2022年6月26日日曜日

【緊急直撃】吉田拓郎の後継者は、アナタですね?[中編]

 


「まだお惚けですか。7月21日の20時からの『LOVE LOVE あいしてる 最終回・吉田拓郎卒業SP』にも駆けつけ出演なさるんでしょ?」


と、どこかのマスコミの記者風のスーツ姿の男は、ビエール・トンミー氏が自宅を出たところで、突撃取材を仕掛けているようであった。吉田拓郎が芸能界を引退することになり、『吉田拓郎のオールナイトニッポンGOLD』の後番組をビエール・トンミー氏が、『ビエール・トンミーのオールナイトニッポンGOLDBALL』というタイトルでするのだろう、と確認してきたのだ。


「なんや、それ?知らんて、そんなもん。仮にや、ええか、仮にやで、ワテが吉田拓郎の高校の後輩やとしてもやなあ。ワテ、吉田拓郎には興味あらへんのや」

「ええ、アナタは、『広島皆実高校』在籍中も吉田拓郎のことはご存じなかった。アナタが、『広島皆実高校』に在籍中、吉田拓郎は、母校の文化祭で凱旋コンサートをしてくれた。でも、その時、他の同級生たちが騒ぐ中、アナタは、『吉田拓郎、who?』と仰っていた」

「ああ、ワテが、吉田拓郎がフォーク界で超有名人やと知ったんは、後のことや」

「ただ、そのコンサートで、吉田拓郎がいきなり『君の髪いがあ~』と叫ぶように歌い出した時は、驚かれた」

「まあ、ワテも驚かんことはなかったが、それは、エヴァの奴や。アイツは、コンサートのあった体育館の客席最前列まん真ん中、つまり吉田拓郎の眼の前、いうか、真下みたいなところで聞いたんやさかいな。アイツも吉田拓郎のことは、z全然、知らへんかったさかいな」

「北千枝子先生が、『吉田拓郎のことは覚えているが、そうように歌が上手い訳じゃなかった』と仰ったのでしょ?」

「ああ、音楽の先生やな。その先生がそう云うたかもしれんが、ワテは覚えてへん。それを覚えてんのも、エヴァの奴や」

「ふふ….アナタ、もうすっかり『広島皆実高校』出身であることをお認めですな」

「え?あ、いや、ああ、いやいや…そうや、エヴァの奴がそないなことをいつも云うてるさかい、『広島皆実高校』出身みたいな云い方になっただけやねん」

「アナタがどう誤魔化そうと、アナタは吉田拓郎に懇願され、『吉田拓郎のオールナイトニッポンGOLD』の後を継いで、『ビエール・トンミーのオールナイトニッポンGOLDBALL』を始めるだけではなく...」

「やめえな、そのオゲレツなタイトル」

「そう、『オールナイトニッポン』のパーソナリティとしてだけではなく、シンガー・ソング・ライターとしても、吉田拓郎の後を継ぐことになっているんでしょ?」




「妄想もええ加減にせんかい!」

「吉田拓郎は、『若い頃のような歌声が出せなくなった』と引退を決意はしたものの、フォークの灯は消したくない。だから、高校の後輩であり、美貌も兼ね備えたアナタに後を任せることにしたのでしょう?」

「ホンマ、妄想も過ぎるでえ。まるで、『プロの旅人』かエヴァの奴やないか。おお、そうや!吉田拓郎の後は、エヴァの奴が継げばええんや!アイツかて、いや、アイツこそ、吉田拓郎の『広島皆実高校』の後輩やろし、芸能界好きやないか。美貌かて、ワテほどやないけど、かなりエエとこいっとるさかいにな」

「いえ、あの方には、他に芸能界の道があることですし」



(続く)





0 件のコメント:

コメントを投稿