2011年2月28日月曜日

ああ、M崎(その19)

台風一過の翌日、T京に戻ることはできましたが、こんな○○○出張はありませんでした。
炎天下のS島を火山灰まみれになりながらただ歩き、自分には思い出も何もないユースホステルを眺め、「サケ」茶漬けに酔い、仕事ができず、自分は求めていない西瓜を求めて1時間余りも歩き、台風で足留めをくい、出涸らしのテレビ番組を見て過ごすことになったのです。

2011年2月27日日曜日

ああ、M崎(その18)

台風が丁度来てしまったのがシショーのせいではないのはアタマでは分かってはいましたが、こんな目に遭うことになったのも、何だかシショー・エヴァンジェリストのせいのような気がしてなりませんでした
K児島で西瓜に満悦した氏の表情や、M崎で西瓜探しに必死となった氏の形相が脳裏に浮かび、エヴァンジェリスト氏の神経を逆なでするのでした。
それこれやのシショー・エヴァンジェリストの行状が、来なくてもいい台風を呼寄せたような気がするのでした。

2011年2月26日土曜日

ああ、M崎(その17)

こうなると窓から外でも見ているしかありません。
瓦でも飛ばないかな、と思いながらしばらく窓辺に佇んでいましたが、そこは繁華街です。瓦のあるような建物はありません。

凄まじい風雨は見ることができても、残念ながら瓦が飛ぶのを見ることはできませんでした。
しかし、やがて日も暮れると、もうただただ部屋にいて、曜日と時間の感覚が狂ってしまいそうなテレビ番組を見るとはなしに眺めていただけでした。

2011年2月25日金曜日

ああ、M崎(その16)

民放が2局しかないと番組構成が滅茶苦茶になります。

TブーS」と「テレビ朝目」の番組が同じ局で混在したり、T京とは異なる時間帯で番組が放映されたりするのです。
その日もテレビをつけると、平日の午後7時に、何故かT京では日曜日の午後8時から放映されている「天災たけしの霊気が出るテレビ」やっていました。しかも、何日か前にT京でもう見た回です。ブートたけしが云うギャグはもう聞いたことのあるものでした。

2011年2月24日木曜日

ああ、M崎(その15)

ではホテルの部屋でテレビを見ていていればいいのか、というとそれもうまくいきません。
M崎には民放が2局しかありませんでした。今でもそうです。
民放が2局しかない県は今ではもう、M崎しかありません(厳密に云うとF井県も2局しかありませんが、お隣のI川県の放送がなんとか入ります)。
テレビを見て時間を潰すのも辛い街なのです、M崎は

2011年2月23日水曜日

誕生!ミスター・シューベルト。

カレは、AKBの「まゆゆ」のことを知っている。総選挙の(勿論、AKBのだ)1位から5位までを云える。

昨日(2月22日)、カレは59歳になった。おめどうございます!

還暦を前にして、カレは改名した。クソーコーノからミスター・シューベルトになった。何故、ミスター・シューベルトなのかですって?テンサイ(天○)だから?

ムフフフ。

2011年2月21日月曜日

ああ、M崎(その14)

先ず、ホテルがとれるかどうか心配だったのですが、当日の朝チェックアウトしたばかりのホテルのフロントまで戻り、訊くと、部屋は無事、確保することができました。
しかし、何もすることがありません。何もしようがありません。部屋にいるよりほかはありません。
外は大荒れです。店は殆どがシャッターを閉めています。仮に外に出てもびしょ濡れになるだけです。

2011年2月20日日曜日

ああ、M崎(その13)

台風銀座と云われるM崎は、台風に慣れているので、欠航や運休の決断が早いようです。はっきりしない状態が続くよりはいいのですが、空路も陸路も閉ざされてはどうしようもありません。
もう何の用もないM崎に、もう1泊はしないといけないことになったのです。

しかもシショー・エヴァンジェリストと二人です(光栄です....)。

2011年2月17日木曜日

ああ、M崎(その12)

