2015年10月15日木曜日

【愛棒】冠城亘はボクだったはずだ!



「冠城亘(かぶらぎ わたる)はボクだったはずなんですよ」

「うぬぼれ営業」氏が興奮気味にエヴァンジェリスト氏に話しかけた。

「ああ、平家派のことか」
「ええ、あの時、ボクがジャヤニーさんに(平家派に)『入ります』って返事すれば、ボクが冠城亘はボクだったはずなんです」




「ああ、そして、松嶋菜々子と結婚していたはず、ということか」
「いえ、それは…..そこは、そのお、今の妻の方がボクは….」
「相変らずの愛妻家だなあ。君が『今の妻は』と云うと、他の者が云うより重みがあるなあ。さすが、元・チョウテイ氏だなあ」
「だから、妻のことはいいんです、要するに…」
「要するに、反町隆史も元・平家派なのだから、自分が平家派に入っていれば、今頃、杉下右京の相棒はボクになっていたはず、とでも云いたいのだろう」
「ええ、そういうことです」
「まあ、妄想だなあ、杉下右京並みのな」
「妄想だなんて、妄想の大家のアナタに云われたくはないですね。アナタだって、杉下右京が定年退職した後、袖下左京(そでのした・さきょう)として特命係になるんでしょう?」


「おお、どうしてそのことを…..いや、ノーコメントだ事務所を通してくれ」
「そうすれば、『相棒14』は水谷豊と反町隆史に任せるとして、『相棒15』は、アナタと私とで『相棒』を再出発させればいいではないですか。ええ、そうしましょう」
「なるほどなあ」
「タイトルもリニューアルして『愛棒』なんてどうですか?」
「なぬ、『愛棒』?何だか卑猥だなあ」
「ドラマは話題にならないとダメなんですよ。人気シリーズは、偉大なるマンネリと斬新さを併せ持つ必要があるんです」
「君はさすがに『うぬぼれ』だな。君の提案はなかなか興味深い。しかし、まき子夫人に相談させてくれ」






二人の会話を聞いていた私は頭が痛くなった。












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