【牛田デラシネ中学生】変態の作られ方［その373］

 

「『♩きみの～ゆく～みちわあ～』、知らん？」

と、突然、少女『トシエ』が、歌い出した。

1967年4月のある土曜日、広島市立牛田中学を出た1年X組のビエール少年と『ボッキ』少年が、『ハナタバ』少年と、後で『秘密の入口』で会おう、と別れたところであった。いつからか、ビエール少年と『ボッキ』少年の背後にいた少女『トシエ』が、『秘密』という言葉を捉え、何の『秘密』か追求していたところ、遠りがかった赤い髪の若い外国人女性が、『バド』と呼ばれているビエール少年に対して、アメリカ人なのかと訊き、ビエール少年と英語での会話を交わしたのを見て、『ボッキ』少年と少女『トシエ』が、ビエール少年の英語力に感嘆していたことから、ビエール少年が見ているというNHK教育テレビの『テレビ英語会話』話題へとなっていた。そして、更に、少女『トシエ』が、奥さんが英語喋れない訳にはいかないから、自分も『テレビ英語会話』見るようにすると云い出し、少女の妄想は、ビエール少年の妻となった自分が、『整体拝受』の際の『ホスチア』だって作るかもしれない、とまで拡がっていっていた。しかし、『ボッキ』少年が、自分はキリスト教の知識のない理由として、お経の一節、『ナ～ムア～ミダ～ンブー』を唱えたことから、広島には『浄土真宗』の家が多いらしい、とビエール少年が博識ぶりを見せ、『ボッキ』少年も『東本願寺』、『西本願寺』を持ち出しはしたものの、『浄土真宗』が『東』と『西』とに別れた事情を知らず、ビーエル少年が、元は一つの『本願寺』だった『石山本願寺』を信長が攻撃したことが原因と説明しだした。そして、その『石山本願寺』信長がなかなか攻め切れなかったのは、『毛利輝元』が『石山本願寺』に食料とか武器なんかを提供して味方したからだとも説明をしたのだ。そこで、少女『トシエ』が、『石山本願寺』にお好み焼きも差し入れしたのだろうか、と云い出し、ビエール少年はそれを否定したが、少女『トシエ』は今度は、『もみじ饅頭』を差し入れしたのだろう、と云い出しことから、話は『もみじ饅頭』という名前の謂れ（『伊藤博文』が名前のヒントを与えた）へと派生していっていた。だが、話は、『伊藤博文』が、山口県光市出身であることから、『夢の超特急』に移っていったものの、今度は、『光市』から臨海学校へと移ってきたのであった。『光市』は、当時（19060年代である）、広島の学校がよく臨海学校で行くところであったからである。そして、最初は臨海学校に興味なさげであった少女『トシエ』が、ビエール少年と（だけではないが）教室で一緒に寝ることになるであろう臨海学校に眼を輝かせ、あろうことかネグリジェを着るとまで云い出し、ビエール少年は、『かわいい魔女ジニー』の姿態を思い出し、股間に『異変」を生じさせていたが、『ボッキ』少年の言葉で、どうにか『本願寺』が『東』と『西』とに別れた事情へと話は戻ったのではあった。だが、『浄土真宗』を広めた『親鸞』の子孫『蓮如』の関連して、晩年、『浄土真宗』に改宗した『一休さん』へとまたまた話は逸れたが、ビエール少年は、なんとかまた『本願寺』が『東』と『西』とに別れた事情へと話は戻し、『信長』が和睦の為、『本願寺』に渡した『一文字呉器』に言及したところ、少女『トシエ』は、『呉器』を『ゴキブリ』と勘違いし、『ボッキ』少年は、『一文』から『ジャイアント馬場』の『十六文キック』の言及してきたので、ビエール少年は、あらためて『一文字呉器』を解説したが、『ボッキ」少年がなかなか理解できないでいる様子である一方、少女『トシエ』は、『ジャイアント馬場』の『十六文』は、実は『文』ではなくアメリカの靴のサイズに由来するというビエール少年の説明を理解していることを自慢し、更に、ビエール少年がアメリカの靴のサイズのことまで知っていることまで自慢げに云い、アメリカで靴を買う時にはビエール少年に付き添って欲しいと云出だし、その際には『ガラスの靴』を買うと云ったことから、話は、今度は、『シンデレラ』に及び、ビエール少年は、『シンデレラ』があだ名であり、その名前の由来について言及していたところ、少女『トシエ』がいきなり、「ひゃああ！『バド』いうたらあ！」と叫び声を上げた。そして、『シンデレラ』からさらに派生してドイツの国鉄の名前を出したところ、少女『トシエ』がまた、「ひゃああ！『バド』いうたらあ！」と、ビエール少年のドイツ語力に感激し、叫び声を上げたのもものかわ、ビエール少年は、ドイツ語、フランス語、英語で、『シンデレラ』の名前の由来を解説したが、『ボッキ』少年は、話を『本願寺』が『東』と『西』とに別れた事情を戻すよう要求したものの、話は、また『ゴキブリ』から『アブラムシ』、そして、その英語『コックローチ』、更に、スペイン語の『クカラチャ』へと展開してしまった。そこからまた、スペインに絡んで、少女『トシエ』が情熱的な『フラメンコ』を踊りたいと云い出し、更に更に話は派生し、『星のフラメンコ』を歌った『西郷輝彦』から、当時（1960年代である）の歌手の『御三家』の『橋幸夫』、『舟木一夫』、そして、『舟木一夫』のヒット曲『高校三年生』へと展開し、今、『高校』という言葉から『広島皆実高校』について、『ボッキ』少年と少女『トシエ』は、語り始め、少女『トシエ』は、『広島皆実高校』にある『衛生看護科』に入って、看護婦になりたいと云った。で、『ボッキ』少年は、『広島皆実高校』は、元は『県女』だと云い、続けて、何故か、当時（1967年頃である）始った視聴者参加のテレビ番組『家族そろって歌合戦』の審査委員長である作曲家『高木東六』を出してきた。それは、『高木東六』が、自分の妻が『広島皆実高校』の前身である『広島県立広島高等女学校』（『県女』）の出身であることから、『広島皆実高校』の校歌を作曲したからであった、と『ボッキ』少年は説明したが、ビエール少年は、そのことに興味なさげであった為、『ボッキ』少年は、美人女優『月丘夢路』も『県女』出身だと説明したところ、少女『トシエ』が、自分も『皆実』の『看護科』に入って、『月丘夢路』みたいな美人の看護婦さんになると云い出し、ビエール少年には、『広島皆実高校』から『広島大学』の医学部に入り、医者になることを強く奨め、僧侶になるのなら『崇徳高校』だろうけれどそうではないだろうし、と『バレー』の強豪校『崇徳高校』の名前を出してきた。そこから、広島市内の他の宗教系学校の名前が出てきたものの、少女『トシエ』が、ビエール少年には『皆実』に行って欲しいと発言したが、『ボッキ』少年が、突然、「あ、ほうじゃ、『浄土真宗』じゃ」と叫び、『本願寺』が『東』と『西』とに別れたことに戻そうとしたものの、少女『トシエ』が、『崇徳高校』には相撲部があり（19060年代当時のことだ）、相撲に関連して、『巨人、大鵬、卵焼き』という言葉に言及し、『大鵬』は『巨人』の仲間だから好きではない、と云い出し、話はそこから『卵焼き』、ビエール少年の母親、『目玉焼き』、更には、『サニーサイドアップ』、日産自動車のクルマ『サニー』へと逸れていっていた。そして、ようやくビエール少年は、『サニーサイドアップ』から『サニーサイドダウン』、つまり、『オーバーイージー』の説明に移り、加えて、『目玉焼き』の他の焼き方についても説明したが、『目玉焼き』に何をかけるかでもめ、そこから『目玉焼き』は『洋食』か『和食』かの議論となり、話は逸れに逸れ、『洋食』から『ハンバーグ』、『タルタル人』、『ウルトラQ』や『ウルトラマン』の怪獣へ、更には、それらを作った『円谷英二』の『円谷』という苗字の読み方へと派生し、続けて、『円谷』の『円』の旧字『圓』の成り立ちを、ビエール少年は説明し、その『圓』の漢字を持つ落語家『三遊亭圓生』の名を挙げたところ、『ボッキ』少年が、甲高い声で『山のアナアナ』、『山のアナアナアナ、アナタ、もう寝ましょうよ』と、『三遊亭歌奴』の落語を持ち出し、その延長で、『林家三平』の名前を出し、それを受けた少女『トシエ』が、『林家三平』の歌『好きです（ヨシコさん）』を歌い出し、それを唄え、とビーエル少年に促した。ビエール少年は、少女『トシエ』が、『好きです（ヨシコさん）』の歌の中の一節『♫キスさせてえ』を歌いながら、唇を突き出したきたことに動揺しながら、自分は『林家三平』が好きではなく、『圓生』、『圓楽』、『小さん』、『馬生』、『志ん朝』といった落語家が好きで、落語はやはり、西の方じゃなく、やはり東の方、『江戸落語』がいい、と云ったところ、『おお、そうじゃった！』、と『ボッキ』少年が、大きな声を上げ、またまた、話を『本願寺』が『東』と『西』とに別れた事情を戻したのであったが、浄土真宗の宗主『顕如』が、『信長』と和睦し、『石山本願寺』を明け渡して、和歌山にある本願寺の『鷺森別院』に移ったことから、和歌山の梅の話になり、少女『トシエ』が、自分は、キスは『バド』が初めてじゃなく、唇はもう奪われている、ととんでもないことを云い出した。しかし、『ボッキ』少年が、『本願寺』が『東』と『西』とに別れた理由へと、話のテーマを戻し、ビエール少年は、『顕如』とその長男『教如』との対『信長』への方向性の違いや、しかし、結局は、『石山本願寺』は『信長』に明け渡されることになったことを説明したが、そこに突然、『光秀』の名前を持ち出してきたのだ。しかし、『ボッキ』少年は、『光秀』が『本願寺』の分裂とどう関わっていたのか、と問うたものの、少女『トシエ』は、ビエール少年の口から、『光秀』を演じた俳優『佐藤慶』を聞き、自分は、『佐藤』なら『三郎』の方がいい、と妙なことを云い出し、しかも、『三郎』だけど『ケイ』だと、妙なことを云い出していた。

「ああ、知ってるよ。『若者たち』でしょ。いい歌だったよね」

『若者たち』は、前年（1966年）に放送された人気テレビ・ドラマであった。少女『トシエ』が歌い出したのは、その主題歌であった。

「ほうよね。その『佐藤三郎』さんよおね」

「ああ、『若者たち』の兄弟の名前は、確か、『佐藤』だった」

「じゃけえ、『三郎』さんが『ケイ』さんじゃろ？」

「じゃけえ…？...と、云われても……あ！『山本圭』だ！」

『若者たち』で、三男の『三郎』を演じたのは、そう、俳優『山本圭』であったのだ。

「ほうよお。お兄さんの『太郎』さんは、なんか口尖らして、『ひょっとこ』みたいな顔しとってじゃったけど」

『若者たち』で、長男の『太郎』を演じたのは、そう、俳優『田中邦衛』であった。

「『三郎』さんの『圭』さんは、頭エエし、格好えかったけえ」

「ああ、大学生の役だったしね」

「あ、でも、うん、『バド』の方が、もっと頭エエし、美男子じゃけえね」

「あの『三郎』は、『学生運動家』だったんだよね」

と、『若者たち』の『佐藤三郎』を思い出しながら、ビエール少年は、呟いた。

（続く）

【牛田デラシネ中学生】変態の作られ方［その372］

 

