーコメントだ。それ以上、訊くなら事務所を通してくれ。ただ、ワシは分ったぞ。ビエールの奴は、石原プロ入りの可能性があった、あの頃に小型船舶の免許を取っていたんだな。それで、その後に、ベンツの船『Arrow460-Granturismo買ったんだな」

「ほほー、そうだったんですね」

「何を他人事のように感心しているんだ。要するに、ビエールの奴、やはり船で『難破』ならぬ『ナンパ』したのか?」

「いえ、私はそれは知りません。それは、貴方が仰っているのではありませんか」

「いや、君が云ったんだろうに、ビエールの奴が「ナンパ』した、と」

「いえいえ、私は、あの方が『ナンパ』、という主旨のことは申し上げましたが、あの方が『ナンパ』した、とは申し上げておりません」



(続く)




2022年6月17日金曜日

【緊急衝撃特報】ナンパ老人、危機一髪![その5]

 


おお、やはりそうであったか!」


と、独り合点したエヴァンジェリスト氏は、ビエール・トンミー氏が、自らのオゲレツ欲を満たす為に(女性を連れ込む為に)、ベンツの船に19億円も注ぎ込んだのか、というビエール・トンミー氏を取材対象とする特派員にiMessageを送った。


「ビエールの奴、一時は、ワシ同様、石原プロ入りの噂もあったくらいだから、船の一艘や二艘、買っていたとしても不思議ではない」

「え?貴方に石原プロ入りの噂があったことは存じ上げていますが、あの方にも、石原プロ入りの噂があったのですか?」

「君は、アイツの特派員のくせに、そんなことも知らんのか」

「申し訳ありません。何しろ、最近、特派員になったものですから。しかし、今はもう、石原プロはありませんでしょ?」

「アイツはな、広島県立広島皆実高校の1年7ホームの時から、ワシに次ぐ美貌と頭脳とダンディさの持ち主として名を馳せていたのだ」

「なんですか、その『1年7ホーム』の『ホーム』って?」

「ああ、広島皆実高校ではな、今もそうかもしれんが、『クラス』のことを『ホーム』と呼んでいたのだ。その『1年7ホーム』でアイツとワシは一緒だったのだ。ワシらは、そこからの付き合いだ」

「その後、貴方は、『OK牧場大学』に入られ、『OKボーイ』となった。そして、石原プロが、石原裕次郎亡き後、渡哲也も病に苦しむようになり、経営が危ぶまれる段になって、石原プロの救世主と期待されたのですね?」

「まあ、世間はそう見ているようだな」

「しかし、貴方は、なかなか石原プロに入ろうとはしなかっと、と聞いています。それは、まき子夫人が、貴方の電話番号を知らず、貴方に電話をして石原プロ入りを頼んでこなかったから、とも聞いていますが、本当のところはどうなんですか?」

「ああ、そこんとこはノーコメントだ。それ以上、訊くなら事務所を通してくれ」

「おお、それですね!お得意のセリフだ。噂に聞いていました」

「まあ、なんにせよ、巷では、ワシがなかなか石原プロ入りしないから、ワシに次ぐスター候補生であったビエールに、石原プロ入りを期待するようになった、と噂したようだ。あくまで噂だがな」

「そうだったんですね!」

「確かに、あの頃のアイツの風貌は、石原プロの俳優らしさが漂っておったからな。ああ、そうかあ。あの頃にアイツ、免許を取ったんだな」




「え?免許?あの方が、運転免許を取られたのは、資料によると、『ハンカチ大学』在学中の23歳の頃でしたね?」

「それは、クルマの運転免許だろ」



(続く)




