2020年7月21日火曜日

【突撃インタビュー】『石原プロモーション』解散の真相?[その6]






「インタビューは終ったようだな。ワシは行く」

マスクをした記者らしき男の意気消沈を見たビエール・トンミー氏は、今度こそ、その場を離れていこうとした。しかし…

「ああ、アナタも相当にお疲れですからな。お相手があんなに若いとね。カラダが持ちませんよね。ふふ」

駅の改札を出たところで、ビエール・トンミー氏とマスクをした記者らしき男の横を通り過ぎる中年の女性が、ビエール・トンミー氏に軽蔑の視線を送った。

「おい、止めろ!他人聞きの悪いことを云うんじゃない!」

ビエール・トンミー氏は、振り向き、マスクをした記者らしき男に食ってかかった。

「他人聞きが悪いって、もう若い頃のような『元気』がないことですか?」
「違う!ありもしないことを云うな、と云っているんだ!」
「確かに、65歳のアナタにはもう昔のような『元気』はない。しかし、アナタは頑張った。あんなに若い女性を相手に」

2人の横を通るまた別の中年女性が、大きく口を歪め、ビエール・トンミー氏に唾をかけんばかりであった。

「止めろ、止めろ!ワシには、『そんなこと』、身に覚えがない!....まあ、『そんなこと』があったのなら良かったとは思わないではないが…」
「アナタ、疲れ過ぎて、『そんなこと』をしちゃったのをお忘れのようですな」
「え?ワシは、疲れ過ぎて忘れたのか?」
「先程、申し上げましたでしょ。アナタ、今日、銀座線で、上野→渋谷→上野と往復したではないですか。『一蘭』で見失ったアナタを銀座線で発見したのだ」
「ああ、座れたものだから、ついつい寝てしまった」
「え!?『吸われた』!?なんと大胆な発言を!」




「へ?君は何を云っているんだ?」
「なるほど、『吸われた』こともあって、あんなにお疲れだったんですな」
「云っている意味が分らんが、ワシは確かに疲れていた。何しろ、『初めてのおつかい』だったからな」
「疲れたアナタは、気付くと、電車が渋谷で折り返し、また上野にいた。しかも電車はもう上野を出るところだった。渋谷ではなく浅草方面にね」
「そこまで見ていたのか。見ていたんだったら、起こしてくれればいいのに」
「しかし、アナタは眼を閉じたまま呟いていた」
「え?何を?」
「『Est-elle brune, blonde ou rousse ? - Je l'ignore.』とね」
「え?何だ、それは?」


(続く)


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