(【外交問題?】パジャマで外出する男(中編)の続きである)
これは、外交問題に発展しかねない由々しき問題である。
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スーパーにパジャマ姿で行くことに成功した(パジャマ姿に誰にも気付かれなかった)男の野望は留まることを知らず、
「スーパーがOKなら家電店もOKだろう」
「コンビニがOKなら郵便局も大丈夫だろう」
どんどんエスカレートして実行していったのであった。
「ええい!デパートだって、行っちゃうぞ」
自他共に認める変態である男は、デパートでは化粧品売り場が特に好きだ。
化粧品の香り、女性たちの匂い(臭い?)に、男は、興奮で目が虚ろになり顔が赤く火照る。
デパート内で写真撮影(自撮り)をしていると不審に思った写真後ろの警備員に呼びかけられるも、男は堂々と対応し撃退した(どう対応したのだ?)。
「『パジャマでスターバックス』は、最高にくつろげる」
ここまできたら男は銀行の窓口も平気である。
だだの手続きのための窓口ではない。
信託銀行の窓口で投資信託の話を2時間もしてきたのである。それも3回も。上着は毎回違うが、下はいつも同じパジャマである。
その都度全く不審に思われない。
「パジャマを着て銀行の窓口に行って怪しまれなかったのは俺だけだろう」
男は自分の快挙にほくそ笑んだ。
男が自分の駅周辺から飛躍するのも当然の帰結であろう。
渋谷に出没。
浜松町に出没。
横浜に出没。
ついにはハレの銀座にも出没。
もう男には何も怖いものはない。
今、男は夢想している。
「夏になったらパンツ1枚だけで銀行に行っても大丈夫だろうか」・・・・
先にも触れたように、この男は変態である。
そう遠くない近い日に男は全裸で女子大寮に飛び込むだろう。そして公然猥褻罪で現行犯逮捕されワイドショーの恰好の話題になるだろう。
なんという素晴らしい世界!
(注)このパジャマは購入されてもうすぐ3か月になるが、まだ一度も洗濯されていない。何故なら1日中着ているので洗濯するタイミングがないのである。
(おしまい)
.......いやいや、おしまいではない!
この男の快挙(いや、暴挙)に、某国大使館から厳重抗議が入るのではないか、と心配である。
「パジャマを着て外出とは何事だ!」と。
「パジャマを着て外出するのは、我国国民の専売特許である。これは、激甚なる特許権の侵害である!」
これは、外交問題に発展しかねない由々しき問題なのである。