「え？『三郎』さん？」

と云いながら、ビエール少年は、『三郎』と名の付く人を思い浮かべようとした。

1967年4月のある土曜日、広島市立牛田中学を出た1年X組のビエール少年と『ボッキ』少年が、『ハナタバ』少年と、後で『秘密の入口』で会おう、と別れたところであった。いつからか、ビエール少年と『ボッキ』少年の背後にいた少女『トシエ』が、『秘密』という言葉を捉え、何の『秘密』か追求していたところ、遠りがかった赤い髪の若い外国人女性が、『バド』と呼ばれているビエール少年に対して、アメリカ人なのかと訊き、ビエール少年と英語での会話を交わしたのを見て、『ボッキ』少年と少女『トシエ』が、ビエール少年の英語力に感嘆していたことから、ビエール少年が見ているというNHK教育テレビの『テレビ英語会話』話題へとなっていた。そして、更に、少女『トシエ』が、奥さんが英語喋れない訳にはいかないから、自分も『テレビ英語会話』見るようにすると云い出し、少女の妄想は、ビエール少年の妻となった自分が、『整体拝受』の際の『ホスチア』だって作るかもしれない、とまで拡がっていっていた。しかし、『ボッキ』少年が、自分はキリスト教の知識のない理由として、お経の一節、『ナ～ムア～ミダ～ンブー』を唱えたことから、広島には『浄土真宗』の家が多いらしい、とビエール少年が博識ぶりを見せ、『ボッキ』少年も『東本願寺』、『西本願寺』を持ち出しはしたものの、『浄土真宗』が『東』と『西』とに別れた事情を知らず、ビーエル少年が、元は一つの『本願寺』だった『石山本願寺』を信長が攻撃したことが原因と説明しだした。そして、その『石山本願寺』信長がなかなか攻め切れなかったのは、『毛利輝元』が『石山本願寺』に食料とか武器なんかを提供して味方したからだとも説明をしたのだ。そこで、少女『トシエ』が、『石山本願寺』にお好み焼きも差し入れしたのだろうか、と云い出し、ビエール少年はそれを否定したが、少女『トシエ』は今度は、『もみじ饅頭』を差し入れしたのだろう、と云い出しことから、話は『もみじ饅頭』という名前の謂れ（『伊藤博文』が名前のヒントを与えた）へと派生していっていた。だが、話は、『伊藤博文』が、山口県光市出身であることから、『夢の超特急』に移っていったものの、今度は、『光市』から臨海学校へと移ってきたのであった。『光市』は、当時（19060年代である）、広島の学校がよく臨海学校で行くところであったからである。そして、最初は臨海学校に興味なさげであった少女『トシエ』が、ビエール少年と（だけではないが）教室で一緒に寝ることになるであろう臨海学校に眼を輝かせ、あろうことかネグリジェを着るとまで云い出し、ビエール少年は、『かわいい魔女ジニー』の姿態を思い出し、股間に『異変」を生じさせていたが、『ボッキ』少年の言葉で、どうにか『本願寺』が『東』と『西』とに別れた事情へと話は戻ったのではあった。だが、『浄土真宗』を広めた『親鸞』の子孫『蓮如』の関連して、晩年、『浄土真宗』に改宗した『一休さん』へとまたまた話は逸れたが、ビエール少年は、なんとかまた『本願寺』が『東』と『西』とに別れた事情へと話は戻し、『信長』が和睦の為、『本願寺』に渡した『一文字呉器』に言及したところ、少女『トシエ』は、『呉器』を『ゴキブリ』と勘違いし、『ボッキ』少年は、『一文』から『ジャイアント馬場』の『十六文キック』の言及してきたので、ビエール少年は、あらためて『一文字呉器』を解説したが、『ボッキ」少年がなかなか理解できないでいる様子である一方、少女『トシエ』は、『ジャイアント馬場』の『十六文』は、実は『文』ではなくアメリカの靴のサイズに由来するというビエール少年の説明を理解していることを自慢し、更に、ビエール少年がアメリカの靴のサイズのことまで知っていることまで自慢げに云い、アメリカで靴を買う時にはビエール少年に付き添って欲しいと云出だし、その際には『ガラスの靴』を買うと云ったことから、話は、今度は、『シンデレラ』に及び、ビエール少年は、『シンデレラ』があだ名であり、その名前の由来について言及していたところ、少女『トシエ』がいきなり、「ひゃああ！『バド』いうたらあ！」と叫び声を上げた。そして、『シンデレラ』からさらに派生してドイツの国鉄の名前を出したところ、少女『トシエ』がまた、「ひゃああ！『バド』いうたらあ！」と、ビエール少年のドイツ語力に感激し、叫び声を上げたのもものかわ、ビエール少年は、ドイツ語、フランス語、英語で、『シンデレラ』の名前の由来を解説したが、『ボッキ』少年は、話を『本願寺』が『東』と『西』とに別れた事情を戻すよう要求したものの、話は、また『ゴキブリ』から『アブラムシ』、そして、その英語『コックローチ』、更に、スペイン語の『クカラチャ』へと展開してしまった。そこからまた、スペインに絡んで、少女『トシエ』が情熱的な『フラメンコ』を踊りたいと云い出し、更に更に話は派生し、『星のフラメンコ』を歌った『西郷輝彦』から、当時（1960年代である）の歌手の『御三家』の『橋幸夫』、『舟木一夫』、そして、『舟木一夫』のヒット曲『高校三年生』へと展開し、今、『高校』という言葉から『広島皆実高校』について、『ボッキ』少年と少女『トシエ』は、語り始め、少女『トシエ』は、『広島皆実高校』にある『衛生看護科』に入って、看護婦になりたいと云った。で、『ボッキ』少年は、『広島皆実高校』は、元は『県女』だと云い、続けて、何故か、当時（1967年頃である）始った視聴者参加のテレビ番組『家族そろって歌合戦』の審査委員長である作曲家『高木東六』を出してきた。それは、『高木東六』が、自分の妻が『広島皆実高校』の前身である『広島県立広島高等女学校』（『県女』）の出身であることから、『広島皆実高校』の校歌を作曲したからであった、と『ボッキ』少年は説明したが、ビエール少年は、そのことに興味なさげであった為、『ボッキ』少年は、美人女優『月丘夢路』も『県女』出身だと説明したところ、少女『トシエ』が、自分も『皆実』の『看護科』に入って、『月丘夢路』みたいな美人の看護婦さんになると云い出し、ビエール少年には、『広島皆実高校』から『広島大学』の医学部に入り、医者になることを強く奨め、僧侶になるのなら『崇徳高校』だろうけれどそうではないだろうし、と『バレー』の強豪校『崇徳高校』の名前を出してきた。そこから、広島市内の他の宗教系学校の名前が出てきたものの、少女『トシエ』が、ビエール少年には『皆実』に行って欲しいと発言したが、『ボッキ』少年が、突然、「あ、ほうじゃ、『浄土真宗』じゃ」と叫び、『本願寺』が『東』と『西』とに別れたことに戻そうとしたものの、少女『トシエ』が、『崇徳高校』には相撲部があり（19060年代当時のことだ）、相撲に関連して、『巨人、大鵬、卵焼き』という言葉に言及し、『大鵬』は『巨人』の仲間だから好きではない、と云い出し、話はそこから『卵焼き』、ビエール少年の母親、『目玉焼き』、更には、『サニーサイドアップ』、日産自動車のクルマ『サニー』へと逸れていっていた。そして、ようやくビエール少年は、『サニーサイドアップ』から『サニーサイドダウン』、つまり、『オーバーイージー』の説明に移り、加えて、『目玉焼き』の他の焼き方についても説明したが、『目玉焼き』に何をかけるかでもめ、そこから『目玉焼き』は『洋食』か『和食』かの議論となり、話は逸れに逸れ、『洋食』から『ハンバーグ』、『タルタル人』、『ウルトラQ』や『ウルトラマン』の怪獣へ、更には、それらを作った『円谷英二』の『円谷』という苗字の読み方へと派生し、続けて、『円谷』の『円』の旧字『圓』の成り立ちを、ビエール少年は説明し、その『圓』の漢字を持つ落語家『三遊亭圓生』の名を挙げたところ、『ボッキ』少年が、甲高い声で『山のアナアナ』、『山のアナアナアナ、アナタ、もう寝ましょうよ』と、『三遊亭歌奴』の落語を持ち出し、その延長で、『林家三平』の名前を出し、それを受けた少女『トシエ』が、『林家三平』の歌『好きです（ヨシコさん）』を歌い出し、それを唄え、とビーエル少年に促した。ビエール少年は、少女『トシエ』が、『好きです（ヨシコさん）』の歌の中の一節『♫キスさせてえ』を歌いながら、唇を突き出したきたことに動揺しながら、自分は『林家三平』が好きではなく、『圓生』、『圓楽』、『小さん』、『馬生』、『志ん朝』といった落語家が好きで、落語はやはり、西の方じゃなく、やはり東の方、『江戸落語』がいい、と云ったところ、『おお、そうじゃった！』、と『ボッキ』少年が、大きな声を上げ、またまた、話を『本願寺』が『東』と『西』とに別れた事情を戻したのであったが、浄土真宗の宗主『顕如』が、『信長』と和睦し、『石山本願寺』を明け渡して、和歌山にある本願寺の『鷺森別院』に移ったことから、和歌山の梅の話になり、少女『トシエ』が、自分は、キスは『バド』が初めてじゃなく、唇はもう奪われている、ととんでもないことを云い出した。しかし、『ボッキ』少年が、『本願寺』が『東』と『西』とに別れた理由へと、話のテーマを戻し、ビエール少年は、『顕如』とその長男『教如』との対『信長』への方向性の違いや、しかし、結局は、『石山本願寺』は『信長』に明け渡されることになったことを説明したが、そこに突然、『光秀』の名前を持ち出してきたのだ。しかし、『ボッキ』少年は、『光秀』が『本願寺』の分裂とどう関わっていたのか、と問うたものの、少女『トシエ』は、ビエール少年の口から、『光秀』を演じた俳優『佐藤慶』を聞き、自分は、『佐藤』なら『三郎』の方がいい、と妙なことを云い出してきたのだ。

「まさか、『北島…』？」

ビエール少年の脳裏には、『三郎』といえば、前々年（1965年）に、『兄弟仁義』や『帰ろかな』、『函館の女』のヒットで人気歌手となっていた『北島三郎』しか思い浮かばなかった。

「違うよおね。なんで、ウチが『♩は～るばる』函館まで行くんね。『三郎さん』は、『北島』じゃのうて『佐藤』じゃし、それに、『ケイ』さんじゃし」

「え？え？ええ？『三郎』だけど、『ケイ』さん？」

ビエール少年の頭は、腸捻転を起こしそうになったが…

「あ、『ケイ三郎』？いや、『敬二郎』なら聞いたことあるけど…」

ビエール少年が、思い浮かべたのは、ロカビリー歌手として一斉を風靡した『山下敬二郎』であったが、世代的に、その名前を知っている程度であった。当時（1967年）、『山下敬二郎』は余りテレビに出ることもなくなっていたのだ。

「『ケイ三郎』でも『ケイ二郎』でもないけえ。『佐藤三郎』さんよおね」

「でも、『ケイ』さんなんでしょ？」

（続く）

【牛田デラシネ中学生】変態の作られ方［その371］

 

