2022年6月15日水曜日

【緊急衝撃特報】ナンパ老人、危機一髪![その3]

 


「なんだとお!ワシのことを馬鹿とは無礼ではないか!」


エヴァンジェリスト氏は、自分に対して、貴方、馬鹿ですか?』とiMessageを送ってきたあの特派員に、怒りのiMessageを返した。


「ワシは、オゲレツではあるが、馬鹿ではない!」

「いや、貴方は、オゲレツな馬鹿でしょう。あの方が、『難破」するなんて、戯言以外の何物でもありません。いいですか、『難破』って、船が壊れたり、転覆したりすることなんですよ」

「そんなの『あたり前田のクラッカー』、常識以前の問題だ」

「『てなもんや三度笠』とは、古い。貴方、やっぱり棺桶に片足を突っ込んだご老人ですな。いいですか、あの方は、ベンツにはお乗りですが、ベンツはクルマ、自動車ですよ。船ではありません」

「ふんっ!」

「鼻水を飛ばしてこないで頂きたい」

「iMessageでは、鼻水も送れるようになったのか?」

「ああ、いつも常識に囚われることを批判する貴方が、常識にとらわれておいでとは!あのですねえ、テクノロジーは日々、進化しているのです。いつの日か、iMessageで鼻水を送れる時だってくるかもしれません」

「そういう君自身が常識の囚われ人だ。ベンツは確かに、クルマだ。しかし、ベンツの船もあるのだ」

「ええーっ!????」

「『Arrow460-Granturismo』だ」

「へ?」

「臭い!屁をするな!いいか、『Arrow460-Granturismo』を横から見た姿は、まるでベンツが海に浮かんでいるかのようなんだぞ。ネットで検索して画像を確認するんだな」




「….ううーっ!ベンツが船の製造まで手がけていたとは!で、あの方は、その『アローなんとか』というベンツの船をお持ちなんですね?」

「はああ?ビエールの奴、やっぱり『Arrow460-Granturismo』を買っていたのか!」

「いえ、それは、私がお訊きしているのです。『アローなんとか』って、おいくらなんですか?」



(続く)





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