「いやあ、君がすべきだよ」
二人の老人の会話である。
「まあ、君の気持ちも分らんではないが、ワシはまだデビューもしておらんのだぞ」
「なんだい、君らしくもない。最近、『プロの旅人 Classic』で読んだぞ、君の考えを」
「えっ、何を?」
「ああ、あれか」
「『プロの旅人』氏によると、君は常識にとらわれない野依良治先生やアラン・ケイ、猪木さんに共鳴しているではないか」
「それはその通りだ」
「だから、総合司会は君がすべきなんだよ」
総合司会?何の総合司会なのか?
「皆様のNHKなんだろ。だったら、素人が総合司会をしたっていいではないか」
NHK?….まさか…..
「タモリが辞退したっていうじゃあないか」
「らしいな」
「だったら、もう君がやるしかないだろ」
「とは云ってもなあ、ビエール」
そう老人の一人は、ビエール・トンミー氏であった。
「素人が紅白歌合戦の総合司会をするとなると、こりゃあ、評判になるぞお」
「素人?」
「ああ、一応、君はまだ素人だ。いや、知ってるよ、君がもう何年も日本各地で講演活動というか、君自身の言葉で云うと『LIVE』をしていることは」
「ああ、来月は8回やることになっている」
「しかし、まだメジャー・デビューはしていないから一応、素人扱いとなるのだ」
「なるほどね」
「それに、紅白歌合戦の総合司会でデビュー(メジャー・デビュー)っていいじゃあないか」
「隠居の君にしてはなかなかなアイデアだな」
「まき子夫人もきっとお喜びだぞ」
「えっ!まき子夫人が」
「そうだ、素人ながら紅白歌合戦の総合司会をした男が石原プロ入り、となったら、石原プロも息を吹き返すぞ」
石原プロ?……そういうことか。
「そうか、その手があったか!」
「君が一気に、舘さんに並び石原プロの屋台骨を支える存在になるのだ!」
そう、もうお分かりであろう。もう一人の老人は、エヴァンジェリスト氏であった。
「分った!では、NHKからの連絡を待つ」
目出度い老人たちの会話であった。
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