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2023年1月12日木曜日

【牛田デラシネ中学生】変態の作られ方[その385]

 


「金髪の女の子?....まあ、いたけど」


と、ビエール少年は、福岡の『春日原』にいた頃、近所の『米軍ハウス』に住むアメリカ人家族たちを思い出しながら、少女『トシエ』の問いに答えた。


1967年4月のある土曜日、広島市立牛田中学を出た1年X組のビエール少年と『ボッキ』少年が、『ハナタバ』少年と、後で『秘密の入口』で会おう、と別れたところであった。いつからか、ビエール少年と『ボッキ』少年の背後にいた少女『トシエ』が、『秘密』という言葉を捉え、何の『秘密』か追求していたところ、遠りがかった赤い髪の若い外国人女性が、『バド』と呼ばれているビエール少年に対して、アメリカ人なのかと訊き、ビエール少年と英語での会話を交わしたのを見て、『ボッキ』少年と少女『トシエ』が、ビエール少年の英語力に感嘆していたことから、ビエール少年が見ているというNHK教育テレビの『テレビ英語会話』話題へとなっていた。そして、更に、少女『トシエ』が、奥さんが英語喋れない訳にはいかないから、自分も『テレビ英語会話』見るようにすると云い出し、少女の妄想は、ビエール少年の妻となった自分が、『整体拝受』の際の『ホスチア』だって作るかもしれない、とまで拡がっていっていた。しかし、『ボッキ』少年が、自分はキリスト教の知識のない理由として、お経の一節、『ナ~ムア~ミダ~ンブー』を唱えたことから、広島には『浄土真宗』の家が多いらしい、とビエール少年が博識ぶりを見せ、『ボッキ』少年も『東本願寺』、『西本願寺』を持ち出しはしたものの、『浄土真宗』が『東』と『西』とに別れた事情を知らず、ビーエル少年が、元は一つの『本願寺』だった『石山本願寺』を信長が攻撃したことが原因と説明しだした。そして、その『石山本願寺』信長がなかなか攻め切れなかったのは、『毛利輝元』が『石山本願寺』に食料とか武器なんかを提供して味方したからだとも説明をしたのだ。そこで、少女『トシエ』が、『石山本願寺』にお好み焼きも差し入れしたのだろうか、と云い出し、ビエール少年はそれを否定したが、少女『トシエ』は今度は、『もみじ饅頭』を差し入れしたのだろう、と云い出しことから、話は『もみじ饅頭』という名前の謂れ(『伊藤博文』が名前のヒントを与えた)へと派生していっていた。だが、話は、『伊藤博文』が、山口県光市出身であることから、『夢の超特急』に移っていったものの、今度は、『光市』から臨海学校へと移ってきたのであった。『光市』は、当時(19060年代である)、広島の学校がよく臨海学校で行くところであったからである。そして、最初は臨海学校に興味なさげであった少女『トシエ』が、ビエール少年と(だけではないが)教室で一緒に寝ることになるであろう臨海学校に眼を輝かせ、あろうことかネグリジェを着るとまで云い出し、ビエール少年は、『かわいい魔女ジニー』の姿態を思い出し、股間に『異変」を生じさせていたが、『ボッキ』少年の言葉で、どうにか『本願寺』が『東』と『西』とに別れた事情へと話は戻ったのではあった。だが、『浄土真宗』を広めた『親鸞』の子孫『蓮如』の関連して、晩年、『浄土真宗』に改宗した『一休さん』へとまたまた話は逸れたが、ビエール少年は、なんとかまた『本願寺』が『東』と『西』とに別れた事情へと話は戻し、『信長』が和睦の為、『本願寺』に渡した『一文字呉器』に言及したところ、少女『トシエ』は、『呉器』を『ゴキブリ』と勘違いし、『ボッキ』少年は、『一文』から『ジャイアント馬場』の『十六文キック』の言及してきたので、ビエール少年は、あらためて『一文字呉器』を解説したが、『ボッキ」少年がなかなか理解できないでいる様子である一方、少女『トシエ』は、『ジャイアント馬場』の『十六文』は、実は『文』ではなくアメリカの靴のサイズに由来するというビエール少年の説明を理解していることを自慢し、更に、ビエール少年がアメリカの靴のサイズのことまで知っていることまで自慢げに云い、アメリカで靴を買う時にはビエール少年に付き添って欲しいと云い出し、その際には『ガラスの靴』を買うと云ったことから、話は、今度は、『シンデレラ』に及び、ビエール少年は、『シンデレラ』があだ名であり、その名前の由来について言及していたところ、少女『トシエ』がいきなり、「ひゃああ!『バド』いうたらあ!」と叫び声を上げた。そして、『シンデレラ』からさらに派生してドイツの国鉄の名前を出したところ、少女『トシエ』がまた、「ひゃああ!『バド』いうたらあ!」と、ビエール少年のドイツ語力に感激し、叫び声を上げたのもものかわ、ビエール少年は、ドイツ語、フランス語、英語で、『シンデレラ』の名前の由来を解説したが、『ボッキ』少年は、話を『本願寺』が『東』と『西』とに別れた事情を戻すよう要求したものの、話は、また『ゴキブリ』から『アブラムシ』、そして、その英語『コックローチ』、更に、スペイン語の『クカラチャ』へと展開してしまった。そこからまた、スペインに絡んで、少女『トシエ』が情熱的な『フラメンコ』を踊りたいと云い出し、更に更に話は派生し、『星のフラメンコ』を歌った『西郷輝彦』から、当時(1960年代である)の歌手の『御三家』の『橋幸夫』、『舟木一夫』、そして、『舟木一夫』のヒット曲『高校三年生』へと展開し、今、『高校』という言葉から『広島皆実高校』について、『ボッキ』少年と少女『トシエ』は、語り始め、少女『トシエ』は、『広島皆実高校』にある『衛生看護科』に入って、看護婦になりたいと云った。で、『ボッキ』少年は、『広島皆実高校』は、元は『県女』だと云い、続けて、何故か、当時(1967年頃である)始った視聴者参加のテレビ番組『家族そろって歌合戦』の審査委員長である作曲家『高木東六』を出してきた。それは、『高木東六』が、自分の妻が『広島皆実高校』の前身である『広島県立広島高等女学校』(『県女』)の出身であることから、『広島皆実高校』の校歌を作曲したからであった、と『ボッキ』少年は説明したが、ビエール少年は、そのことに興味なさげであった為、『ボッキ』少年は、美人女優『月丘夢路』も『県女』出身だと説明したところ、少女『トシエ』が、自分も『皆実』の『看護科』に入って、『月丘夢路』みたいな美人の看護婦さんになると云い出し、ビエール少年には、『広島皆実高校』から『広島大学』の医学部に入り、医者になることを強く奨め、僧侶になるのなら『崇徳高校』だろうけれどそうではないだろうし、と『バレー』の強豪校『崇徳高校』の名前を出してきた。そこから、広島市内の他の宗教系学校の名前が出てきたものの、少女『トシエ』が、ビエール少年には『皆実』に行って欲しいと発言したが、『ボッキ』少年が、突然、「あ、ほうじゃ、『浄土真宗』じゃ」と叫び、『本願寺』が『東』と『西』とに別れたことに戻そうとしたものの、少女『トシエ』が、『崇徳高校』には相撲部があり(19060年代当時のことだ)、相撲に関連して、『巨人、大鵬、卵焼き』という言葉に言及し、『大鵬』は『巨人』の仲間だから好きではない、と云い出し、話はそこから『卵焼き』、ビエール少年の母親、『目玉焼き』、更には、『サニーサイドアップ』日産自動車のクルマ『サニー』へと逸れていっていた。そして、ようやくビエール少年は、『サニーサイドアップ』から『サニーサイドダウン』、つまり、『オーバーイージー』の説明に移り、加えて、『目玉焼き』の他の焼き方についても説明したが、『目玉焼き』に何をかけるかでもめ、そこから『目玉焼き』は『洋食』か『和食』かの議論となり、話は逸れに逸れ、『洋食』から『ハンバーグ』、『タルタル人』、ウルトラQ』や『ウルトラマン』の怪獣へ、更には、それらを作った『円谷英二』の『円谷』という苗字の読み方へと派生し、続けて、『円谷』の『円』の旧字『圓』の成り立ちを、ビエール少年は説明し、その『圓』の漢字を持つ落語家『三遊亭圓生』の名を挙げたところ、『ボッキ』少年が、甲高い声で『山のアナアナ』、『山のアナアナアナ、アナタ、もう寝ましょうよ』と、『三遊亭歌奴』の落語を持ち出し、その延長で、『林家三平』の名前を出し、それを受けた少女『トシエ』が、『林家三平』の歌『好きです(ヨシコさん)』を歌い出し、それを唄え、とビーエル少年に促した。ビエール少年は、少女『トシエ』が、『好きです(ヨシコさん)』の歌の中の一節『♫キスさせてえ』を歌いながら、唇を突き出したきたことに動揺しながら、自分は『林家三平』が好きではなく、『圓生』、『圓楽』、『小さん』、『馬生』、『志ん朝』といった落語家が好きで、落語はやはり、西の方じゃなく、やはり東の方、『江戸落語』がいい、と云ったところ、『おお、そうじゃった!』、と『ボッキ』少年が、大きな声を上げ、またまた、話を『本願寺』が『東』と『西』とに別れた事情を戻したのであったが、浄土真宗の宗主『顕如』が、『信長』と和睦し、『石山本願寺』を明け渡して、和歌山にある本願寺の『鷺森別院』に移ったことから、和歌山の梅の話になり、少女『トシエ』が、自分は、キスは『バド』が初めてじゃなく、唇はもう奪われている、ととんでもないことを云い出した。しかし、『ボッキ』少年が、『本願寺』が『東』と『西』とに別れた理由へと、話のテーマを戻し、ビエール少年は、『顕如』とその長男『教如』との対『信長』への方向性の違いや、しかし、結局は、『石山本願寺』は『信長』に明け渡されることになったことを説明したが、そこに突然、『光秀』の名前を持ち出してきたのだ。しかし、『ボッキ』少年は、『光秀』が『本願寺』の分裂とどう関わっていたのか、と問うたものの、少女『トシエ』は、ビエール少年の口から、『光秀』を演じた俳優『佐藤慶』を聞き、自分は、『佐藤』なら『三郎』の方がいい、と、俳優『山本圭』が演じた人気テレビ・ドラマ『若者たち』の『佐藤三郎』に言及したところ、ビエール少年が、『佐藤三郎』は『学生運動家』だったと云ってきた。そこから、『学生運動』とは何か、『安保』とは何かへと話は派生しかけたが、少女『トシエ』は、『安保』を『あんこ』と聞き違え、『ちから』といううどん屋には『おはぎ』もあると云い出した。しかし、ビエール少年は、その『ちから』という店は、元は大阪の方のお店『力餅食堂』との関係にあるのでは、と言及したものの、話は、『豊登』や『豊登』得意の『サバ折り』へと逸れていったが、なんとかまた『安保』、つまり『安全保障条約』へと話を戻した。そして、『安保』は、アメリカ軍は、日本を守る為に、日本に基地を置いていいことにしたりしたのが『安保』らしい、と説明し、少女『トシエ』が『自衛隊』があるのに、と云ったところで、『ボッキ』少年が、アメリが軍が日本にあることは、戦争放棄を謳う憲法に反することではないのか、とビエール少年に迫った。その時、少女『トシエ』は、身を挺して、『ボッキ』少年の攻撃からビエール少年を守ろうとした。しかし、『ボッキ』少年は、構わず、日本に基地を持つアメリカがどこかの国と戦争になったら、日本も戦争していることになるのではないか、とビエール少年を追求し、ビエール少年も、米軍基地が近くにあった『春日原』にいた頃の話から、同様の話を父親からされたことを思い出していたところ、『春日原』を『カスガール』と聞きちがえ、その『ガール』からの連想で、少女『トシエ』が、その『なんとかガール』には金髪の可愛い女の子がいたのか、と問うてきたのであった。


「『チュー』したん?」


と、少女『トシエ』は、いきなり口を尖らせながら、ビエール少年に更なる問いを投げ掛けた。


「え?」


と、ビエール少年の方も、思わず、口を尖らせるようにして、驚きの一声を漏らした。


「金髪の可愛い女の子と『チュー』したん?アメリカさんは、すぐに『チュー』するんじゃろ?」

「え?え?ええ!?そ、そんな、『チュー』なんて…(んぐっ!)」


と、ビエール少年は、またまた学生鞄を身の前に持ってきた時、


「アメリカ軍の基地を日本に置かせるんが『安保』なんじゃったら、ワシも『安保反対』じゃ」


『ボッキ』少年が、毅然と云い放った。


「そういうたら、お父ちゃんも『安保反対』みたいなこと云うとった。国鉄の人たちは、反対なんじゃったあ、思うで。『若者たち』の『佐藤三郎』さんと同じじゃ」

「ああ、お父さん、国鉄にお勤めだったね」


国鉄職員の『ボッキ』少年父親は、『安保反対』を口にしていたのであった。当時(1960年代である)、国鉄の労働組合である『国労』や『動労』は、『安保』に反対し、ストライキをする等していた。




