「なんだとお!ワシのことを馬鹿とは無礼ではないか!」
エヴァンジェリスト氏は、自分に対して、『貴方、馬鹿ですか?』とiMessageを送ってきたあの特派員に、怒りのiMessageを返した。
「ワシは、オゲレツではあるが、馬鹿ではない!」
「いや、貴方は、オゲレツな馬鹿でしょう。あの方が、『難破」するなんて、戯言以外の何物でもありません。いいですか、『難破』って、船が壊れたり、転覆したりすることなんですよ」
「そんなの『あたり前田のクラッカー』、常識以前の問題だ」
「『てなもんや三度笠』とは、古い。貴方、やっぱり棺桶に片足を突っ込んだご老人ですな。いいですか、あの方は、ベンツにはお乗りですが、ベンツはクルマ、自動車ですよ。船ではありません」
「ふんっ!」
「鼻水を飛ばしてこないで頂きたい」
「iMessageでは、鼻水も送れるようになったのか?」
「ああ、いつも常識に囚われることを批判する貴方が、常識にとらわれておいでとは!あのですねえ、テクノロジーは日々、進化しているのです。いつの日か、iMessageで鼻水を送れる時だってくるかもしれません」
「そういう君自身が常識の囚われ人だ。ベンツは確かに、クルマだ。しかし、ベンツの船もあるのだ」
「ええーっ!????」
「『Arrow460-Granturismo』だ」
「へ?」
「臭い!屁をするな!いいか、『Arrow460-Granturismo』を横から見た姿は、まるでベンツが海に浮かんでいるかのようなんだぞ。ネットで検索して画像を確認するんだな」
「….ううーっ!ベンツが船の製造まで手がけていたとは!で、あの方は、その『アローなんとか』というベンツの船をお持ちなんですね?」
「はああ?ビエールの奴、やっぱり『Arrow460-Granturismo』を買っていたのか!」
「いえ、それは、私がお訊きしているのです。『アローなんとか』って、おいくらなんですか?」
(続く)
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