2010年12月8日水曜日

怪しい電話(3)

「えええ、もう6時かあ」と思い、眠気にふらつきながらベッドを出たエヴァンジェリスト氏は、時計を見て驚いてしまいました。まだ午前1時過ぎでした。電話でセットしたモーニング・コールだと思ったのです。いつものよう朝6時にセットしたのです。

確かに外はまだ真っ暗です。で、「モーニング・コールでないとしたら、こんな真夜中に電話があるということは、きっと自宅からの電話で、親か親戚の誰かに何かがあった(要は、死んだ)という知らせだろう」、と覚悟を決めて受話器をとったのでした

当時はまだ携帯が普及していなかったのです。


先ず聞こえてきたのは、フロントの声でした。

「外部からの電話ですが、おつなぎして宜しいでしょうか?」

と聞こえました。でも、後から思い返してみると、それは「外部から」と云ったのではなく、「外人から」と云ったのではないかとも思われました。

「ああ、はい」と答えた後、聞こえてきたのが、先の「(女性の声)ルーム・ナンバー、ジェロジェロワン・・・(ふにゃふにゃ)・・・?」だったのです。

先ず間違いなく、チャイニーズ・イングリッシュの女性の声です。

「怪しい電話(2)」記載の通りのやり取りがあり、本当に、しばらく何がなんだか分りませんでした。少なくとも親も親戚も死んだ訳ではないことは分りましたが、それでほっとする気持ちよりも、「こんな深夜に電話をかけてきやがって、なんなんだ、何者だ!」と怒りの方が先に立ち、とても不機嫌な声で応答していまいました。

やり取りの途中で、「こりゃ、ホテル□□□N古屋△△△の時と同じ電話だろう」と、エヴァンジェリスト氏は思いました。

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