「(アイツ、ボクの『失言』を何年前の『プロの旅人』から探し出してきたのか知らないが、他人の隙を突いてくる執念は異常だ)」
と、ビエール・トンミー氏が、アイツこと友人のエヴァンジェリスト氏が、パソコン(MacBook Pro)の画面に向かい、必死で過去の『プロの旅人』の記述を探す様を想像していると、エヴァンジェリスト氏から冷静なiMessageが届いた。
====================================
「での、問題は、アンタが『変態』なことじゃのうて、『アンサール・アッラー』なんよ」
「ああ、そやで。『アンサール・アッラー』のことは、知らへんけど」
「そうなんじゃね。すまん、すまん。アンタ、本当に、『アンサール・アッラー』のこと知らんのんじゃね。ワシ、アンタことじゃけえ、『アンサール・アッラー』のことは知っとると思うとったんよ」
「やから、ずうーっとそう云うてるやないか。なのに、なんで、アンサン、その『アンサール・アッラー』のことに拘んのや?」
「じゃって、アンタが、<アンサン、『フーシ派』知ってるか?>云うたけえよ」
「確かに、そうは云うたけど、それがなんやねん?」
「『アンサール・アッラー』は、『フーシ派』の正式な呼称なんよ。『フセイン・バドルッディーン・フーシ』師が中核になったじゃそうじゃけど、その師が、イエメンの治安当局に殺されて、『フーシ派』と呼ばれるようになったじゃそうじゃ」
「そないなこと、普通の人間は知らへん。アンサン、そのこと知っとって、『アラーの使者』のことなんかに話を持っていきとうて、必死でデジタル・ハンターしたんやろ」
「アンタこそ、なんで『フーシ派』のことなんか、云うてきたん?」
「おお、そこやったな。それはやな、アンサンが、<『希望峰』を回ってくる、いうんは、意味不明なんよ>と云うたきたからや」
「ワシ、そう云うたけど、アンタ、『フーシ派』でワシの疑問を解消してくれるん?」
「ああ、解消したるで。ええか、問題は、『スエズ運河』。あ、ここで、<『スズエさん』がどないしたんや?>とか、ボケるんやないで」
====================================
「(機先を制しておかないと)」
と、ビエール・トンミー氏は、自らが取った言動に満足し、自室で独り椅子に座ったまま、大きく頷いた。
(続く)
0 件のコメント:
コメントを投稿