したり顔のエヴァンジェリスト氏である。
「やっぱりな。こんなことだろうと思っていたんだ」
「何がですか?」
「これじゃ」
「ロシアパン?」
「札幌のファミリーマートで売っていたんだ。証拠として買ってきた」
「証拠?何の?」
「訊くな」
「ま、ま、まさかあ......」
失礼千万な人だ。何が神の使い(エヴァンジェリスト=伝道師)だ!
北海道のことを北にあるからというタダそれだけのことで、ロシアと「縁」があると考え、北海道出身のキタグニカラキタ・スパイ氏のことをプー○ンのまわしもの(スパイ)だと思っているのだ(キタグニカラキタ・スパイ氏という名前はそこに由縁しているのだ)。
ロシアパンが北海道のコンビニにあったことが、自身の説の証拠だと思っているのだろう。
単純というか、頑迷というか。困ったものである。
エヴァンジェリスト氏になりかわり申し上げる。
「道民の皆さん、ごめんなさい。いや、キタグニカラキタ・スパイ氏、ごめんなさい」
「ロシアパンは、北海道以外でも売っているのでは?」
「五月蝿い!ワシは他の地では見たことがない!」
エヴァンジェリスト氏が出張先の札幌のファミリーマートで買ったロシアパンは、つぶあんとマーガリンとを挿んでいる。他にも、シュガーがかけてあるだけのものもあるらしい。
ロシアパンは、その形から山崎製パンが名前を付けただけで、中味とか味付けがポイント(名前の由来)ではないらしい。
原料の関係でロシアでは、所謂、食パンを作れなかったらしく、コッペパンをふっくらとさせたようなパンを作ったそうで、その形状をまねたのが「ロシアパン」ということのようだ。
いずれにせよ、ロシアパンは北海道限定販売ではないであろうし、北海道はロシアとは距離が近いというだけで特別な関係はない。そして、キタグニカラキタ・スパイ氏はプー○ンのまわしものではない(はずである)。
「道民の皆さん、本当にごめんなさい。キタグニカラキタ・スパイ氏、申し訳ありません」
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