「エヴァンジェリスト氏はイケメンではないですよね?」
この質問にアナタは何と答えるか。「はい」か「いいえ」のどちらかを選択せよ。
エヴァンジェリスト氏は「はい」と答える。
勿論、「イケメンではない」という意味での返答である。謙虚というものを知っているからである。
「Aではないですよね?」という否定疑問に対しては、欧米では回答が「Aでない場合」には「いいえ(No、Non等)」と答え、「Aである場合」には「はい(Yes、Oui等)」と答える。
しかし、一般に日本では、回答が「Aでない場合」には「はい」と答え、「Aである場合」には「いいえ」と答える。
…..そのはず、である。しかし-
マダム・エヴァンジェリストは違うのだ。
「娘(マドモワゼル・エヴァンジェリスト)は昨夜、帰ってきていないの?」
とエヴァンジェリスト氏が訊くと、
マダム・エヴァンジェリストは、クビを横に振る。「いいえ」である。しかし、この「いいえ」は、「帰ってないわよ」の意なのである。
エヴァンジェリスト氏は時々、自分の妻を「ひょっとして欧米人なのか」と思う。勿論、そうではない。ジャパニーズ・ビューティである。
マダム・エヴァンジェリストは東北出身である。東北地方では、否定疑問に対する返答は欧米風なのであろうか?
※ 中国でも否定疑問に対する返答は欧米と同じらしいので、単純に「欧米風」と云うべきではないのであろうが。因みに、ハングルでは、日本と同じらしい。
結婚して30年以上が経つが、未だにエヴァンジェリスト氏は妻の否定疑問への返答に戸惑う。
「はい」と期待して「否定疑問」で問うたのに、「いいえ」が返ってくるのだ。往々に否定疑問は「はい」という答を期待しているものなのだ。
拒絶ではないのに拒絶されたような気分になるのだ。これは体に良くない。「いいえ」は、拒絶の言葉(不機嫌の印)なのだから。
まあ、エヴァンジェリスト氏は還暦直前まで「家」を持てなかった甲斐性なしなのだから、マダム・エヴァンジェリストが不機嫌であるのは、致し方ないと私は思う。
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