「茶化さないでください。あの方は、私のことなんか…」
ビエール・トンミー氏を取材対象とする特派員からのiMessageは、彼が顔面の皮下まで紅に染めた像まで、エヴァンジェリスト氏に想起させるものであった。
「んっ?君は、やはり...いや、まあ、それはそれで構わんがな」
「いえ、あ、いえいえ、要するにですねえ、あの方は、女性に『ナンパ』されたのですう」
「まさかやあ!?」
「なんですか、その言葉は?」
「まあ、君が『ちむどんどん』するくらいの美男だから、女性がアイツに惚れるのも無理はないとは思うが」
「ああ、今やっているNHKの朝ドラですね。沖縄出身の料理人の娘を主人公とした話だそうですが、昔からヴェネティアにある『イカスミパスタ』をその主人公が開発したことにしたとか、めちゃくちゃなストーリーで、散々な評価だそうじゃないですか、そんなドラマをパクるのかどうかと思いますねえ」
「まあ、ビエールの奴、どうせその辺の婆さんか、おばちゃんに声でも掛けられのであろうかねえ」
「いえ、若い女性です。見たところ、20歳台後半の美女でした」
「あきさみよー!」
「ですから、下手な沖縄弁は、気持ち悪いので止めて下さい」
「で、アイツ、若い女性にどう『ナンパ』されたであるねえ?『Windows の Oulookが起動中のままで開けないんですう。どうしたらいいのですか?』とでもアプローチされたのか?」
「はあ?なんですか、それ?」
「君は、どうしたらいいか分るか?」
「知りません、そんなこと」
「どうして、そんな状態になっているか、というとだな。多分、Outlookのデータが壊れているんだ。だから、プログラム自体は起動はするが、データを読み込めないので、開ききれず、起動中のままとなるんだ」
「ああ、そうですか。でも、そんなことどうでもいいんです」
「この問題を解決するにはだな、『SCANPST.EXE』という受信トレイ修復ツールを実行すればいいんだ。『PST』は、『.pst』がOutlookの個人用フォルダーファイルのことだから、それをスキャンするプログラムなんだろうな。で、その『SCANPST.EXE』はどこにあるかというと、Cドライブ直下の『Program Files』というフォルダーの中にあるんだ」
「いいですかあ!あの方は、若い女性から、『Windows の Oulookが起動中のままで開けないんですう。どうしたらいいのですか?』とアプローチなんかされていませんよ!」
(続く)
0 件のコメント:
コメントを投稿