「え？」

と、ビーエル少年は、少女『トシエ』の言葉に、軽い頭痛を感じながら、口から一文字の言葉を漏らした。

1967年4月のある土曜日、広島市立牛田中学を出た1年X組のビエール少年と『ボッキ』少年が、『ハナタバ』少年と、後で『秘密の入口』で会おう、と別れたところであった。いつからか、ビエール少年と『ボッキ』少年の背後にいた少女『トシエ』が、『秘密』という言葉を捉え、何の『秘密』か追求していたところ、遠りがかった赤い髪の若い外国人女性が、『バド』と呼ばれているビエール少年に対して、アメリカ人なのかと訊き、ビエール少年と英語での会話を交わしたのを見て、『ボッキ』少年と少女『トシエ』が、ビエール少年の英語力に感嘆していたことから、ビエール少年が見ているというNHK教育テレビの『テレビ英語会話』話題へとなっていた。そして、更に、少女『トシエ』が、奥さんが英語喋れない訳にはいかないから、自分も『テレビ英語会話』見るようにすると云い出し、少女の妄想は、ビエール少年の妻となった自分が、『整体拝受』の際の『ホスチア』だって作るかもしれない、とまで拡がっていっていた。しかし、『ボッキ』少年が、自分はキリスト教の知識のない理由として、お経の一節、『ナ～ムア～ミダ～ンブー』を唱えたことから、広島には『浄土真宗』の家が多いらしい、とビエール少年が博識ぶりを見せ、『ボッキ』少年も『東本願寺』、『西本願寺』を持ち出しはしたものの、『浄土真宗』が『東』と『西』とに別れた事情を知らず、ビーエル少年が、元は一つの『本願寺』だった『石山本願寺』を信長が攻撃したことが原因と説明しだした。そして、その『石山本願寺』信長がなかなか攻め切れなかったのは、『毛利輝元』が『石山本願寺』に食料とか武器なんかを提供して味方したからだとも説明をしたのだ。そこで、少女『トシエ』が、『石山本願寺』にお好み焼きも差し入れしたのだろうか、と云い出し、ビエール少年はそれを否定したが、少女『トシエ』は今度は、『もみじ饅頭』を差し入れしたのだろう、と云い出しことから、話は『もみじ饅頭』という名前の謂れ（『伊藤博文』が名前のヒントを与えた）へと派生していっていた。だが、話は、『伊藤博文』が、山口県光市出身であることから、『夢の超特急』に移っていったものの、今度は、『光市』から臨海学校へと移ってきたのであった。『光市』は、当時（19060年代である）、広島の学校がよく臨海学校で行くところであったからである。そして、最初は臨海学校に興味なさげであった少女『トシエ』が、ビエール少年と（だけではないが）教室で一緒に寝ることになるであろう臨海学校に眼を輝かせ、あろうことかネグリジェを着るとまで云い出し、ビエール少年は、『かわいい魔女ジニー』の姿態を思い出し、股間に『異変」を生じさせていたが、『ボッキ』少年の言葉で、どうにか『本願寺』が『東』と『西』とに別れた事情へと話は戻ったのではあった。だが、『浄土真宗』を広めた『親鸞』の子孫『蓮如』の関連して、晩年、『浄土真宗』に改宗した『一休さん』へとまたまた話は逸れたが、ビエール少年は、なんとかまた『本願寺』が『東』と『西』とに別れた事情へと話は戻し、『信長』が和睦の為、『本願寺』に渡した『一文字呉器』に言及したところ、少女『トシエ』は、『呉器』を『ゴキブリ』と勘違いし、『ボッキ』少年は、『一文』から『ジャイアント馬場』の『十六文キック』の言及してきたので、ビエール少年は、あらためて『一文字呉器』を解説したが、『ボッキ」少年がなかなか理解できないでいる様子である一方、少女『トシエ』は、『ジャイアント馬場』の『十六文』は、実は『文』ではなくアメリカの靴のサイズに由来するというビエール少年の説明を理解していることを自慢し、更に、ビエール少年がアメリカの靴のサイズのことまで知っていることまで自慢げに云い、アメリカで靴を買う時にはビエール少年に付き添って欲しいと云出だし、その際には『ガラスの靴』を買うと云ったことから、話は、今度は、『シンデレラ』に及び、ビエール少年は、『シンデレラ』があだ名であり、その名前の由来について言及していたところ、少女『トシエ』がいきなり、「ひゃああ！『バド』いうたらあ！」と叫び声を上げた。そして、『シンデレラ』からさらに派生してドイツの国鉄の名前を出したところ、少女『トシエ』がまた、「ひゃああ！『バド』いうたらあ！」と、ビエール少年のドイツ語力に感激し、叫び声を上げたのもものかわ、ビエール少年は、ドイツ語、フランス語、英語で、『シンデレラ』の名前の由来を解説したが、『ボッキ』少年は、話を『本願寺』が『東』と『西』とに別れた事情を戻すよう要求したものの、話は、また『ゴキブリ』から『アブラムシ』、そして、その英語『コックローチ』、更に、スペイン語の『クカラチャ』へと展開してしまった。そこからまた、スペインに絡んで、少女『トシエ』が情熱的な『フラメンコ』を踊りたいと云い出し、更に更に話は派生し、『星のフラメンコ』を歌った『西郷輝彦』から、当時（1960年代である）の歌手の『御三家』の『橋幸夫』、『舟木一夫』、そして、『舟木一夫』のヒット曲『高校三年生』へと展開し、今、『高校』という言葉から『広島皆実高校』について、『ボッキ』少年と少女『トシエ』は、語り始め、少女『トシエ』は、『広島皆実高校』にある『衛生看護科』に入って、看護婦になりたいと云った。で、『ボッキ』少年は、『広島皆実高校』は、元は『県女』だと云い、続けて、何故か、当時（1967年頃である）始った視聴者参加のテレビ番組『家族そろって歌合戦』の審査委員長である作曲家『高木東六』を出してきた。それは、『高木東六』が、自分の妻が『広島皆実高校』の前身である『広島県立広島高等女学校』（『県女』）の出身であることから、『広島皆実高校』の校歌を作曲したからであった、と『ボッキ』少年は説明したが、ビエール少年は、そのことに興味なさげであった為、『ボッキ』少年は、美人女優『月丘夢路』も『県女』出身だと説明したところ、少女『トシエ』が、自分も『皆実』の『看護科』に入って、『月丘夢路』みたいな美人の看護婦さんになると云い出し、ビエール少年には、『広島皆実高校』から『広島大学』の医学部に入り、医者になることを強く奨め、僧侶になるのなら『崇徳高校』だろうけれどそうではないだろうし、と『バレー』の強豪校『崇徳高校』の名前を出してきた。そこから、広島市内の他の宗教系学校の名前が出てきたものの、少女『トシエ』が、ビエール少年には『皆実』に行って欲しいと発言したが、『ボッキ』少年が、突然、「あ、ほうじゃ、『浄土真宗』じゃ」と叫び、『本願寺』が『東』と『西』とに別れたことに戻そうとしたものの、少女『トシエ』が、『崇徳高校』には相撲部があり（19060年代当時のことだ）、相撲に関連して、『巨人、大鵬、卵焼き』という言葉に言及し、『大鵬』は『巨人』の仲間だから好きではない、と云い出し、話はそこから『卵焼き』、ビエール少年の母親、『目玉焼き』、更には、『サニーサイドアップ』、日産自動車のクルマ『サニー』へと逸れていっていた。そして、ようやくビエール少年は、『サニーサイドアップ』から『サニーサイドダウン』、つまり、『オーバーイージー』の説明に移り、加えて、『目玉焼き』の他の焼き方についても説明したが、『目玉焼き』に何をかけるかでもめ、そこから『目玉焼き』は『洋食』か『和食』かの議論となり、話は逸れに逸れ、『洋食』から『ハンバーグ』、『タルタル人』、『ウルトラQ』や『ウルトラマン』の怪獣へ、更には、それらを作った『円谷英二』の『円谷』という苗字の読み方へと派生し、続けて、『円谷』の『円』の旧字『圓』の成り立ちを、ビエール少年は説明し、その『圓』の漢字を持つ落語家『三遊亭圓生』の名を挙げたところ、『ボッキ』少年が、甲高い声で『山のアナアナ』、『山のアナアナアナ、アナタ、もう寝ましょうよ』と、『三遊亭歌奴』の落語を持ち出し、その延長で、『林家三平』の名前を出し、それを受けた少女『トシエ』が、『林家三平』の歌『好きです（ヨシコさん）』を歌い出し、それを唄え、とビーエル少年に促した。ビエール少年は、少女『トシエ』が、『好きです（ヨシコさん）』の歌の中の一節『♫キスさせてえ』を歌いながら、唇を突き出したきたことに動揺しながら、自分は『林家三平』が好きではなく、『圓生』、『圓楽』、『小さん』、『馬生』、『志ん朝』といった落語家が好きで、落語はやはり、西の方じゃなく、やはり東の方、『江戸落語』がいい、と云ったところ、『おお、そうじゃった！』、と『ボッキ』少年が、大きな声を上げ、またまた、話を『本願寺』が『東』と『西』とに別れた事情を戻したのであったが、浄土真宗の宗主『顕如』が、『信長』と和睦し、『石山本願寺』を明け渡して、和歌山にある本願寺の『鷺森別院』に移ったことから、和歌山の梅の話になり、少女『トシエ』が、自分は、キスは『バド』が初めてじゃなく、唇はもう奪われている、ととんでもないことを云い出した。しかし、『ボッキ』少年が、『本願寺』が『東』と『西』とに別れた理由へと、話のテーマを戻し、ビエール少年は、『顕如』とその長男『教如』との対『信長』への方向性の違いや、しかし、結局は、『石山本願寺』は『信長』に明け渡されることになったことを説明したが、そこに突然、『光秀』の名前を持ち出してきたのだ。しかし、『ボッキ』少年は、『光秀』が『本願寺』の分裂とどう関わっていたのか、と問うたものの、少女『トシエ』は、ビエール少年から、『光秀』を演じた俳優『佐藤慶』が映画『鬼婆』に出演し、『パナマ映画祭』で主演男優賞を受賞したことを聞き、その『鬼婆』は、自分の母親のことを映画化したのか、と妙なことを云ってきたのだ。

「お父ちゃんが、よう云うんよ、お母ちゃんに。『このお、鬼婆あがあ』云うてね」

と、少女『トシエ』は、自分の父親の声色を真似て、そう云った。

「ええ！？」

「お父ちゃんねえ、時々、夜、酔っ払って帰って来るんよ。そしたら、お母ちゃんが、『クソ爺い、いい加減にしんさい！また、『流川』に行って、鼻の下でも伸ばしてきたんじゃろ』云うて怒るんよ」

「『流川』？え？広島にそんな川があるの？そこに行って、お父さん、どうして、鼻の下を伸ばすの？あ、鼻の下って伸ばせるの？」

広島に来て間も無く、しかも、まだ中学生になったばかりのビエール少年は、広島の有名な歓楽街『流川』のことを知らなかったのだ。

「ウチも『流川』は知らんけど、なんか大人の男の人が、お酒飲んで楽しゅうなるところみたいなんよ。で、お母ちゃんに『クソ爺い』云われて、お父ちゃんが、『このお、鬼婆あがあ』云うて返すんよ」

「ああ、そういうこと。でも、『鬼婆』って、『トシエ』ちゃんのお母さんのことを映画にしたんじゃないと思うよ。『鬼婆』の監督は、広島の人みたいなんだけどね」

「え？広島の人が、『鬼婆』いう映画の監督をしたん？」

「うん、『新藤兼人』っていう人なんだって。あ、そうだ！『原爆の子』ていう映画を作ったのも、『新藤兼人』っていう人なんだよ」

「ほうなん。『光秀』が、広島の監督さんの映画に出とってじゃったいうても、ウチ、やっぱり、『光秀』は好かんけえ。『佐藤』さんじゃったら、ウチ、『三郎』さんの方がエエ」

と、少女『トシエ』は、新たな人物の名前を出してきた。

（続く）

【牛田デラシネ中学生】変態の作られ方［その370］

 

