「(アイツもボケをかましてきたが、まあ、あのオヤジ達が、出してきたものも、ボケといえばボケだったかもしれない)」
と、ビエール・トンミー氏は、アイツこと友人のエヴァンジェリスト氏の歪んだ言葉にも、結果として一縷の真実があることを認め、それを告げるiMessageをエヴァンジェリスト氏に送った。
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「アンサン、ボケかましてきたつもりやろけど、ワテが、『それ、なんドスか?』ちゅう気持ちになったんは、ほんまや」
「おお、やっぱり、ドス突きつけられたんねえ。アンタあ、オシッコちびったじゃろお」
「突きつけられたんは、ドスよりももっとびっくりするもんやったんや」
「おお、アレかあ」
「なんや、なんか分ったんか?」
「アイツら隠れとったんやな」
「アイツら、隠れとるんが本能なんやろからな」
「アンタも、まさか『みさを』とのところを見つかるとは、思うとらんかったじゃろ?」
「『みさを』とのところ?なんのこっちゃ?」
「あれ?お相手は、『みさを』じゃなかったん?」
「『お相手』?ワテ、『露天ジャクジー』には、1人で入ってたんやで」
「ありゃ!?そのホテルにも、『露天ジャクジー』があったん?高級ホテルに入ったんじゃね。1人で『露天ジャクジー』に入ったんは、『みさを』が一緒に入るん、恥ずかしがったからなん?」
「ホテル?アンタ、また、なんか妄想してんのやな?」
「妄想?いや、アンタ、隣人のオヤジとそのテテ親から、『みさを』とホテルに入るところのスクープ写真をつきつけられたんじゃろ?」
「あんなあ…」
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「(アイツ、妄想してたんじゃない。ボクが何を突きつけられたかは、知らないんだろうし、それが何かはどうでもよくて、ただ話をオゲレツに持って行きたかっただけなんだ)」
と、ビエール・トンミー氏は、アイツこと友人のエヴァンジェリスト氏が、こちらに視線を向けることなく、何かの企みを潜めた微笑みを浮かべている姿を思った。
(続く)
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