そして、『ボッキ』少年は、国鉄職員として勤勉に働く父親を尊敬していたのだ。


「じゃけど、『安保反対』の『佐藤三郎』さんが、『本願寺』が『東』と『西』に別れたんと、どう関係しとるんや?」

「あ、そうだったね。いや、『本願寺』と関係あるのは、『佐藤三郎』さんではなくって、『佐藤慶』が演じた『光秀』なんだ。『光秀』が、『敵は、本願寺にあらず、本能寺にあり』と云って、本能寺にいる『信長』を討ちに行った、とも云われているんだって」


と、話はようやく、また『本願寺』の分裂へと戻ってきたのであった。



(続く)




2023年1月11日水曜日

【牛田デラシネ中学生】変態の作られ方[その384]

 


「『バド』は、ウチが守るけえ」


と、少女『トシエ』は、膨らみかけの胸を更に膨らませるように、身を反りかえらせた。


1967年4月のある土曜日、広島市立牛田中学を出た1年X組のビエール少年と『ボッキ』少年が、『ハナタバ』少年と、後で『秘密の入口』で会おう、と別れたところであった。いつからか、ビエール少年と『ボッキ』少年の背後にいた少女『トシエ』が、『秘密』という言葉を捉え、何の『秘密』か追求していたところ、遠りがかった赤い髪の若い外国人女性が、『バド』と呼ばれているビエール少年に対して、アメリカ人なのかと訊き、ビエール少年と英語での会話を交わしたのを見て、『ボッキ』少年と少女『トシエ』が、ビエール少年の英語力に感嘆していたことから、ビエール少年が見ているというNHK教育テレビの『テレビ英語会話』話題へとなっていた。そして、更に、少女『トシエ』が、奥さんが英語喋れない訳にはいかないから、自分も『テレビ英語会話』見るようにすると云い出し、少女の妄想は、ビエール少年の妻となった自分が、『整体拝受』の際の『ホスチア』だって作るかもしれない、とまで拡がっていっていた。しかし、『ボッキ』少年が、自分はキリスト教の知識のない理由として、お経の一節、『ナ~ムア~ミダ~ンブー』を唱えたことから、広島には『浄土真宗』の家が多いらしい、とビエール少年が博識ぶりを見せ、『ボッキ』少年も『東本願寺』、『西本願寺』を持ち出しはしたものの、『浄土真宗』が『東』と『西』とに別れた事情を知らず、ビーエル少年が、元は一つの『本願寺』だった『石山本願寺』を信長が攻撃したことが原因と説明しだした。そして、その『石山本願寺』信長がなかなか攻め切れなかったのは、『毛利輝元』が『石山本願寺』に食料とか武器なんかを提供して味方したからだとも説明をしたのだ。そこで、少女『トシエ』が、『石山本願寺』にお好み焼きも差し入れしたのだろうか、と云い出し、ビエール少年はそれを否定したが、少女『トシエ』は今度は、『もみじ饅頭』を差し入れしたのだろう、と云い出しことから、話は『もみじ饅頭』という名前の謂れ(『伊藤博文』が名前のヒントを与えた)へと派生していっていた。だが、話は、『伊藤博文』が、山口県光市出身であることから、『夢の超特急』に移っていったものの、今度は、『光市』から臨海学校へと移ってきたのであった。『光市』は、当時(19060年代である)、広島の学校がよく臨海学校で行くところであったからである。そして、最初は臨海学校に興味なさげであった少女『トシエ』が、ビエール少年と(だけではないが)教室で一緒に寝ることになるであろう臨海学校に眼を輝かせ、あろうことかネグリジェを着るとまで云い出し、ビエール少年は、『かわいい魔女ジニー』の姿態を思い出し、股間に『異変」を生じさせていたが、『ボッキ』少年の言葉で、どうにか『本願寺』が『東』と『西』とに別れた事情へと話は戻ったのではあった。だが、『浄土真宗』を広めた『親鸞』の子孫『蓮如』の関連して、晩年、『浄土真宗』に改宗した『一休さん』へとまたまた話は逸れたが、ビエール少年は、なんとかまた『本願寺』が『東』と『西』とに別れた事情へと話は戻し、『信長』が和睦の為、『本願寺』に渡した『一文字呉器』に言及したところ、少女『トシエ』は、『呉器』を『ゴキブリ』と勘違いし、『ボッキ』少年は、『一文』から『ジャイアント馬場』の『十六文キック』の言及してきたので、ビエール少年は、あらためて『一文字呉器』を解説したが、『ボッキ」少年がなかなか理解できないでいる様子である一方、少女『トシエ』は、『ジャイアント馬場』の『十六文』は、実は『文』ではなくアメリカの靴のサイズに由来するというビエール少年の説明を理解していることを自慢し、更に、ビエール少年がアメリカの靴のサイズのことまで知っていることまで自慢げに云い、アメリカで靴を買う時にはビエール少年に付き添って欲しいと云い出し、その際には『ガラスの靴』を買うと云ったことから、話は、今度は、『シンデレラ』に及び、ビエール少年は、『シンデレラ』があだ名であり、その名前の由来について言及していたところ、少女『トシエ』がいきなり、「ひゃああ!『バド』いうたらあ!」と叫び声を上げた。そして、『シンデレラ』からさらに派生してドイツの国鉄の名前を出したところ、少女『トシエ』がまた、「ひゃああ!『バド』いうたらあ!」と、ビエール少年のドイツ語力に感激し、叫び声を上げたのもものかわ、ビエール少年は、ドイツ語、フランス語、英語で、『シンデレラ』の名前の由来を解説したが、『ボッキ』少年は、話を『本願寺』が『東』と『西』とに別れた事情を戻すよう要求したものの、話は、また『ゴキブリ』から『アブラムシ』、そして、その英語『コックローチ』、更に、スペイン語の『クカラチャ』へと展開してしまった。そこからまた、スペインに絡んで、少女『トシエ』が情熱的な『フラメンコ』を踊りたいと云い出し、更に更に話は派生し、『星のフラメンコ』を歌った『西郷輝彦』から、当時(1960年代である)の歌手の『御三家』の『橋幸夫』、『舟木一夫』、そして、『舟木一夫』のヒット曲『高校三年生』へと展開し、今、『高校』という言葉から『広島皆実高校』について、『ボッキ』少年と少女『トシエ』は、語り始め、少女『トシエ』は、『広島皆実高校』にある『衛生看護科』に入って、看護婦になりたいと云った。で、『ボッキ』少年は、『広島皆実高校』は、元は『県女』だと云い、続けて、何故か、当時(1967年頃である)始った視聴者参加のテレビ番組『家族そろって歌合戦』の審査委員長である作曲家『高木東六』を出してきた。それは、『高木東六』が、自分の妻が『広島皆実高校』の前身である『広島県立広島高等女学校』(『県女』)の出身であることから、『広島皆実高校』の校歌を作曲したからであった、と『ボッキ』少年は説明したが、ビエール少年は、そのことに興味なさげであった為、『ボッキ』少年は、美人女優『月丘夢路』も『県女』出身だと説明したところ、少女『トシエ』が、自分も『皆実』の『看護科』に入って、『月丘夢路』みたいな美人の看護婦さんになると云い出し、ビエール少年には、『広島皆実高校』から『広島大学』の医学部に入り、医者になることを強く奨め、僧侶になるのなら『崇徳高校』だろうけれどそうではないだろうし、と『バレー』の強豪校『崇徳高校』の名前を出してきた。そこから、広島市内の他の宗教系学校の名前が出てきたものの、少女『トシエ』が、ビエール少年には『皆実』に行って欲しいと発言したが、『ボッキ』少年が、突然、「あ、ほうじゃ、『浄土真宗』じゃ」と叫び、『本願寺』が『東』と『西』とに別れたことに戻そうとしたものの、少女『トシエ』が、『崇徳高校』には相撲部があり(19060年代当時のことだ)、相撲に関連して、『巨人、大鵬、卵焼き』という言葉に言及し、『大鵬』は『巨人』の仲間だから好きではない、と云い出し、話はそこから『卵焼き』、ビエール少年の母親、『目玉焼き』、更には、『サニーサイドアップ』日産自動車のクルマ『サニー』へと逸れていっていた。そして、ようやくビエール少年は、『サニーサイドアップ』から『サニーサイドダウン』、つまり、『オーバーイージー』の説明に移り、加えて、『目玉焼き』の他の焼き方についても説明したが、『目玉焼き』に何をかけるかでもめ、そこから『目玉焼き』は『洋食』か『和食』かの議論となり、話は逸れに逸れ、『洋食』から『ハンバーグ』、『タルタル人』、ウルトラQ』や『ウルトラマン』の怪獣へ、更には、それらを作った『円谷英二』の『円谷』という苗字の読み方へと派生し、続けて、『円谷』の『円』の旧字『圓』の成り立ちを、ビエール少年は説明し、その『圓』の漢字を持つ落語家『三遊亭圓生』の名を挙げたところ、『ボッキ』少年が、甲高い声で『山のアナアナ』、『山のアナアナアナ、アナタ、もう寝ましょうよ』と、『三遊亭歌奴』の落語を持ち出し、その延長で、『林家三平』の名前を出し、それを受けた少女『トシエ』が、『林家三平』の歌『好きです(ヨシコさん)』を歌い出し、それを唄え、とビーエル少年に促した。ビエール少年は、少女『トシエ』が、『好きです(ヨシコさん)』の歌の中の一節『♫キスさせてえ』を歌いながら、唇を突き出したきたことに動揺しながら、自分は『林家三平』が好きではなく、『圓生』、『圓楽』、『小さん』、『馬生』、『志ん朝』といった落語家が好きで、落語はやはり、西の方じゃなく、やはり東の方、『江戸落語』がいい、と云ったところ、『おお、そうじゃった!』、と『ボッキ』少年が、大きな声を上げ、またまた、話を『本願寺』が『東』と『西』とに別れた事情を戻したのであったが、浄土真宗の宗主『顕如』が、『信長』と和睦し、『石山本願寺』を明け渡して、和歌山にある本願寺の『鷺森別院』に移ったことから、和歌山の梅の話になり、少女『トシエ』が、自分は、キスは『バド』が初めてじゃなく、唇はもう奪われている、ととんでもないことを云い出した。しかし、『ボッキ』少年が、『本願寺』が『東』と『西』とに別れた理由へと、話のテーマを戻し、ビエール少年は、『顕如』とその長男『教如』との対『信長』への方向性の違いや、しかし、結局は、『石山本願寺』は『信長』に明け渡されることになったことを説明したが、そこに突然、『光秀』の名前を持ち出してきたのだ。しかし、『ボッキ』少年は、『光秀』が『本願寺』の分裂とどう関わっていたのか、と問うたものの、少女『トシエ』は、ビエール少年の口から、『光秀』を演じた俳優『佐藤慶』を聞き、自分は、『佐藤』なら『三郎』の方がいい、と、俳優『山本圭』が演じた人気テレビ・ドラマ『若者たち』の『佐藤三郎』に言及したところ、ビエール少年が、『佐藤三郎』は『学生運動家』だったと云ってきた。そこから、『学生運動』とは何か、『安保』とは何かへと話は派生しかけたが、少女『トシエ』は、『安保』を『あんこ』と聞き違え、『ちから』といううどん屋には『おはぎ』もあると云い出した。しかし、ビエール少年は、その『ちから』という店は、元は大阪の方のお店『力餅食堂』との関係にあるのでは、と言及したものの、話は、『豊登』や『豊登』得意の『サバ折り』へと逸れていったが、なんとかまた『安保』、つまり『安全保障条約』へと話を戻した。そして、『安保』は、アメリカ軍は、日本を守る為に、日本に基地を置いていいことにしたりしたのが『安保』らしい、と説明し、少女『トシエ』が『自衛隊』があるのに、と云ったところで、『ボッキ』少年が、アメリが軍が日本にあることは、戦争放棄を謳う憲法に反することではないのか、とビエール少年に迫った。その時、少女『トシエ』は、身を挺して、『ボッキ』少年の攻撃からビエール少年を守ろうとしたのであった。


「ウチが、『バド』の自衛隊じゃけえね」


と、少女『トシエ』は、広げた両手に力を入れたが、『ボッキ』少年は、それを無視して、言葉を続けた。


「アメリカ軍が日本に基地を持っとったら、日本に軍隊があるんと同じなんじゃないん?」

「ああ…」

「それに、アメリカがどっかと戦争したら、日本も戦争しとるんと同じことにならんのか?」

「うん、そうだね。アメリカって、今でもベトナムで戦争しているし、『春日原』の『米軍ハウス』のアメリカ人だって、ベトナム戦争に行ってたかもしれない」


ビエール少年は、広島に着いた日の父親との会話を思い出していた。



(参照:【牛田デラシネ中学生】変態の作られ方[その240]



「へええ、『バド』は『ユーベ』だけじゃのうて、『カスガール』いうとこもおったん?」


と、少女『トシエ』が、ビエール少年の回想を遮ってきた。


「『カスガール』ではなくって、『春日原(かすがばる)』だけどね。近くに米軍基地があったんだ」

「その『なんとかガール』にゃあ、『ガール』じゃけえ、金髪の可愛い女の子もおったん?

