2014年6月25日水曜日

アオニヨシ君、登場!....老人をあしらう。………サッカー日本代表が敗退した日。



4年後は、出られるかどうか、分らないなあ」
「はあ?」
「ロシアだよ」
「出るつもりなんですか?」
「64歳では無理と云うのかね?」

2014年6月25日、2014年サッカー・ワールドカップ・ブラジル大会で、日本代表が敗北したその日の名古屋駅のホームであった。

まさかと思ったが………昔はスリムで格好良かったのではないかと思わせるところがなくはない後ろ姿の老人と、なんと、鹿が、電車を待ちながら、会話をしていたのだ

その二人の、いや一人と一頭の後ろに立ち、電車を待ちながら、一人と一頭の会話を聞いていたのだ。

4年後は64歳、ということは、その老人は60歳なのであろう。

本田圭佑は、4年後も当然目指したい、と云ったらしいではないか。ワシも4年後を目指してもよかろう。今回の大会の結果からすると、そろそろワシの力が必要であろう」

まるでエヴァンジェリスト氏のように戯言を云う老人だ。2018年サッカー・ワールドカップ・ロシア大会に選手として出ようと云っているのだ。

………と、鹿が云った。

「ああ、出られるんではないですか」

鹿がかる~く云い放った言葉に老人は狼狽えた。

「うっ!?出られるのかあ?」

鹿を揶揄ったつもりであったところが、肯定で返されたのだ。

きっと、「無理ですよお!何云ってるんですかあ」とでも云って欲しかったのだ。なのに、鹿ったら、「ああ、出られるんではないですか」と、老人の予想、と云うか、期待に反した答を返してきたのだ。

老人にありがちな他人(ヒト)を揶揄って喜ぶような輩には、肯定返しが有効である。この60歳の老人が揶揄ったのは、ヒトではなく鹿であったが、揶揄われた鹿は見事、肯定で返したのだ。

しかも、それはただの肯定返しではなかった。

「ええ、出られるんではないですか、監督として」

ただの肯定返しではなかった。超「肯定返し」反転ひねり、であった。

選手として出られる、と60歳の、しかもサッカー経験もない老人に云うかと見せて、実は選手としては無理、と反転してみせたのだ。そして、更に、でも監督なら行けるのではないか、とこれも実はあり得ないことを、しかも老人自身も創造だにしなかった、ひねった発想をぶつけて来たのだ。

「う~む!」

一人と一頭の後ろで、「これはただの鹿ではないぞ」、と思わず、唸ったところ、こちらの唸り声に反応した鹿が振り向いた。

「えっ!」

それは、鹿ではなかった。アオニヨシ君であった(ヒトである)。

エヴァンジェリスト氏が、失礼にも、

「お前、鹿だろう!?」

といつも云っている青年、アオニヨシ君、エヴァンジェリスト氏の会社での後輩であったのだ。



ということは……..

昔はスリムで格好良かったのではないかと思わせるところがなくはない後ろ姿の老人も振り向いた。そう、エヴァンジェリスト氏、その人であった。

「君…..君もコイツのことを鹿だと思ったのだろう?」

何も返せず、私は固った。







2014年6月22日日曜日

【疑惑の旅】東向きなのか?(シーン14)





「その後(東大寺大仏殿拝観後)、ようやくお二人はんはデートっぽい店に入ったんでんねん」

奈良の特派員よ、もういいだろう。エヴァンジェリスト氏と連れの若い女性がどういう関係が分ってきたのだ。

エヴァンジェリスト氏が、「タッチーも一緒か?」と口にしたということは………


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それは、やや変った名前の店であった。





「森のカフェ ひがしむきGardens」

それが、エヴァンジェリスト氏と連れの若い女性が入った、その店の名前であった。奈良の地銀「南都銀行」本店の斜向いに位置する店だ。

ベーカリー・カフェのようである。

「何故、『ひがしむき』か分るか?」

エヴァンジェリスト氏は、連れの若い女性にそう訊きたかったようだ。知識をひけらかしたかったのだろう。

しかし、連れの若い女性は、エヴァンジェリスト氏の問いに答えないどころか、気付きもしないように、一心にiPhoneをいじっていた。

二人が注文したのは、レシートには共に「フロート」と書いてあったが、連れの若い女性は、クリームソーダ、エヴァンジェリスト氏は、ヨーグルト・パフェのようであった。




「何故、『ひがしむき』か分るか?」というエヴァンジェリスト氏の問いに反応しなかった連れの若い女性が顔を上げた。

クリームソーダを飲む為….ではなかった。

クリームソーダは、顔も上げず、iPhoneをいじりながら飲んだのだ。

ヨーグルト・パフェを口にしたエヴァンジェリスト氏も同じように顔を上げた。二人は、顔を合せた。

「うまい!」

エヴァンジェリスト氏は思わず、そう口にした。

連れの若い女性は、何も云わなかったが、エヴァンジェリスト氏と思いが同じであったことは明白であった。

「しかしだなあ、この店は『ひがしむき』ではないんだ」

図に乗ったエヴァンジェリスト氏の講釈が始ろうとした。

この店は、近鉄奈良駅近くの東向き商店街にあるから「ひがしむき」と称しているのであろうが、実際に向いているのは西向き、のはずだ。

エヴァンジェリスト氏は、そう云いたかったのだろう。

そもそも「東向き商店街」が何故、「東向き」なのかと云うと、その通りの店が総て、通りの東にある興福寺に向けて出来たから(つまり、通りの西側にだけ店ができた)、らしいが、今は、通りの両側に店があり、「森のカフェ ひがしむきGardens」は、東側に位置しており、従って向きは西向き、ということになる…….