では、時間はものすごくかかるけれど、電車でF岡まで出て、珍幹線に乗換え、T京に向おうかと考えましたが、アニャのお姉さんが教えてくれました。
JRK州もM崎ではもう、総て運休になってますよ」
Kハることもできないのです(「Kハル』ってどういう意味かは、いずれ解説しますが、直ぐに知りたい方は、ご連絡下さい)。

2011年2月16日水曜日

ああ、M崎(その11)

そんな話をして、仕事の話をしたかどうかは忘れましたが、エヴァンジェリスト氏はまた、外に出ました。
もう、お昼です。朝より、もっともっと雨も風も強くなっています。飛行機が欠航にならないか心配です。近くに航空会社アニャの店があったので入って訊くことにしました。
「はい、本日のM崎発の便は総て欠航になっております」


アニャのお店のカウンターのお姉さんが落着いた感じで答えます。

2011年2月15日火曜日

ああ、M崎(その10)

「いやね、こちらではね、台風が来ると、屋根の瓦が飛ぶこともあるんですよ。家で窓から外を見ていると、近所の家の屋根の瓦が飛んでいくんですよ。そりゃ、すごいもんですよ。でもね、『飛んでる、飛んでる』、って云ってたら、息子が来ましてね、『父さん、それどころじゃないよ』って云うんですよ。『うちの瓦も飛んでるよ』って」

2011年2月14日月曜日

ああ、M崎(その9)

太陽社では、仕事については何を話したか覚えていませんが、エヴァンジェリスト氏は台風の話をしたことはよく覚えています。
「やっぱり本場の台風は違いますね」、客先で天気の話を30分すると云われているエヴァンジェリスト氏が云いました。
すると、とっても人のいい主任部長代理の方がおっしゃいました...............

2011年2月13日日曜日

ああ、M崎(その8)

元々、エヴァンジェリスト氏は、西瓜の味なんて興味はありませんでしたが、ホテルの外は大荒れでした。台風が向って来ているのです。西瓜の味がどうこうとい云っている場合ではありませんでした。
もう雨も風もかなり強くなってきています。果して、ちゃんとT京に帰ることができるのか、気になります。
しかし、仕事があります。西瓜の味に関しては何もコメントせず、シショー・エヴァンジェリストを連れ、その日訪問を約束していた太陽社に向いました。

2011年2月12日土曜日

ああ、M崎(その7)

「さっきのスーパーに行こうか」
と、最初のスーパーに戻り、そこでシショーはようやく西瓜を買ったのです。
翌朝、ホテルのロビーで会ったシショー・エヴァンジェリストの表情は、前日の朝とはうって変って晴れやかなもの、ではありませんでした。
「やっぱり、K児島の方がうまかったな」
しかし、その日はそんなことを云っているような日ではありませんでした

2011年2月11日金曜日

ああ、M崎(その6)

結局、1、2軒コンビニはありましたが、やはり西瓜は置いていません。
1時間程歩き回って、シショー・エヴァンジェリストはようやく、諦めました。

でも、西瓜を諦めたのではありません。コンビニの西瓜を諦めただけです。

2011年2月9日水曜日

ああ、M崎(その5)

そこから二人の放浪の旅が始ったのです。
もっと離れたところにそういえば大手のコンビニがあったかなあ、と、うろ覚えながら思い、そちらに向いました。
しばらく行ってようやく見つけたそのコンビニにも、勿論、西瓜なんておいてある訳がありません。K児島のスーパーが特別だったのに決っています。
しかし、シショー・エヴァンジェリストは諦めません。その後は、当てもなく街を彷徨いました。


その時の二人の表情を誰かが見たら、エヴァンジェリスト氏がどんなにウンザリした表情をし、シショー・エヴァンジェリストがどんなに必死の形相をしていたかが分かったでしょう。

2011年2月8日火曜日

ああ、M崎(その4)