「ああ…」

んっもう!」


と、少女『トシエ』は、不満を分り易く、頬を膨らませることで表した。




(続く)




2023年1月10日火曜日

【牛田デラシネ中学生】変態の作られ方[その383]

 


「いや、『ソ連』が本当に日本を攻めてくるかどうかは、分らない、と思う」


と云いながら、ビエール少年は、『ソ連』の国旗を思い浮かべた。


1967年4月のある土曜日、広島市立牛田中学を出た1年X組のビエール少年と『ボッキ』少年が、『ハナタバ』少年と、後で『秘密の入口』で会おう、と別れたところであった。いつからか、ビエール少年と『ボッキ』少年の背後にいた少女『トシエ』が、『秘密』という言葉を捉え、何の『秘密』か追求していたところ、遠りがかった赤い髪の若い外国人女性が、『バド』と呼ばれているビエール少年に対して、アメリカ人なのかと訊き、ビエール少年と英語での会話を交わしたのを見て、『ボッキ』少年と少女『トシエ』が、ビエール少年の英語力に感嘆していたことから、ビエール少年が見ているというNHK教育テレビの『テレビ英語会話』話題へとなっていた。そして、更に、少女『トシエ』が、奥さんが英語喋れない訳にはいかないから、自分も『テレビ英語会話』見るようにすると云い出し、少女の妄想は、ビエール少年の妻となった自分が、『整体拝受』の際の『ホスチア』だって作るかもしれない、とまで拡がっていっていた。しかし、『ボッキ』少年が、自分はキリスト教の知識のない理由として、お経の一節、『ナ~ムア~ミダ~ンブー』を唱えたことから、広島には『浄土真宗』の家が多いらしい、とビエール少年が博識ぶりを見せ、『ボッキ』少年も『東本願寺』、『西本願寺』を持ち出しはしたものの、『浄土真宗』が『東』と『西』とに別れた事情を知らず、ビーエル少年が、元は一つの『本願寺』だった『石山本願寺』を信長が攻撃したことが原因と説明しだした。そして、その『石山本願寺』信長がなかなか攻め切れなかったのは、『毛利輝元』が『石山本願寺』に食料とか武器なんかを提供して味方したからだとも説明をしたのだ。そこで、少女『トシエ』が、『石山本願寺』にお好み焼きも差し入れしたのだろうか、と云い出し、ビエール少年はそれを否定したが、少女『トシエ』は今度は、『もみじ饅頭』を差し入れしたのだろう、と云い出しことから、話は『もみじ饅頭』という名前の謂れ(『伊藤博文』が名前のヒントを与えた)へと派生していっていた。だが、話は、『伊藤博文』が、山口県光市出身であることから、『夢の超特急』に移っていったものの、今度は、『光市』から臨海学校へと移ってきたのであった。『光市』は、当時(19060年代である)、広島の学校がよく臨海学校で行くところであったからである。そして、最初は臨海学校に興味なさげであった少女『トシエ』が、ビエール少年と(だけではないが)教室で一緒に寝ることになるであろう臨海学校に眼を輝かせ、あろうことかネグリジェを着るとまで云い出し、ビエール少年は、『かわいい魔女ジニー』の姿態を思い出し、股間に『異変」を生じさせていたが、『ボッキ』少年の言葉で、どうにか『本願寺』が『東』と『西』とに別れた事情へと話は戻ったのではあった。だが、『浄土真宗』を広めた『親鸞』の子孫『蓮如』の関連して、晩年、『浄土真宗』に改宗した『一休さん』へとまたまた話は逸れたが、ビエール少年は、なんとかまた『本願寺』が『東』と『西』とに別れた事情へと話は戻し、『信長』が和睦の為、『本願寺』に渡した『一文字呉器』に言及したところ、少女『トシエ』は、『呉器』を『ゴキブリ』と勘違いし、『ボッキ』少年は、『一文』から『ジャイアント馬場』の『十六文キック』の言及してきたので、ビエール少年は、あらためて『一文字呉器』を解説したが、『ボッキ」少年がなかなか理解できないでいる様子である一方、少女『トシエ』は、『ジャイアント馬場』の『十六文』は、実は『文』ではなくアメリカの靴のサイズに由来するというビエール少年の説明を理解していることを自慢し、更に、ビエール少年がアメリカの靴のサイズのことまで知っていることまで自慢げに云い、アメリカで靴を買う時にはビエール少年に付き添って欲しいと云い出し、その際には『ガラスの靴』を買うと云ったことから、話は、今度は、『シンデレラ』に及び、ビエール少年は、『シンデレラ』があだ名であり、その名前の由来について言及していたところ、少女『トシエ』がいきなり、「ひゃああ!『バド』いうたらあ!」と叫び声を上げた。そして、『シンデレラ』からさらに派生してドイツの国鉄の名前を出したところ、少女『トシエ』がまた、「ひゃああ!『バド』いうたらあ!」と、ビエール少年のドイツ語力に感激し、叫び声を上げたのもものかわ、ビエール少年は、ドイツ語、フランス語、英語で、『シンデレラ』の名前の由来を解説したが、『ボッキ』少年は、話を『本願寺』が『東』と『西』とに別れた事情を戻すよう要求したものの、話は、また『ゴキブリ』から『アブラムシ』、そして、その英語『コックローチ』、更に、スペイン語の『クカラチャ』へと展開してしまった。そこからまた、スペインに絡んで、少女『トシエ』が情熱的な『フラメンコ』を踊りたいと云い出し、更に更に話は派生し、『星のフラメンコ』を歌った『西郷輝彦』から、当時(1960年代である)の歌手の『御三家』の『橋幸夫』、『舟木一夫』、そして、『舟木一夫』のヒット曲『高校三年生』へと展開し、今、『高校』という言葉から『広島皆実高校』について、『ボッキ』少年と少女『トシエ』は、語り始め、少女『トシエ』は、『広島皆実高校』にある『衛生看護科』に入って、看護婦になりたいと云った。で、『ボッキ』少年は、『広島皆実高校』は、元は『県女』だと云い、続けて、何故か、当時(1967年頃である)始った視聴者参加のテレビ番組『家族そろって歌合戦』の審査委員長である作曲家『高木東六』を出してきた。それは、『高木東六』が、自分の妻が『広島皆実高校』の前身である『広島県立広島高等女学校』(『県女』)の出身であることから、『広島皆実高校』の校歌を作曲したからであった、と『ボッキ』少年は説明したが、ビエール少年は、そのことに興味なさげであった為、『ボッキ』少年は、美人女優『月丘夢路』も『県女』出身だと説明したところ、少女『トシエ』が、自分も『皆実』の『看護科』に入って、『月丘夢路』みたいな美人の看護婦さんになると云い出し、ビエール少年には、『広島皆実高校』から『広島大学』の医学部に入り、医者になることを強く奨め、僧侶になるのなら『崇徳高校』だろうけれどそうではないだろうし、と『バレー』の強豪校『崇徳高校』の名前を出してきた。そこから、広島市内の他の宗教系学校の名前が出てきたものの、少女『トシエ』が、ビエール少年には『皆実』に行って欲しいと発言したが、『ボッキ』少年が、突然、「あ、ほうじゃ、『浄土真宗』じゃ」と叫び、『本願寺』が『東』と『西』とに別れたことに戻そうとしたものの、少女『トシエ』が、『崇徳高校』には相撲部があり(19060年代当時のことだ)、相撲に関連して、『巨人、大鵬、卵焼き』という言葉に言及し、『大鵬』は『巨人』の仲間だから好きではない、と云い出し、話はそこから『卵焼き』、ビエール少年の母親、『目玉焼き』、更には、『サニーサイドアップ』日産自動車のクルマ『サニー』へと逸れていっていた。そして、ようやくビエール少年は、『サニーサイドアップ』から『サニーサイドダウン』、つまり、『オーバーイージー』の説明に移り、加えて、『目玉焼き』の他の焼き方についても説明したが、『目玉焼き』に何をかけるかでもめ、そこから『目玉焼き』は『洋食』か『和食』かの議論となり、話は逸れに逸れ、『洋食』から『ハンバーグ』、『タルタル人』、ウルトラQ』や『ウルトラマン』の怪獣へ、更には、それらを作った『円谷英二』の『円谷』という苗字の読み方へと派生し、続けて、『円谷』の『円』の旧字『圓』の成り立ちを、ビエール少年は説明し、その『圓』の漢字を持つ落語家『三遊亭圓生』の名を挙げたところ、『ボッキ』少年が、甲高い声で『山のアナアナ』、『山のアナアナアナ、アナタ、もう寝ましょうよ』と、『三遊亭歌奴』の落語を持ち出し、その延長で、『林家三平』の名前を出し、それを受けた少女『トシエ』が、『林家三平』の歌『好きです(ヨシコさん)』を歌い出し、それを唄え、とビーエル少年に促した。ビエール少年は、少女『トシエ』が、『好きです(ヨシコさん)』の歌の中の一節『♫キスさせてえ』を歌いながら、唇を突き出したきたことに動揺しながら、自分は『林家三平』が好きではなく、『圓生』、『圓楽』、『小さん』、『馬生』、『志ん朝』といった落語家が好きで、落語はやはり、西の方じゃなく、やはり東の方、『江戸落語』がいい、と云ったところ、『おお、そうじゃった!』、と『ボッキ』少年が、大きな声を上げ、またまた、話を『本願寺』が『東』と『西』とに別れた事情を戻したのであったが、浄土真宗の宗主『顕如』が、『信長』と和睦し、『石山本願寺』を明け渡して、和歌山にある本願寺の『鷺森別院』に移ったことから、和歌山の梅の話になり、少女『トシエ』が、自分は、キスは『バド』が初めてじゃなく、唇はもう奪われている、ととんでもないことを云い出した。しかし、『ボッキ』少年が、『本願寺』が『東』と『西』とに別れた理由へと、話のテーマを戻し、ビエール少年は、『顕如』とその長男『教如』との対『信長』への方向性の違いや、しかし、結局は、『石山本願寺』は『信長』に明け渡されることになったことを説明したが、そこに突然、『光秀』の名前を持ち出してきたのだ。しかし、『ボッキ』少年は、『光秀』が『本願寺』の分裂とどう関わっていたのか、と問うたものの、少女『トシエ』は、ビエール少年の口から、『光秀』を演じた俳優『佐藤慶』を聞き、自分は、『佐藤』なら『三郎』の方がいい、と、俳優『山本圭』が演じた人気テレビ・ドラマ『若者たち』の『佐藤三郎』に言及したところ、ビエール少年が、『佐藤三郎』は『学生運動家』だったと云ってきた。そこから、『学生運動』とは何か、『安保』とは何かへと話は派生しかけたが、少女『トシエ』は、『安保』を『あんこ』と聞き違え、『ちから』といううどん屋には『おはぎ』もあると云い出した。しかし、ビエール少年は、その『ちから』という店は、元は大阪の方のお店『力餅食堂』との関係にあるのでは、と言及したものの、話は、『豊登』や『豊登』得意の『サバ折り』へと逸れていったが、なんとかまた『安保』、つまり『安全保障条約』へと話を戻した。そして、『安保』は、『ソ連』なんかが武力で攻撃してきた時の為のものらしいと云ったところ、少女『トシエ』は、『ソ連』が爆弾等で日本を攻めてくることに怯えた様子を見せたのであった。


