「ホント、皆、分ってないんだなあ.......悲しいよ」
「『新しいiPad』の名前って、『新しいiPad』なんですか?」と訊いたところ、うんざりだという感情を隠すこともなく、吐き出すようにエヴァンジェリスト氏が云った。
「これじゃ、スティーブもおちおち死んでられないなあ」
「じゃあ、何て名前なんですか?」
「『新しいiPad』の名前は、『iPad』に決っておる!」
「へ?」
「名前が『iPad』だから、新しい『iPad」(The new iPad)なんだ」
エヴァンジェリスト氏曰く、iMacは新しくなっても名前はiMacだし、MacBookProも新しくなってもMacBookPro、そして、MacBookAirも新しいものもMacBookAir、ということである。
そう云われればその通りである。Appleの自身の商品へのネーミングは、エヴァンジェリスト氏の云う通りである。iPhoneには「3」とか「3G」、「4」、「4S」と付けているし、iPadにも「2」が付いた。しかし、Appleの商品のネーミングの基本は、商品に番号は付けず、同じシリーズの商品の名前は新しくなっても変えないのだ。
珍しくまともなことを云うエヴァンジェリスト氏であった。
「世には、自身の製品に直ぐに○○○○○ III とか、○○○○○ IV なんて名前を付けたがる者がいる。それが駄目とは云わんが、そうネーミングする時には覚悟が必要なんだ」
「あのことですか?」
「商品名に『III』なんて付けるから、次は『IV』,その次は『IV』だろうと勝手に予想、期待されてしまうのだ。そして、実際にそうネーミングしてしまうことになるのだ。しかも、『III』が『IV』、『IV』が『V』になるとメジャー・バージョンアップと期待され、しかし、その期待程の内容がないと顧客やマスコミはがっかりするのだ。自身が付けたネーミングの呪縛に囚われることになるのだ」
今回ばかりは云おう、さすがネーミングの帝王と云われるだけのことはありますね、エヴァンジェリスト氏。
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