2020年8月15日土曜日

【渡哲也を悼む】これが、『西部警察』か




「なんだ、なんだ、これはおかしいだろう!」

テレビを見ていたビエール・トンミー氏が、テレビを指差し、口を尖らせた。

「え?どうしたの?」

台所で夕食の後片付けをしていたマダム・トンミーが、普段は温厚な紳士である夫にしては、珍しい物言いに驚いた。

「日本人が日本国内で拳銃の撃ち合いをするなんて、それは、ないだろう!」

テレビのニュースで『西部警察』の映像が流れていたのだ。

「ああ、『西部警察』ね。渡哲也、死んじゃったのねえ」

マダム・トンミーの声は、しみじみとしていた。月曜日(2020年8月10日)に渡哲也が亡くなっていたことが、ニュースで流れていた。

「クルマだって、こんなに飛んだり、燃えたりするかあ!?」




ビエール・トンミー氏は、『西部警察』のなんたるかは、知らなくはなかったが、実際の映像をちゃんと見るのは初めてであったのだ。

「だって、それが『西部警察』でしょ?」
「え、君は、『西部警察』を見ていたのか?」
「うーん、学校の皆、見てたから、私も時々は見たの」

夫人は、『西部警察』が放映されていた頃、既に会社員であった夫より十歳下であったので、まだ学生であった。

「そうか、これかあ。これだったのか、コマサがしたことは」
「ん?何、コマサって」
「小林専務だ。石原裕次郎のマネージャーで、石原プロの専務だった人だ」
「へえ、そうなの。でも、その人が何をしたの?」
「これさ」

と、ビエール・トンミー氏は、テレビの画面を指し示した。既に、ニュースは、『コロナ』に変っていたが。

「拳銃の撃ち合いや、派手なカーアクションだ」
「石原裕次郎や渡哲也じゃないの、したのは?」
「演じたのはそうだが、ドラマをそういう方向性にしたんだ、コマサが」

その云い方は、賞賛の意味合いは感じられるものではなかった。

「ふーん、アータ、随分詳しいのね。『西部警察』も見てなかったのに」
「へ?.....いや、まあ」
「石原プロのこと、どうしてそんなに詳しいの?昔、石原プロにでも入るつもりだったの?アータ、イケメンだったし」

妻の素直な疑問に、手に持っていたiPhone X を床に落としてしまった。

「(うっ!.......チクショー、アイツのせいだ)」

そうである。ビエール・トンミー氏は、『西部警察』にも石原プロにも興味はなかったが、普段から、友人のエヴァンジェリスト氏が、『石原プロ入りする』とか『まだ、まき子夫人から電話がかかってこない』とか、石原プロについて語るものだから、知らず知らずのうちに、石原プロについて詳しくなり、テレビに舘ひろしが出てきたり、『石原プロ解散か?』というニュースがあると気になるようになってしまっていたのだ。

「(ボクは、石原プロなんかどうでもいいのに!)」

その時、ホルン音が鳴った。床から取り上げたiPhoneであった。

「む?」

エヴァンジェリスト氏からのiMessageである。

「おい、ニュースを見たか?当然、遠からず、ボクのところに取材が殺到すると思うが、『ノーコメント。事務所通してくれ』とするから宜しく頼む」
「(ふん!また戯けたことを)」

しかし、iMessageは続いた。

「また戯けたことを、と思うだろうが、君にも取材が行くかもしれないぞ」
「(まさか…)」
「君が、オフィス・トンミーに、舘ひろし、神田正輝だけではなく、渡さんをも引き抜こうとしていたことは、世界に知られているからな」
「え!?」
「だって、『プロの旅人』に書いてあったもんな」




「(おお、そうだ!渡哲也が亡くなったというのに、あんな巫山戯たことについて訊かれても……世間から叩かれてしまう!.......いや、あんな妄想系Blogなんて、誰も信じはしないし、そもそも、誰も読んでなんかいないだろう)」

と、自らを安心させた時であった。リビングの端に置いた固定電話が、けたたましく鳴った。

「(え!え!え!....まさか、まさか取材か!?)」

ビエール・トンミー氏は、ソファから腰を上げ、逃げるようにトイレへと向った。

「アータ、電話よ」

電話を取ったマダム・トンミーが、夫の背中に声をかけた。

「うっ…」

立ち止まったビエール・トンミー氏は、ほんの少しだが、パンツを濡らした。

「市役所への2回目の給付金の手続き、代行する、ですって」


(おしまい)