「でも、もし攻めてきたら、ということを考えて、アメリカ軍は、日本を守る為に、日本に基地を置いていいことにしたりしたのが『安保』らしいんだ」


と、ビエール少年は、『安保』のことは詳しくは知らなかったが、『安保』について、最低限の説明をした。


「でも、日本にゃあ、『自衛隊』があるんじゃろ。『自衛隊』が守ってくれるじゃろうにねえ」


と、少女『トシエ』が、無邪気な少女そのままに、そう云った。


「うん、そうなんだけど、『自衛隊』の軍備力はあまり大きくないから、『自衛隊』だけでは日本を守りきれない、ということなんじゃないかなあ」

「そりゃ、おかしいじゃろう!」


いきなり、『ボッキ』少年が、強く異を唱えてきた。


「え?何が?」


たじろぎながら、ビエール少年は、『ボッキ』少年の異の主旨を訊いた。


「アメリカ軍は、軍隊じゃろ?」

「そうだよ」

「その軍隊が、日本を守ってくれるんか?」

「うん、それが『安保』なんじゃないかなあ」

「日本は軍隊を持たんことにしたんじゃろ?」

「うん、憲法でそうしたんだと思うけど」

「日本の軍隊じゃのうて、アメリカの軍隊じゃったら日本にあってもええんか?」

「うん…だって、日本の軍隊じゃないから…」

「日本が軍隊持たんのは、もう戦争はせん、いうことにしたけえじゃろ?」

「うん、憲法で戦争放棄したんだよね」

「じゃけど、軍隊いうんは、戦争をするもんじゃないんか?日本の為に、アメリカに戦争させるんは、ええんか?」


『ボッキ』少年は、ビエール少年には及ばないものの聡明さを持つ少年として、理屈を積み重ねてきた。


「止めんちゃいや!『バド』を苛めんさんなや。『バド』は、『ユーベ』におったんじゃけえ、アメリカさんのこと悪うは云えんよおね」


と、少女『トシエ』が、『ボッキ』少年から守るように、両手を広げ、我が身をビエール少年の前に、それも体を密着させる形で置いた。




「(んぐっ!)」


少女『トシエ』の臀部があたったビエール少年の体のある部分に『異変』が生じた。



(続く)





2023年1月9日月曜日

【牛田デラシネ中学生】変態の作られ方[その382]

 


「違うわいねえ、『ダイマル』じゃのうて、『大松』さんよおね」


と、少女『トシエ』が、『ダイマツ』を『ダイマル』と勘違いしたビエール少年に対して、呆れた感を出しながら、そう云った。


1967年4月のある土曜日、広島市立牛田中学を出た1年X組のビエール少年と『ボッキ』少年が、『ハナタバ』少年と、後で『秘密の入口』で会おう、と別れたところであった。いつからか、ビエール少年と『ボッキ』少年の背後にいた少女『トシエ』が、『秘密』という言葉を捉え、何の『秘密』か追求していたところ、遠りがかった赤い髪の若い外国人女性が、『バド』と呼ばれているビエール少年に対して、アメリカ人なのかと訊き、ビエール少年と英語での会話を交わしたのを見て、『ボッキ』少年と少女『トシエ』が、ビエール少年の英語力に感嘆していたことから、ビエール少年が見ているというNHK教育テレビの『テレビ英語会話』話題へとなっていた。そして、更に、少女『トシエ』が、奥さんが英語喋れない訳にはいかないから、自分も『テレビ英語会話』見るようにすると云い出し、少女の妄想は、ビエール少年の妻となった自分が、『整体拝受』の際の『ホスチア』だって作るかもしれない、とまで拡がっていっていた。しかし、『ボッキ』少年が、自分はキリスト教の知識のない理由として、お経の一節、『ナ~ムア~ミダ~ンブー』を唱えたことから、広島には『浄土真宗』の家が多いらしい、とビエール少年が博識ぶりを見せ、『ボッキ』少年も『東本願寺』、『西本願寺』を持ち出しはしたものの、『浄土真宗』が『東』と『西』とに別れた事情を知らず、ビーエル少年が、元は一つの『本願寺』だった『石山本願寺』を信長が攻撃したことが原因と説明しだした。そして、その『石山本願寺』信長がなかなか攻め切れなかったのは、『毛利輝元』が『石山本願寺』に食料とか武器なんかを提供して味方したからだとも説明をしたのだ。そこで、少女『トシエ』が、『石山本願寺』にお好み焼きも差し入れしたのだろうか、と云い出し、ビエール少年はそれを否定したが、少女『トシエ』は今度は、『もみじ饅頭』を差し入れしたのだろう、と云い出しことから、話は『もみじ饅頭』という名前の謂れ(『伊藤博文』が名前のヒントを与えた)へと派生していっていた。だが、話は、『伊藤博文』が、山口県光市出身であることから、『夢の超特急』に移っていったものの、今度は、『光市』から臨海学校へと移ってきたのであった。『光市』は、当時(19060年代である)、広島の学校がよく臨海学校で行くところであったからである。そして、最初は臨海学校に興味なさげであった少女『トシエ』が、ビエール少年と(だけではないが)教室で一緒に寝ることになるであろう臨海学校に眼を輝かせ、あろうことかネグリジェを着るとまで云い出し、ビエール少年は、『かわいい魔女ジニー』の姿態を思い出し、股間に『異変」を生じさせていたが、『ボッキ』少年の言葉で、どうにか『本願寺』が『東』と『西』とに別れた事情へと話は戻ったのではあった。だが、『浄土真宗』を広めた『親鸞』の子孫『蓮如』の関連して、晩年、『浄土真宗』に改宗した『一休さん』へとまたまた話は逸れたが、ビエール少年は、なんとかまた『本願寺』が『東』と『西』とに別れた事情へと話は戻し、『信長』が和睦の為、『本願寺』に渡した『一文字呉器』に言及したところ、少女『トシエ』は、『呉器』を『ゴキブリ』と勘違いし、『ボッキ』少年は、『一文』から『ジャイアント馬場』の『十六文キック』の言及してきたので、ビエール少年は、あらためて『一文字呉器』を解説したが、『ボッキ」少年がなかなか理解できないでいる様子である一方、少女『トシエ』は、『ジャイアント馬場』の『十六文』は、実は『文』ではなくアメリカの靴のサイズに由来するというビエール少年の説明を理解していることを自慢し、更に、ビエール少年がアメリカの靴のサイズのことまで知っていることまで自慢げに云い、アメリカで靴を買う時にはビエール少年に付き添って欲しいと云い出し、その際には『ガラスの靴』を買うと云ったことから、話は、今度は、『シンデレラ』に及び、ビエール少年は、『シンデレラ』があだ名であり、その名前の由来について言及していたところ、少女『トシエ』がいきなり、「ひゃああ!『バド』いうたらあ!」と叫び声を上げた。そして、『シンデレラ』からさらに派生してドイツの国鉄の名前を出したところ、少女『トシエ』がまた、「ひゃああ!『バド』いうたらあ!」と、ビエール少年のドイツ語力に感激し、叫び声を上げたのもものかわ、ビエール少年は、ドイツ語、フランス語、英語で、『シンデレラ』の名前の由来を解説したが、『ボッキ』少年は、話を『本願寺』が『東』と『西』とに別れた事情を戻すよう要求したものの、話は、また『ゴキブリ』から『アブラムシ』、そして、その英語『コックローチ』、更に、スペイン語の『クカラチャ』へと展開してしまった。そこからまた、スペインに絡んで、少女『トシエ』が情熱的な『フラメンコ』を踊りたいと云い出し、更に更に話は派生し、『星のフラメンコ』を歌った『西郷輝彦』から、当時(1960年代である)の歌手の『御三家』の『橋幸夫』、『舟木一夫』、そして、『舟木一夫』のヒット曲『高校三年生』へと展開し、今、『高校』という言葉から『広島皆実高校』について、『ボッキ』少年と少女『トシエ』は、語り始め、少女『トシエ』は、『広島皆実高校』にある『衛生看護科』に入って、看護婦になりたいと云った。で、『ボッキ』少年は、『広島皆実高校』は、元は『県女』だと云い、続けて、何故か、当時(1967年頃である)始った視聴者参加のテレビ番組『家族そろって歌合戦』の審査委員長である作曲家『高木東六』を出してきた。それは、『高木東六』が、自分の妻が『広島皆実高校』の前身である『広島県立広島高等女学校』(『県女』)の出身であることから、『広島皆実高校』の校歌を作曲したからであった、と『ボッキ』少年は説明したが、ビエール少年は、そのことに興味なさげであった為、『ボッキ』少年は、美人女優『月丘夢路』も『県女』出身だと説明したところ、少女『トシエ』が、自分も『皆実』の『看護科』に入って、『月丘夢路』みたいな美人の看護婦さんになると云い出し、ビエール少年には、『広島皆実高校』から『広島大学』の医学部に入り、医者になることを強く奨め、僧侶になるのなら『崇徳高校』だろうけれどそうではないだろうし、と『バレー』の強豪校『崇徳高校』の名前を出してきた。そこから、広島市内の他の宗教系学校の名前が出てきたものの、少女『トシエ』が、ビエール少年には『皆実』に行って欲しいと発言したが、『ボッキ』少年が、突然、「あ、ほうじゃ、『浄土真宗』じゃ」と叫び、『本願寺』が『東』と『西』とに別れたことに戻そうとしたものの、少女『トシエ』が、『崇徳高校』には相撲部があり(19060年代当時のことだ)、相撲に関連して、『巨人、大鵬、卵焼き』という言葉に言及し、『大鵬』は『巨人』の仲間だから好きではない、と云い出し、話はそこから『卵焼き』、ビエール少年の母親、『目玉焼き』、更には、『サニーサイドアップ』日産自動車のクルマ『サニー』へと逸れていっていた。そして、ようやくビエール少年は、『サニーサイドアップ』から『サニーサイドダウン』、つまり、『オーバーイージー』の説明に移り、加えて、『目玉焼き』の他の焼き方についても説明したが、『目玉焼き』に何をかけるかでもめ、そこから『目玉焼き』は『洋食』か『和食』かの議論となり、話は逸れに逸れ、『洋食』から『ハンバーグ』、『タルタル人』、ウルトラQ』や『ウルトラマン』の怪獣へ、更には、それらを作った『円谷英二』の『円谷』という苗字の読み方へと派生し、続けて、『円谷』の『円』の旧字『圓』の成り立ちを、ビエール少年は説明し、その『圓』の漢字を持つ落語家『三遊亭圓生』の名を挙げたところ、『ボッキ』少年が、甲高い声で『山のアナアナ』、『山のアナアナアナ、アナタ、もう寝ましょうよ』と、『三遊亭歌奴』の落語を持ち出し、その延長で、『林家三平』の名前を出し、それを受けた少女『トシエ』が、『林家三平』の歌『好きです(ヨシコさん)』を歌い出し、それを唄え、とビーエル少年に促した。ビエール少年は、少女『トシエ』が、『好きです(ヨシコさん)』の歌の中の一節『♫キスさせてえ』を歌いながら、唇を突き出したきたことに動揺しながら、自分は『林家三平』が好きではなく、『圓生』、『圓楽』、『小さん』、『馬生』、『志ん朝』といった落語家が好きで、落語はやはり、西の方じゃなく、やはり東の方、『江戸落語』がいい、と云ったところ、『おお、そうじゃった!』、と『ボッキ』少年が、大きな声を上げ、またまた、話を『本願寺』が『東』と『西』とに別れた事情を戻したのであったが、浄土真宗の宗主『顕如』が、『信長』と和睦し、『石山本願寺』を明け渡して、和歌山にある本願寺の『鷺森別院』に移ったことから、和歌山の梅の話になり、少女『トシエ』が、自分は、キスは『バド』が初めてじゃなく、唇はもう奪われている、ととんでもないことを云い出した。しかし、『ボッキ』少年が、『本願寺』が『東』と『西』とに別れた理由へと、話のテーマを戻し、ビエール少年は、『顕如』とその長男『教如』との対『信長』への方向性の違いや、しかし、結局は、『石山本願寺』は『信長』に明け渡されることになったことを説明したが、そこに突然、『光秀』の名前を持ち出してきたのだ。しかし、『ボッキ』少年は、『光秀』が『本願寺』の分裂とどう関わっていたのか、と問うたものの、少女『トシエ』は、ビエール少年の口から、『光秀』を演じた俳優『佐藤慶』を聞き、自分は、『佐藤』なら『三郎』の方がいい、と、俳優『山本圭』が演じた人気テレビ・ドラマ『若者たち』の『佐藤三郎』に言及したところ、ビエール少年が、『佐藤三郎』は『学生運動家』だったと云ってきた。そこから、『学生運動』とは何か、『安保』とは何かへと話は派生しかけたが、少女『トシエ』は、『安保』を『あんこ』と聞き違え、『ちから』といううどん屋には『おはぎ』もあると云い出した。しかし、ビエール少年は、その『ちから』という店は、元は大阪の方のお店『力餅食堂』との関係にあるのでは、と言及したものの、話は、『豊登』や『豊登』得意の『サバ折り』へと逸れていったが、なんとかまた『安保』、つまり『安全保障条約』へと話を戻した。然り乍ら、少女『トシエ』は、『安全』を交通安全や別の安全と勘違いし、『大松』なる人物の生を出してきたのであった。


「へ?『ダイマツ』?それ、自衛隊の人?」


ビエール少年は、あらためて『ダイマツ』と聞いても、それが何なのか、誰なのかピンとこなかった。『安保』に関わる軍事、政治の世界のことはまだよく知らないながらも、そこに『ダイマツ』という人の名前を聞いた覚えがなかったのだ。


