「メンズ館の中を彷徨いています」
『ビエール・トンミー氏追跡特別チーム』の特派員からの報告である。新宿の伊勢丹メンズ館にビエール・トンミー氏がいるらしい。
「今は5階です。ポール・スチュアートに入った後、バーバリーに入りました」
ビエールは一体、何をしているのか?一年前に(2014年10月に)仕事を完全リタイアし、「暇だあ、暇だあ」と優雅な老後生活を送っている老人が何故、オシャレをしようとしているのか?
「君は相変らず、何も分っちゃいないなあ」
特派員からの報告を受ける際に、丁度、居合わせたエヴァンジェリスト氏がまた私を馬鹿にして来た。
「男にせよ、女にせよ、オシャレをする理由は一つだけだ」
「どういう理由ですか?私はオシャレをしないので、分らないのですが…」
「モテる為だ」
「モテる?」
「そうだ、モテたいのだ」
「誰に?奥さんに?」
「ビエールは奥さんにはもう見向きもしてもらえぬ」
「では、誰に?」
「●●●子先生だ」
「西洋美術史の?」
「そうだったんですか!」
0 件のコメント:
コメントを投稿