「19億円くらいだったと思う」
『19億円』という金額を、エヴァンジェリスト氏は、ベンツの船『Arrow460-Granturismo』の値段を訊いてきたあの特派員に、こともなげにiMessageで伝えた。
「へっ、へっ、へえええ~!貴方、そんな金額をよくも平気で口にできますねえ!」
「いや、iMessageだから、口にはしておらんぞ」
「相変らずの減らず口だ」
「だからあ、口は使ってはおらん。使っているのは、指だ」
「口を使うとか、指を使うとか、貴方、本当にオゲレツでいらっしゃる」
「君は一体、何を想像しているんだ?」
「それにしてもベンツが、船の製造までしていたとは、知りませんでした」
「ベンツは、ホテルだってプロデュースしているんだ」
「え?ホテルも?」
「まあ、ホテルというか、長期滞在者用のラグジュアリー・レジデンスらしいんだが、高級アパートメントサービスの不動産会社「フレイザー・ホスピタリティ・グループ」と提携して、そのデザインをベンツがしたらしい。『Mercedes-Benz Living @Fraser residence』といったかなあ、ロンドンとシンガポールにあるらしいぞ」
「おお、ホテルとは、ますますイヤラシイ!」
「だから、何を想像しとるんだ、君は?まあ、ベンツは、他にもエアバスのヘリコプターをカスタムメイドしたとも聞いたぞ」
「おお、なんという高価なオゲレツ!あの方は、ベンツの船でクルージングして、港から、その『ベンツなんとかレジデンス』とやらまでベンツのヘリコプターで若い女を連れ込んだのですな?」
「え?ビエールの奴、そうなのか?」
「何をお惚けを。ベンツのヘリコプターもホテルも高価だとは思いますが、ベンツの船に19億円も注ぎ込まれたのですね、自らのオゲレツ欲を満たす為に!」
(続く)
0 件のコメント:
コメントを投稿