「いよいよですか?」
エヴァンジェリスト氏を直撃した。
「は?なんのことだ?」
「いよいよなんでしょ、石原プロ入りが」
「おお、久しぶりにその線で来たか」
「事務所を通してくれ、は通じませんよ」
「何故だ?」
「だって、アナタ、まだ事務所には入ってないでしょ」
「なとほど、理屈だな」
「アナタの『事務所』は、石原プロしかないでしょ」
「まあ、皆んな、そう思っているのだろうな」
「で、いよいよなんでしょ?」
「どうして、いいいよ、なんだ?」
「だって、齋藤さんが云ってるじゃあないですか」
「齋藤さん?」
「しらばっくれてもダメですよ!」
「齋藤厚子さんかい?石原プロモーション総務部企画担当・音楽出版担当の齋藤厚子さんかい?」
「ああ、やはりそうなんですね」
「厚子さんは、ワシが石原プロ入りするなんて云ってはいないはずだ」
「ええ、そうは仰っていません」
「だろうなあ」
「しかしです。しかし、この夏、数年後の映画制作のために新人俳優を募集します、って仰っていました」
「うっ!」
「新人俳優募集って、実は、アナタに石原プロに入って欲しい、っていうプロポーズなんではないですか?」
「厚子さん、『西部警察カラオケ』で当てたようだな」
「誤魔化さないでください」
「『西部警察カラオケ』で当てたのなら、ワシに頼る必要はないではないか」
「アナタ、本当にそう思っているのですか?」
「ううっ!なんだ、その挑戦的な言い方は」
「手持ちの権利、資産を活用することは悪いことではありません。企業はどんな手を使っても利益を上げていかなくてはいけませんからね」
「その通りだ」
「しかし、アナタは思っているはずだ。過去の資産に頼ってばかりではダメだ、と」
「勝手にヒトの心を読むのではない!」
「アナタ、まだ『石原プロ』と『水木プロ』の合併を画策しているのではないですか?」
「そんな勝手なことをほざいていると、まき子夫人や尚子さんに叱られるぞ!」
「水木プロダクションの武良尚子さんのことも、『尚子さん』って呼ぶ程の仲なんですね」
「違う!番う!尚子さんとは面識はない」
「分っているんですよ。『西部警察カラオケ』のニュースと『ビッグコミック』の水木先生の『わたしの日々』の連載中止のニュースがほぼ同時に流れたのは偶然でしょうか?」
「そりゃ、偶然だろう」
「ほほー、お惚けですか。アナタが裏でイトを引いているんでしょ?石原プロは『西部警察カラオケ』のヒットで合併に向けプラス・イメージを作り、一方、水木先生は、合併準備で忙しくなって連載を中止されたのではないですか?」
「いい加減にしろ、そんなガセネタは。これ以上云うなら、石原プロと水木プロに代ってワシが厳重抗議をするぞ!」
「ほら、ボロが出た。アナタ,石原プロと水木プロに代る(両プロを代表する)立場にあるんですね!?」
「五月蝿い!誰か、桃怪人2号でも呼んで、こいつを退治させてくれないか!」
0 件のコメント:
コメントを投稿