「訳の分んないことを云ってくるんですよねえ」
と、アオニヨシ君がぼやいてきた。
「あの人、一体、なんなんですかね?ボクが、人間ではなく、『鹿』だから、あの人の言葉、理解できなんいでしょうか?」
エヴァンジェリスト氏のことを云っているようだ。
「この前の出張先でのことなんですが、別々に現地入りするので、どう待合せしようかとiPhoneでCメールしてたんですよ、あの人と」
Cメール、ってことは、auだな。でもそれって、本当にCメールだったのか、それともiMessageだったのか…
「矢鱈、『おー!』ってメッセージを送ってくるんですよ。『これからそちらに向います』って云うと『おー!』、『今、電車に乗りました』ってって云うと『おー!』って具合なんです」
それはモノマネなんだ。『おー!』は、グソク・エヴァンジェリストの口癖だ。それを真似ているのだ。
しかし、エヴァンジェリスト氏の『おー!』が自身の息子のモノマネだなんて、アオニヨシ君は知る由がない。親が自分の子どもモノマネをすること自体、他に聞かない。
「『おー!』、『おー!』と五月蝿いなあ、と思っていたら、もっと妙な言葉をメッセージしてきたんですよ」
『調布で待つ』とでも云ってきたのか?.....調布は、申すまでもなく、エヴァンジェリスト氏が入るのではないかと噂される石原プロがある街だ。
「アナタもくだらないことを云いますね。勿論、『調布で待つ』ではありません」
失礼した。
「『おー、ながしま、かねだ、ひろおか!』って来たんですよ」
ナルホド、そう来たか!
「意味が分りません」
そりゃ、アオニヨシ君には分らないだろう。昭和30年代、40年代のギャグだ。
『王、長島、金田、広岡』(おー、ナガシマ、金だ、拾おうか)ということなのだ。いずれも往年の有名プロ野球選手だ。
「くだりませんねえ」
ああ、くだらない。私も云ったことのあるギャクだが、私は、王、長島、金田、広岡よりも、大和田、興津、森永、藤井に山本一義だなあ。それに、池田、大石に長谷川良平だなあ。
「ああ、広島東洋カープなんでしょ、皆、知りませんけど」
分っちゃいないなあ、『広島東洋カープ』ではなく、『広島カープ』だよ、当時はね。ま、仕方あるまい、『人間鹿』だからなあ。
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