「そう、『本能寺』なんだ」

と、ビエール少年は、先ず、キーワードだけを発した。

1967年4月のある土曜日、広島市立牛田中学を出た1年X組のビエール少年と『ボッキ』少年が、『ハナタバ』少年と、後で『秘密の入口』で会おう、と別れたところであった。いつからか、ビエール少年と『ボッキ』少年の背後にいた少女『トシエ』が、『秘密』という言葉を捉え、何の『秘密』か追求していたところ、遠りがかった赤い髪の若い外国人女性が、『バド』と呼ばれているビエール少年に対して、アメリカ人なのかと訊き、ビエール少年と英語での会話を交わしたのを見て、『ボッキ』少年と少女『トシエ』が、ビエール少年の英語力に感嘆していたことから、ビエール少年が見ているというNHK教育テレビの『テレビ英語会話』話題へとなっていた。そして、更に、少女『トシエ』が、奥さんが英語喋れない訳にはいかないから、自分も『テレビ英語会話』見るようにすると云い出し、少女の妄想は、ビエール少年の妻となった自分が、『整体拝受』の際の『ホスチア』だって作るかもしれない、とまで拡がっていっていた。しかし、『ボッキ』少年が、自分はキリスト教の知識のない理由として、お経の一節、『ナ～ムア～ミダ～ンブー』を唱えたことから、広島には『浄土真宗』の家が多いらしい、とビエール少年が博識ぶりを見せ、『ボッキ』少年も『東本願寺』、『西本願寺』を持ち出しはしたものの、『浄土真宗』が『東』と『西』とに別れた事情を知らず、ビーエル少年が、元は一つの『本願寺』だった『石山本願寺』を信長が攻撃したことが原因と説明しだした。そして、その『石山本願寺』信長がなかなか攻め切れなかったのは、『毛利輝元』が『石山本願寺』に食料とか武器なんかを提供して味方したからだとも説明をしたのだ。そこで、少女『トシエ』が、『石山本願寺』にお好み焼きも差し入れしたのだろうか、と云い出し、ビエール少年はそれを否定したが、少女『トシエ』は今度は、『もみじ饅頭』を差し入れしたのだろう、と云い出しことから、話は『もみじ饅頭』という名前の謂れ（『伊藤博文』が名前のヒントを与えた）へと派生していっていた。だが、話は、『伊藤博文』が、山口県光市出身であることから、『夢の超特急』に移っていったものの、今度は、『光市』から臨海学校へと移ってきたのであった。『光市』は、当時（19060年代である）、広島の学校がよく臨海学校で行くところであったからである。そして、最初は臨海学校に興味なさげであった少女『トシエ』が、ビエール少年と（だけではないが）教室で一緒に寝ることになるであろう臨海学校に眼を輝かせ、あろうことかネグリジェを着るとまで云い出し、ビエール少年は、『かわいい魔女ジニー』の姿態を思い出し、股間に『異変」を生じさせていたが、『ボッキ』少年の言葉で、どうにか『本願寺』が『東』と『西』とに別れた事情へと話は戻ったのではあった。だが、『浄土真宗』を広めた『親鸞』の子孫『蓮如』の関連して、晩年、『浄土真宗』に改宗した『一休さん』へとまたまた話は逸れたが、ビエール少年は、なんとかまた『本願寺』が『東』と『西』とに別れた事情へと話は戻し、『信長』が和睦の為、『本願寺』に渡した『一文字呉器』に言及したところ、少女『トシエ』は、『呉器』を『ゴキブリ』と勘違いし、『ボッキ』少年は、『一文』から『ジャイアント馬場』の『十六文キック』の言及してきたので、ビエール少年は、あらためて『一文字呉器』を解説したが、『ボッキ」少年がなかなか理解できないでいる様子である一方、少女『トシエ』は、『ジャイアント馬場』の『十六文』は、実は『文』ではなくアメリカの靴のサイズに由来するというビエール少年の説明を理解していることを自慢し、更に、ビエール少年がアメリカの靴のサイズのことまで知っていることまで自慢げに云い、アメリカで靴を買う時にはビエール少年に付き添って欲しいと云出だし、その際には『ガラスの靴』を買うと云ったことから、話は、今度は、『シンデレラ』に及び、ビエール少年は、『シンデレラ』があだ名であり、その名前の由来について言及していたところ、少女『トシエ』がいきなり、「ひゃああ！『バド』いうたらあ！」と叫び声を上げた。そして、『シンデレラ』からさらに派生してドイツの国鉄の名前を出したところ、少女『トシエ』がまた、「ひゃああ！『バド』いうたらあ！」と、ビエール少年のドイツ語力に感激し、叫び声を上げたのもものかわ、ビエール少年は、ドイツ語、フランス語、英語で、『シンデレラ』の名前の由来を解説したが、『ボッキ』少年は、話を『本願寺』が『東』と『西』とに別れた事情を戻すよう要求したものの、話は、また『ゴキブリ』から『アブラムシ』、そして、その英語『コックローチ』、更に、スペイン語の『クカラチャ』へと展開してしまった。そこからまた、スペインに絡んで、少女『トシエ』が情熱的な『フラメンコ』を踊りたいと云い出し、更に更に話は派生し、『星のフラメンコ』を歌った『西郷輝彦』から、当時（1960年代である）の歌手の『御三家』の『橋幸夫』、『舟木一夫』、そして、『舟木一夫』のヒット曲『高校三年生』へと展開し、今、『高校』という言葉から『広島皆実高校』について、『ボッキ』少年と少女『トシエ』は、語り始め、少女『トシエ』は、『広島皆実高校』にある『衛生看護科』に入って、看護婦になりたいと云った。で、『ボッキ』少年は、『広島皆実高校』は、元は『県女』だと云い、続けて、何故か、当時（1967年頃である）始った視聴者参加のテレビ番組『家族そろって歌合戦』の審査委員長である作曲家『高木東六』を出してきた。それは、『高木東六』が、自分の妻が『広島皆実高校』の前身である『広島県立広島高等女学校』（『県女』）の出身であることから、『広島皆実高校』の校歌を作曲したからであった、と『ボッキ』少年は説明したが、ビエール少年は、そのことに興味なさげであった為、『ボッキ』少年は、美人女優『月丘夢路』も『県女』出身だと説明したところ、少女『トシエ』が、自分も『皆実』の『看護科』に入って、『月丘夢路』みたいな美人の看護婦さんになると云い出し、ビエール少年には、『広島皆実高校』から『広島大学』の医学部に入り、医者になることを強く奨め、僧侶になるのなら『崇徳高校』だろうけれどそうではないだろうし、と『バレー』の強豪校『崇徳高校』の名前を出してきた。そこから、広島市内の他の宗教系学校の名前が出てきたものの、少女『トシエ』が、ビエール少年には『皆実』に行って欲しいと発言したが、『ボッキ』少年が、突然、「あ、ほうじゃ、『浄土真宗』じゃ」と叫び、『本願寺』が『東』と『西』とに別れたことに戻そうとしたものの、少女『トシエ』が、『崇徳高校』には相撲部があり（19060年代当時のことだ）、相撲に関連して、『巨人、大鵬、卵焼き』という言葉に言及し、『大鵬』は『巨人』の仲間だから好きではない、と云い出し、話はそこから『卵焼き』、ビエール少年の母親、『目玉焼き』、更には、『サニーサイドアップ』、日産自動車のクルマ『サニー』へと逸れていっていた。そして、ようやくビエール少年は、『サニーサイドアップ』から『サニーサイドダウン』、つまり、『オーバーイージー』の説明に移り、加えて、『目玉焼き』の他の焼き方についても説明したが、『目玉焼き』に何をかけるかでもめ、そこから『目玉焼き』は『洋食』か『和食』かの議論となり、話は逸れに逸れ、『洋食』から『ハンバーグ』、『タルタル人』、『ウルトラQ』や『ウルトラマン』の怪獣へ、更には、それらを作った『円谷英二』の『円谷』という苗字の読み方へと派生し、続けて、『円谷』の『円』の旧字『圓』の成り立ちを、ビエール少年は説明し、その『圓』の漢字を持つ落語家『三遊亭圓生』の名を挙げたところ、『ボッキ』少年が、甲高い声で『山のアナアナ』、『山のアナアナアナ、アナタ、もう寝ましょうよ』と、『三遊亭歌奴』の落語を持ち出し、その延長で、『林家三平』の名前を出し、それを受けた少女『トシエ』が、『林家三平』の歌『好きです（ヨシコさん）』を歌い出し、それを唄え、とビーエル少年に促した。ビエール少年は、少女『トシエ』が、『好きです（ヨシコさん）』の歌の中の一節『♫キスさせてえ』を歌いながら、唇を突き出したきたことに動揺しながら、自分は『林家三平』が好きではなく、『圓生』、『圓楽』、『小さん』、『馬生』、『志ん朝』といった落語家が好きで、落語はやはり、西の方じゃなく、やはり東の方、『江戸落語』がいい、と云ったところ、『おお、そうじゃった！』、と『ボッキ』少年が、大きな声を上げ、またまた、話を『本願寺』が『東』と『西』とに別れた事情を戻したのであったが、浄土真宗の宗主『顕如』が、『信長』と和睦し、『石山本願寺』を明け渡して、和歌山にある本願寺の『鷺森別院』に移ったことから、和歌山の梅の話になり、少女『トシエ』が、自分は、キスは『バド』が初めてじゃなく、唇はもう奪われている、ととんでもないことを云い出した。しかし、『ボッキ』少年が、『本願寺』が『東』と『西』とに別れた理由へと、話のテーマを戻し、ビエール少年は、『顕如』とその長男『教如』との対『信長』への方向性の違いや、しかし、結局は、『石山本願寺』は『信長』に明け渡されることになったことを説明したが、そこに突然、『光秀』の名前を持ち出してきたのだ。しかし、『ボッキ』少年は、『光秀』が『本願寺』の分裂とどう関わっていたのか、と問うたのだ。

「ほうじゃろ。『光秀』が攻撃したんは、『本願寺』じゃのうて『本能寺』じゃ」

と、『ボッキ』少年は、したり顔をしてみせた。

「うん、ウチも知っとるよ。『信長』さんは、『本能寺』で『光秀』に殺されたんじゃけえ。じゃけえ、ウチ、『光秀』好かんのんよ。なんか、顔怖いしねえ」

と、少女『トシエ』がまた、話を逸らし始めた。

「いや、顔が怖い、っていうか、なんか鋭い感じがするのは、『光秀』っていうよりも、演じている俳優だと思うよ。『佐藤慶』っていう人だよ」

と、ビエール少年は、『佐藤慶』の顔を思い浮かべながら、その俳優の名前を口にした。

「へええ、『佐藤ケイ』いうん、『光秀』はあ」

「うん、テレビではあんまり見たことなかったけど、映画では有名みたいだよ。確かね、外国の、そう、パナマの映画のお祭で賞をもらったらしいよ。『鬼婆』って、映画だったと思う」

『佐藤慶』は、『パナマ映画祭』で主演男優賞を受賞したのである。

「ひゃあ、やっぱり『バド』は凄いねえ。外国のこと、よう知っとりんさるんじゃねえ。でも、その『鬼婆』？ウチのお母ちゃんを映画にしたん？」

（続く）

【牛田デラシネ中学生】変態の作られ方［その369］

 

