2011年11月24日木曜日

強盗?….気をつけろ!

「強盗?….気をつけろ!」

アルバイト先のパン屋の近くにある「築地銀だこ」に包丁強盗が入ったらしい、と報告するマドモワゼル・エヴァンジェリストに、エヴァンジェリスト氏が云ったのだ。

「大丈夫、大丈夫」

「大丈夫じゃあないぞ!刺すなよ」

「?!…….」

「君は、逆に強盗を刺しかねないからな」

何たる父親か(トホホ)。

2011年11月21日月曜日

大型新人、参上!.........カレーナカリフラワー氏。【後編】

大型新人、参上!.........カレーナカリフラワー氏。【前編】の続きである)


しかし、カレーナカリフラワー氏の大物振りは、エヴァンジェリスト氏に対してだけ発せられたものではなかったのだ。

恐れ多くもローラク・クイーン13世に対しても、カレーナカリフラワー氏は挑んでいったのである。

セミナーではお客様向けに弁当を用意し、同じ弁当をエヴァンジェリスト氏他のスタッフも食したのであるが、エヴァンジェリスト氏と二人でその弁当を食べながら、カレーナカリフラワー氏が云った。

「この弁当の味、何だか妙ではないですか?」
「美味しいじゃあないか」
「いや、妙ですよ」
「君は、この弁当を選んだローラク・クイーン13世を批判するのか」
「批判する訳ではないですが、妙なものは妙ですよ」
「なんだと!」
「このカリフラワー、カレー味がついてますけど」
「カレー味だっていいじゃあないか。とんかつにカレー・ルーをかけてはいかんがな(和歌山の人々よ!…..それでいいのか!?【その1】和歌山の人々よ!…..それでいいのか!?【その9-最終回】)」
「水っぽくないですか」
「ローラク・クイーン13世に言いつけるぞ!」
「止めて下さいよ。大人げないですよ」

といったやり取りがあったと聞く。

そして、文字通り、大人げないエヴァンジェリスト氏は、ローラク・クイーン13世に告げ口をしたのだ。

「カレーナカリフラワーが、弁当の味が妙だ、カリフラワーが水っぽかった、と云ってるぞ」

その場に居たカレーナカリフラワー氏は、本当に云うなんてなんて大人だ(父より年上のなのに)、といった様子で顔を赤らめていたらしい。

しかし、ローラク・クイーン13世は、エヴァンジェリスト氏とは人間のできが違っていたようだ

「そうかもしれませんね。ちょっと水っぽかったかな、フフ」

とコトを収めたのである。

エヴァンジェリスト氏もカレーナカリフラワー氏も、ローラク・クイーン13世に学ぶべきである。


2011年11月20日日曜日

【夫婦の光景】久々の夕食デート

日曜日の夜、エヴァンジェリスト氏は、久しぶりに夫婦二人で、近くの居酒屋に外食しに行った。炭火焼の店である。

夫婦共に飲酒しないのに、珍しくエヴァンジェリスト氏は巨峰サワー、マダム・エヴァンジェリストはレモン・サワーを頼んだ。二人は、あっという間に顔を赤くした。

そして、お通しのクリーム・シチューを食した後、食べ物は先ず、サラダ、チョリソを頼んだ。

「チョリソって何?」

マダム・エヴァンジェリストが訊いた。

「チョリソはチョリソだよ」
「いわしのソーセージよ。思い出したわ」
「ふううん(?)」

馬鹿な夫婦である。

次に、巻貝とホタテを頼み、満足した後に、夕食セットメニューから、エヴァンジェリスト氏は焼鳥丼、マダム・エヴァンジェリストはつみれ鍋を頼んだ。

「美味しい!」

普段、意見が合うことのない二人が声を揃えて云った。

.......そして、満腹な上に、馴れぬアルコールを飲み顔を火照らした二人は肩を並べ、ゆっくりゆっくり歩いた。

「星が奇麗だね」

寒風の空を見上げ、エヴァンジェリストが云った。

「薄っぺらい野郎め!」

マダム・エヴァンジェリストが言葉を吐き捨てた。新幹線を止めようとした際の語気並であった(新幹線を止める新幹線に追い付いた!?)。

ポンポン!エヴァンジェリスト氏が突き出た腹を叩いて云った。

「いや、厚いぜ!」

幸せな夫婦である。



大型新人、参上!.........カレーナカリフラワー氏。【前編】

大型新人が現れた。

カレーナカリフラワー氏が、キタグニカラキタ・スパイ氏、ダカラムスメモ氏、トバナイノニトンダ氏、ローラク・クイーン13世、そして、エヴァンジェリスト氏と一緒に大阪に出張した。大阪でのセミナー開催の為の出張である。