「なーん云いよるん?ああ、ほうかあ、『バド』は『ユーベ』におったけえ、知らんのんじゃね。『大松』監督が考えた『回転レシーブ』があったら、『ソ連』の攻撃なんかにゃあ、負けんよおねえ」


と、少女『トシエ』は、『大松』なる人について、もう少し具体的な説明を付け加えた。


「ああ、バレーボールの『大松』監督のことだったんだね」


ビエール少年は、『回転レシーブ』で、ようやく『大松』が、日本女子バレーボールチームを1964年の東京オリンピックで金メダルに導いた監督であることを認識した。


「お母ちゃんも、ママさんバレーで、ようけえ『回転レシーブ』しとるんよ。じゃけえ、『ソ連』が攻撃してきても、お母ちゃんが、日本を守ってくれるよおね。お母ちゃん、強いんよ。お父ちゃんより強いんじゃけえ。お父ちゃん、いつもお母ちゃんに、『アンタあ、いらんこと云んさんな!』いうて怒られとるんよ」




「いや、『安全保障条約』って、バレーボールのことじゃなくって、『ソ連』なんかが武力で攻撃してきた時の為のものらしいんだ」


と、ビエール少年が、話をバレーボールから元に戻したところ、


「ああ、そのことなんかあ…」


と、『ボッキ』少年が、何故か、顔を曇らせた。


「え!『ソ連』が、バレーボールじゃのうて、爆弾なんかで、日本に攻めてくるん?」


少女『トシエ』も、不安げな表情を顔に浮かべた。



(続く)




2023年1月8日日曜日

【牛田デラシネ中学生】変態の作られ方[その381]

 


「なんねえ、その『あ・ん・ぽ』いうんは?」


と、少女『トシエ』は、無邪気に『安保(あんぽ)』という言葉を口にした。


1967年4月のある土曜日、広島市立牛田中学を出た1年X組のビエール少年と『ボッキ』少年が、『ハナタバ』少年と、後で『秘密の入口』で会おう、と別れたところであった。いつからか、ビエール少年と『ボッキ』少年の背後にいた少女『トシエ』が、『秘密』という言葉を捉え、何の『秘密』か追求していたところ、遠りがかった赤い髪の若い外国人女性が、『バド』と呼ばれているビエール少年に対して、アメリカ人なのかと訊き、ビエール少年と英語での会話を交わしたのを見て、『ボッキ』少年と少女『トシエ』が、ビエール少年の英語力に感嘆していたことから、ビエール少年が見ているというNHK教育テレビの『テレビ英語会話』話題へとなっていた。そして、更に、少女『トシエ』が、奥さんが英語喋れない訳にはいかないから、自分も『テレビ英語会話』見るようにすると云い出し、少女の妄想は、ビエール少年の妻となった自分が、『整体拝受』の際の『ホスチア』だって作るかもしれない、とまで拡がっていっていた。しかし、『ボッキ』少年が、自分はキリスト教の知識のない理由として、お経の一節、『ナ~ムア~ミダ~ンブー』を唱えたことから、広島には『浄土真宗』の家が多いらしい、とビエール少年が博識ぶりを見せ、『ボッキ』少年も『東本願寺』、『西本願寺』を持ち出しはしたものの、『浄土真宗』が『東』と『西』とに別れた事情を知らず、ビーエル少年が、元は一つの『本願寺』だった『石山本願寺』を信長が攻撃したことが原因と説明しだした。そして、その『石山本願寺』信長がなかなか攻め切れなかったのは、『毛利輝元』が『石山本願寺』に食料とか武器なんかを提供して味方したからだとも説明をしたのだ。そこで、少女『トシエ』が、『石山本願寺』にお好み焼きも差し入れしたのだろうか、と云い出し、ビエール少年はそれを否定したが、少女『トシエ』は今度は、『もみじ饅頭』を差し入れしたのだろう、と云い出しことから、話は『もみじ饅頭』という名前の謂れ(『伊藤博文』が名前のヒントを与えた)へと派生していっていた。だが、話は、『伊藤博文』が、山口県光市出身であることから、『夢の超特急』に移っていったものの、今度は、『光市』から臨海学校へと移ってきたのであった。『光市』は、当時(19060年代である)、広島の学校がよく臨海学校で行くところであったからである。そして、最初は臨海学校に興味なさげであった少女『トシエ』が、ビエール少年と(だけではないが)教室で一緒に寝ることになるであろう臨海学校に眼を輝かせ、あろうことかネグリジェを着るとまで云い出し、ビエール少年は、『かわいい魔女ジニー』の姿態を思い出し、股間に『異変」を生じさせていたが、『ボッキ』少年の言葉で、どうにか『本願寺』が『東』と『西』とに別れた事情へと話は戻ったのではあった。だが、『浄土真宗』を広めた『親鸞』の子孫『蓮如』の関連して、晩年、『浄土真宗』に改宗した『一休さん』へとまたまた話は逸れたが、ビエール少年は、なんとかまた『本願寺』が『東』と『西』とに別れた事情へと話は戻し、『信長』が和睦の為、『本願寺』に渡した『一文字呉器』に言及したところ、少女『トシエ』は、『呉器』を『ゴキブリ』と勘違いし、『ボッキ』少年は、『一文』から『ジャイアント馬場』の『十六文キック』の言及してきたので、ビエール少年は、あらためて『一文字呉器』を解説したが、『ボッキ」少年がなかなか理解できないでいる様子である一方、少女『トシエ』は、『ジャイアント馬場』の『十六文』は、実は『文』ではなくアメリカの靴のサイズに由来するというビエール少年の説明を理解していることを自慢し、更に、ビエール少年がアメリカの靴のサイズのことまで知っていることまで自慢げに云い、アメリカで靴を買う時にはビエール少年に付き添って欲しいと云い出し、その際には『ガラスの靴』を買うと云ったことから、話は、今度は、『シンデレラ』に及び、ビエール少年は、『シンデレラ』があだ名であり、その名前の由来について言及していたところ、少女『トシエ』がいきなり、「ひゃああ!『バド』いうたらあ!」と叫び声を上げた。そして、『シンデレラ』からさらに派生してドイツの国鉄の名前を出したところ、少女『トシエ』がまた、「ひゃああ!『バド』いうたらあ!」と、ビエール少年のドイツ語力に感激し、叫び声を上げたのもものかわ、ビエール少年は、ドイツ語、フランス語、英語で、『シンデレラ』の名前の由来を解説したが、『ボッキ』少年は、話を『本願寺』が『東』と『西』とに別れた事情を戻すよう要求したものの、話は、また『ゴキブリ』から『アブラムシ』、そして、その英語『コックローチ』、更に、スペイン語の『クカラチャ』へと展開してしまった。そこからまた、スペインに絡んで、少女『トシエ』が情熱的な『フラメンコ』を踊りたいと云い出し、更に更に話は派生し、『星のフラメンコ』を歌った『西郷輝彦』から、当時(1960年代である)の歌手の『御三家』の『橋幸夫』、『舟木一夫』、そして、『舟木一夫』のヒット曲『高校三年生』へと展開し、今、『高校』という言葉から『広島皆実高校』について、『ボッキ』少年と少女『トシエ』は、語り始め、少女『トシエ』は、『広島皆実高校』にある『衛生看護科』に入って、看護婦になりたいと云った。で、『ボッキ』少年は、『広島皆実高校』は、元は『県女』だと云い、続けて、何故か、当時(1967年頃である)始った視聴者参加のテレビ番組『家族そろって歌合戦』の審査委員長である作曲家『高木東六』を出してきた。それは、『高木東六』が、自分の妻が『広島皆実高校』の前身である『広島県立広島高等女学校』(『県女』)の出身であることから、『広島皆実高校』の校歌を作曲したからであった、と『ボッキ』少年は説明したが、ビエール少年は、そのことに興味なさげであった為、『ボッキ』少年は、美人女優『月丘夢路』も『県女』出身だと説明したところ、少女『トシエ』が、自分も『皆実』の『看護科』に入って、『月丘夢路』みたいな美人の看護婦さんになると云い出し、ビエール少年には、『広島皆実高校』から『広島大学』の医学部に入り、医者になることを強く奨め、僧侶になるのなら『崇徳高校』だろうけれどそうではないだろうし、と『バレー』の強豪校『崇徳高校』の名前を出してきた。そこから、広島市内の他の宗教系学校の名前が出てきたものの、少女『トシエ』が、ビエール少年には『皆実』に行って欲しいと発言したが、『ボッキ』少年が、突然、「あ、ほうじゃ、『浄土真宗』じゃ」と叫び、『本願寺』が『東』と『西』とに別れたことに戻そうとしたものの、少女『トシエ』が、『崇徳高校』には相撲部があり(19060年代当時のことだ)、相撲に関連して、『巨人、大鵬、卵焼き』という言葉に言及し、『大鵬』は『巨人』の仲間だから好きではない、と云い出し、話はそこから『卵焼き』、ビエール少年の母親、『目玉焼き』、更には、『サニーサイドアップ』日産自動車のクルマ『サニー』へと逸れていっていた。そして、ようやくビエール少年は、『サニーサイドアップ』から『サニーサイドダウン』、つまり、『オーバーイージー』の説明に移り、加えて、『目玉焼き』の他の焼き方についても説明したが、『目玉焼き』に何をかけるかでもめ、そこから『目玉焼き』は『洋食』か『和食』かの議論となり、話は逸れに逸れ、『洋食』から『ハンバーグ』、『タルタル人』、ウルトラQ』や『ウルトラマン』の怪獣へ、更には、それらを作った『円谷英二』の『円谷』という苗字の読み方へと派生し、続けて、『円谷』の『円』の旧字『圓』の成り立ちを、ビエール少年は説明し、その『圓』の漢字を持つ落語家『三遊亭圓生』の名を挙げたところ、『ボッキ』少年が、甲高い声で『山のアナアナ』、『山のアナアナアナ、アナタ、もう寝ましょうよ』と、『三遊亭歌奴』の落語を持ち出し、その延長で、『林家三平』の名前を出し、それを受けた少女『トシエ』が、『林家三平』の歌『好きです(ヨシコさん)』を歌い出し、それを唄え、とビーエル少年に促した。ビエール少年は、少女『トシエ』が、『好きです(ヨシコさん)』の歌の中の一節『♫キスさせてえ』を歌いながら、唇を突き出したきたことに動揺しながら、自分は『林家三平』が好きではなく、『圓生』、『圓楽』、『小さん』、『馬生』、『志ん朝』といった落語家が好きで、落語はやはり、西の方じゃなく、やはり東の方、『江戸落語』がいい、と云ったところ、『おお、そうじゃった!』、と『ボッキ』少年が、大きな声を上げ、またまた、話を『本願寺』が『東』と『西』とに別れた事情を戻したのであったが、浄土真宗の宗主『顕如』が、『信長』と和睦し、『石山本願寺』を明け渡して、和歌山にある本願寺の『鷺森別院』に移ったことから、和歌山の梅の話になり、少女『トシエ』が、自分は、キスは『バド』が初めてじゃなく、唇はもう奪われている、ととんでもないことを云い出した。しかし、『ボッキ』少年が、『本願寺』が『東』と『西』とに別れた理由へと、話のテーマを戻し、ビエール少年は、『顕如』とその長男『教如』との対『信長』への方向性の違いや、しかし、結局は、『石山本願寺』は『信長』に明け渡されることになったことを説明したが、そこに突然、『光秀』の名前を持ち出してきたのだ。しかし、『ボッキ』少年は、『光秀』が『本願寺』の分裂とどう関わっていたのか、と問うたものの、少女『トシエ』は、ビエール少年の口から、『光秀』を演じた俳優『佐藤慶』を聞き、自分は、『佐藤』なら『三郎』の方がいい、と、俳優『山本圭』が演じた人気テレビ・ドラマ『若者たち』の『佐藤三郎』に言及したところ、ビエール少年が、『佐藤三郎』は『学生運動家』だったと云ってきた。そこから、『学生運動』とは何か、『安保』とは何かへと話は派生しかけたが、少女『トシエ』は、『安保』を『あんこ』と聞き違え、『ちから』といううどん屋には『おはぎ』もあると云い出した。しかし、ビエール少年は、その『ちから』という店は、元は大阪の方のお店『力餅食堂』との関係にあるのでは、と言及したものの、話は、『豊登』や『豊登』得意の『サバ折り』へと逸れていったが、なんとかまた『安保』へと話を戻したところであった。


「あのね、『安保』って、『安全保障条約』のことなんだ」


と、ビエール少年は、『安保』を省略せずに云ったつもりであったが、実は、1952年(昭和27年)から1960年(昭和35年)までの『安保』は、正確には、『日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約』であり、1960年(昭和35年)以降の『安保』は、『日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約』であった。