「『光秀』いうて、『明智光秀』かあ？」

と、『ボッキ』少年は、意外の感を込めた言葉を漏らした。

1967年4月のある土曜日、広島市立牛田中学を出た1年X組のビエール少年と『ボッキ』少年が、『ハナタバ』少年と、後で『秘密の入口』で会おう、と別れたところであった。いつからか、ビエール少年と『ボッキ』少年の背後にいた少女『トシエ』が、『秘密』という言葉を捉え、何の『秘密』か追求していたところ、遠りがかった赤い髪の若い外国人女性が、『バド』と呼ばれているビエール少年に対して、アメリカ人なのかと訊き、ビエール少年と英語での会話を交わしたのを見て、『ボッキ』少年と少女『トシエ』が、ビエール少年の英語力に感嘆していたことから、ビエール少年が見ているというNHK教育テレビの『テレビ英語会話』話題へとなっていた。そして、更に、少女『トシエ』が、奥さんが英語喋れない訳にはいかないから、自分も『テレビ英語会話』見るようにすると云い出し、少女の妄想は、ビエール少年の妻となった自分が、『整体拝受』の際の『ホスチア』だって作るかもしれない、とまで拡がっていっていた。しかし、『ボッキ』少年が、自分はキリスト教の知識のない理由として、お経の一節、『ナ～ムア～ミダ～ンブー』を唱えたことから、広島には『浄土真宗』の家が多いらしい、とビエール少年が博識ぶりを見せ、『ボッキ』少年も『東本願寺』、『西本願寺』を持ち出しはしたものの、『浄土真宗』が『東』と『西』とに別れた事情を知らず、ビーエル少年が、元は一つの『本願寺』だった『石山本願寺』を信長が攻撃したことが原因と説明しだした。そして、その『石山本願寺』信長がなかなか攻め切れなかったのは、『毛利輝元』が『石山本願寺』に食料とか武器なんかを提供して味方したからだとも説明をしたのだ。そこで、少女『トシエ』が、『石山本願寺』にお好み焼きも差し入れしたのだろうか、と云い出し、ビエール少年はそれを否定したが、少女『トシエ』は今度は、『もみじ饅頭』を差し入れしたのだろう、と云い出しことから、話は『もみじ饅頭』という名前の謂れ（『伊藤博文』が名前のヒントを与えた）へと派生していっていた。だが、話は、『伊藤博文』が、山口県光市出身であることから、『夢の超特急』に移っていったものの、今度は、『光市』から臨海学校へと移ってきたのであった。『光市』は、当時（19060年代である）、広島の学校がよく臨海学校で行くところであったからである。そして、最初は臨海学校に興味なさげであった少女『トシエ』が、ビエール少年と（だけではないが）教室で一緒に寝ることになるであろう臨海学校に眼を輝かせ、あろうことかネグリジェを着るとまで云い出し、ビエール少年は、『かわいい魔女ジニー』の姿態を思い出し、股間に『異変」を生じさせていたが、『ボッキ』少年の言葉で、どうにか『本願寺』が『東』と『西』とに別れた事情へと話は戻ったのではあった。だが、『浄土真宗』を広めた『親鸞』の子孫『蓮如』の関連して、晩年、『浄土真宗』に改宗した『一休さん』へとまたまた話は逸れたが、ビエール少年は、なんとかまた『本願寺』が『東』と『西』とに別れた事情へと話は戻し、『信長』が和睦の為、『本願寺』に渡した『一文字呉器』に言及したところ、少女『トシエ』は、『呉器』を『ゴキブリ』と勘違いし、『ボッキ』少年は、『一文』から『ジャイアント馬場』の『十六文キック』の言及してきたので、ビエール少年は、あらためて『一文字呉器』を解説したが、『ボッキ」少年がなかなか理解できないでいる様子である一方、少女『トシエ』は、『ジャイアント馬場』の『十六文』は、実は『文』ではなくアメリカの靴のサイズに由来するというビエール少年の説明を理解していることを自慢し、更に、ビエール少年がアメリカの靴のサイズのことまで知っていることまで自慢げに云い、アメリカで靴を買う時にはビエール少年に付き添って欲しいと云出だし、その際には『ガラスの靴』を買うと云ったことから、話は、今度は、『シンデレラ』に及び、ビエール少年は、『シンデレラ』があだ名であり、その名前の由来について言及していたところ、少女『トシエ』がいきなり、「ひゃああ！『バド』いうたらあ！」と叫び声を上げた。そして、『シンデレラ』からさらに派生してドイツの国鉄の名前を出したところ、少女『トシエ』がまた、「ひゃああ！『バド』いうたらあ！」と、ビエール少年のドイツ語力に感激し、叫び声を上げたのもものかわ、ビエール少年は、ドイツ語、フランス語、英語で、『シンデレラ』の名前の由来を解説したが、『ボッキ』少年は、話を『本願寺』が『東』と『西』とに別れた事情を戻すよう要求したものの、話は、また『ゴキブリ』から『アブラムシ』、そして、その英語『コックローチ』、更に、スペイン語の『クカラチャ』へと展開してしまった。そこからまた、スペインに絡んで、少女『トシエ』が情熱的な『フラメンコ』を踊りたいと云い出し、更に更に話は派生し、『星のフラメンコ』を歌った『西郷輝彦』から、当時（1960年代である）の歌手の『御三家』の『橋幸夫』、『舟木一夫』、そして、『舟木一夫』のヒット曲『高校三年生』へと展開し、今、『高校』という言葉から『広島皆実高校』について、『ボッキ』少年と少女『トシエ』は、語り始め、少女『トシエ』は、『広島皆実高校』にある『衛生看護科』に入って、看護婦になりたいと云った。で、『ボッキ』少年は、『広島皆実高校』は、元は『県女』だと云い、続けて、何故か、当時（1967年頃である）始った視聴者参加のテレビ番組『家族そろって歌合戦』の審査委員長である作曲家『高木東六』を出してきた。それは、『高木東六』が、自分の妻が『広島皆実高校』の前身である『広島県立広島高等女学校』（『県女』）の出身であることから、『広島皆実高校』の校歌を作曲したからであった、と『ボッキ』少年は説明したが、ビエール少年は、そのことに興味なさげであった為、『ボッキ』少年は、美人女優『月丘夢路』も『県女』出身だと説明したところ、少女『トシエ』が、自分も『皆実』の『看護科』に入って、『月丘夢路』みたいな美人の看護婦さんになると云い出し、ビエール少年には、『広島皆実高校』から『広島大学』の医学部に入り、医者になることを強く奨め、僧侶になるのなら『崇徳高校』だろうけれどそうではないだろうし、と『バレー』の強豪校『崇徳高校』の名前を出してきた。そこから、広島市内の他の宗教系学校の名前が出てきたものの、少女『トシエ』が、ビエール少年には『皆実』に行って欲しいと発言したが、『ボッキ』少年が、突然、「あ、ほうじゃ、『浄土真宗』じゃ」と叫び、『本願寺』が『東』と『西』とに別れたことに戻そうとしたものの、少女『トシエ』が、『崇徳高校』には相撲部があり（19060年代当時のことだ）、相撲に関連して、『巨人、大鵬、卵焼き』という言葉に言及し、『大鵬』は『巨人』の仲間だから好きではない、と云い出し、話はそこから『卵焼き』、ビエール少年の母親、『目玉焼き』、更には、『サニーサイドアップ』、日産自動車のクルマ『サニー』へと逸れていっていた。そして、ようやくビエール少年は、『サニーサイドアップ』から『サニーサイドダウン』、つまり、『オーバーイージー』の説明に移り、加えて、『目玉焼き』の他の焼き方についても説明したが、『目玉焼き』に何をかけるかでもめ、そこから『目玉焼き』は『洋食』か『和食』かの議論となり、話は逸れに逸れ、『洋食』から『ハンバーグ』、『タルタル人』、『ウルトラQ』や『ウルトラマン』の怪獣へ、更には、それらを作った『円谷英二』の『円谷』という苗字の読み方へと派生し、続けて、『円谷』の『円』の旧字『圓』の成り立ちを、ビエール少年は説明し、その『圓』の漢字を持つ落語家『三遊亭圓生』の名を挙げたところ、『ボッキ』少年が、甲高い声で『山のアナアナ』、『山のアナアナアナ、アナタ、もう寝ましょうよ』と、『三遊亭歌奴』の落語を持ち出し、その延長で、『林家三平』の名前を出し、それを受けた少女『トシエ』が、『林家三平』の歌『好きです（ヨシコさん）』を歌い出し、それを唄え、とビーエル少年に促した。ビエール少年は、少女『トシエ』が、『好きです（ヨシコさん）』の歌の中の一節『♫キスさせてえ』を歌いながら、唇を突き出したきたことに動揺しながら、自分は『林家三平』が好きではなく、『圓生』、『圓楽』、『小さん』、『馬生』、『志ん朝』といった落語家が好きで、落語はやはり、西の方じゃなく、やはり東の方、『江戸落語』がいい、と云ったところ、『おお、そうじゃった！』、と『ボッキ』少年が、大きな声を上げ、またまた、話を『本願寺』が『東』と『西』とに別れた事情を戻したのであったが、浄土真宗の宗主『顕如』が、『信長』と和睦し、『石山本願寺』を明け渡して、和歌山にある本願寺の『鷺森別院』に移ったことから、和歌山の梅の話になり、少女『トシエ』が、自分は、キスは『バド』が初めてじゃなく、唇はもう奪われている、ととんでもないことを云い出した。しかし、『ボッキ』少年が、『本願寺』が『東』と『西』とに別れた理由へと、話のテーマを戻し、ビエール少年は、『顕如』とその長男『教如』との対『信長』への方向性の違いや、しかし、結局は、『石山本願寺』は『信長』に明け渡されることになったことを説明したが、そこに突然、『光秀』の名前を持ち出してきたのだ。

「そう、『明智光秀』のお陰で、『本願寺』は生き延びたとも云えるらしいんだ」

と、ビエール少年は、『明智光秀』と『本願寺』との関係を説明し始めたが、

「ええー！ウチ、『光秀』嫌いじゃあ」

と、少女『トシエ』が、嫌悪の言葉で割り込んできた。

「え？」

「『光秀』いうたら、『信長』さん、殺したんじゃろ」

「うーむ、まあ、そうだけど、正確には、『信長』は自害したんだけどね」

「ウチ、『信長』さんが良かったんよ。うん、お母ちゃんも『信長』さんが好きじゃって、『ああような美男子、殺しんさんなやあ』云うとってじゃった」

「ああ、『太閤記』だね。『高橋幸治』って、人気だったよねえ」

前々年（1965年）のNHK大河ドラマ『太閤記』で、『高橋幸治』が『信長』を演じ、好評を博し、『信長を死なせるな』という嘆願が多数、NHKに寄せられたという。

少女『トシエ』にとって、『信長』は、『高橋幸治』演じる『信長』なのであった。いや、当時の多くの人には、『信長』は、短期で暴力的だったとされる史実上の存在とは異なり、NHK大河ドラマ『太閤記』で『高橋幸治』が演じた、凛々しく威厳のある『信長』となっていたのである。

「ウチも『信長』さんに見とれとったんよお。格好良かったけえね」

「ああ、『高橋幸治』って、確かに美男子だよね」

「あ！違うんよ」

「え？」

「そりゃ、『信長』さんは格好良かったけど、『バド』には敵わんけえ、間違えんといてえね」

「いや、間違えたりはしないけど…」

「『信長』が格好えかろうと悪かろうとええんじゃ。問題は、『光秀』よお。『光秀』が『本願寺』に何したんや？」

と、『ボッキ』少年が、話があらぬ方向にばかり向かうことに苛立ちを見せながら、そう訊いた。

（続く）

【牛田デラシネ中学生】変態の作られ方［その368］

 

「『教如』が納得しなかったんだ」

と、ビエール少年は、眉を顰めながら、『本願寺』が『東』と『西』とに別れた理由を解説する。

1967年4月のある土曜日、広島市立牛田中学を出た1年X組のビエール少年と『ボッキ』少年が、『ハナタバ』少年と、後で『秘密の入口』で会おう、と別れたところであった。いつからか、ビエール少年と『ボッキ』少年の背後にいた少女『トシエ』が、『秘密』という言葉を捉え、何の『秘密』か追求していたところ、遠りがかった赤い髪の若い外国人女性が、『バド』と呼ばれているビエール少年に対して、アメリカ人なのかと訊き、ビエール少年と英語での会話を交わしたのを見て、『ボッキ』少年と少女『トシエ』が、ビエール少年の英語力に感嘆していたことから、ビエール少年が見ているというNHK教育テレビの『テレビ英語会話』話題へとなっていた。そして、更に、少女『トシエ』が、奥さんが英語喋れない訳にはいかないから、自分も『テレビ英語会話』見るようにすると云い出し、少女の妄想は、ビエール少年の妻となった自分が、『整体拝受』の際の『ホスチア』だって作るかもしれない、とまで拡がっていっていた。しかし、『ボッキ』少年が、自分はキリスト教の知識のない理由として、お経の一節、『ナ～ムア～ミダ～ンブー』を唱えたことから、広島には『浄土真宗』の家が多いらしい、とビエール少年が博識ぶりを見せ、『ボッキ』少年も『東本願寺』、『西本願寺』を持ち出しはしたものの、『浄土真宗』が『東』と『西』とに別れた事情を知らず、ビーエル少年が、元は一つの『本願寺』だった『石山本願寺』を信長が攻撃したことが原因と説明しだした。そして、その『石山本願寺』信長がなかなか攻め切れなかったのは、『毛利輝元』が『石山本願寺』に食料とか武器なんかを提供して味方したからだとも説明をしたのだ。そこで、少女『トシエ』が、『石山本願寺』にお好み焼きも差し入れしたのだろうか、と云い出し、ビエール少年はそれを否定したが、少女『トシエ』は今度は、『もみじ饅頭』を差し入れしたのだろう、と云い出しことから、話は『もみじ饅頭』という名前の謂れ（『伊藤博文』が名前のヒントを与えた）へと派生していっていた。だが、話は、『伊藤博文』が、山口県光市出身であることから、『夢の超特急』に移っていったものの、今度は、『光市』から臨海学校へと移ってきたのであった。『光市』は、当時（19060年代である）、広島の学校がよく臨海学校で行くところであったからである。そして、最初は臨海学校に興味なさげであった少女『トシエ』が、ビエール少年と（だけではないが）教室で一緒に寝ることになるであろう臨海学校に眼を輝かせ、あろうことかネグリジェを着るとまで云い出し、ビエール少年は、『かわいい魔女ジニー』の姿態を思い出し、股間に『異変」を生じさせていたが、『ボッキ』少年の言葉で、どうにか『本願寺』が『東』と『西』とに別れた事情へと話は戻ったのではあった。だが、『浄土真宗』を広めた『親鸞』の子孫『蓮如』の関連して、晩年、『浄土真宗』に改宗した『一休さん』へとまたまた話は逸れたが、ビエール少年は、なんとかまた『本願寺』が『東』と『西』とに別れた事情へと話は戻し、『信長』が和睦の為、『本願寺』に渡した『一文字呉器』に言及したところ、少女『トシエ』は、『呉器』を『ゴキブリ』と勘違いし、『ボッキ』少年は、『一文』から『ジャイアント馬場』の『十六文キック』の言及してきたので、ビエール少年は、あらためて『一文字呉器』を解説したが、『ボッキ」少年がなかなか理解できないでいる様子である一方、少女『トシエ』は、『ジャイアント馬場』の『十六文』は、実は『文』ではなくアメリカの靴のサイズに由来するというビエール少年の説明を理解していることを自慢し、更に、ビエール少年がアメリカの靴のサイズのことまで知っていることまで自慢げに云い、アメリカで靴を買う時にはビエール少年に付き添って欲しいと云出だし、その際には『ガラスの靴』を買うと云ったことから、話は、今度は、『シンデレラ』に及び、ビエール少年は、『シンデレラ』があだ名であり、その名前の由来について言及していたところ、少女『トシエ』がいきなり、「ひゃああ！『バド』いうたらあ！」と叫び声を上げた。そして、『シンデレラ』からさらに派生してドイツの国鉄の名前を出したところ、少女『トシエ』がまた、「ひゃああ！『バド』いうたらあ！」と、ビエール少年のドイツ語力に感激し、叫び声を上げたのもものかわ、ビエール少年は、ドイツ語、フランス語、英語で、『シンデレラ』の名前の由来を解説したが、『ボッキ』少年は、話を『本願寺』が『東』と『西』とに別れた事情を戻すよう要求したものの、話は、また『ゴキブリ』から『アブラムシ』、そして、その英語『コックローチ』、更に、スペイン語の『クカラチャ』へと展開してしまった。そこからまた、スペインに絡んで、少女『トシエ』が情熱的な『フラメンコ』を踊りたいと云い出し、更に更に話は派生し、『星のフラメンコ』を歌った『西郷輝彦』から、当時（1960年代である）の歌手の『御三家』の『橋幸夫』、『舟木一夫』、そして、『舟木一夫』のヒット曲『高校三年生』へと展開し、今、『高校』という言葉から『広島皆実高校』について、『ボッキ』少年と少女『トシエ』は、語り始め、少女『トシエ』は、『広島皆実高校』にある『衛生看護科』に入って、看護婦になりたいと云った。で、『ボッキ』少年は、『広島皆実高校』は、元は『県女』だと云い、続けて、何故か、当時（1967年頃である）始った視聴者参加のテレビ番組『家族そろって歌合戦』の審査委員長である作曲家『高木東六』を出してきた。それは、『高木東六』が、自分の妻が『広島皆実高校』の前身である『広島県立広島高等女学校』（『県女』）の出身であることから、『広島皆実高校』の校歌を作曲したからであった、と『ボッキ』少年は説明したが、ビエール少年は、そのことに興味なさげであった為、『ボッキ』少年は、美人女優『月丘夢路』も『県女』出身だと説明したところ、少女『トシエ』が、自分も『皆実』の『看護科』に入って、『月丘夢路』みたいな美人の看護婦さんになると云い出し、ビエール少年には、『広島皆実高校』から『広島大学』の医学部に入り、医者になることを強く奨め、僧侶になるのなら『崇徳高校』だろうけれどそうではないだろうし、と『バレー』の強豪校『崇徳高校』の名前を出してきた。そこから、広島市内の他の宗教系学校の名前が出てきたものの、少女『トシエ』が、ビエール少年には『皆実』に行って欲しいと発言したが、『ボッキ』少年が、突然、「あ、ほうじゃ、『浄土真宗』じゃ」と叫び、『本願寺』が『東』と『西』とに別れたことに戻そうとしたものの、少女『トシエ』が、『崇徳高校』には相撲部があり（19060年代当時のことだ）、相撲に関連して、『巨人、大鵬、卵焼き』という言葉に言及し、『大鵬』は『巨人』の仲間だから好きではない、と云い出し、話はそこから『卵焼き』、ビエール少年の母親、『目玉焼き』、更には、『サニーサイドアップ』、日産自動車のクルマ『サニー』へと逸れていっていた。そして、ようやくビエール少年は、『サニーサイドアップ』から『サニーサイドダウン』、つまり、『オーバーイージー』の説明に移り、加えて、『目玉焼き』の他の焼き方についても説明したが、『目玉焼き』に何をかけるかでもめ、そこから『目玉焼き』は『洋食』か『和食』かの議論となり、話は逸れに逸れ、『洋食』から『ハンバーグ』、『タルタル人』、『ウルトラQ』や『ウルトラマン』の怪獣へ、更には、それらを作った『円谷英二』の『円谷』という苗字の読み方へと派生し、続けて、『円谷』の『円』の旧字『圓』の成り立ちを、ビエール少年は説明し、その『圓』の漢字を持つ落語家『三遊亭圓生』の名を挙げたところ、『ボッキ』少年が、甲高い声で『山のアナアナ』、『山のアナアナアナ、アナタ、もう寝ましょうよ』と、『三遊亭歌奴』の落語を持ち出し、その延長で、『林家三平』の名前を出し、それを受けた少女『トシエ』が、『林家三平』の歌『好きです（ヨシコさん）』を歌い出し、それを唄え、とビーエル少年に促した。ビエール少年は、少女『トシエ』が、『好きです（ヨシコさん）』の歌の中の一節『♫キスさせてえ』を歌いながら、唇を突き出したきたことに動揺しながら、自分は『林家三平』が好きではなく、『圓生』、『圓楽』、『小さん』、『馬生』、『志ん朝』といった落語家が好きで、落語はやはり、西の方じゃなく、やはり東の方、『江戸落語』がいい、と云ったところ、『おお、そうじゃった！』、と『ボッキ』少年が、大きな声を上げ、またまた、話を『本願寺』が『東』と『西』とに別れた事情を戻したのであったが、浄土真宗の宗主『顕如』が、『信長』と和睦し、『石山本願寺』を明け渡して、和歌山にある本願寺の『鷺森別院』に移ったことから、和歌山の梅の話になり、少女『トシエ』が、自分は、キスは『バド』が初めてじゃなく、唇はもう奪われている、ととんでもないことを云い出した。しかし、『ボッキ』少年が、『本願寺』が『東』と『西』とに別れた理由へと、話のテーマを戻したのであった。

