ラベル トビマス氏 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル トビマス氏 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2017年2月20日月曜日

ライバルは、関口知宏……誰が、『プロの旅人』か?【週刊聞醜・緊急電話インタビュー】




「アンタたちはいいのか?関口知宏にあんなことを云わせておいて」

番号非通知でかかってきた電話に出るなり、相手はそう切り出してきた。

「はあ?君は誰だ?」

失礼極まりない電話だ。

「『週刊聞醜(しゅうかん・ぶんしゅう)』だ」
「え?週刊文春?」
「アンタは、老眼だけでなく、老耳か!いいか、『しゅうかん・ぶんしゅう』のトビマスだ」
「なんだ、そりゃ。切るぞ、この電話」
「アンタもアンタの友だちのビエール・トンミー同様、意気地なしだな」
「ビエール・トンミー?ビエールを知っているのか?」
「アイツは、『週刊聞醜』で変態霊インタビューをしないかと誘ってやってのに、返事がない」
「はあ?変態霊インタビュー?」




「ビエール・トンミーのことはまあいい。それよりも、アンタたちはいいのか?関口知宏にあんなことを云わせておいて」
「関口知宏?何のことだ?それに、アンタ『たち』って、私と、他に誰のことだ?」
「エヴァンジェリスト氏だ。ビエール・トンミーの他のもう一人のアンタの友人だ。二人しかいない友人の内、イケメンな方の友人だ」
「私とエヴァンジェリスト氏が、関口知宏にどうだと云うのだ?」
「アンタたちも見た通り、NHKのBSで放送した『関口知宏のヨーロッパ鉄道の旅』の『イギリス編第2回』で、カーディフからバース・スパに向う電車の中で老婦人に『あなたは学生さん?』と訊かれ、関口知宏は、『プロの旅人(kind of professional tarveller)』と答えたのだ」
「な、な、なんだと!」
「そうだ、そうなんだ。関口知宏は自分のことを『プロの旅人』と云ったのだ」
「ほ、ほ、本当か?!」
「私は生まれてこの方、嘘というものをついたことはない!」
「トモの奴….」
「『プロの旅人』と云えば、君か、アンタのイケメン友人のエヴァンジェリスト氏のことではないのか?」
「そうだ、その通りだ」
「アンタたちは、関口知宏に『プロの旅人』の称号を譲ったのか?」
「いや、譲ったりなんかしていない」
「まあ、世間的には『プロの旅人』は、関口知宏だな。あれだけ、日本国内も世界も鉄道の旅で回っているのだからな。しかも、天下のNHKの番組でだ。一方、アンタは、Blog『プロの旅人』を半年以上、更新できないでいたし、エヴァンジェリスト氏は、病になり、出張は激減しているからな」
「えっ!君はエヴァの病気のことを知っているのか?」
「アンタたちに『プロの旅人』を名乗る資格はない!ハハハハハ」

トビマスと名乗る男は不敵に笑うのであった。





「君は一体、何者なのだ?」

『ツ-、ツーツ~』…しかし、電話はもう切れていた。

怪しい奴だ。ビエール・トンミーも奴に絡まれているのか…….

変態霊インタビューなんて何のことか知らないが、迂闊に応じると怪我をしそうだ。ビエールもそう思っているに違いない。

『週刊聞醜(しゅうかん・ぶんしゅう)』なんて週刊誌、見たことも聞いたこともないが、私の電話番号をどうして知っているのか…….怖い........

今度、連絡があったら、云ってやる。

「ノー・コメントだ。事務所を通してくれ」








2017年2月19日日曜日

「変態霊インタビューをしませんか」【週刊聞醜・緊急依頼状】




「アータ、また、変な郵便が来てたわよ」

帰宅した男は、夕飯の準備をする夫人に台所からそう声をかけられた。

「きっと、怪しいDMよ。エロ・ビデオのセールスじゃあないの?」

男が着ているのは、パジャマのようにも見えた、というか、パジャマであった。帰宅したばかりで着替えていないはずなのだから、パジャマではないのかと思われるであろうが、男は、「パジャマで外出する男」なのである。




