ビエール・トンミー氏の衝撃的な告白について、
「あきれたもんですねえ」
とエヴァンジェリスト氏に同意を求めたところ、エヴァンジェリスト氏は異様と云っていい程に狼狽えたのであった。
そう、ビエール・トンミー氏は、人間ドックで検便のゴマカシをしたのであった。
ウンコは検査当日を含め6日以内のものを2回採取しないとならないのに、1週間前に一度の採取で2本の検体を作り、日付を適当に書いて提出したのだ(今回に限らず、毎回そうしている、というのだ)。(参照:【疑惑】ウンコは嘘をつかない….【ビエール・トンミー氏の優雅な老後】)
しかし、臨床検査技師の眼は誤魔化せず(実際のところ、眼で見抜いたのか、鼻で嗅ぎ分けたのかはわからないが)、再提出を求められたのであった。
還暦にもなって恥ずかしい所業である。そのことに同意を求めたところ、エヴァンジェリスト氏は異様と云っていい程に狼狽えたのである。
「あ、あ、ああそうだな。あきれたもんだ…」
「なんだか、アナタ、様子が変ですね」
「いや、そんなことはない」
「いえ、変です。アナタ、嘘をつくと鼻の穴を拡げる癖があること、自分で分ってますか?」
すると、慌てて鼻を抑えて云い繕った。
「うっ、いや、ちょっと鼻炎気味なんだ」
「アナタ、ひょっとして……そうか、アナタもやったんですね。ウンコ偽装」
「し、し、失敬な!」
「アナタも一度の採取で2本の検体を作って提出したんですね」
「いや、それは違う!そうではない。絶対にそんなことはしていない」
「では、どんな偽装をしたのですか?」
「五月蝿い!これ以上の質問は、事務所を通してくれ!」
ついに、お得意の科白(「事務所を通してくれ」)で誤魔化しに入った。
まあ、エヴァンジェリスト氏が検便嫌いであることは知っている。(参照:【人間ドック】「いやああん、そこだけは止めて!」(その3) )
「アナタ、ウンコに代りにカレーでも提出したんでしょ」
「う、う、五月蝿い!これ以上の質問は、事務所を通せ!」
そう云って、エヴァンジェリスト氏は立ち去った。
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ふうう……いやいや、危ないところだった。
アイツ、今日は妙に鋭いなあ。「代りにカレーでも提出したんでしょ」には驚いた。
尤も、カレーで誤魔化せると思う程、ワシは愚かではない。が、アイツ、いいところを突いてきやがった。
しかし、ハハの名誉の為に真相を明かすことはできないんだ。
そう、まさか、小学生の頃、ワシが提出した検便の中身が、ハハのウンコだったと白状する訳にはいかないんだ。
子供の頃から検便は大嫌いだった。しかも、昔のトイレは水洗ではなくボッチャン式(汲み取り式)だったから、自分のウンコを新聞紙で受け止めなくてはならなかった。
便所自体が臭くて、できれば行きたくはないところであったが、更に、ウンコを新聞紙できとんと受け止めるにはワザが必要であり、面倒で、嫌で仕方がなかった。
臭い上に面倒な検便は、それはもう大嫌いであったのだ。
そこで、見るに見かねたハハは自分のウンコを検体として提供してくれたのだ。
これには、さすがの臨床検査技師も気付かなかったのだ。参ったか、ビエールよ!
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