治療の旅【江ノ島／鎌倉・編】［その60］

（治療の旅【江ノ島／鎌倉・編】［その59］の続き）

「まあ、いいさ。食べてみるがいい」

『Eggs'n Things』湘南江の島店で注文したパンケーキを前にして、ビエール・トンミー氏は、エヴァンジェリスト氏に宣戦布告をした。

「大袈裟な奴だな。ああ、なるほど、口説きのテクニックだな」

エヴァンジェリスト氏が、逆襲を試みる。

「また意味不明なことを」

「パンケーキを独りで食べるのはキツイ、だから、一つをシェアしよう、と云うんだろう。そして、『アーンして』なんてやってもらおうという魂胆だな」

「相変らずの妄想癖だな」

「そうやって距離を縮め、『ベッドもシェアしよう』って云うのか！このスケベ野郎！」

「勝手に妄想してろ。君の妄想は止められん。俺は、食べる」

と、『バナナ、ホイップクリームとマカダミアナッツ』のパンケーキのホイップクリームを少しとり、パンケーキ部分に付け、口に運んだ。

「むーむ、むまい」

パンケーキを頬張ったままなので、言葉が言葉にならない。

「どーれ」

エヴァンジェリスト氏も『ストロベリー、ホイップクリームとマカダミアナッツ』のパンケーキパンケーキのホイップクリームを少しとり、パンケーキ部分に付け、口に運んだ。

「おお、なかなかイケてるホットケーキだ」

（続く）