「『安全ほしょう』?ああ、『緑のおばさん』なんかのことなん?」


と、少女『トシエ』は、その頃、全国的に広がっていっていた『学童擁護員』、つまり、小学生の通学路に立って、児童の通学の安全を保つ女性(おばさん)のことと勘違いした。




「いや、子どもたちを交通事故から守るんじゃなくって、外国からの攻撃を守る為の条約らしいんだ」

「ああ、『ソ連』からの攻撃なん?」

「うん、確かに、『ソ連』からの攻撃を一番、警戒しているのかもしれないね」

「でも、大丈夫じゃけえ。『大松』さんがおったら、『ソ連』には負けんけえ」

「は?『ダイマル』さん?」


と、ビエール少年は、人気兄弟漫才コンビ『中田ダイマル・ラケット』の兄の『ダイマル』の顔を、不思議に思いながら、思い浮かべた。



(続く)




2023年1月7日土曜日

【牛田デラシネ中学生】変態の作られ方[その380]

 


「ほうじゃろう。『サバ折り』は、凄いじゃろ」


と、『ボッキ』少年は、自慢げに胸を張った。


1967年4月のある土曜日、広島市立牛田中学を出た1年X組のビエール少年と『ボッキ』少年が、『ハナタバ』少年と、後で『秘密の入口』で会おう、と別れたところであった。いつからか、ビエール少年と『ボッキ』少年の背後にいた少女『トシエ』が、『秘密』という言葉を捉え、何の『秘密』か追求していたところ、遠りがかった赤い髪の若い外国人女性が、『バド』と呼ばれているビエール少年に対して、アメリカ人なのかと訊き、ビエール少年と英語での会話を交わしたのを見て、『ボッキ』少年と少女『トシエ』が、ビエール少年の英語力に感嘆していたことから、ビエール少年が見ているというNHK教育テレビの『テレビ英語会話』話題へとなっていた。そして、更に、少女『トシエ』が、奥さんが英語喋れない訳にはいかないから、自分も『テレビ英語会話』見るようにすると云い出し、少女の妄想は、ビエール少年の妻となった自分が、『整体拝受』の際の『ホスチア』だって作るかもしれない、とまで拡がっていっていた。しかし、『ボッキ』少年が、自分はキリスト教の知識のない理由として、お経の一節、『ナ~ムア~ミダ~ンブー』を唱えたことから、広島には『浄土真宗』の家が多いらしい、とビエール少年が博識ぶりを見せ、『ボッキ』少年も『東本願寺』、『西本願寺』を持ち出しはしたものの、『浄土真宗』が『東』と『西』とに別れた事情を知らず、ビーエル少年が、元は一つの『本願寺』だった『石山本願寺』を信長が攻撃したことが原因と説明しだした。そして、その『石山本願寺』信長がなかなか攻め切れなかったのは、『毛利輝元』が『石山本願寺』に食料とか武器なんかを提供して味方したからだとも説明をしたのだ。そこで、少女『トシエ』が、『石山本願寺』にお好み焼きも差し入れしたのだろうか、と云い出し、ビエール少年はそれを否定したが、少女『トシエ』は今度は、『もみじ饅頭』を差し入れしたのだろう、と云い出しことから、話は『もみじ饅頭』という名前の謂れ(『伊藤博文』が名前のヒントを与えた)へと派生していっていた。だが、話は、『伊藤博文』が、山口県光市出身であることから、『夢の超特急』に移っていったものの、今度は、『光市』から臨海学校へと移ってきたのであった。『光市』は、当時(19060年代である)、広島の学校がよく臨海学校で行くところであったからである。そして、最初は臨海学校に興味なさげであった少女『トシエ』が、ビエール少年と(だけではないが)教室で一緒に寝ることになるであろう臨海学校に眼を輝かせ、あろうことかネグリジェを着るとまで云い出し、ビエール少年は、『かわいい魔女ジニー』の姿態を思い出し、股間に『異変」を生じさせていたが、『ボッキ』少年の言葉で、どうにか『本願寺』が『東』と『西』とに別れた事情へと話は戻ったのではあった。だが、『浄土真宗』を広めた『親鸞』の子孫『蓮如』の関連して、晩年、『浄土真宗』に改宗した『一休さん』へとまたまた話は逸れたが、ビエール少年は、なんとかまた『本願寺』が『東』と『西』とに別れた事情へと話は戻し、『信長』が和睦の為、『本願寺』に渡した『一文字呉器』に言及したところ、少女『トシエ』は、『呉器』を『ゴキブリ』と勘違いし、『ボッキ』少年は、『一文』から『ジャイアント馬場』の『十六文キック』の言及してきたので、ビエール少年は、あらためて『一文字呉器』を解説したが、『ボッキ」少年がなかなか理解できないでいる様子である一方、少女『トシエ』は、『ジャイアント馬場』の『十六文』は、実は『文』ではなくアメリカの靴のサイズに由来するというビエール少年の説明を理解していることを自慢し、更に、ビエール少年がアメリカの靴のサイズのことまで知っていることまで自慢げに云い、アメリカで靴を買う時にはビエール少年に付き添って欲しいと云い出し、その際には『ガラスの靴』を買うと云ったことから、話は、今度は、『シンデレラ』に及び、ビエール少年は、『シンデレラ』があだ名であり、その名前の由来について言及していたところ、少女『トシエ』がいきなり、「ひゃああ!『バド』いうたらあ!」と叫び声を上げた。そして、『シンデレラ』からさらに派生してドイツの国鉄の名前を出したところ、少女『トシエ』がまた、「ひゃああ!『バド』いうたらあ!」と、ビエール少年のドイツ語力に感激し、叫び声を上げたのもものかわ、ビエール少年は、ドイツ語、フランス語、英語で、『シンデレラ』の名前の由来を解説したが、『ボッキ』少年は、話を『本願寺』が『東』と『西』とに別れた事情を戻すよう要求したものの、話は、また『ゴキブリ』から『アブラムシ』、そして、その英語『コックローチ』、更に、スペイン語の『クカラチャ』へと展開してしまった。そこからまた、スペインに絡んで、少女『トシエ』が情熱的な『フラメンコ』を踊りたいと云い出し、更に更に話は派生し、『星のフラメンコ』を歌った『西郷輝彦』から、当時(1960年代である)の歌手の『御三家』の『橋幸夫』、『舟木一夫』、そして、『舟木一夫』のヒット曲『高校三年生』へと展開し、今、『高校』という言葉から『広島皆実高校』について、『ボッキ』少年と少女『トシエ』は、語り始め、少女『トシエ』は、『広島皆実高校』にある『衛生看護科』に入って、看護婦になりたいと云った。で、『ボッキ』少年は、『広島皆実高校』は、元は『県女』だと云い、続けて、何故か、当時(1967年頃である)始った視聴者参加のテレビ番組『家族そろって歌合戦』の審査委員長である作曲家『高木東六』を出してきた。それは、『高木東六』が、自分の妻が『広島皆実高校』の前身である『広島県立広島高等女学校』(『県女』)の出身であることから、『広島皆実高校』の校歌を作曲したからであった、と『ボッキ』少年は説明したが、ビエール少年は、そのことに興味なさげであった為、『ボッキ』少年は、美人女優『月丘夢路』も『県女』出身だと説明したところ、少女『トシエ』が、自分も『皆実』の『看護科』に入って、『月丘夢路』みたいな美人の看護婦さんになると云い出し、ビエール少年には、『広島皆実高校』から『広島大学』の医学部に入り、医者になることを強く奨め、僧侶になるのなら『崇徳高校』だろうけれどそうではないだろうし、と『バレー』の強豪校『崇徳高校』の名前を出してきた。そこから、広島市内の他の宗教系学校の名前が出てきたものの、少女『トシエ』が、ビエール少年には『皆実』に行って欲しいと発言したが、『ボッキ』少年が、突然、「あ、ほうじゃ、『浄土真宗』じゃ」と叫び、『本願寺』が『東』と『西』とに別れたことに戻そうとしたものの、少女『トシエ』が、『崇徳高校』には相撲部があり(19060年代当時のことだ)、相撲に関連して、『巨人、大鵬、卵焼き』という言葉に言及し、『大鵬』は『巨人』の仲間だから好きではない、と云い出し、話はそこから『卵焼き』、ビエール少年の母親、『目玉焼き』、更には、『サニーサイドアップ』日産自動車のクルマ『サニー』へと逸れていっていた。そして、ようやくビエール少年は、『サニーサイドアップ』から『サニーサイドダウン』、つまり、『オーバーイージー』の説明に移り、加えて、『目玉焼き』の他の焼き方についても説明したが、『目玉焼き』に何をかけるかでもめ、そこから『目玉焼き』は『洋食』か『和食』かの議論となり、話は逸れに逸れ、『洋食』から『ハンバーグ』、『タルタル人』、ウルトラQ』や『ウルトラマン』の怪獣へ、更には、それらを作った『円谷英二』の『円谷』という苗字の読み方へと派生し、続けて、『円谷』の『円』の旧字『圓』の成り立ちを、ビエール少年は説明し、その『圓』の漢字を持つ落語家『三遊亭圓生』の名を挙げたところ、『ボッキ』少年が、甲高い声で『山のアナアナ』、『山のアナアナアナ、アナタ、もう寝ましょうよ』と、『三遊亭歌奴』の落語を持ち出し、その延長で、『林家三平』の名前を出し、それを受けた少女『トシエ』が、『林家三平』の歌『好きです(ヨシコさん)』を歌い出し、それを唄え、とビーエル少年に促した。ビエール少年は、少女『トシエ』が、『好きです(ヨシコさん)』の歌の中の一節『♫キスさせてえ』を歌いながら、唇を突き出したきたことに動揺しながら、自分は『林家三平』が好きではなく、『圓生』、『圓楽』、『小さん』、『馬生』、『志ん朝』といった落語家が好きで、落語はやはり、西の方じゃなく、やはり東の方、『江戸落語』がいい、と云ったところ、『おお、そうじゃった!』、と『ボッキ』少年が、大きな声を上げ、またまた、話を『本願寺』が『東』と『西』とに別れた事情を戻したのであったが、浄土真宗の宗主『顕如』が、『信長』と和睦し、『石山本願寺』を明け渡して、和歌山にある本願寺の『鷺森別院』に移ったことから、和歌山の梅の話になり、少女『トシエ』が、自分は、キスは『バド』が初めてじゃなく、唇はもう奪われている、ととんでもないことを云い出した。しかし、『ボッキ』少年が、『本願寺』が『東』と『西』とに別れた理由へと、話のテーマを戻し、ビエール少年は、『顕如』とその長男『教如』との対『信長』への方向性の違いや、しかし、結局は、『石山本願寺』は『信長』に明け渡されることになったことを説明したが、そこに突然、『光秀』の名前を持ち出してきたのだ。しかし、『ボッキ』少年は、『光秀』が『本願寺』の分裂とどう関わっていたのか、と問うたものの、少女『トシエ』は、ビエール少年の口から、『光秀』を演じた俳優『佐藤慶』を聞き、自分は、『佐藤』なら『三郎』の方がいい、と、俳優『山本圭』が演じた人気テレビ・ドラマ『若者たち』の『佐藤三郎』に言及したところ、ビエール少年が、『佐藤三郎』は『学生運動家』だったと云ってきた。そこから、『学生運動』とは何か、『安保』とは何かへと話は派生しかけたが、少女『トシエ』は、『安保』を『あんこ』と聞き違え、『ちから』といううどん屋には『おはぎ』もあると云い出した。しかし、ビエール少年は、その『ちから』という店は、元は大阪の方のお店『力餅食堂』との関係に言及し始めたところ、その『力餅食堂』は、『豊登』が経営する店か、と問い、『豊登』得意の『サバ折り』をビエール少年にかけ、ビエール少年は、驚くと共に、その痛さに呼吸を乱したが、そこに、今度は、少女『トシエ』が抱きついてきた。ビエール少年は、驚くと共に、自らの体のある部分に『異変』が生じたことから、少女『トシエ』を思わず、突き放したのであった。


「じゃけどのお、『豊登』の『サバ折り』は、こうようなもんじゃのうて、もっともっと凄かったんじゃけえ。『豊登』は、プロレスの前は相撲取りで、体がごつうて、『力持ち』なんじゃ。じゃけど、最近、テレビで見んようになったがのお」


『豊登』は、力道山の死後、『日本プロレス』の社長にしてエースとなったが、会社のお金を流用してギャンブルをしていたことから、1965年に、『日本プロレス』を追われていたのだ。そんな事情を、今程に、マスコミが発達していない当時(1960年代である)、中学一年生の『ボッキ』少年は知らなかった。


