「ウッ……」
「理性」はおろか「品性」まで喪おうとしていたビエール・トンミー氏であったが、二人の若い女性の会話が氏を救った。
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「リンカーンってなんだったけ?」
ミニ・スカートが訊いた。
「大統領じゃない?」
ホット・パンツが答えた。
「ああ、ラフマニノフに似てるやつね」
ミニ・スカートが納得した。
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「….いやあ、危ないところだった」
ビエール・トンミー氏は、ふうーっ、と息をついた。
「やはり、●●●子先生だ。●●●子先生は知的で、そして、綺麗で素晴らしい」
思い直したようにコーヒー「エーデルワイス」を啜った。
「しかし、明日(2014年12月22日)で、今期の講義はおしまいだ。残念だ」
と、●●●子先生に想いを馳せながらも、ビエール・トンミー氏の目は隣席へのチラ見を続けていた。
(終り)
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