2020年8月3日月曜日

治療の旅【江ノ島/鎌倉・編】[その76]






「長谷寺には行かん」

と云って、エヴァンジェリスト氏に背を向け、ビエール・トンミー氏は、江ノ電『長谷』駅を出て北上する狭い歩道を、また歩き始めた。

「おい、どこに行くんだ?」

エヴァンジェリスト氏は、慌てて友人を追った。

「君にもっと相応しい所に行くんだ」
「あゝ、『華正樓』だな。さすが、ボクの友人だ」
「え、え?『火星(カセイ)』?何を寝ボケているんだ」
「『カセイ』ではない。『カセイロウ』だ。中華料理店だ」
「さっき、『Eggs'n Things』で満腹になったばかりだろうが」
「いや、そういう問題ではないだろう。裕さんだよ。惚けるなよ、分ってるんだろ」
「ええい、面倒臭い奴だなあ。何を勘違いしているんだ」
「石原裕次郎御用達の中華料理店だ。その『華正樓』に連れて行ってくれるのではないのか?確か、『華正樓』は『長谷』にあったはずだが」
「石原裕次郎だとか、石原プロのことが心配だ、とか云いながら、結局は、石原プロに入らないくせに」
「むむう……あと三年は、今の会社で働かないといけないからなあ」

当時(2016年)、エヴァンジェリスト氏はまだ、石原プロ入りが噂されていた。

「おいおい、まだ仕事のことを考えているのか!君は今日、どうしてここに来ているんだ?」
「うん…治療だ。治療の為だ」
「そうだ。君は、『仕事依存症』だ。仕事のことを頭から消すんだ」
「ああ」
「産業医から、歩くように云われたんだろう?」
「熊野古道でも歩けば、と云われた」




「おお、熊野古道か」
「熊野古道は嫌だ」

二人は、狭い歩道を並んで歩いていた。


(続く)



2020年7月23日木曜日

【突撃インタビュー】『石原プロモーション』解散の真相?[その8=最終回]






「アナタは、今時は珍しい辛口の評価をする映画評論家もできるんだ。それも、ただ評論するだけではなく、日仏合作『SNCF印象派殺人事件』なる映画の監督・主演も務めるのだ。西洋美術史を語れる美術評論家でもあり、フランス語経済学やフランス文学にも造詣が深い文化人としての側面もある」

ビエール・トンミー氏にインタビューをするマスクをした記者らしき男は、そうビエール・トンミー氏を評した。

「『SNCF印象派殺人事件』のことは知らんが、他のことは、まあ、外れてはいないなあ」

何だかよく分からない状況にはあったが、ビエール・トンミー氏は、マスクをした記者らしき男の評価に満足げではあった。

「アナタなら、『羽鳥慎一モーニングショー』の名物コメンテーターにだってなれる」
「いや、『羽鳥慎一モーニングショー』には、『コロナの女王』の岡田晴恵教授という強力なライバルがいる」
「アナタはラーメンだって語れる。岡田晴恵教授にラーメンを語れますか?そして、何よりアナタには、女性たちを『昇天』させる力がある」
「まあ、それはそうだが」
「そう、そんなアナタ自身が、『オフィス・トンミー』の隠し玉なんだ」




「ああ、またその話か。いい加減にしろ」
「石原プロ入りが噂されていたエヴァンジェリスト氏を手放さないことで、石原プロを解散に追い込み、舘ひろしと神田正輝を『オフィス・トンミー』に移籍させ、渡哲也だって『オフィス・トンミー』に入れる。でもそれだけではなく、自分自身をもタレントとすることで、事務所を盤石なものとするつもりなのだ。石原プロをその犠牲としていいと、アナタは思っているのか!」

