「(盗賊の話をしているけど、盗人猛々しいとは、アイツのことだ!)」
と、ビエール・トンミー氏が、トボけた顔で盗人被りをしているアイツこと友人のエヴァンジェリスト氏の姿を想像していると、エヴァンジェリスト氏から、近い記憶を呼び覚ませるiMessageが届いた。
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「そう、『ターバン』なんよ」
「そういうたら、確か、アンサン、『ターバン』のこと、云うてたな」
「ほおよね。アンタが、どんどん話を逸らしていくけえ、分らんようになとったけど、ワシ、ヒントとして、『ターバン』を出したんよ。思い出したかいねえ?」
「でも、なんのヒントやねん?」
「ありゃ、そこんとこ、もう忘れたん?『ミスター・メモリー』の異名を持つ記憶力抜群のアンタらしゅうないで」
「ああ、わて、興味ないことには記憶力を発揮せんのや」
「アンタ、『カバヤン王国』に興味ないん?」
「ああ、あらへん。ちーともあらへんで」
「『カバヤン王国』が、『アラーの使者』の舞台になっとるのに、興味ないん?」
「なんか、『アラーの使者』のことも、アンサン云うてたようやけど、そもそも『アラーの使者』に興味あらへんのや」
「ほんまヒドイでえ、アンタ。元々、アンタが、『アンサール・アッラー』のこと、話そうとしたんじゃないねえ」
「いや、ワテが云うたんは、<アンサール・アッラー』?なんや、それ?>やで」
「で、結局、アンタ、『カバヤン王国』がどこにあるんか、分らんのん?」
「なんで、そこに話を戻すんや?そないなこと知らへん、云うたやろ」
「『カバヤン王国』がどこにあるのか、いう問いのヒントは、『ターバン』じゃ、云うたじゃろ」
「どうでもエエがな」
「『ターバン』を頭に巻くんは、主に、中東かインドじゃろうがあ」
「それがなんや、ちゅうてんねん」
「なんか冷たい云い方じゃのお。アンタが、好きな『タイガー・ジェット・シン』は、インド系カナダ人じゃけえ、『ターバン』を巻いとるじゃろうに」
「別に好きな訳やあらへん。『タイガー・ジェット・シン』なら知っとる、いうだけのことや。アンサンに教え込まれたさかいな。けど、『タイガー・ジェット・シン』いうことは、『カバヤン王国』はインドにあんのか?インドにあったんか?」
「アンタ、ほんましっかりしてえや。アンタ、『ミスター・メモリー』じゃのうて、『ミスター・目盛り』で、自分の『アレ』の長さばかり測っとるんじゃないん?」
「アッホンダラあ!オゲレツはヤメレ、云うてるやろ!」
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「(アイツ、それでもなくても、訳の分らないことを云っているのに、そこにくだらんオゲレツ・ギャグが入ってくると、もうワヤクチャだ)」
と、ビエール・トンミー氏は、アイツこと友人のエヴァンジェリスト氏について、自分の部屋でおもちゃを手当たり次第に触っても放り投げる幼子をイメージした。
(続く)
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