2011年1月11日、
シショー・エヴァンジェリストは朝からお怒りだった。
会社に着くなり、向いの席のエヴァンジェリスト氏に仰った。
「許せないなあ!もう、あそこへの料金支払い止めよう!な、そうしようよ」
「は?」
「ゼンザイはいい奴なんだよ。あんな風に云われるようなところなんかない奴なんだ」
どうやら、皆さんも知る某団体の次期会長に推されたものの、色々と批判を浴びて、結局は「辞退」を申し出たゼンザイ氏のことを仰っているらしかった。
シショー・エヴァンジェリストは、ゼンザイ氏と同じOK牧場大学の出身なのだ。しかも、同期で、学部も同じなんだそうだ。
だから「ゼンザイ」と呼び捨てにされるのである。
「アイツは、人格者なんだよ。交際費がいくらか、なんて訊く訳がない。元々、金持ちの家だし」
エヴァンジェリスト氏もOK牧場大学の出身である為、
「あそこへの料金支払い止めよう。OK会(同窓会)でそういう運動を起こそうよ」と興奮気味にエヴァンジェリスト氏に朝一番で語りかけてこられたのである。
「ゼンザイは『改革』するから、それを良しとしない連中が画策したんだよ。許せないよ。『運動』を起こそう」
しかし、母校への愛校心のないエヴァンジェリスト氏は「運動」には興味がない。
むしろ、
心配なのは、ゼンザイ氏が「辞退」したなら、代りにオレがやる(『会長』をやってやる)、とシショーが思われないかである。
シショーに会社を辞められては困るのだ。何しろ、『シショー』にはもっともっと教えて頂きたいことがあるのだから。