しかし、もう2週間は洗濯をしていないので、男の体は異臭を放っていた。

『きっと、またアソコからだ』

男は、そう確信し、食卓に置かれた郵便を手に取った。

「ビエール・トンミー様」と書かれた封書である。

そして、やはり差出人は、「週刊聞醜」であった


       ===========================

「変態の科学」教祖にして『総裁』であり『会長』であり『グル』ある
ビエール・トンミー様


   『緊急依頼状:変態霊インタビューをしませんか』


感銘とはこのことを云うのだと初めて知りました、先生。

先生の「回答状」程、世界の真理を教えるものはないでしょう。

ロマン・ポルノ「団地妻 昼下がりの情事」が、スコセッシ 監督の「沈黙」に繋がるとは、白川和子も、遠藤周作もスコセッシも予想だにしなかったでしょう。

先生は、世界を変える力をお持ちの方です。怪人2号や怪鹿が「変態の科学」に出家、入信を望むのも必然です。

そこで、先生にお願いがあります。

先生の教えでは、世の総ての者は変態であるそうですね。皆、自身も知らぬ内に、変態霊に取り憑かれている、と云うか、各個人の変態霊に守られているのでしたね。

先生には、その変態霊にインタビューをして頂きたいのです。


弊誌「週刊聞醜」で、「変態霊インタビュー」をして頂けませんでしょうか。先ず、第1弾として、●●●子先生の変態霊へのインタビューは如何でしょうか

いいお返事をお待ちしています。


週刊聞醜
編集長
トビマス・トビマス

       ===========================


「週刊聞醜」(しゅうかん・ぶんしゅう)からの質問状に回答はしたものの、「週刊聞醜」なる週刊誌はまだ見たことはない。




書店も何店か見て回ったが、どこにも置いてなかった。店員に聞いても、

「ああ、週刊文春なら、雑誌コーナーにあるはずですが」

と勘違いされるだけであった。

コンビニにも駅の売店にも見当たらなかった。


しかし、今回もビエール・トンミー氏の手は震えた

「ど、ど、どうして知っているのだ…..●●●子先生のことを、●●●子先生と自分とのことを、トビマス・トビマスという奴は、どうして、知っているのだ」

こんな怪しい依頼状なんて無視すればいいのだが、依頼に応じなればどうなるのか………




ビエール・トンミー氏は、鼻歌まじりで料理をする夫人に動揺を悟られないよう、台所に背を向けたまま自分に部屋に入って行った。







「逃げているとか、隠れているとかというのが一番嫌い」【週刊聞醜への回答状】




机の上に置かれたのは、あの男からの返信であった。



===========================

週刊聞醜 御中

        『緊急質問状へのご回答』


最近は朝晩自宅の前に取材陣が張り込み、散歩の際にも質問攻めにされています。ラーメン都知事には「国民が見ている」と非難されているとも噂されているそうですし、都議会は「参考人招致だ、百条委員会だ」と騒いでいるとも聞いています(皆さん、私が東京都民ではなく、神奈川県民であることをお忘れらしい)

私は逃げているとか、隠れているとかというのが一番嫌いなのです。絶好の機会だから喜んでここに回答します。知っていることも全部話します。困る人が出るかもしれないけどこっちも困っているのです。


質問1
=====
あなたが、宗教団体「変態の科学」を創設し、そこの教祖となったのは事実であるか?

------------------

いつの間にかではありますが、気が付いたら「変態の科学」が創設されていました。しかし私は長年変態に関する修行と思考はしていましたからこれをいつでも教団にする準備は出来ていました。

よって回答は「事実でもあり、事実でもない」ということになります。このように本人が意図しなくても教団が創設されるということは、私がいかに徳が高く聖なる存在であることの証明であります。



質問2
=====
あなたは『教祖』なのか?或いは、『総裁』なのか?もしくは、『会長』なのか?それとも『グル』か?

------------------

私は『教祖』であり『総裁』であり『会長』であり『グル』であります。わが教団は私の呼称などどうとでもなるのです。各々の信者が信ずる名前で呼べば聖なる私はあまねくそれに応えるのです。



質問3
=====
「変態の科学」の本尊は、『エロ・ヘンタイーレ』であるのか?

------------------

本尊は珍宝伸です。

これは「淫乱好色絶倫官能媚態の索をもってあらゆる衆生をもれなく救済する神」を意味し、釈迦入滅から56億7千万年後の未来に神となってこの世にくだり衆生を救済するのです。




質問4
=====
あなたが宗教への道を歩み始めたのは、スコセッシ監督の映画「沈黙』を見て、感動したからなのか?

------------------

いいえ。映画がきっかけですが中学生の時に名前だけ知っていた日活ロマンポルノの「団地妻 昼下がりの情事」に対する長年の研究と考察の結果が宗教への道につながりま した。




質問5
=====
スコセッシ監督の映画「沈黙』を見た後、「沈黙」を見て抱いた以下の疑問を友人であり、フランソワ・モーリアックの研究で有名なカトリック文學者であるエヴァンジェリスト氏に呈したのは、「変態の科学」の教理を創る為であったのか?

------------------

スコセッシ監督の「沈黙」は私の長年の考察の結果が西洋のカトリックや中世日本の隠れキリシタンにも当てはまることを証明してくれました。

このことを示唆してくれたのがフランス文學界の最高峰の大学院修士であり高名なカトリック文學者のエヴァンジェリスト氏です。

よって変態の科学」の教理は私が中学生の時に「団地妻 昼下がりの情事」によって開眼し、スコセッシ 監督の「沈黙」で完成したのです。




質問6
=====
怪人2号が「変態の科学」への出家を望み、怪鹿が入信を申し出ているのは、あなたの差し金か?「変態の科学」の関連会社として芸能事務所も設立しようとしているからなのか?怪人2号は、ショーンKに似ていると云われているし、怪鹿は人間鹿という他に類を見ない存在であり、共にスター性がある為、設立する芸能事務所の所属タレントにするつもりなのではないのか?

------------------

「変態の科学」に入信もしくは出家した信者は修行として芸能活動を行わなければなりません。これを「千日回峰芸能行」といいます。

これは1日16時間の芸能活動を1000日間毎日続け、それが終わると9日間、飲まない、食べない、寝ない、横にならない、しかし、アレは猿のようにし続ける、という行を続けます。

この修行では「失敗したらその場で切腹」という厳しい条件が課せられており、修行を途中で止めることは死を意味します(教団に特別な寄進をすれば、死を免れることは不可能ではない)。

この修行で得られる収入は教団設立の芸能事務所がすべて管理し、その全てが『教祖』『総裁』『会長』『グル』である私の収入になります。


以上謹んでご回答致します。


ビエール・トンミー拝

===========================


「この男、使えるな」






そう呟いた男がとったポーズは、どこかで見たことのあるポーズであった。