「ウチ、『豊登』いうんはよう知らんけど、『豊登』よりもっと凄い『サバ折り』、もう一回、やったぎょうかねえ。『バド』、『サバ折り』かけられれるん好きじゃろ?」


と云いながら、少女『トシエ』は、またビエール少年の股間に目を落とした。


「え?あ、いや、もういいよ。うん、ああ、その『豊登』が『力持ち』だから、ってことなんだね。でも、『豊登』っていう人は、『力餅食堂』とは関係ないと思うよ」


と、ビエール少年は、また学生鞄を自らの体の前に持って行きながら、話を『力餅食堂』に戻した。


「でね。その『力餅食堂』から暖簾分けしてもらった店が、色々なところにできたらしいから、広島の『ちから』っていうお店もその一つじゃないかなあ」

「ええ?暖簾を分けたら、その『力餅食堂』の暖簾が小そうなってしまうんじゃないん?」

「ああ、『暖簾分け』って、そのお店で修行した人なんかが独立して自分のお店を出す時に、そのお店の名前か、その名前に似た名前を使うことを認めることなんだよ。江戸時代の頃に、そういった名前の入った暖簾を使うことを認めたから、『暖簾分け』っていうようになったみたいなんだ」




「ほうなんねえ。じゃけど、ウチ、『ちから』のおはぎが一番美味しい思うんよ」

「あ、そうだ、『安保』だったね。うん、『若者たち』の『佐藤三郎』がいた『学生運動』って、『おはぎ』なんかの『あんこ』じゃなくって、『安保(あ・ん・ぽ)』反対なんかをした活動のことなんだよ」


と、ビエール少年は、『安保(あんぽ)』という言葉を一文字一文字区切りながら、明確さを出すように発音した。



(続く)





2023年1月6日金曜日

【牛田デラシネ中学生】変態の作られ方[その379]

 


「え!え!ええー!」


と、ビエール少年は、『ボッキ』少年に抱きつかれた時以上に大きな叫び声を上げた。


1967年4月のある土曜日、広島市立牛田中学を出た1年X組のビエール少年と『ボッキ』少年が、『ハナタバ』少年と、後で『秘密の入口』で会おう、と別れたところであった。いつからか、ビエール少年と『ボッキ』少年の背後にいた少女『トシエ』が、『秘密』という言葉を捉え、何の『秘密』か追求していたところ、遠りがかった赤い髪の若い外国人女性が、『バド』と呼ばれているビエール少年に対して、アメリカ人なのかと訊き、ビエール少年と英語での会話を交わしたのを見て、『ボッキ』少年と少女『トシエ』が、ビエール少年の英語力に感嘆していたことから、ビエール少年が見ているというNHK教育テレビの『テレビ英語会話』話題へとなっていた。そして、更に、少女『トシエ』が、奥さんが英語喋れない訳にはいかないから、自分も『テレビ英語会話』見るようにすると云い出し、少女の妄想は、ビエール少年の妻となった自分が、『整体拝受』の際の『ホスチア』だって作るかもしれない、とまで拡がっていっていた。しかし、『ボッキ』少年が、自分はキリスト教の知識のない理由として、お経の一節、『ナ~ムア~ミダ~ンブー』を唱えたことから、広島には『浄土真宗』の家が多いらしい、とビエール少年が博識ぶりを見せ、『ボッキ』少年も『東本願寺』、『西本願寺』を持ち出しはしたものの、『浄土真宗』が『東』と『西』とに別れた事情を知らず、ビーエル少年が、元は一つの『本願寺』だった『石山本願寺』を信長が攻撃したことが原因と説明しだした。そして、その『石山本願寺』信長がなかなか攻め切れなかったのは、『毛利輝元』が『石山本願寺』に食料とか武器なんかを提供して味方したからだとも説明をしたのだ。そこで、少女『トシエ』が、『石山本願寺』にお好み焼きも差し入れしたのだろうか、と云い出し、ビエール少年はそれを否定したが、少女『トシエ』は今度は、『もみじ饅頭』を差し入れしたのだろう、と云い出しことから、話は『もみじ饅頭』という名前の謂れ(『伊藤博文』が名前のヒントを与えた)へと派生していっていた。だが、話は、『伊藤博文』が、山口県光市出身であることから、『夢の超特急』に移っていったものの、今度は、『光市』から臨海学校へと移ってきたのであった。『光市』は、当時(19060年代である)、広島の学校がよく臨海学校で行くところであったからである。そして、最初は臨海学校に興味なさげであった少女『トシエ』が、ビエール少年と(だけではないが)教室で一緒に寝ることになるであろう臨海学校に眼を輝かせ、あろうことかネグリジェを着るとまで云い出し、ビエール少年は、『かわいい魔女ジニー』の姿態を思い出し、股間に『異変」を生じさせていたが、『ボッキ』少年の言葉で、どうにか『本願寺』が『東』と『西』とに別れた事情へと話は戻ったのではあった。だが、『浄土真宗』を広めた『親鸞』の子孫『蓮如』の関連して、晩年、『浄土真宗』に改宗した『一休さん』へとまたまた話は逸れたが、ビエール少年は、なんとかまた『本願寺』が『東』と『西』とに別れた事情へと話は戻し、『信長』が和睦の為、『本願寺』に渡した『一文字呉器』に言及したところ、少女『トシエ』は、『呉器』を『ゴキブリ』と勘違いし、『ボッキ』少年は、『一文』から『ジャイアント馬場』の『十六文キック』の言及してきたので、ビエール少年は、あらためて『一文字呉器』を解説したが、『ボッキ」少年がなかなか理解できないでいる様子である一方、少女『トシエ』は、『ジャイアント馬場』の『十六文』は、実は『文』ではなくアメリカの靴のサイズに由来するというビエール少年の説明を理解していることを自慢し、更に、ビエール少年がアメリカの靴のサイズのことまで知っていることまで自慢げに云い、アメリカで靴を買う時にはビエール少年に付き添って欲しいと云い出し、その際には『ガラスの靴』を買うと云ったことから、話は、今度は、『シンデレラ』に及び、ビエール少年は、『シンデレラ』があだ名であり、その名前の由来について言及していたところ、少女『トシエ』がいきなり、「ひゃああ!『バド』いうたらあ!」と叫び声を上げた。そして、『シンデレラ』からさらに派生してドイツの国鉄の名前を出したところ、少女『トシエ』がまた、「ひゃああ!『バド』いうたらあ!」と、ビエール少年のドイツ語力に感激し、叫び声を上げたのもものかわ、ビエール少年は、ドイツ語、フランス語、英語で、『シンデレラ』の名前の由来を解説したが、『ボッキ』少年は、話を『本願寺』が『東』と『西』とに別れた事情を戻すよう要求したものの、話は、また『ゴキブリ』から『アブラムシ』、そして、その英語『コックローチ』、更に、スペイン語の『クカラチャ』へと展開してしまった。そこからまた、スペインに絡んで、少女『トシエ』が情熱的な『フラメンコ』を踊りたいと云い出し、更に更に話は派生し、『星のフラメンコ』を歌った『西郷輝彦』から、当時(1960年代である)の歌手の『御三家』の『橋幸夫』、『舟木一夫』、そして、『舟木一夫』のヒット曲『高校三年生』へと展開し、今、『高校』という言葉から『広島皆実高校』について、『ボッキ』少年と少女『トシエ』は、語り始め、少女『トシエ』は、『広島皆実高校』にある『衛生看護科』に入って、看護婦になりたいと云った。で、『ボッキ』少年は、『広島皆実高校』は、元は『県女』だと云い、続けて、何故か、当時(1967年頃である)始った視聴者参加のテレビ番組『家族そろって歌合戦』の審査委員長である作曲家『高木東六』を出してきた。それは、『高木東六』が、自分の妻が『広島皆実高校』の前身である『広島県立広島高等女学校』(『県女』)の出身であることから、『広島皆実高校』の校歌を作曲したからであった、と『ボッキ』少年は説明したが、ビエール少年は、そのことに興味なさげであった為、『ボッキ』少年は、美人女優『月丘夢路』も『県女』出身だと説明したところ、少女『トシエ』が、自分も『皆実』の『看護科』に入って、『月丘夢路』みたいな美人の看護婦さんになると云い出し、ビエール少年には、『広島皆実高校』から『広島大学』の医学部に入り、医者になることを強く奨め、僧侶になるのなら『崇徳高校』だろうけれどそうではないだろうし、と『バレー』の強豪校『崇徳高校』の名前を出してきた。そこから、広島市内の他の宗教系学校の名前が出てきたものの、少女『トシエ』が、ビエール少年には『皆実』に行って欲しいと発言したが、『ボッキ』少年が、突然、「あ、ほうじゃ、『浄土真宗』じゃ」と叫び、『本願寺』が『東』と『西』とに別れたことに戻そうとしたものの、少女『トシエ』が、『崇徳高校』には相撲部があり(19060年代当時のことだ)、相撲に関連して、『巨人、大鵬、卵焼き』という言葉に言及し、『大鵬』は『巨人』の仲間だから好きではない、と云い出し、話はそこから『卵焼き』、ビエール少年の母親、『目玉焼き』、更には、『サニーサイドアップ』日産自動車のクルマ『サニー』へと逸れていっていた。そして、ようやくビエール少年は、『サニーサイドアップ』から『サニーサイドダウン』、つまり、『オーバーイージー』の説明に移り、加えて、『目玉焼き』の他の焼き方についても説明したが、『目玉焼き』に何をかけるかでもめ、そこから『目玉焼き』は『洋食』か『和食』かの議論となり、話は逸れに逸れ、『洋食』から『ハンバーグ』、『タルタル人』、ウルトラQ』や『ウルトラマン』の怪獣へ、更には、それらを作った『円谷英二』の『円谷』という苗字の読み方へと派生し、続けて、『円谷』の『円』の旧字『圓』の成り立ちを、ビエール少年は説明し、その『圓』の漢字を持つ落語家『三遊亭圓生』の名を挙げたところ、『ボッキ』少年が、甲高い声で『山のアナアナ』、『山のアナアナアナ、アナタ、もう寝ましょうよ』と、『三遊亭歌奴』の落語を持ち出し、その延長で、『林家三平』の名前を出し、それを受けた少女『トシエ』が、『林家三平』の歌『好きです(ヨシコさん)』を歌い出し、それを唄え、とビーエル少年に促した。ビエール少年は、少女『トシエ』が、『好きです(ヨシコさん)』の歌の中の一節『♫キスさせてえ』を歌いながら、唇を突き出したきたことに動揺しながら、自分は『林家三平』が好きではなく、『圓生』、『圓楽』、『小さん』、『馬生』、『志ん朝』といった落語家が好きで、落語はやはり、西の方じゃなく、やはり東の方、『江戸落語』がいい、と云ったところ、『おお、そうじゃった!』、と『ボッキ』少年が、大きな声を上げ、またまた、話を『本願寺』が『東』と『西』とに別れた事情を戻したのであったが、浄土真宗の宗主『顕如』が、『信長』と和睦し、『石山本願寺』を明け渡して、和歌山にある本願寺の『鷺森別院』に移ったことから、和歌山の梅の話になり、少女『トシエ』が、自分は、キスは『バド』が初めてじゃなく、唇はもう奪われている、ととんでもないことを云い出した。しかし、『ボッキ』少年が、『本願寺』が『東』と『西』とに別れた理由へと、話のテーマを戻し、ビエール少年は、『顕如』とその長男『教如』との対『信長』への方向性の違いや、しかし、結局は、『石山本願寺』は『信長』に明け渡されることになったことを説明したが、そこに突然、『光秀』の名前を持ち出してきたのだ。しかし、『ボッキ』少年は、『光秀』が『本願寺』の分裂とどう関わっていたのか、と問うたものの、少女『トシエ』は、ビエール少年の口から、『光秀』を演じた俳優『佐藤慶』を聞き、自分は、『佐藤』なら『三郎』の方がいい、と、俳優『山本圭』が演じた人気テレビ・ドラマ『若者たち』の『佐藤三郎』に言及したところ、ビエール少年が、『佐藤三郎』は『学生運動家』だったと云ってきた。そこから、『学生運動』とは何か、『安保』とは何かへと話は派生しかけたが、少女『トシエ』は、『安保』を『あんこ』と聞き違え、『ちから』といううどん屋には『おはぎ』もあると云い出した。しかし、ビエール少年は、その『ちから』という店は、元は大阪の方のお店『力餅食堂』との関係に言及し始めたところ、その『力餅食堂』は、『豊登』が経営する店か、と問い、『豊登』得意の『サバ折り』をビエール少年にかけ、ビエール少年は、驚くと共に、その痛さに呼吸を乱したが、そこに、今度は、少女『トシエ』が抱きついてきたのだ。