新入社員のカレーナカリフラワー氏、初の出張である。初の出張が、エヴァンジェリスト氏と一緒だなんて可哀想に、と思っていたら、どうやら余計な心配であったようだ。

例によって、エヴァンジェリスト氏は新人いじりをしようとしたが、悉くいじり返しをされたらしい。

「セミナーの講師、代りにやってくれよ」

とエヴァンジェリスト氏が冗談云うと、並の新入社員なら、

「いやぁ........無理です」

等と云うところを、この大型新人は、

「いいですよ。だったら、その前に今晩中に、私を講師ができるようにして下さい」

と、一休さん風の返しをするのであったらしい。屏風の中の虎を退治せよ、と命じられた一休さんが、「承知したが先ず、虎を屏風から出して下され」、と云った風にである。

ああいえばこういうとはこのことを云うのかといった二人の掛け合いであったという報告が来ている。

2011年11月13日日曜日

和歌山の人々よ!…..それでいいのか!?【その9-最終回】

和歌山の人々よ!…..それでいいのか!?【その8】の続きである)


「イッキューは、そのそば屋で鴨せいろを頼んだ」
「鴨せいろはいいですね。私も好きです」
「君のことはどうでもいい。その鴨せいろに、あいつは七味をかけるつもりが、山椒をかけおった。ハハハハハ
「貴方、性格悪いですね」
「そうだ、総て、イッキュー・センセイが悪いんだ。そう云えば、あの店の接客はとてもよかった。きっといい店なんだ。とんかつにカレー・ソースをかけるのもあの店なりの工夫なんだ。ワシはその味は気に入らんが、和歌山ではあの店は多分、有名なんだ。皆、あのとんかつ定食のことを知っていて、わざわざ食べにいっているのだろう。そのことをコチラは知らなかったのだ」
「そう、きっといいお店なんでしょう」
「総てはイッキューのせいなんだ」
「もう一度云いますが、他人のせいにするのはよくありませんよ。自己責任です!」
「ワシは『自己責任』という言葉が大嫌いだ」

エヴァンジェリスト氏につける薬はないようである。



2011年11月12日土曜日

和歌山の人々よ!…..それでいいのか!?【その8】

和歌山の人々よ!…..それでいいのか!?【その7】の続きである)


「5月に和歌山に出張した時に、打合せが長引き、和歌山ラーメンを食べることができなかった。出張前にイッキュー・センセイが和歌山ラーメンを食いたい、食いたい、云っていたのに、空港バスに乗る時間だったから食べなかったんだ。その後、あいつは、もう1本後のバスにしても間にあったのに、そうすれば和歌山ラーメンを食べられたんだ、としつこく云った」
「まあ、彼の性格ですね」
「で、奴には悪かったと思い、今回、井出商店に連れて行ったのだ。なのに、その翌日も和歌山ラーメンにこだわりやがった」
「よほど和歌山ラーメンが気に入ったのですね」
「そうだ!あいつの妙なこだわりのせいだ。そのせいで、ワシはあんな変なものを食べる羽目になったのだ。だから、あいつにはバチがあたったのだ」
「バチ?」


2011年11月11日金曜日

和歌山の人々よ!…..それでいいのか!?【その7】

和歌山の人々よ!…..それでいいのか!?【その6】の続きである)


「しかし、井出商店は駅(和歌山市駅ではなくJR和歌山駅)から少し遠い。だから、あの時はもっと駅よりの別の有名店に行こうとしたんだ」
「なるほど」
「そうか、けしからんのは、イッキューだ。あいつが和歌山ラーメンを食べたいと云ったからだ」
「その別の有名ラーメン店には結局、行かなかったのですか?」
「行った。が、昼食時をかなり過ぎていたからか、『準備中』となっていた。それで、近くにあったあのそば屋に入ったんだ」
「そういう事情ですか」
「そうだ!あいつのせいだ」
「また、他人に責任を押付けるのですか」


2011年11月10日木曜日

和歌山の人々よ!…..それでいいのか!?【その6】

和歌山の人々よ!…..それでいいのか!?【その5】の続きである)


「何にせよ、そのそば屋は駅前と云っても、駅から少し歩いたところにあるんじゃないですか。わざわざそこまで行ったのなら、よく調べて行けばよかったじゃあないですか」
「そのそば屋に行きたかったのではない。イッキュー・センセイが和歌山ラーメンを食いたいと云うから、あのあたりにある和歌山ラーメンの有名店に行こうとしたんだ」
「井出商店には行かなかったのですか?」
「おお、君、詳しいな。井出商店を知っているのか。行った。前の晩に井出商店に行き、特製の大盛(要は、チャーシューが多くのっているラーメンの大盛)を食べた。うまかった
「有名ですからね」
「早寿司も食べた。これもうまかった。イッキュー・センセイは卵(ゆで卵)も食べた」
「和歌山のラーメン屋には、寿司と卵が置いてあるんですよね」
「そう、精算する時に、ラーメンの種類,と云っても、特製か大盛かといったものしかないが、まあラーメンの種類と寿司、卵をそれぞれ何個食べたか自己申告するんだ」
「なんだか、いっぱしの和歌山ラーメン通気取りですね」



