沖縄から帰るとさすがに東京は寒い。
今回の出張は、東京→鹿児島→沖縄→東京という、少々キツイ行程であった。しかし、会社に行くよりはましだ。
会社にいると、右顔面が痺れ、右肩が凝って仕方がない。まあ、会社では右側が鬼門なのだ。
尤も、鼻は左側がむずむずする。
左隣の男がけしからんことに、『BVLGARI pour homme』を付けているのだ。
全くもってけしからん。ボクのフレグランスと同じなのだ。
最近、『BVLGARI pour homme』を付ける者が増えている。怪人2号とやらも『BVLGARI pour homme』を付けている。
しかし、疑惑がある。
会社の左隣の席の男は、どこか怪人2号に似ている。『BVLGARI pour homme』を付ける者が増えているのではなく、会社の左隣の席の男と怪人2号とは同一人物なのかもしれないのだ。
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「怪人2号って変な男だよね?」
思い切って、左隣の席の男に鎌をかけてみた。
「ああ、『プロの旅人』ですか。最近、あのブログ面白くないですよね」
「うん、そうだね。怪人だとか、怪鹿だとか、荒唐無稽だよね」
「怪人3号なんて、なんであんなポーズとるんですかね。自意識過剰ですね」
ドキッとした。
「怪人3号も、『BVLGARI pour homme』と付けているんでしょ。こちらの真似をして欲しくないですよね」
危ない、危ない。追求は止めておくこととした。
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羽田空港から約1時間で自宅マンションに着いた。3階を見た。
ウチの部屋の電気が付いている。妻は会社から帰ってきているようだ。
「ジミー」のクッキーをお土産に買って帰っている。沖縄出身の妻は「ジミー」のクッキーが大好きだ。
最近、余りアイテをしてくれないが、「ジミー」のクッキーがあれば、今晩あたり…..(ウフッ)
エレベーターを降り、303号室の鍵を開けた。
「ただいまあ」
いい匂いがする。ゴーヤーチャンプルのようだ。妻は料理上手だ。特に沖縄料理がうまい。お腹がなる。
リビングルームの扉を開けた。
「エ、エ、エッ!」
一体、何が起きているのだ!
「ウフッ、ウフッ、ウフッ、フアッハッハッハッハっハー!」
か、か、か、か、怪人、いや、怪女だ!!!
ウチに怪女が出現だ!
一体、一体、一体、一体、何がどうなっているのだ!?
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