2022年6月16日木曜日

【緊急衝撃特報】ナンパ老人、危機一髪![その4]

 


「19億円くらいだったと思う」


『19億円』という金額を、エヴァンジェリスト氏は、ベンツの船『Arrow460-Granturismo』の値段を訊いてきたあの特派員に、こともなげにiMessageで伝えた。


「へっ、へっ、へえええ~!貴方、そんな金額をよくも平気で口にできますねえ!」

「いや、iMessageだから、口にはしておらんぞ」

「相変らずの減らず口だ」

「だからあ、口は使ってはおらん。使っているのは、指だ」

口を使うとか、指を使うとか、貴方、本当にオゲレツでいらっしゃる」

「君は一体、何を想像しているんだ?」

「それにしてもベンツが、船の製造までしていたとは、知りませんでした」

「ベンツは、ホテルだってプロデュースしているんだ」

「え?ホテルも?」

「まあ、ホテルというか、長期滞在者用のラグジュアリー・レジデンスらしいんだが、高級アパートメントサービスの不動産会社「フレイザー・ホスピタリティ・グループ」と提携して、そのデザインをベンツがしたらしい。『Mercedes-Benz Living @Fraser residence』といったかなあ、ロンドンとシンガポールにあるらしいぞ」

「おお、ホテルとは、ますますイヤラシイ!」

「だから、何を想像しとるんだ、君は?まあ、ベンツは、他にもエアバスのヘリコプターをカスタムメイドしたとも聞いたぞ」




「おお、なんという高価なオゲレツ!あの方は、ベンツの船でクルージングして、港から、その『ベンツなんとかレジデンス』とやらまでベンツのヘリコプターで若い女を連れ込んだのですな?」

「え?ビエールの奴、そうなのか?」

「何をお惚けを。ベンツのヘリコプターもホテルも高価だとは思いますが、ベンツの船に19億円も注ぎ込まれたのですね、自らのオゲレツ欲を満たす為に!」



(続く)




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