「そう来たかあ…..東京12チャンネルもなかなかやるなあ」
またまた、エヴァンジェリスト氏が訳の分らぬことを云い出した。
「東京12チャンネルではなく、テレビ東京でしょ」
先ずは、間違いの訂正から入ってみた。
「最近、テレ東(てれとう)なんて皆、云っているようだが、直ぐ言葉を省略したがる傾向をワシはよしとしない」
確かに安易に言葉を省略するには私も好まないが、それとこれとは問題が違う。
今や、東京12チャンネルというテレビ局は存在しないのだ。デジタル化され、チャンネルも「12チャンネル」ではなく「7チャンネル」なのだ。テレビ東京は。
「まあ、東京12チャンネルでも、テレビ東京でも、テレ東でもいいですが、何がなかなかやるなあ、なんですか?」
「マーサだ」
「マーサ?」
「そうだ、真麻だ。ヒデキさんちのな」
「ヒデキさん?西城秀樹ですか?」
「ばっかもん!ヒデキと云えば、高橋英樹だ。日活で裕さん(石原裕次郎)の後輩だった高橋英樹さんだ」
「ああ、高橋英樹の娘の高橋真麻ですね。フジテレビのアナウンサーの」
「今はまだフジテレビ所属だがな」
「今は?」
「君は知らんのか?」
「えっ?」
「真麻はこの(2013年の)3月でフジテレビを辞める」
「へえ、そうなんですか」
「君は相変らず何も知らんのだな」
「アナタがテレビ・芸能界情報に詳しすぎるんですよ。で、真麻がどうしだんですか?」
「東京12チャンネルが引き抜いたんだな、多分」
「テレ東に移籍ですか?」
「いや、東京12チャンネルの所属になる(要は、転職)ということではあるまい」
「では、一体、どういうことなんですか?」
「君はまだ分らんのか?」
「ええ、分りません、さっぱり」
「モヤさま、だ」
「はあ?」
「大江の後任じゃよ」
「正式に決っていた訳ではない」
正式にも、正式にではなくでもなく、エヴァンジェリスト氏がモヤさまのレギュラーになるなんて話、元よりないはずだ。相変らず目出度い人だ。
「三村と大竹は嫌がったはずだ、ワシと組むのはな」
「アナウンサーでもなく、女性でもないからですか」
「三村と大竹は何を嫌がるんですか?」
「ワシに食われることをな」
「まあ、そんなことはどうでもいいんですが、大江麻理子の後任は本当に高橋真麻なんですか?」
「いずれ分る」
予言者然として云うエヴァンジェリスト氏振る舞いを好きではないが、確かに「3月一杯でNY転勤」と「3月一杯で退職」というのは、符牒が合ってはいる。