「ええ？『恐竜』？日本に『恐竜』がおったん？」

と、少女『トシエ』が、不思議そうに訊いた。

「いや、『恐竜』じゃないんだ」

「ほうじゃろ、日本に『恐竜』はおらんじゃろ」

「いや、日本にだって、大昔、『恐竜』はいたっておかしくはないと思うけど」

と、ビエール少年が云ったのは、そう、1967年であったが、それからおよそ10年後の1978年に岩手県岩泉で、日本初の恐竜の化石が発見されるのを予見していたかのような言葉であった。

「だけど、ボクが云ったのは、『恐竜』（キョーりゅう）ではなく『教如』（キョーにょ）なんだ。『教如』って、『顕如』の長男なんだよ」

「あ、ちょうなんねえ」

と、少女『トシエ』は、ダジャレを飛ばしたが、ビエール少年は、それを無視して、説明を続ける。

「『教如』は、お父さんの『顕如』が『信長』と和睦したことに納得しなくって、『石山本願寺』に残るんだ。これが、後々、問題になるんだけど、でも、この時は、『教如』も、結局は、『信長』に押されて『石山本願寺』を明け渡しちゃうんだ」

「なんねえ、情けない『恐竜』じゃねえ」

「いや、『恐竜』じゃなくって『教如』なんだけど、ここで『光秀』が関係してくるんだ」

「え？！『光秀』？」

と、『ボッキ』少年が、大きな声を上げた。

（続く）

【牛田デラシネ中学生】変態の作られ方［その367］

 

「う、う、『奪われとる』？？？」

と、ビエール少年は、少女『トシエ』に対して、中学一年生にとっては『禁断』の言葉ともいえる単語を、躊躇しながらも発した。

1967年4月のある土曜日、広島市立牛田中学を出た1年X組のビエール少年と『ボッキ』少年が、『ハナタバ』少年と、後で『秘密の入口』で会おう、と別れたところであった。いつからか、ビエール少年と『ボッキ』少年の背後にいた少女『トシエ』が、『秘密』という言葉を捉え、何の『秘密』か追求していたところ、遠りがかった赤い髪の若い外国人女性が、『バド』と呼ばれているビエール少年に対して、アメリカ人なのかと訊き、ビエール少年と英語での会話を交わしたのを見て、『ボッキ』少年と少女『トシエ』が、ビエール少年の英語力に感嘆していたことから、ビエール少年が見ているというNHK教育テレビの『テレビ英語会話』話題へとなっていた。そして、更に、少女『トシエ』が、奥さんが英語喋れない訳にはいかないから、自分も『テレビ英語会話』見るようにすると云い出し、少女の妄想は、ビエール少年の妻となった自分が、『整体拝受』の際の『ホスチア』だって作るかもしれない、とまで拡がっていっていた。しかし、『ボッキ』少年が、自分はキリスト教の知識のない理由として、お経の一節、『ナ～ムア～ミダ～ンブー』を唱えたことから、広島には『浄土真宗』の家が多いらしい、とビエール少年が博識ぶりを見せ、『ボッキ』少年も『東本願寺』、『西本願寺』を持ち出しはしたものの、『浄土真宗』が『東』と『西』とに別れた事情を知らず、ビーエル少年が、元は一つの『本願寺』だった『石山本願寺』を信長が攻撃したことが原因と説明しだした。そして、その『石山本願寺』信長がなかなか攻め切れなかったのは、『毛利輝元』が『石山本願寺』に食料とか武器なんかを提供して味方したからだとも説明をしたのだ。そこで、少女『トシエ』が、『石山本願寺』にお好み焼きも差し入れしたのだろうか、と云い出し、ビエール少年はそれを否定したが、少女『トシエ』は今度は、『もみじ饅頭』を差し入れしたのだろう、と云い出しことから、話は『もみじ饅頭』という名前の謂れ（『伊藤博文』が名前のヒントを与えた）へと派生していっていた。だが、話は、『伊藤博文』が、山口県光市出身であることから、『夢の超特急』に移っていったものの、今度は、『光市』から臨海学校へと移ってきたのであった。『光市』は、当時（19060年代である）、広島の学校がよく臨海学校で行くところであったからである。そして、最初は臨海学校に興味なさげであった少女『トシエ』が、ビエール少年と（だけではないが）教室で一緒に寝ることになるであろう臨海学校に眼を輝かせ、あろうことかネグリジェを着るとまで云い出し、ビエール少年は、『かわいい魔女ジニー』の姿態を思い出し、股間に『異変」を生じさせていたが、『ボッキ』少年の言葉で、どうにか『本願寺』が『東』と『西』とに別れた事情へと話は戻ったのではあった。だが、『浄土真宗』を広めた『親鸞』の子孫『蓮如』の関連して、晩年、『浄土真宗』に改宗した『一休さん』へとまたまた話は逸れたが、ビエール少年は、なんとかまた『本願寺』が『東』と『西』とに別れた事情へと話は戻し、『信長』が和睦の為、『本願寺』に渡した『一文字呉器』に言及したところ、少女『トシエ』は、『呉器』を『ゴキブリ』と勘違いし、『ボッキ』少年は、『一文』から『ジャイアント馬場』の『十六文キック』の言及してきたので、ビエール少年は、あらためて『一文字呉器』を解説したが、『ボッキ」少年がなかなか理解できないでいる様子である一方、少女『トシエ』は、『ジャイアント馬場』の『十六文』は、実は『文』ではなくアメリカの靴のサイズに由来するというビエール少年の説明を理解していることを自慢し、更に、ビエール少年がアメリカの靴のサイズのことまで知っていることまで自慢げに云い、アメリカで靴を買う時にはビエール少年に付き添って欲しいと云出だし、その際には『ガラスの靴』を買うと云ったことから、話は、今度は、『シンデレラ』に及び、ビエール少年は、『シンデレラ』があだ名であり、その名前の由来について言及していたところ、少女『トシエ』がいきなり、「ひゃああ！『バド』いうたらあ！」と叫び声を上げた。そして、『シンデレラ』からさらに派生してドイツの国鉄の名前を出したところ、少女『トシエ』がまた、「ひゃああ！『バド』いうたらあ！」と、ビエール少年のドイツ語力に感激し、叫び声を上げたのもものかわ、ビエール少年は、ドイツ語、フランス語、英語で、『シンデレラ』の名前の由来を解説したが、『ボッキ』少年は、話を『本願寺』が『東』と『西』とに別れた事情を戻すよう要求したものの、話は、また『ゴキブリ』から『アブラムシ』、そして、その英語『コックローチ』、更に、スペイン語の『クカラチャ』へと展開してしまった。そこからまた、スペインに絡んで、少女『トシエ』が情熱的な『フラメンコ』を踊りたいと云い出し、更に更に話は派生し、『星のフラメンコ』を歌った『西郷輝彦』から、当時（1960年代である）の歌手の『御三家』の『橋幸夫』、『舟木一夫』、そして、『舟木一夫』のヒット曲『高校三年生』へと展開し、今、『高校』という言葉から『広島皆実高校』について、『ボッキ』少年と少女『トシエ』は、語り始め、少女『トシエ』は、『広島皆実高校』にある『衛生看護科』に入って、看護婦になりたいと云った。で、『ボッキ』少年は、『広島皆実高校』は、元は『県女』だと云い、続けて、何故か、当時（1967年頃である）始った視聴者参加のテレビ番組『家族そろって歌合戦』の審査委員長である作曲家『高木東六』を出してきた。それは、『高木東六』が、自分の妻が『広島皆実高校』の前身である『広島県立広島高等女学校』（『県女』）の出身であることから、『広島皆実高校』の校歌を作曲したからであった、と『ボッキ』少年は説明したが、ビエール少年は、そのことに興味なさげであった為、『ボッキ』少年は、美人女優『月丘夢路』も『県女』出身だと説明したところ、少女『トシエ』が、自分も『皆実』の『看護科』に入って、『月丘夢路』みたいな美人の看護婦さんになると云い出し、ビエール少年には、『広島皆実高校』から『広島大学』の医学部に入り、医者になることを強く奨め、僧侶になるのなら『崇徳高校』だろうけれどそうではないだろうし、と『バレー』の強豪校『崇徳高校』の名前を出してきた。そこから、広島市内の他の宗教系学校の名前が出てきたものの、少女『トシエ』が、ビエール少年には『皆実』に行って欲しいと発言したが、『ボッキ』少年が、突然、「あ、ほうじゃ、『浄土真宗』じゃ」と叫び、『本願寺』が『東』と『西』とに別れたことに戻そうとしたものの、少女『トシエ』が、『崇徳高校』には相撲部があり（19060年代当時のことだ）、相撲に関連して、『巨人、大鵬、卵焼き』という言葉に言及し、『大鵬』は『巨人』の仲間だから好きではない、と云い出し、話はそこから『卵焼き』、ビエール少年の母親、『目玉焼き』、更には、『サニーサイドアップ』、日産自動車のクルマ『サニー』へと逸れていっていた。そして、ようやくビエール少年は、『サニーサイドアップ』から『サニーサイドダウン』、つまり、『オーバーイージー』の説明に移り、加えて、『目玉焼き』の他の焼き方についても説明したが、『目玉焼き』に何をかけるかでもめ、そこから『目玉焼き』は『洋食』か『和食』かの議論となり、話は逸れに逸れ、『洋食』から『ハンバーグ』、『タルタル人』、『ウルトラQ』や『ウルトラマン』の怪獣へ、更には、それらを作った『円谷英二』の『円谷』という苗字の読み方へと派生し、続けて、『円谷』の『円』の旧字『圓』の成り立ちを、ビエール少年は説明し、その『圓』の漢字を持つ落語家『三遊亭圓生』の名を挙げたところ、『ボッキ』少年が、甲高い声で『山のアナアナ』、『山のアナアナアナ、アナタ、もう寝ましょうよ』と、『三遊亭歌奴』の落語を持ち出し、その延長で、『林家三平』の名前を出し、それを受けた少女『トシエ』が、『林家三平』の歌『好きです（ヨシコさん）』を歌い出し、それを唄え、とビーエル少年に促した。ビエール少年は、少女『トシエ』が、『好きです（ヨシコさん）』の歌の中の一節『♫キスさせてえ』を歌いながら、唇を突き出したきたことに動揺しながら、自分は『林家三平』が好きではなく、『圓生』、『圓楽』、『小さん』、『馬生』、『志ん朝』といった落語家が好きで、落語はやはり、西の方じゃなく、やはり東の方、『江戸落語』がいい、と云ったところ、『おお、そうじゃった！』、と『ボッキ』少年が、大きな声を上げ、またまた、話を『本願寺』が『東』と『西』とに別れた事情を戻したのであったが、浄土真宗の宗主『顕如』が、『信長』と和睦し、『石山本願寺』を明け渡して、和歌山にある本願寺の『鷺森別院』に移ったことから、和歌山の梅の話になり、少女『トシエ』が、自分は、キスは『バド』が初めてじゃなく、唇はもう奪われている、ととんでもないことを云い出したのだ。

