(【疑惑の旅】清水か尖閣か(シーン9)の続きである)
清水寺の本堂で待ち受けていた「出世大黒天像」を見ながら、何やら物思いに耽っていた連れの若い女性のことは気にもせず、エヴァンジェリスト氏は歩を進め、「舞台」に立った。
そして、「舞台」から前方の山を見た。
ここでも、「妙なことに二人にラブラブ感がないんですよ」と、京都の特派員は不満げに独りごちた。
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清水の「舞台」の写真は幾度も見たことがあるが、「舞台」からの景色の写真をエヴァンジェリスト氏は見たことがなかった。
今、初めて「舞台」からの景色を見たのだ。
そして、次にエヴァンジェリスト氏は、「下」を見た。「舞台」の下である。
「清水の舞台から飛び降りる」と云われるが、飛び降りた先はどうなっているのか、気になっていたようだ。
「舞台」の下は、こうなっていたのだ。
音羽の瀧(おとわのたき)等があるのだ。
中国人達に混じりながら、エヴァンジェリスト氏は「舞台」の下へと降りていった。
「舞台」の下に降りられるのだ。「舞台」に上がり、そのまま進むと、山道が続き、「舞台」の写真を撮るのに格好な場所がある。多くの「舞台」の写真が撮られたであろうスポットだ。
そのスポットを過ぎると、下り坂になり、回り込むようにして降り立ったところに、音羽の瀧があった。
修学旅行生達でごった返していた。
そこでまた、エヴァンジェリスト氏の連れの若い女性は、また物思いに耽っているようであった。
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「彼女(エヴァンジェリスト氏の連れの若い女性)は、清水寺に何か思い出でもあるのか、と思いましたよ」
京都の特派員は思ったのだ。元カレ(エヴァンジェリスト氏の前の彼氏)と一緒に修学旅行でこの清水寺に来たことがあるのではないか、と。
しかし、次に二人が向ったところでは、今度はエヴァンジェリスト氏の方が物思いに耽ってしまったのである。
(続く)
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