「我々は、スティーブから学んでいない......」
『スティーブに先見性はなかった.....』と、ついにスティーブ・ジョブズについて語ったエヴァンジェリスト氏が続けて語る。
「我々は、スティーブが創った未来を享受しているが、スティーブから学んではいない」
どういう意味か分らず、黙っていると、
「我々は、スティーブが創ったMacintosh、iPod、iTunes、iPhone、iPadで、それら以前の時代には創造だにできなかった生活を送れるようになった。今、iPhoneのない生活なんて創造できない。しかし........」
「しかし?」
「しかし、だ。我々は、いや、総ての者がとは云わないが、多くの者が、未来を創造してみせたスティーブの教えを学んでいない。スティーブが創った未来は享受しながらも、その未来を創造する方法を学ばない。未来を創造しようとしない。自分にできるとは思わない。未来の創造そのものではなくとも、未来を創造する為にとる方法論を実行しようとはしない」
「いや、スティーブ・ジョブズのプレゼンテーションは、素晴らしく、『スティーブ・ジョブズ驚異のプレゼン』という本はベストセラーになってますよ」
「相変わらず、君は何も分っていない。確かに、スティーブはプレゼンテーション上手だ。が、ただスティーブのプレゼンテーションの仕方を、その表面(おもてづら)を真似ても何にもならない。
「それはそうですが..........」
「クリエイティブも大事ではあるが、それ以上に大事なのはオファーだ。プレゼンテーションの表現(クリエイティブ)よりも、プレゼンテーションする(提示する)内容(オファー)の方がより大事なのだ」
「ダイレクト・マーケティングでも云われることですね」
「スティーブは確かにプレゼンテーションがうまい。そのテクニックを学ぶのも良かろう。しかし、真にスティーブから学ぶべきものを知るべきだ。人々は、スティーブが創った未来は享受しながらも、未来を創造する上で不可欠な要素である固定観念からの脱却ができないのだ」
「いや、誰でもがスティーブ・ジョブズのようになれる訳ではありませんよ」
「それが既に固定観念だ。スティーブは特別な存在ではなかった。誰でもがスティーブのようになれるのだ」
「貴方もですか?」
「私はスティーブではない。エヴァンジェリストだ」
「???」
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