(【疑惑の旅】高岡か奈良か(シーン13)の続きのような続きではないような...)
「あにさん、あの二人、今度は国立に来ましたで」
京都の特派員に「あにさん」と呼ばれる覚えはないが、それはさておき、何故、京都の特派員が国立にいるのだ?
それに、あの二人とは誰のことだ?
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2014年11月2日、エヴァンジェリスト氏と連れの若い女性は、東京は国立市にある一橋大学に入って行った。
前日(11/1)から学園祭である。一橋祭(いっきょうさい)だ。
エヴァンジェリスト氏は、試しにと誘ってみた(メールを送ったのだ)。
「テンカイチ、一緒に行く?」
と、珍しく、
「なんで?」
と返信が来た。
これは脈がある。行く気がないなら、メールを無視するか、「イヤだ」と云ってくるからだ。
「ソーセージでも食べたくなったから」
と回答したところ、
「ウエルシア行く気ある?」
と来た。これはもう間違いない。行く気なのだ。
しかし、何故、ウエルシアなのか?
どうやら、一橋大学に「後輩」がいるらしいのだ。部活で模擬店を出店しており、お菓子を差し入れるからウエルシアで買って来い、ということなのであった。
エヴァンジェリスト氏は、ほいほいとウエルシアに行き、大袋のお菓子を5つ買い、二人で一橋祭に向かったのであった。大きなおk氏の入ったレジ袋を持つのは勿論、エヴァンジェリスト氏であった。
一橋祭は人人人でごった返していた。兼松講堂では、「総合アミューズメント研究サークルLaBomba」の公演でも待っているのか、長蛇の列ができていた。
エヴァンジェリスト氏と連れの若い女性は、連れの若い女性の「後輩」の部活の模擬店を探した。揚げアイスを売っているらしい。
ところで、申し上げるまでもないであろうが、連れの若い女性の「後輩」は、連れの若い女性の「後輩」であるが、連れの若い女性は一橋大学出身ではない。高校の先輩・後輩という訳でもない。
バイト先の「後輩」なのであった。
揚げアイスの模擬店まで行ったが、「後輩」は忙しそうだ。連れの若い女性は声をかけようとしない。
忙しそうで、邪魔してはいけない、と考えたのだ。
しかし、折角、ウエルシアまで行ってお菓子を買って来たのだ。それを渡さぬわけにはいくまい、とエヴァンジェリスト氏は、連れの若い女性に、声をかけるよう促した。
しかし、そこには邪な心もあったのだ。
「後輩」は当然ながら気付くであろう。
「あら、連れの方、どなた?」
そして思うであろう。「素敵な方」、と。
そして、そこからお近づきになって……ムフフ。
連れの若い女性は、「後輩」に声をかけた。「後輩」は「先輩」が顔を出してくれたことに喜んだ。
しかし、残念ながら、「後輩」はエヴァンジェリスト氏からお菓子の袋を受け取りはしたものの、エヴァンジェリスト氏を一瞥だにしなかった。
傷心のエヴァンジェリスト氏は、一橋祭を出た。
まあ、いいのだ。なにはともあれ、連れの若い女性と久しぶりのデートができているのだから。それなのに、他の若い女性ともいい関係になろうというのは望み過ぎというものであろう。
二人は今度は天下市を巡った。
天下市は、国立市商工会青年部が主催するイベントである。国立市にある色々なお店が大学通の歩道脇の空間にテントで青空出店するのだ。
エヴァンジェリスト氏と連れの若い女性は、天下市と業者の露店を一巡りし、ノイフランクのテントまで行った。
例年は、焼きソーセージを買う為、長蛇の列ができているのが、この日は2、3人しか待っていない。
これ幸いと列に並んだが、店の人から「間もなく売切れです」とショックな言葉があった。
しかし、かろうじて二人分は買え、久しぶりのノイフランクのソーセージを味わった。国立市に住む山口百恵さん(正確には、三浦百恵さん)もノイフランクのソーセージを買っている、と聞いたことがあった。
その後、二人は更に天下市を巡った……
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「しかしでんなあ、見失いましてん」
京都の特派員は、地元でないからなのであろうか、人が多過ぎたからであろうか、天下市でエヴァンジェリスト氏と連れの若い女性とはぐれてしまったらしい。二人の方は、特派員の存在には気付いていなかったであろうが。
「あの二人、どこかにしけこんだんでっしゃろ。仕方おまへん」
京都の特派員は、「仕方おまへん」と云って、再度、一橋大学の構内に入って行った。
分っている。女子学生目当てなのだ。エヴァンジェリスト氏と連れの若い女性を本当に見失ったのか怪しいものだ。
二人の後をつける気はなく、敢えて見失ったのではないか、という疑惑が湧く。
「ま、明日も国立に来まっせ」
そう、明日(11/3)は、一橋祭、天下市に加えて、国立市民祭もあるのだ。国立市が一年で最も賑やかな日である。
市民祭では、大学通が歩行者天国になり、そこで色々なイベントもあるのだ。