当時、M崎は大手のコンビニがあまりなく、エヴァンジェリスト氏達が向ったのは、地元の商店をちょっとコンビニ風に改造したような店でした。
しかし、普通のコンビニはむしろ、西瓜なんかおいてる訳がないので、そんな店の方が西瓜があるかしれない、と思ったのです。しかも、最初に行ったスーパーからそんなに遠くはありませんでしたので。
ところが、その「コンビニ」には西瓜ありませんでした
「済みません」、エヴァンジェリスト氏が謝ることはないものの、そう云って、「さっきのスーパーに戻りますか」と訊きました。
しかし、シショー・エヴァンジェリストは、「んんんんんん」と唸るだけで、戻るとは云ってもらえませんでした

2011年2月7日月曜日

ああ、M崎(その3)

はっきりはおっしゃいませんでしたが、コンビニの西瓜がお気に召したようで、普通のスーパーの西瓜は気分的にしっくりこないようなのです
何となくシショーのそんな気持ちを察したデシは、「じゃ、ちょっと行ったところにコンビニがありますので、行ってみますか」と云ってしまいました。
これが間違いでした。喜んだシショー・エヴァンジェリストは、スーパーなんか振向きもせず、エヴァンジェリスト氏について、近くのコンビニに向い出しました。

2011年2月6日日曜日

ああ、M崎(その2)

「どこにあるかな、西瓜」
と云われるので、「面倒臭いな」、と思いながらも、デシとしては何とかしない訳にはいきません。


繁華街近くにスーパーがあるのを知っていたエヴァンジェリスト氏は、そこに行けばあるだろう、とシショー・エヴァンジェリストをお連れしました。
そのスーパーに入るなり、目の前に、大きな円形の棚の上に置かれた西瓜の山がありました。
「よし、これでよし」と思ったのですが、シショー・エヴァンジェリストは、「んんんんんん」と唸ったまま、買おうとしません

2011年2月4日金曜日

ああ、M崎(その1)

着いたM崎でも大変なことが待っていました。

シショー・エヴァンジェリストとエヴァンジェリスト氏の二人旅の続きです。
M崎駅に着き、ホテルのチェックインを済ませ、夕食を摂るまではよかったのですが、問題はその後やって来たのです。
シショー・エヴァンジェリストが、「いやああ、ゆうべの西瓜はうまかったなあ。今晩も食いたいな、西瓜」、と言出されたのです。

2011年2月3日木曜日

続・思い出のK児島(その4)......最終回

西K児島駅(当時の駅名)からニッポーポケキョ本線の特急に乗ってM崎まで行ったのですが、3時間弱のその旅の間、殆ど寝て過ごすことになったのです。

勿論、「サケ」茶漬けのせいです。
仕事熱心なエヴァンジェリスト氏は、移動の間に電車の中で仕事をしようと思っていたのに、予定が狂ってしまいました。シショーも爆睡されていたようです。


眠ってはいけないのにと思いながら眠ってしまい、やや引きつった寝顔のエヴァンジェリスト氏に対して、シショー・エヴァンジェリストの寝顔には何の屈託も見えなかったようです。要は、器の違いでした。


....................そして、いよいよM崎です。

2011年2月2日水曜日

シショー、ご明察?

「オレが話しかけるからかい?」

2日間の休みを取ったエヴァンジェリスト氏が出社したところ、シショー・エヴァンジェリストが気に病んだ表情で話しかけてこられた。

2日間の休みを取ったが、エヴァンジェリスト氏はその2日間、休んでいたのではなく、(大きな声ではいえないが)自宅で仕事をしていたのである。あるマニュアル作りの為、自宅に籠って執筆に勤しんでいたのだ。

その事情を知るシショー・エヴァンジェリストは、会社でしょっちゅう自分がエヴァンジェリスト氏に話しかけるものだから、会社では集中できず、自宅でマニュアル執筆をするようにしたのではないか、と気にされたのだ。エヴァンジェリスト氏の目の前の席が自分の席であることから、シショーはついついデシに話し掛けてしまうのである。

いえ、そんなことありませんよ。そんなことある訳ないじゃないですか」

デシたるもの、いつ何時でもシショーからお言葉を頂けるのは有難いことなのだ。いえ、これ本当ですよ。シショーの「声」は神の「声」なのですよ。

シショーに要らぬ気遣いをさせたことを申し訳なく思う一方、そんな気遣いのできるシショーをますます尊敬するデシであった。