「おお、やはりそうであったか!」
と、独り合点したエヴァンジェリスト氏は、ビエール・トンミー氏が、自らのオゲレツ欲を満たす為に(女性を連れ込む為に)、ベンツの船に19億円も注ぎ込んだのか、というビエール・トンミー氏を取材対象とする特派員にiMessageを送った。
「ビエールの奴、一時は、ワシ同様、石原プロ入りの噂もあったくらいだから、船の一艘や二艘、買っていたとしても不思議ではない」
「え?貴方に石原プロ入りの噂があったことは存じ上げていますが、あの方にも、石原プロ入りの噂があったのですか?」
「君は、アイツの特派員のくせに、そんなことも知らんのか」
「申し訳ありません。何しろ、最近、特派員になったものですから。しかし、今はもう、石原プロはありませんでしょ?」
「アイツはな、広島県立広島皆実高校の1年7ホームの時から、ワシに次ぐ美貌と頭脳とダンディさの持ち主として名を馳せていたのだ」
「なんですか、その『1年7ホーム』の『ホーム』って?」
「ああ、広島皆実高校ではな、今もそうかもしれんが、『クラス』のことを『ホーム』と呼んでいたのだ。その『1年7ホーム』でアイツとワシは一緒だったのだ。ワシらは、そこからの付き合いだ」
「その後、貴方は、『OK牧場大学』に入られ、『OKボーイ』となった。そして、石原プロが、石原裕次郎亡き後、渡哲也も病に苦しむようになり、経営が危ぶまれる段になって、石原プロの救世主と期待されたのですね?」
「まあ、世間はそう見ているようだな」
「しかし、貴方は、なかなか石原プロに入ろうとはしなかっと、と聞いています。それは、まき子夫人が、貴方の電話番号を知らず、貴方に電話をして石原プロ入りを頼んでこなかったから、とも聞いていますが、本当のところはどうなんですか?」
「ああ、そこんとこはノーコメントだ。それ以上、訊くなら事務所を通してくれ」
「おお、それですね!お得意のセリフだ。噂に聞いていました」
「まあ、なんにせよ、巷では、ワシがなかなか石原プロ入りしないから、ワシに次ぐスター候補生であったビエールに、石原プロ入りを期待するようになった、と噂したようだ。あくまで噂だがな」
「そうだったんですね!」
「確かに、あの頃のアイツの風貌は、石原プロの俳優らしさが漂っておったからな。ああ、そうかあ。あの頃にアイツ、免許を取ったんだな」
「え?免許?あの方が、運転免許を取られたのは、資料によると、『ハンカチ大学』在学中の23歳の頃でしたね?」
「それは、クルマの運転免許だろ」
(続く)
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