マスクをした記者らしき男の言葉は、もうインタビューと云えるものではなくなっていた。

「ブルルルルルル」

ビエール・トンミー氏の胸ポケットでiPhone X が震えた。

「ん?んん?」

それまで閉じていた眼を開け、胸ポケットからiPhone Xを取り出し、ロックを解除した。

「(なんだ、アイツか)」

エヴァンジェリスト氏からのiMessageであった。

「おい、ニュースを見たか?『石原プロ解散か』のニュースだ。当然、遠からず、ボクのところに取材が殺到すると思うが、『ノーコメント。事務所通してくれ』とするから宜しく頼む」
「(ふん!また戯けたことを……んん?)」

ビエール・トンミー氏は、周りを見回した。

「(あの男は?)」

マスクをした記者らしき男はもういなかった。いや、それ以前に、そこは駅の改札を出たところではなかった。銀座線『渋谷駅』であった。電車が駅に到着したところであった。

「(今日は、国立西洋美術館に『ロンドン・ナショナル・ギャラリー展』を観に行き、『一蘭』でラーメンを食べ、銀座線に乗ったものの、疲れたのか座席に座ったまま眠ってしまい、上野→渋谷→上野と往復してしまったようだ。そして今、ようやくまた渋谷か…)」

それは、2020年7月16日、石原プロ解散か、というニュースが流れた日であった。


(おしまい)



2020年7月22日水曜日

【突撃インタビュー】『石原プロモーション』解散の真相?[その7]






「ヴェルレーヌ(Verlaine)ですな」

マスクをした記者らしき男は、したり顔でビエール・トンミー氏にそう云った。ビエール・トンミー氏は、自覚はなかったが、どうやら、『Est-elle brune, blonde ou rousse ? - Je l'ignore.』というフランス語を呟いていたらしいのであった。

「え、そうなのか?」
「ヴェルレーヌ(Verlaine)の『Mon rêve familier』の一節でしょう」
「君はフランス文学の素養があるのか?」
「アナタこそフランス文学の素養があるのか、或いは、驚異の記憶力でMon rêve familier』を丸暗記したのか、あの若くて特に綺麗な女性を『昇天』させた後、その一節を聞かせ、更にアナタに酔わせたのでしょう。そう、『サトミ』という女に」
「『サトミ』というのか、あの女?」
「ほーら、やはり『サトミ』を『昇天』させたのですな」
「いや、そういうことではないが……どうして、『サトミ』という名前が解ったんだ?」
「アナタが口にしたんだ。上野から浅草、そしてまた上野を通過し、渋谷に向かう電車の中で、眼を閉じ、ブツブツと、『サトミ』、『ケシン』と云っていたのだ」
「ああ、そういうことか。君は何も解っちゃいない。『サトミ』は、映画『化身』に出てくるホステスだ。『里見』は源氏名で、本名は『矢島霧子』だ。最近、『化身』を見たから、ボクは、寝言で『化身』を語っていたんだろう」




「ふん、さすが、うまく誤魔化しますな。では、映画『化身』について語って頂こう」
「ああ、いいだろう。『化身』は、黒木瞳が宝塚退団翌年に全裸シーンに挑んだ映画だ」
「アナタは、『化身』をどう評価するのだ?」
「正直なところを云おう。『おーっ、これが有名な黒木瞳のオッパイか』、『おーっ、これが有名な黒木瞳のケツか、『おーっ、あの有名な黒木瞳が全裸でカラミをやっている』、これがワシの評価だ」
「おお、なかなか辛口の評論ですな。しかし、ふふ。それでやはり、アナタの計画が明らかになったぞ」
「はああ?」


(続く)



2020年7月21日火曜日

【突撃インタビュー】『石原プロモーション』解散の真相?[その6]






