2015年1月20日火曜日

【追悼】「壁ドン!」は甘い。「壁ドンドン!」:中川努先生。



「壁ドン!」は甘い。エヴァンジェリスト氏は、中川努先生に「壁ドンドン!」を教えて頂いた。


中川努先生は、関西学院大学のフランス文学の先生(教授)であった。そして、エヴァンジェリスト氏のお客様であった。

中川先生は、エヴァンジェリスト氏にフランス流の女性の口説き方を教えてくれた。

「女性をね、壁際に追い詰めるんですよ。そしてね、両手を壁に押し当て、女性を逃さないようにするんです」

エヴァンジェリスト氏は、真剣に聞いた。

「そして、顔を近づけてね、フフ」

今風に云うと、「壁ドンドン!」である。

「壁ドン!」は甘いのだ。「壁ドン!」は片手を壁に当てるだけだ。それでは、塞がれていない方から逃げられてしまう。

そんなことを先生(大学教授)が教えてくれたのだ。しかも相手(エヴァンジェリスト氏)は、同じくフランス文学専攻出身とはいえ、営業マンだ。

素敵な先生、素敵なお客様であった。

エヴァンジェリスト氏は、中川先生からもっと色々なことを教わりたかった。しかし、それはもう叶わない。

中川先生は、20年前に亡くなられたからである。20年前の1月17日に亡くられたのである。

20年前の1月17日.......そう、阪神淡路大震災である。

中川先生は、お住いで圧死されたのだ。

そのことを知ったのは、震災から半年経ってからであった。共通の知合いからの情報であった。

阪神淡路大震災では、6434人もの方が亡くられており、中川先生も亡くなられていたことが直ぐには分らなかったのだ。

44歳であった。まだまだ若かった。無念である。


先生は亡くなられたが、エヴァンジェリスト氏は先生のことも、先生から教わった「壁ドンドン!」も忘れることはない。

最近、「壁ドン!」が流行っていることが気に入らない。

「壁ドン!」は甘いからだ。「壁ドンドン!」であるべきだからだ。しかも、「壁ドン!」のようなことは20年も前に中川努先生が「提唱」されていたのだ。


.....で、エヴァンジェリスト氏は、「壁ドンドン!」を実践したことがあるのか?

勿論、ない。エヴァンジェリスト氏には壁際に追い詰めるまでに到る女性がいない。

夫人(マダム・エヴァンジェリスト)にもできない。夫人にしようとすると、壁際に追い詰める以前に、近づいだだけで頬を平手打ちされる。壁際に追い詰めたとしても、急所にヒザ蹴りを入れられることが分っているからだ。

あれから20年。黙祷である。



2 件のコメント:

  1. 毎年この時期になると、私も中川先生を思い出します。

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  2. 私は、1994年に関西学院大学文学部を卒業しました。中川先生の授業を受けたことがあります。フランス語ではなく、ジェンダーとかそういう関連の授業だったと思います。懐かしく思い出されます。

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