2011年11月9日水曜日

和歌山の人々よ!…..それでいいのか!?【その5】

和歌山の人々よ!…..それでいいのか!?【その4】の続きである)


「和歌山の人々よ!…..それでいいのか!?……和歌山の人々よ、貴方たちはとんかつにカレーをかけて食べるのか!?それでいいのか!?君たちの舌はそんなものなのか?」
「いや、和歌山のとんかつがみんなカレー・ソースということではないでしょう。決めつけ過ぎです。今、ネットで調べましたが、福井のカツ丼とは訳が違うようです。福井でカツ丼といえば、ソースカツ丼ですが、和歌山でとんかつと云えば、カレー・ソースかけ、ということではないようです」
「随分、和歌山の肩を持つなあ」
「それに、そのそば屋のことも調べましたが、かかっているのはデミグラではないですか?そうネットに書いている人たちがいました。しかも、美味しいと」
「五月蝿い!あれは決してデミグラではない。間違いなくカレーだ」

2011年11月8日火曜日

和歌山の人々よ!…..それでいいのか!?【その4】


「いや、君は分っていない。とんかつを頼んで、出てきたものを食べてみたら、カツカレーだったときのショックを」
「大げさですね」
「しかも、正確に云うと、それはカツカレーでもなかった。それには、カレーがとんかつに、まさに味噌カツのようにかけてあるだけだった。カツカレーであれば、カレー・ルーがもっと多くある。カツカレーは、基本はカレーライスであり、そこにとんかつがのせてあるものを云う。しかし、あの店で出てきたものはカレーライスではなかった。とんかつ風のものにカレー・ソースがかけてあるものだったのだ」
「で、どうしたんですか?食べたんですか?」
「食べた。仕事の関係で遅い昼食だったから、仕方なく食べた」
「で美味しかったですか?」
「しつこい!うまい、まずい、じゃあないんだ。注文したものと違うものが出てきたのだ。iPhoneを注文したのに、Andorid携帯を出されたようなものだ」
「はあ?」


2011年11月7日月曜日

和歌山の人々よ!…..それでいいのか!?【その3】

和歌山の人々よ!…..それでいいのか!?【その2】の続きである)


「で、美味しかったのですか?いや、お怒りのところをみると、まずかったのですか?」
「うまい、まずい、ではない!君は相変らず何も分かっていない」
「……」
「ワシはとんかつ定食を頼んだのだ。しかし、出てきたものはとんかつではなかった」
「いや、とんかつだったのでしょう?カレーがかかってはいたのでしょうが」
「ばっかもん!カレーがかかったとんかつは、とんかつではない!それはカツカレーだ」
「ま、いいじゃないですか(ヒトサシユビK風に)。カツカレーはお嫌いですか?」
「いくない!カツカレーは嫌いではない。よく注文する」
「だったらガタガタ文句を云わなくてもいいじゃないですか」
「カツカレーは嫌いではないが、あの時、ワシが食べたかったのは、そして、頼んだのは、カツカレーではなく、とんかつ定食だったのだ」
「面倒臭い人ですね。まあ、気持ちは分らなくはありませんが」


2011年11月6日日曜日

和歌山の人々よ!…..それでいいのか!?【その2】

和歌山の人々よ!…..それでいいのか!?【その1】の続きである)


「イッキュー・センセイと和歌山駅近くのそば屋に入り、ワシはとんかつ定食を頼んだ」
「ああ、あのイッキュー・センセイとですね」
「そう、イッキューとだ。出てきたとんかつを見ると、何やらかかっている。….ほーっ、和歌山なのに味噌カツか、とワシもイッキューもそう思った」
「味噌カツはお嫌いですか?」
「いや、大好きだ。名古屋や岐阜に行くと、よく味噌カツを食べる。味噌カツを頼んだ覚えはないが、まあいい、というか、むしろ好むところだ、とそう思った。予期せず味噌カツを食べることができるのだと」
「しかし、とんかつにかかっていたのはカレーだった、ということなんですね」
「そうだ、その通りだ」
「お品書きか何かに書いてなかったのですか?」
「ない」

2011年11月5日土曜日

和歌山の人々よ!…..それでいいのか!?【その1】

「和歌山の人々よ!…それでいいのか!?」

随分、挑戦的だ。どうやらエヴァンジェリスト氏はお怒りのようだ。和歌山出張帰りである。

「君はとんかつに何をかける?」
「ソースですが……..わざわざご質問なさるところをみると、味噌という答を期待していたのですか?」
「まあ、普通というか、世の中には、ソースをかけるとんかつか、味噌カツしかないであろう。なあ?」
「他にあるんですか?」
「ない。いや、あってはならぬ。ならぬが、実際にはあったのだ」
「和歌山では、とんかつにカレーをかけるのだ」
「え!?」