(【行方不明】「あっちゃんも一緒だったんですか?」(その1)の続きである)
「ま、5次元空間かな、ムフフ」
しばらく行方不明と云っていい状態であったエヴァンジェリスト氏が不敵に云い放った。
来年の春のNHKの朝ドラ「あまちゃん」の撮影に前田敦子と一緒に三陸海岸にでも行っていたのか、と詰め寄ったところを、いきなり「5次元空間」という突拍子もないものを持出して来たのだ。
「5次元空間?ま、まさか、リサ・ランドールですか?」
「なぬ?君はリサのことを知っているのか?」
「リサ?ああ、またいつもの病気ですね?」
「病気?」
「いえ、いいんです。リサ・ランドール博士の唱える「5次元空間説」ですね」
リサ・ランドール博士は、5次元空間説を唱えている。
多分、皆さんはエヴァンジェリスト氏が石原プロに入ると云っていることを老人の戯言と捉えているのかと思うが(まあ、私も戯言だと思っているが)、これを5次元で捉えると、必ずしも戯言とは云えないことがお判り頂けるかと思う。
宇宙には我々の住んでいる3次元世界のような空間がたくさんあり、その間を5次元空間が埋めているのだそうだ。
5次元空間は重力しか通さず、光は通さないので、我々は今のところ3次元世界の間を行き来することはできないらしい。
しかし、素粒子実験で、衝突後に素粒子が消えることがあるそうで、これは5次元空間へ行ってしまったと考えられているそうだ。
ということは、私も、貴方も、そしてエヴァンジェリスト氏も、何かの拍子に何かと衝突すると、素粒子のようにこの世界から消え、異次元にワープする可能性もなくはないのではないか。
……….いつの間にか、私は一人、「5次元空間」に関する思いを呟いていた。
(続く)
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