「(それに、《エンコロダイジング》なんて実在しないものも創造してしまうとは)」
と、ビエール・トンミー氏は、自らの『想像力』というより『創造力』を不思議に思い、その思いを呟くようなiMessageを友人のエヴァンジェリスト氏に送った。
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「ワテ、起きて直ぐ、ちゅうか、夢から覚めて直ぐ、《エンコロダイジング》をネットで検索したんや。『もしや本当に存在したらどないしょ』と思うたんやけど、勿論、《エンコロダイジング》なんちゅうものは、あらへんかったんや。ワテ、なんであないな言葉、創ってもうたんやろ?」
「そりゃ、アンタ、『SNCF』の大家じゃけえ」
「え?《エンコロダイジング》なんちゅうフランス語あんのか?」
「それそのもののフランス語はないけど、アンタ、『encourager』から《エンコロダイジング》を発想したんじゃないん?」
「『encourager』?…あ、そうかもしれへんなあ。ワテ、なにしろ、フランス語経済学『優』の男やさかい、無意識の内に、その『encourager』のことが頭に入ってきてたんかもしれへん。で、アンサン、その『encourager』の意味分ってのか?」
「あれ、また、ワシを試すん?」
「ああ、試しとるで」
「しょうがないのお。アンタあ、ワシが、『円いクラゲ』のことじゃ、と云うとでも思うとるんじゃろうけど、そうはいかんで」
「『encourager』のどこが、『円いクラゲ』なんや?」
「じゃって、『encourager』は、『アン(オン)クウラアジュ』じゃけど、カタカナ読みしたら、『エン・クラゲ』じゃろ?」
「『SNCF』の大家は、『encourager』のことを『エン・クラゲ』(円いクラゲ)とは思わへんで。『アン(オン)クウラアジュ』やな」
「そうなんよ。『encourager』は、勇気とか元気とかを意味する『courage』に接頭辞の『en』を付けて動詞化したもんじゃろ?」
「おお、知っとったか」
「接頭辞の『en』は、『中に』いう意味を持つじゃろ。じゃけえ、『encourager』を勇気とか元気とかを中に入れる、いうような感じで、まあ、元気付ける、勇気付ける、いうような感じもんじゃ。これでええ?」
「ああ、せやな」
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「(『せやな』とは云ったものの、アイツの云っていることは、分ったような、そうでもないような…)」
と、ビエール・トンミー氏は、アイツこと友人のエヴァンジェリスト氏の説明を、まさに知らぬ異国語を聞いているような不安定さを感じていた。
(続く)
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