「だ、誰に？」

勢いであった。訊くつもりではなかったのに、ビエール少年は、少女『トシエ』に、誰に『唇を奪われた』のか、訊いてしまった。

「お父ちゃん…」

「え？」

「ウチが赤ちゃんの頃、お父ちゃんが、『おお、可愛いのお』云うて、ウチにキスしたんじゃと」

「なーんだ」

とは云ったものの、ビエール少年は、安心した、いや、安心する必要もなかったのに、どうして、そんな言葉を口にしてしまったのか、と思った。

「ごめんね、『バド』が、『初めて』じゃのうて」

「いや、お父さんでしょ」

「今はもう、お父ちゃんにキスさせとらんけえね。安心してえね」

「いや、安心も何も」

「でも、ウチ、お父ちゃん以外とは『経験』ないけえ、うん、キス上手うはないんよ。じゃけえ、『バド』教えてえね。んふっ」

「え！？いや、ボク、キスは上手くは…」

「何、云うとるん。さっき、『キス上手い』云うたじゃあないねえ」

「へ？ボクは、ただ紀州の梅干し…あ、『紀州の梅』って云ったんだよ」

「じゃけえ、『キス上手い』んじゃろ」

「あのね、『キス』じゃなく『紀州』なんだ」

「『キシュー』？」

「うん、和歌山って、『紀伊国』（きいのくに）って云うでしょ。『紀元前』の『紀』に、『伊藤』の『伊』に、『国』って書くでしょ。だから、『紀』に、本州の『州』っていうか、アメリカのカリフォルニア州なんかの『州』の字をつけて、『紀州』って呼ばれるんだ。江戸時代、和歌山は『紀州藩』だったんだ」

「やっぱり『バド』じゃ。アメリカの『州』を付けたんじゃね」

「いや、ボクが付けたわけじゃないんだけど…で、『上手い』じゃなくって、『梅』って云ったんだ。梅干しの梅だよ」

「なーんねえ」

と、少女『トシエ』は、文字通り肩を落とした。

「梅のことなんかどうでもエエ。で、『顕如』いうお坊さんは、『信長』と和睦して、『石山本願寺』を明け渡して、和歌山に行ったんじゃろ。それで、なんで『本願寺』が『東』と『西』とに別れたんや？」

と、『ボッキ』少年が、イライラを隠さず、訊いてきた。

（続く）

【牛田デラシネ中学生】変態の作られ方［その366］

 

「え？ど、ど、どうしたの？」

と、ビエール少年は、『山のアナアナ』の『三遊亭歌奴』ではないが、少女『トシエ』の大仰な仕草と叫び声に、吃ってしまった。

1967年4月のある土曜日、広島市立牛田中学を出た1年X組のビエール少年と『ボッキ』少年が、『ハナタバ』少年と、後で『秘密の入口』で会おう、と別れたところであった。いつからか、ビエール少年と『ボッキ』少年の背後にいた少女『トシエ』が、『秘密』という言葉を捉え、何の『秘密』か追求していたところ、遠りがかった赤い髪の若い外国人女性が、『バド』と呼ばれているビエール少年に対して、アメリカ人なのかと訊き、ビエール少年と英語での会話を交わしたのを見て、『ボッキ』少年と少女『トシエ』が、ビエール少年の英語力に感嘆していたことから、ビエール少年が見ているというNHK教育テレビの『テレビ英語会話』話題へとなっていた。そして、更に、少女『トシエ』が、奥さんが英語喋れない訳にはいかないから、自分も『テレビ英語会話』見るようにすると云い出し、少女の妄想は、ビエール少年の妻となった自分が、『整体拝受』の際の『ホスチア』だって作るかもしれない、とまで拡がっていっていた。しかし、『ボッキ』少年が、自分はキリスト教の知識のない理由として、お経の一節、『ナ～ムア～ミダ～ンブー』を唱えたことから、広島には『浄土真宗』の家が多いらしい、とビエール少年が博識ぶりを見せ、『ボッキ』少年も『東本願寺』、『西本願寺』を持ち出しはしたものの、『浄土真宗』が『東』と『西』とに別れた事情を知らず、ビーエル少年が、元は一つの『本願寺』だった『石山本願寺』を信長が攻撃したことが原因と説明しだした。そして、その『石山本願寺』信長がなかなか攻め切れなかったのは、『毛利輝元』が『石山本願寺』に食料とか武器なんかを提供して味方したからだとも説明をしたのだ。そこで、少女『トシエ』が、『石山本願寺』にお好み焼きも差し入れしたのだろうか、と云い出し、ビエール少年はそれを否定したが、少女『トシエ』は今度は、『もみじ饅頭』を差し入れしたのだろう、と云い出しことから、話は『もみじ饅頭』という名前の謂れ（『伊藤博文』が名前のヒントを与えた）へと派生していっていた。だが、話は、『伊藤博文』が、山口県光市出身であることから、『夢の超特急』に移っていったものの、今度は、『光市』から臨海学校へと移ってきたのであった。『光市』は、当時（19060年代である）、広島の学校がよく臨海学校で行くところであったからである。そして、最初は臨海学校に興味なさげであった少女『トシエ』が、ビエール少年と（だけではないが）教室で一緒に寝ることになるであろう臨海学校に眼を輝かせ、あろうことかネグリジェを着るとまで云い出し、ビエール少年は、『かわいい魔女ジニー』の姿態を思い出し、股間に『異変」を生じさせていたが、『ボッキ』少年の言葉で、どうにか『本願寺』が『東』と『西』とに別れた事情へと話は戻ったのではあった。だが、『浄土真宗』を広めた『親鸞』の子孫『蓮如』の関連して、晩年、『浄土真宗』に改宗した『一休さん』へとまたまた話は逸れたが、ビエール少年は、なんとかまた『本願寺』が『東』と『西』とに別れた事情へと話は戻し、『信長』が和睦の為、『本願寺』に渡した『一文字呉器』に言及したところ、少女『トシエ』は、『呉器』を『ゴキブリ』と勘違いし、『ボッキ』少年は、『一文』から『ジャイアント馬場』の『十六文キック』の言及してきたので、ビエール少年は、あらためて『一文字呉器』を解説したが、『ボッキ」少年がなかなか理解できないでいる様子である一方、少女『トシエ』は、『ジャイアント馬場』の『十六文』は、実は『文』ではなくアメリカの靴のサイズに由来するというビエール少年の説明を理解していることを自慢し、更に、ビエール少年がアメリカの靴のサイズのことまで知っていることまで自慢げに云い、アメリカで靴を買う時にはビエール少年に付き添って欲しいと云出だし、その際には『ガラスの靴』を買うと云ったことから、話は、今度は、『シンデレラ』に及び、ビエール少年は、『シンデレラ』があだ名であり、その名前の由来について言及していたところ、少女『トシエ』がいきなり、「ひゃああ！『バド』いうたらあ！」と叫び声を上げた。そして、『シンデレラ』からさらに派生してドイツの国鉄の名前を出したところ、少女『トシエ』がまた、「ひゃああ！『バド』いうたらあ！」と、ビエール少年のドイツ語力に感激し、叫び声を上げたのもものかわ、ビエール少年は、ドイツ語、フランス語、英語で、『シンデレラ』の名前の由来を解説したが、『ボッキ』少年は、話を『本願寺』が『東』と『西』とに別れた事情を戻すよう要求したものの、話は、また『ゴキブリ』から『アブラムシ』、そして、その英語『コックローチ』、更に、スペイン語の『クカラチャ』へと展開してしまった。そこからまた、スペインに絡んで、少女『トシエ』が情熱的な『フラメンコ』を踊りたいと云い出し、更に更に話は派生し、『星のフラメンコ』を歌った『西郷輝彦』から、当時（1960年代である）の歌手の『御三家』の『橋幸夫』、『舟木一夫』、そして、『舟木一夫』のヒット曲『高校三年生』へと展開し、今、『高校』という言葉から『広島皆実高校』について、『ボッキ』少年と少女『トシエ』は、語り始め、少女『トシエ』は、『広島皆実高校』にある『衛生看護科』に入って、看護婦になりたいと云った。で、『ボッキ』少年は、『広島皆実高校』は、元は『県女』だと云い、続けて、何故か、当時（1967年頃である）始った視聴者参加のテレビ番組『家族そろって歌合戦』の審査委員長である作曲家『高木東六』を出してきた。それは、『高木東六』が、自分の妻が『広島皆実高校』の前身である『広島県立広島高等女学校』（『県女』）の出身であることから、『広島皆実高校』の校歌を作曲したからであった、と『ボッキ』少年は説明したが、ビエール少年は、そのことに興味なさげであった為、『ボッキ』少年は、美人女優『月丘夢路』も『県女』出身だと説明したところ、少女『トシエ』が、自分も『皆実』の『看護科』に入って、『月丘夢路』みたいな美人の看護婦さんになると云い出し、ビエール少年には、『広島皆実高校』から『広島大学』の医学部に入り、医者になることを強く奨め、僧侶になるのなら『崇徳高校』だろうけれどそうではないだろうし、と『バレー』の強豪校『崇徳高校』の名前を出してきた。そこから、広島市内の他の宗教系学校の名前が出てきたものの、少女『トシエ』が、ビエール少年には『皆実』に行って欲しいと発言したが、『ボッキ』少年が、突然、「あ、ほうじゃ、『浄土真宗』じゃ」と叫び、『本願寺』が『東』と『西』とに別れたことに戻そうとしたものの、少女『トシエ』が、『崇徳高校』には相撲部があり（19060年代当時のことだ）、相撲に関連して、『巨人、大鵬、卵焼き』という言葉に言及し、『大鵬』は『巨人』の仲間だから好きではない、と云い出し、話はそこから『卵焼き』、ビエール少年の母親、『目玉焼き』、更には、『サニーサイドアップ』、日産自動車のクルマ『サニー』へと逸れていっていた。そして、ようやくビエール少年は、『サニーサイドアップ』から『サニーサイドダウン』、つまり、『オーバーイージー』の説明に移り、加えて、『目玉焼き』の他の焼き方についても説明したが、『目玉焼き』に何をかけるかでもめ、そこから『目玉焼き』は『洋食』か『和食』かの議論となり、話は逸れに逸れ、『洋食』から『ハンバーグ』、『タルタル人』、『ウルトラQ』や『ウルトラマン』の怪獣へ、更には、それらを作った『円谷英二』の『円谷』という苗字の読み方へと派生し、続けて、『円谷』の『円』の旧字『圓』の成り立ちを、ビエール少年は説明し、その『圓』の漢字を持つ落語家『三遊亭圓生』の名を挙げたところ、『ボッキ』少年が、甲高い声で『山のアナアナ』、『山のアナアナアナ、アナタ、もう寝ましょうよ』と、『三遊亭歌奴』の落語を持ち出し、その延長で、『林家三平』の名前を出し、それを受けた少女『トシエ』が、『林家三平』の歌『好きです（ヨシコさん）』を歌い出し、それを唄え、とビーエル少年に促した。ビエール少年は、少女『トシエ』が、『好きです（ヨシコさん）』の歌の中の一節『♫キスさせてえ』を歌いながら、唇を突き出したきたことに動揺しながら、自分は『林家三平』が好きではなく、『圓生』、『圓楽』、『小さん』、『馬生』、『志ん朝』といった落語家が好きで、落語はやはり、西の方じゃなく、やはり東の方、『江戸落語』がいい、と云ったところ、『おお、そうじゃった！』、と『ボッキ』少年が、大きな声を上げ、またまた、話を『本願寺』が『東』と『西』とに別れた事情を戻したのであったが、浄土真宗の宗主『顕如』が、『信長』と和睦し、『石山本願寺』を明け渡して、和歌山にある本願寺の『鷺森別院』に移ったことから、和歌山の梅の話になったところで、『ひゃあああ！』と、少女『トシエ』が両手を両頬に当て飛び上がるように叫んだのだ。