「インタビューは終ったようだな。ワシは行く」

マスクをした記者らしき男の意気消沈を見たビエール・トンミー氏は、今度こそ、その場を離れていこうとした。しかし…

「ああ、アナタも相当にお疲れですからな。お相手があんなに若いとね。カラダが持ちませんよね。ふふ」

駅の改札を出たところで、ビエール・トンミー氏とマスクをした記者らしき男の横を通り過ぎる中年の女性が、ビエール・トンミー氏に軽蔑の視線を送った。

「おい、止めろ!他人聞きの悪いことを云うんじゃない!」

ビエール・トンミー氏は、振り向き、マスクをした記者らしき男に食ってかかった。

「他人聞きが悪いって、もう若い頃のような『元気』がないことですか?」
「違う!ありもしないことを云うな、と云っているんだ!」
「確かに、65歳のアナタにはもう昔のような『元気』はない。しかし、アナタは頑張った。あんなに若い女性を相手に」

2人の横を通るまた別の中年女性が、大きく口を歪め、ビエール・トンミー氏に唾をかけんばかりであった。

「止めろ、止めろ!ワシには、『そんなこと』、身に覚えがない!....まあ、『そんなこと』があったのなら良かったとは思わないではないが…」
「アナタ、疲れ過ぎて、『そんなこと』をしちゃったのをお忘れのようですな」
「え?ワシは、疲れ過ぎて忘れたのか?」
「先程、申し上げましたでしょ。アナタ、今日、銀座線で、上野→渋谷→上野と往復したではないですか。『一蘭』で見失ったアナタを銀座線で発見したのだ」
「ああ、座れたものだから、ついつい寝てしまった」
「え!?『吸われた』!?なんと大胆な発言を!」




「へ?君は何を云っているんだ?」
「なるほど、『吸われた』こともあって、あんなにお疲れだったんですな」
「云っている意味が分らんが、ワシは確かに疲れていた。何しろ、『初めてのおつかい』だったからな」
「疲れたアナタは、気付くと、電車が渋谷で折り返し、また上野にいた。しかも電車はもう上野を出るところだった。渋谷ではなく浅草方面にね」
「そこまで見ていたのか。見ていたんだったら、起こしてくれればいいのに」
「しかし、アナタは眼を閉じたまま呟いていた」
「え?何を?」
「『Est-elle brune, blonde ou rousse ? - Je l'ignore.』とね」
「え?何だ、それは?」


(続く)


2020年7月20日月曜日

【突撃インタビュー】『石原プロモーション』解散の真相?[その5]






「久しぶりの『イチラン』は如何でしたか?不味かったですか」

背を向けたビエール・トンミー氏に、マスクをした記者らしき男が、問いかけた。

「なにい!」

その場を去ろうとしていたビエール・トンミー氏が、振り向き、凄んだ。マスクをした記者らしき男の言葉を無視することはできなかった。福岡のラーメン店『一蘭』のラーメンにケチをつけてこられたのだ。

「『一蘭』は美味い!妙なことを云うな!」

ビエール・トンミー氏は、福岡に転勤していた時期があり、福岡の豚骨ラーメンへの造詣が深い。その日も、福岡のラーメン店『一蘭』のアトレ上野山下口店に入ったのだ。

「ラーメンは、『精』がつきますからねえ。ソノ前に食べることにしたんでしょ?あの若くて特に綺麗な女性と」

マスクをした記者らしき男は、マスクをしていたので確認はできなかったが、口の端を歪めていたようであった。

「君は、本当に恥知らずな男だなあ。そんなイヤラシイ発想しかできないのか!」
「ふん!『イチラン』のラーメンで、より『インラン』になったのでしょうに」




「おいおい、『一蘭』に失礼だぞ!そもそも、ワシは一人で『一蘭』に入ったんだ」
「まあ、店の中では一人のように見えましたね」
「意味不明のことを云うな」
「食べるカウンターが、一人一人、間仕切りのあるものでしたからね。一見、一人で食べているように見たでしょうが、アナタの隣の席には、あの若くて特に綺麗な女性いましたよね?」
「隣に誰がいるのかなんて気にはしていなかった。味に集中していたからな。何しろ、あのカウンターは、『味集中カウンター』なんだ。特許だって取っているんだぞ」
「確かに、あのカウンターは、味に集中してしまいますね」
「だろ?君もあの店にいて、食べたんだな。『一蘭』のラーメンは、本当に美味しいんだ。同じように東京進出している福岡のラーメン店の中には、多店舗展開をし過ぎて、味を落としてしまったところがあるが、『一蘭』は違う。福岡で食べていた味そのままだ」
「しかし、私は、その味に集中しすぎて、アナタたちを見失ってしまった。私としたことが」