なんて、講釈を連れの若い女性が聞くはずがない。

クリームソーダのうまさに、不覚にもエヴァンジェリスト氏と目を合せてしまったが、すぐに自分を取り戻し、彼女は再び、iPhoneに向ったのであった。

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「判りはりましたか。ええ、あれはデートやおまへんな」

特派員の言を待つまでもなかった。

「タッチーも一緒か?」ということは、そう二人の関係は…………


(続く)






2014年6月18日水曜日

【足底筋膜炎】バラクとワシ




「いやはや、バラクにも困ったもんだ」

久々に(半年余りぶりに)姿を見せたと思ったら、いきなり妄言だ。しかも、国際問題になりかねない妄言だ。

こちらこそ云いたい。

「いやはや、エヴェンジェリスト氏にも困ったもんだ」

エヴェンジェリスト氏が口にした「バラク」とは、…..そう、アメリカ合衆国大統領バラク・オバマのことなのだ。

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「バラ君、体重だけ真似するならまだしも、ワシの足底筋膜炎まで真似することはなかろう」

オバマ大統領の健康診断結果のことを云っているのだ。エヴァンジェリストも足底筋膜炎に罹っていることは知っている。

オバマ大統領の体重は81Kgであったらしい。一方、エヴァンジェリスト氏の体重は 約80Kgなのだ。「約」というのは、自身の体の醜さの実体を知りたくないエヴァンジェリスト氏は、殆ど体重計に乗らないのだ。

確かに体重はほぼ同程度のようだ。,,,,,しかし、身長が違い過ぎる。バラ君は、…いや、オバマ大統領の身長は185センチだ。

そして、エヴァンジェリスト氏はと云うと、168-169センチ程度しかない。その身長で約80Kgだ。

「立派なメタボ体型ではないですか!アナタの言い方は、オバマ大統領に失礼というもんですよ」

「石井智宏よりマシだろう」

石井智宏、新日本プロレスの石井智宏のことか。

「アイツは、身長170センチで体重100Kgだぞ。アイツよりマシだろ、スリムだろ」

いや、そういう問題ではない。石井智宏はプロレスラーだ。しかも、その身長で今(2014年6月18日現在)、第3代NEVER無差別級王者である。立派なものである。

「アメリカ合衆国の元大統領リンカーンもプロレスラーだったというではないか」

話を誤摩化さないで欲しい。本当にそうではあったようだが。

「まあ、体重のことはよしとしよう」

アナタによしとしてもらう必要なんてない。

「しかしだなあ、足底筋膜炎はケシカラン」

ケシカランも何も、そういう病気に罹っているんだから仕方ないでしょ。

「ソクテイキンマクエン、って皆、余り知らんぞ」

そうはそうだ。スポーツ用品関係の会社で働くグソク・エヴァンジェリストは知っていたようではあるが。足底筋膜炎は、スポーツ選手に多い病気だ。

「アイツ(息子)は、ボルちゃんと親しいらしいからな」

それもその通りだ。グソク・エヴァンジェリストは、ボルちゃん、いや、ウサイン・ボルトと親しいらしい2ショットの写真を見せてもらったことがある。

しかし、足底筋膜炎が発症するのは、加齢によるところもあるらしい。要は、還暦を迎えたエヴァンジェリスト氏は歳をとった、ということなのだ。

「折角、珍しい(皆が余り知らない)病気に罹ったのに、バラ君にその(足底筋膜炎の)話題を持っていかれてはたまらん」

いい加減、そのバラ君って言い方止めませんか。アメリカ大使館から抗議が来るかもしれませんよ。

「抗議は、事務所を通してくれ」

アナタの事務所は、どこですか?石原プロですか?未だに石原プロ入りしてないじゃないですか!?

「ノーコメントだ。ただ、これだけは云っておく。足底筋膜炎は、こちらの持ちネタだ。それを勝手に使うとはケシカラン。アメリカ大使館にそういっておけ。最近のプロレスラーと同じようなことをするな、とな。昔のプロレスラーは、他のプロレスラーの必殺技は使わなかったものだ。しかし、今や、若手レスラー、前座レスラーもメイン・イベンターが使う技を平気で使う。バル君には、これ以上、そんな風になって欲しくはない」

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エヴァンジェリスト氏がミスター・モーゲンであることはよく知っていたが、国際問題まで引き起しかねない程の妄言を吐いて来るとは思わなかった。

勿論、エヴァンジェリスト氏の発言(抗議)をアメリカ大使館に云いはしない。