「えーい!えーい!ええーい!」


少女『トシエ』は、掛け声と共に、抱きついたビエール少年の胴を締め上げた。『サバ折り』であった。


「ヒェ~~~!」


ビエール少年は、締め付けられた胴を仰け反らせ、これまでにない叫び声を上げたが、その直後、


「んぐっ!」


と、強く腰を引き、両手を少女『トシエ』と自分の体との間に入れ、少女『トシエ』の体を突き放した。




「え!え!ええー!」


今度は、少女『トシエ』が、大きな叫び声を上げた。しかし、少女『トシエ』が驚いたのは、ビエール少年に突き放されたからではなかった。


「『バド』…」


と、云った少女『トシエ』の視線は、ビエール少年の股間に向けられたままとなっていた。


「いや…ち、ち、違うんだ」


とは云ったものの、ビエール少年は、何がどう違うのか、自分でも分ってはいなかった。少女『トシエ』に抱きつかれ、自らの胸の下辺りに何か弾力のあるものを2つ感じたと思ったら、自らの体のある部分に、条件反射的に、ある『異変』が生じたのだ。


「さ、さ、『サバ折り』っていうの、それ?す、す、す、凄い技だね」


と云いながら、ビエール少年は、学生鞄を自らの体の前に持ってきた。



(続く)





2023年1月5日木曜日

【牛田デラシネ中学生】変態の作られ方[その378]

 


「ど、ど、どうしたの?」


と、ビエール少年は、『ボッキ』少年が取り出した珍妙だが荒々しい仕草に後ずさりした。


1967年4月のある土曜日、広島市立牛田中学を出た1年X組のビエール少年と『ボッキ』少年が、『ハナタバ』少年と、後で『秘密の入口』で会おう、と別れたところであった。いつからか、ビエール少年と『ボッキ』少年の背後にいた少女『トシエ』が、『秘密』という言葉を捉え、何の『秘密』か追求していたところ、遠りがかった赤い髪の若い外国人女性が、『バド』と呼ばれているビエール少年に対して、アメリカ人なのかと訊き、ビエール少年と英語での会話を交わしたのを見て、『ボッキ』少年と少女『トシエ』が、ビエール少年の英語力に感嘆していたことから、ビエール少年が見ているというNHK教育テレビの『テレビ英語会話』話題へとなっていた。そして、更に、少女『トシエ』が、奥さんが英語喋れない訳にはいかないから、自分も『テレビ英語会話』見るようにすると云い出し、少女の妄想は、ビエール少年の妻となった自分が、『整体拝受』の際の『ホスチア』だって作るかもしれない、とまで拡がっていっていた。しかし、『ボッキ』少年が、自分はキリスト教の知識のない理由として、お経の一節、『ナ~ムア~ミダ~ンブー』を唱えたことから、広島には『浄土真宗』の家が多いらしい、とビエール少年が博識ぶりを見せ、『ボッキ』少年も『東本願寺』、『西本願寺』を持ち出しはしたものの、『浄土真宗』が『東』と『西』とに別れた事情を知らず、ビーエル少年が、元は一つの『本願寺』だった『石山本願寺』を信長が攻撃したことが原因と説明しだした。そして、その『石山本願寺』信長がなかなか攻め切れなかったのは、『毛利輝元』が『石山本願寺』に食料とか武器なんかを提供して味方したからだとも説明をしたのだ。そこで、少女『トシエ』が、『石山本願寺』にお好み焼きも差し入れしたのだろうか、と云い出し、ビエール少年はそれを否定したが、少女『トシエ』は今度は、『もみじ饅頭』を差し入れしたのだろう、と云い出しことから、話は『もみじ饅頭』という名前の謂れ(『伊藤博文』が名前のヒントを与えた)へと派生していっていた。だが、話は、『伊藤博文』が、山口県光市出身であることから、『夢の超特急』に移っていったものの、今度は、『光市』から臨海学校へと移ってきたのであった。『光市』は、当時(19060年代である)、広島の学校がよく臨海学校で行くところであったからである。そして、最初は臨海学校に興味なさげであった少女『トシエ』が、ビエール少年と(だけではないが)教室で一緒に寝ることになるであろう臨海学校に眼を輝かせ、あろうことかネグリジェを着るとまで云い出し、ビエール少年は、『かわいい魔女ジニー』の姿態を思い出し、股間に『異変」を生じさせていたが、『ボッキ』少年の言葉で、どうにか『本願寺』が『東』と『西』とに別れた事情へと話は戻ったのではあった。だが、『浄土真宗』を広めた『親鸞』の子孫『蓮如』の関連して、晩年、『浄土真宗』に改宗した『一休さん』へとまたまた話は逸れたが、ビエール少年は、なんとかまた『本願寺』が『東』と『西』とに別れた事情へと話は戻し、『信長』が和睦の為、『本願寺』に渡した『一文字呉器』に言及したところ、少女『トシエ』は、『呉器』を『ゴキブリ』と勘違いし、『ボッキ』少年は、『一文』から『ジャイアント馬場』の『十六文キック』の言及してきたので、ビエール少年は、あらためて『一文字呉器』を解説したが、『ボッキ」少年がなかなか理解できないでいる様子である一方、少女『トシエ』は、『ジャイアント馬場』の『十六文』は、実は『文』ではなくアメリカの靴のサイズに由来するというビエール少年の説明を理解していることを自慢し、更に、ビエール少年がアメリカの靴のサイズのことまで知っていることまで自慢げに云い、アメリカで靴を買う時にはビエール少年に付き添って欲しいと云い出し、その際には『ガラスの靴』を買うと云ったことから、話は、今度は、『シンデレラ』に及び、ビエール少年は、『シンデレラ』があだ名であり、その名前の由来について言及していたところ、少女『トシエ』がいきなり、「ひゃああ!『バド』いうたらあ!」と叫び声を上げた。そして、『シンデレラ』からさらに派生してドイツの国鉄の名前を出したところ、少女『トシエ』がまた、「ひゃああ!『バド』いうたらあ!」と、ビエール少年のドイツ語力に感激し、叫び声を上げたのもものかわ、ビエール少年は、ドイツ語、フランス語、英語で、『シンデレラ』の名前の由来を解説したが、『ボッキ』少年は、話を『本願寺』が『東』と『西』とに別れた事情を戻すよう要求したものの、話は、また『ゴキブリ』から『アブラムシ』、そして、その英語『コックローチ』、更に、スペイン語の『クカラチャ』へと展開してしまった。そこからまた、スペインに絡んで、少女『トシエ』が情熱的な『フラメンコ』を踊りたいと云い出し、更に更に話は派生し、『星のフラメンコ』を歌った『西郷輝彦』から、当時(1960年代である)の歌手の『御三家』の『橋幸夫』、『舟木一夫』、そして、『舟木一夫』のヒット曲『高校三年生』へと展開し、今、『高校』という言葉から『広島皆実高校』について、『ボッキ』少年と少女『トシエ』は、語り始め、少女『トシエ』は、『広島皆実高校』にある『衛生看護科』に入って、看護婦になりたいと云った。で、『ボッキ』少年は、『広島皆実高校』は、元は『県女』だと云い、続けて、何故か、当時(1967年頃である)始った視聴者参加のテレビ番組『家族そろって歌合戦』の審査委員長である作曲家『高木東六』を出してきた。それは、『高木東六』が、自分の妻が『広島皆実高校』の前身である『広島県立広島高等女学校』(『県女』)の出身であることから、『広島皆実高校』の校歌を作曲したからであった、と『ボッキ』少年は説明したが、ビエール少年は、そのことに興味なさげであった為、『ボッキ』少年は、美人女優『月丘夢路』も『県女』出身だと説明したところ、少女『トシエ』が、自分も『皆実』の『看護科』に入って、『月丘夢路』みたいな美人の看護婦さんになると云い出し、ビエール少年には、『広島皆実高校』から『広島大学』の医学部に入り、医者になることを強く奨め、僧侶になるのなら『崇徳高校』だろうけれどそうではないだろうし、と『バレー』の強豪校『崇徳高校』の名前を出してきた。そこから、広島市内の他の宗教系学校の名前が出てきたものの、少女『トシエ』が、ビエール少年には『皆実』に行って欲しいと発言したが、『ボッキ』少年が、突然、「あ、ほうじゃ、『浄土真宗』じゃ」と叫び、『本願寺』が『東』と『西』とに別れたことに戻そうとしたものの、少女『トシエ』が、『崇徳高校』には相撲部があり(19060年代当時のことだ)、相撲に関連して、『巨人、大鵬、卵焼き』という言葉に言及し、『大鵬』は『巨人』の仲間だから好きではない、と云い出し、話はそこから『卵焼き』、ビエール少年の母親、『目玉焼き』、更には、『サニーサイドアップ』日産自動車のクルマ『サニー』へと逸れていっていた。そして、ようやくビエール少年は、『サニーサイドアップ』から『サニーサイドダウン』、つまり、『オーバーイージー』の説明に移り、加えて、『目玉焼き』の他の焼き方についても説明したが、『目玉焼き』に何をかけるかでもめ、そこから『目玉焼き』は『洋食』か『和食』かの議論となり、話は逸れに逸れ、『洋食』から『ハンバーグ』、『タルタル人』、ウルトラQ』や『ウルトラマン』の怪獣へ、更には、それらを作った『円谷英二』の『円谷』という苗字の読み方へと派生し、続けて、『円谷』の『円』の旧字『圓』の成り立ちを、ビエール少年は説明し、その『圓』の漢字を持つ落語家『三遊亭圓生』の名を挙げたところ、『ボッキ』少年が、甲高い声で『山のアナアナ』、『山のアナアナアナ、アナタ、もう寝ましょうよ』と、『三遊亭歌奴』の落語を持ち出し、その延長で、『林家三平』の名前を出し、それを受けた少女『トシエ』が、『林家三平』の歌『好きです(ヨシコさん)』を歌い出し、それを唄え、とビーエル少年に促した。ビエール少年は、少女『トシエ』が、『好きです(ヨシコさん)』の歌の中の一節『♫キスさせてえ』を歌いながら、唇を突き出したきたことに動揺しながら、自分は『林家三平』が好きではなく、『圓生』、『圓楽』、『小さん』、『馬生』、『志ん朝』といった落語家が好きで、落語はやはり、西の方じゃなく、やはり東の方、『江戸落語』がいい、と云ったところ、『おお、そうじゃった!』、と『ボッキ』少年が、大きな声を上げ、またまた、話を『本願寺』が『東』と『西』とに別れた事情を戻したのであったが、浄土真宗の宗主『顕如』が、『信長』と和睦し、『石山本願寺』を明け渡して、和歌山にある本願寺の『鷺森別院』に移ったことから、和歌山の梅の話になり、少女『トシエ』が、自分は、キスは『バド』が初めてじゃなく、唇はもう奪われている、ととんでもないことを云い出した。しかし、『ボッキ』少年が、『本願寺』が『東』と『西』とに別れた理由へと、話のテーマを戻し、ビエール少年は、『顕如』とその長男『教如』との対『信長』への方向性の違いや、しかし、結局は、『石山本願寺』は『信長』に明け渡されることになったことを説明したが、そこに突然、『光秀』の名前を持ち出してきたのだ。しかし、『ボッキ』少年は、『光秀』が『本願寺』の分裂とどう関わっていたのか、と問うたものの、少女『トシエ』は、ビエール少年の口から、『光秀』を演じた俳優『佐藤慶』を聞き、自分は、『佐藤』なら『三郎』の方がいい、と、俳優『山本圭』が演じた人気テレビ・ドラマ『若者たち』の『佐藤三郎』に言及したところ、ビエール少年が、『佐藤三郎』は『学生運動家』だったと云ってきた。そこから、『学生運動』とは何か、『安保』とは何かへと話は派生しかけたが、少女『トシエ』は、『安保』を『あんこ』と聞き違え、『ちから』といううどん屋には『おはぎ』もあると云い出した。しかし、ビエール少年は、その『ちから』という店は、元は大阪の方のお店『力餅食堂』との関係に言及し始めたところ、その『力餅食堂』は、『豊登』が経営する店か、と問いながら、『パッコン、パッコン』と、『ボッキ』少年は、両腕を交差するように体の前面で自らの体に打ち付けたのだ。


「これ、『豊登』よお。知らんのん?」


と、『ボッキ』少年は、また、両腕を交差するように体の前面で自らの体に打ち付けた。それは、『豊登』得意の仕草であったのだ。


「いや、分らないんだけど…」

「『豊登』いうたら、プロレスラーよお。『サバ折り』も得意じゃったで」


と、『ボッキ』少年は、いきなりビエール少年に抱きついてきた。


「ヒェ~!」


何が何やら分らぬまま、ビエール少年は、叫び声を上げた。抱きついてきた『ボッキ』少年に、胴をギュッと締め付けられたのだ。




「これが、『サバ折り』じゃあ」


と、『ボッキ』」少年は、ビエール少年から体を離した。


「いや…や…いきなりい」


ビエール少年は、呼吸が乱れ、何かを云おうとしたが言葉にならない。


「なんねえ!『ボッキ』くん、いうたら、ズルいんじゃけえ。ウチも、『サバ折り』いうんやるけえね!」


と、今度は、少女『トシエ』が、ビエール少年に抱きついてきた。



(続く)