マスクをした記者らしき男は、項垂れ、ビエール・トンミー氏に突きつけていたマイクも項垂れた。


(続く)


2020年7月19日日曜日

【突撃インタビュー】『石原プロモーション』解散の真相?[その4]






「アナタと若くて特に綺麗な女性の姿が、国立西洋美術館から消えた」

どこのメディアか不明のマスクをした記者らしき男は、駅の改札を出たところで、ビエール・トンミー氏にマイクを突き付けインタビューをしていたが、もはやそれは、インタビューではなく、独白とも云えるものとなっていた。

「そりゃ、『ロンドン・ナショナル・ギャラリー展』を観終えたからだろう」

と、ビエール・トンミー氏は云ったが、マスクをした記者らしき男は、それを聞いてはいない。

「若くて特に綺麗な女性は、西洋美術史のプライベート・レッスンを受けるべく、アナタに付いて行ったら、いきなり『裸体を語るには裸体で』と迫られ、びっくりした」
「まあ、西洋美術史の神髄は裸体画であるからなあ。あ、いやいや、プライベート・レッスンなんかしてないぞ」
「キリスト教世界の西洋画の中には、当然、『昇天』をテーマとした絵画もある。そこで、アナタは、『君も昇天しないと、昇天を理解できない』と『昇天』させたのだ!」
「そうだ、キリスト教の根本は「昇天」だ。遠藤周作はココのところを誤解していなかったから、海外で評価されんかったのだ」
「おお!アナタは、西洋美術だけではなく、文学も語る『名誉教授』なんだ!アナタは更に、映画、主に、洋画も語れるでしょう?」
「ああ、最近、録画し溜めていた映画のアーカイブを整備した」
「USBのハードディスクからブルーレイ.ディスクに一枚一枚焼き、市販のDVDのようなラベルも印刷したのでしょう?」
「おお、よく知っているな。その通りだ」
「アナタのその映画アーカイブに、アカデミー委員会も注目しているという噂ですぞ」
「おお、そうなのか!?」
「アナタは、現代の『淀川長治』と呼ばれるでしょう。来年のアカデミー賞特別賞は確実です。『アーカイブの選定センスと、洗練されたブルーレイラベルの作成が貴重である』ということが受賞理由です」
「見る人たちはちゃんと見ているのだな」
「しかし、アナタは、西洋美術史も文学も極めておられるが、一番の学問的功績はフランス語経済学です」
「そのことを知っていたのか」
「ハンカチ大学商学部のフランス語経済学で『優』をお取りになりましたからね。特に、『エス・エヌ・セー・エフ(SNCF)』にお詳しい」
「そうだ、『エス・エヌ・セー・エフ(SNCF)』には少し五月蝿いぞ」
「アナタは、いつか、日仏合作『SNCF印象派殺人事件』なる映画も製作されるおつもりでしょう」
「ええ、そうなのか?」
「ふん!またまたお惚けを。アナタはその映画構想についても、あの若くて特に綺麗な女性に話し、アナタの教養を見せつけ、『昇天』させたのだ」
「おおーっと危ない、危ない。また、君の策略にハマるところだった。若くて特に綺麗な女性とか、『昇天』とか知らんぞ」
「若くて特に綺麗な女性を『昇天』させただけではなく、アナタ自身も『昇天』した」




「ワシにそんな『元気』はない。もういい、行く」

と、またビエール・トンミー氏は、マスクをした記者らしき男に背を向けた。


(続く)