「じゃって、『バド』いうたら、凄いこと云うんじゃけえ！」

と、少女『トシエ』は、顔面中を真紅に染めた。

「え？凄いこと？朝ご飯に『紀州』の梅干しを食べることある、って云っただけだけど…」

「ひゃあああ！」

「あ、あ、あのお…どうしたの？」

「じゃって、『キス上手い』云うんじゃけえ」

「え？『キス上手い』？」

「『バド』いうたら、大胆じゃねえ。人前じゃのにい。んふっ」

「人前？ボ、ボク、『キス上手い』なんて…」

「そりゃ、アメリカではキスは普通じゃろうけえ。でもね、日本じゃあ、普通じゃないんよ」

「いや、ボク、キスのことなんか…」

「でも、ごめんね、『バド』」

と、少女『トシエ』は、更に、ビエール少年に意味不明な詫び言葉を云い出した。。

「はああ？」

「ワタシねえ、キス、『バド』が初めてじゃないんよ」

「え？ボクが初めて？」

「んんん、じゃけえ、初めてじゃないんよ、『バド』が。この唇、もう奪われとるんよ。うえええん」

（続く）

【牛田デラシネ中学生】変態の作られ方［その365］

 

「そうじゃった。『東』と『西』じゃ」

と、『ボッキ』少年は、少々年寄りじみた仕草で、右手で作った拳を左手の手のひらにポン！と打ち、頷きながら、そう云った。

1967年4月のある土曜日、広島市立牛田中学を出た1年X組のビエール少年と『ボッキ』少年が、『ハナタバ』少年と、後で『秘密の入口』で会おう、と別れたところであった。いつからか、ビエール少年と『ボッキ』少年の背後にいた少女『トシエ』が、『秘密』という言葉を捉え、何の『秘密』か追求していたところ、遠りがかった赤い髪の若い外国人女性が、『バド』と呼ばれているビエール少年に対して、アメリカ人なのかと訊き、ビエール少年と英語での会話を交わしたのを見て、『ボッキ』少年と少女『トシエ』が、ビエール少年の英語力に感嘆していたことから、ビエール少年が見ているというNHK教育テレビの『テレビ英語会話』話題へとなっていた。そして、更に、少女『トシエ』が、奥さんが英語喋れない訳にはいかないから、自分も『テレビ英語会話』見るようにすると云い出し、少女の妄想は、ビエール少年の妻となった自分が、『整体拝受』の際の『ホスチア』だって作るかもしれない、とまで拡がっていっていた。しかし、『ボッキ』少年が、自分はキリスト教の知識のない理由として、お経の一節、『ナ～ムア～ミダ～ンブー』を唱えたことから、広島には『浄土真宗』の家が多いらしい、とビエール少年が博識ぶりを見せ、『ボッキ』少年も『東本願寺』、『西本願寺』を持ち出しはしたものの、『浄土真宗』が『東』と『西』とに別れた事情を知らず、ビーエル少年が、元は一つの『本願寺』だった『石山本願寺』を信長が攻撃したことが原因と説明しだした。そして、その『石山本願寺』信長がなかなか攻め切れなかったのは、『毛利輝元』が『石山本願寺』に食料とか武器なんかを提供して味方したからだとも説明をしたのだ。そこで、少女『トシエ』が、『石山本願寺』にお好み焼きも差し入れしたのだろうか、と云い出し、ビエール少年はそれを否定したが、少女『トシエ』は今度は、『もみじ饅頭』を差し入れしたのだろう、と云い出しことから、話は『もみじ饅頭』という名前の謂れ（『伊藤博文』が名前のヒントを与えた）へと派生していっていた。だが、話は、『伊藤博文』が、山口県光市出身であることから、『夢の超特急』に移っていったものの、今度は、『光市』から臨海学校へと移ってきたのであった。『光市』は、当時（19060年代である）、広島の学校がよく臨海学校で行くところであったからである。そして、最初は臨海学校に興味なさげであった少女『トシエ』が、ビエール少年と（だけではないが）教室で一緒に寝ることになるであろう臨海学校に眼を輝かせ、あろうことかネグリジェを着るとまで云い出し、ビエール少年は、『かわいい魔女ジニー』の姿態を思い出し、股間に『異変」を生じさせていたが、『ボッキ』少年の言葉で、どうにか『本願寺』が『東』と『西』とに別れた事情へと話は戻ったのではあった。だが、『浄土真宗』を広めた『親鸞』の子孫『蓮如』の関連して、晩年、『浄土真宗』に改宗した『一休さん』へとまたまた話は逸れたが、ビエール少年は、なんとかまた『本願寺』が『東』と『西』とに別れた事情へと話は戻し、『信長』が和睦の為、『本願寺』に渡した『一文字呉器』に言及したところ、少女『トシエ』は、『呉器』を『ゴキブリ』と勘違いし、『ボッキ』少年は、『一文』から『ジャイアント馬場』の『十六文キック』の言及してきたので、ビエール少年は、あらためて『一文字呉器』を解説したが、『ボッキ」少年がなかなか理解できないでいる様子である一方、少女『トシエ』は、『ジャイアント馬場』の『十六文』は、実は『文』ではなくアメリカの靴のサイズに由来するというビエール少年の説明を理解していることを自慢し、更に、ビエール少年がアメリカの靴のサイズのことまで知っていることまで自慢げに云い、アメリカで靴を買う時にはビエール少年に付き添って欲しいと云出だし、その際には『ガラスの靴』を買うと云ったことから、話は、今度は、『シンデレラ』に及び、ビエール少年は、『シンデレラ』があだ名であり、その名前の由来について言及していたところ、少女『トシエ』がいきなり、「ひゃああ！『バド』いうたらあ！」と叫び声を上げた。そして、『シンデレラ』からさらに派生してドイツの国鉄の名前を出したところ、少女『トシエ』がまた、「ひゃああ！『バド』いうたらあ！」と、ビエール少年のドイツ語力に感激し、叫び声を上げたのもものかわ、ビエール少年は、ドイツ語、フランス語、英語で、『シンデレラ』の名前の由来を解説したが、『ボッキ』少年は、話を『本願寺』が『東』と『西』とに別れた事情を戻すよう要求したものの、話は、また『ゴキブリ』から『アブラムシ』、そして、その英語『コックローチ』、更に、スペイン語の『クカラチャ』へと展開してしまった。そこからまた、スペインに絡んで、少女『トシエ』が情熱的な『フラメンコ』を踊りたいと云い出し、更に更に話は派生し、『星のフラメンコ』を歌った『西郷輝彦』から、当時（1960年代である）の歌手の『御三家』の『橋幸夫』、『舟木一夫』、そして、『舟木一夫』のヒット曲『高校三年生』へと展開し、今、『高校』という言葉から『広島皆実高校』について、『ボッキ』少年と少女『トシエ』は、語り始め、少女『トシエ』は、『広島皆実高校』にある『衛生看護科』に入って、看護婦になりたいと云った。で、『ボッキ』少年は、『広島皆実高校』は、元は『県女』だと云い、続けて、何故か、当時（1967年頃である）始った視聴者参加のテレビ番組『家族そろって歌合戦』の審査委員長である作曲家『高木東六』を出してきた。それは、『高木東六』が、自分の妻が『広島皆実高校』の前身である『広島県立広島高等女学校』（『県女』）の出身であることから、『広島皆実高校』の校歌を作曲したからであった、と『ボッキ』少年は説明したが、ビエール少年は、そのことに興味なさげであった為、『ボッキ』少年は、美人女優『月丘夢路』も『県女』出身だと説明したところ、少女『トシエ』が、自分も『皆実』の『看護科』に入って、『月丘夢路』みたいな美人の看護婦さんになると云い出し、ビエール少年には、『広島皆実高校』から『広島大学』の医学部に入り、医者になることを強く奨め、僧侶になるのなら『崇徳高校』だろうけれどそうではないだろうし、と『バレー』の強豪校『崇徳高校』の名前を出してきた。そこから、広島市内の他の宗教系学校の名前が出てきたものの、少女『トシエ』が、ビエール少年には『皆実』に行って欲しいと発言したが、『ボッキ』少年が、突然、「あ、ほうじゃ、『浄土真宗』じゃ」と叫び、『本願寺』が『東』と『西』とに別れたことに戻そうとしたものの、少女『トシエ』が、『崇徳高校』には相撲部があり（19060年代当時のことだ）、相撲に関連して、『巨人、大鵬、卵焼き』という言葉に言及し、『大鵬』は『巨人』の仲間だから好きではない、と云い出し、話はそこから『卵焼き』、ビエール少年の母親、『目玉焼き』、更には、『サニーサイドアップ』、日産自動車のクルマ『サニー』へと逸れていっていた。そして、ようやくビエール少年は、『サニーサイドアップ』から『サニーサイドダウン』、つまり、『オーバーイージー』の説明に移り、加えて、『目玉焼き』の他の焼き方についても説明したが、『目玉焼き』に何をかけるかでもめ、そこから『目玉焼き』は『洋食』か『和食』かの議論となり、話は逸れに逸れ、『洋食』から『ハンバーグ』、『タルタル人』、『ウルトラQ』や『ウルトラマン』の怪獣へ、更には、それらを作った『円谷英二』の『円谷』という苗字の読み方へと派生し、続けて、『円谷』の『円』の旧字『圓』の成り立ちを、ビエール少年は説明し、その『圓』の漢字を持つ落語家『三遊亭圓生』の名を挙げたところ、『ボッキ』少年が、甲高い声で『山のアナアナ』、『山のアナアナアナ、アナタ、もう寝ましょうよ』と、『三遊亭歌奴』の落語を持ち出し、その延長で、『林家三平』の名前を出し、それを受けた少女『トシエ』が、『林家三平』の歌『好きです（ヨシコさん）』を歌い出し、それを唄え、とビーエル少年に促した。ビエール少年は、少女『トシエ』が、『好きです（ヨシコさん）』の歌の中の一節『♫キスさせてえ』を歌いながら、唇を突き出したきたことに動揺しながら、自分は『林家三平』が好きではなく、『圓生』、『圓楽』、『小さん』、『馬生』、『志ん朝』といった落語家が好きで、落語はやはり、西の方じゃなく、やはり東の方、『江戸落語』がいい、と云ったところ、『おお、そうじゃった！』、と『ボッキ』少年が、大きな声を上げたのであった。

「『東本願寺』と『西本願寺』じゃった」

『ボッキ』少年は、元々のテーマを思い出したのだ。

「ああ…」

ビエール少年も、口を半開きにして、軽く頷いた。

「『浄土真宗』はなんで、『東』と『西』に別れたんや？」

「親鸞の子孫の『蓮如』、更にその子孫の『顕如』の頃に、大阪にあった『石山本願寺』が、『信長』に攻撃されたことは説明したよね」

「ああ、『毛利輝元』が応援したりして、『石山本願寺』は負けんと頑張ったんじゃろ」

「うん、そうだよ。で、『信長』は、『一文字呉器』を『石山本願寺』に渡して、和睦しようとしたところまで説明したんだったね」

「ひゃあ！また、『ゴキ』！？」

と、少女『トシエ』は、叫び声を上げたが…

「もう、『アブラムシ』のことはエエけえ」

「で、『顕如』は、結局、和睦することにして、『石山本願寺』を明け渡して、和歌山にある本願寺の『鷺森別院』（さぎのもりべついん）っていうお寺に移ったんだって」

「え？その『ケンケン』いうお坊さん、和歌山に行ったん？」

「そうだよ。『鷺森別院』は、和歌山市にあるんだって」

「『ケンケン』いうお坊さん、梅干しが好きじゃったんかねえ？」

「ああ、よく知ってるね。そう、和歌山は、梅が有名だからね。ボクも、朝ご飯に『紀州』の梅干しを食べることあるよ」

と、ビエール少年は、少し頬を窄め、酸っぱい梅干しを口中に思い出した。

と….

「ひゃあああ！」

と、少女『トシエ』が両手を両頬に当て飛び上がるように叫んだ。

（続く）