Appleから「iCloudの無料ストレージアップグレードが延長されました」というメールが届いた。
そのメールは、「カレ」にも届いた。「カレ」は云った。
「ミニテルは死なない」
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この「iCloudの無料ストレージアップグレードの延長」は、MobileMe時代から長くサービスを利用して来たユーザー向けの処置らしい。
MobileMeからiCloudへの移行時に、通常のiCloudアカウントに含まれる5GBのストレージに加えて無料アップグレードが提供されていたが、そのストレージアップグレードは2012年9月30日で終了予定であったのだ。
MobileMeからiCloudへの移行は、2012年6月30日であった。
そして、その2012年6月30日は、「ミニテル」の終焉の日であったのだ。
「ミニテル」は、フランスで大成功を収めた情報通信サービスである。
正しくは、サービス名称は「テレテル」(Télétél)で、その端末の名称が「ミニテル」(Minitel)であるが、通常、「ミニテル」サービスと云われている。ネットワークには、Transpac(FranceTelecomが提供するパケット通信網)が使われた。
「ミニテル」は、インターネットを先取りしたサービスであったとも云える。
「ミニテル」は、フランスの他に、イタリアでもサービス化され、また、米国等でもサービス会社が設立されたが、フランスのような成功は収めなかった。
そして、今は知る人も少ないのであろうが、「ミニテル」は日本でも事業化が計画されたのであった。
日本からフランスの「ミニテル」に接続するサービスである「Minitelnet」というサービスがあったが、そのことではない。因に、「Minitelnet」はFrance TelecomとINFONET Serices Crporation との提携によるサービスであったが、そのINFONET(その後、BTに買収されBT-Infonetとなった)も今年でなくなるらしい。
「ミニテル」の日本での事業化は、「日本語ミニテル協会」という組織により計画されたのだ。「feasibility study」が為され、Business Planが作成されたらしい。
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….しかし、日本で「ミニテル」事業化は実現されなかった。
その「ミニテル」の日本での事業化、「日本語ミニテル協会」に「カレは深く関係していたらしい。
私とエヴァンジェリスト氏の共通の知合いであり、Monsieur Minitel au Japon(ムッシュウ・ミニテル・オ・ジャポン:日本のミスター・ミニテル)と呼ばれていた「カレ」は、Appleから「iCloudの無料ストレージアップグレードが延長されました」というメールを見て、云った。
「ミニテルは死なない。ミニテルも死なないのだ」
「.mac」が「MobileMe]となり、「iCloud」となり、ある意味では生き残っているように、「ミニテル」も形を変え、生き残っていく、とでも云いたいのであろうか。
或は、ミスター・シューベルトが「天使」になってもまだ、私の心の中に、そして、エヴァンジェリスト氏や「カレ」(Monsieur Minitel au Japon)の心の中に生きているのと同じように、とも云いたいのかもしれない(参照:アナタは妖精を見たことがあるか?!)
「ミニテルは死なない」
その言葉の真意を、そして、「ミニテル」の日本での事業化、「日本語ミニテル協会」について「カレ」に訊いてみたいが、今、「カレ」は、「ミニテル」の思い出にふけっているのか、虚空を見つめ、とても話しかけられる雰囲気ではない。
いずれ「カレ」には、何故「ミニテルは死なない」のか訊き、報告したい。
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