「美味しいのお、○○ラン饅頭は」
いきなりの暴言であった。エヴァンジェリスト氏である。
「何、云っているんですか!」
「美味しいものを美味しいと云って、何が悪い」
「アオニヨシ君が怒りますよ」
「何故だ?アイツの帰省土産だろ、あの○○ラン饅頭は」
「鶏卵堂さんも怒りますよ」
「何だ?その鶏卵堂とやらは」
「アナタ、字が読めないんですか?饅頭の包み紙を見れば分るでしょ」
「老眼が酷くなり、読めなんだ」
「アオニヨシ君の母方の田舎である島根県は益田市の鶏卵堂ですよ。あの饅頭は、鶏卵堂の鶏卵饅頭です。益田名物です」
「何か知らんが、あの饅頭はとにかく美味い!美味いし、卵でも入っているのか、何だか元気が出て来て、ちょっとソンナ気分にもなる」
「何ですか?ソンナ気分って」
「○○ランな気分だ。だから、○○ラン饅頭だ」
「もう、いい加減にして下さい。シャレだったんですか!本当に鶏卵堂さんに怒られますよ」
「美味いと云っているのに、何故、怒られないといけないんだ」
「鶏卵饅頭は、元は京都の住吉製菓のもので、鶏卵堂さんが住吉製菓から製法を教えてもらって作るようになったんです。『探偵ナイトスクープ』でも取り上げられたようです」
「やけに詳しいなあ。君は鶏卵堂のまわしものか?」
「そんな銘菓のことを『○○ラン』だなんて、失礼にも程があります!」
「君は相変らず何も分っちゃいないなあ。鶏卵堂はその内、ワシの発言にヒントを得て、『ケイランか○○ランか…アナタをソンナ気分にさせる饅頭、ウフン』なんてキャッシュフレーズで鶏卵饅頭の販売を全国展開するかもしれんぞ。売れるぞ」
「そんなことはあり得ません!!!」
鶏卵堂さん、本当に申し訳ありません……そして、人間鹿のアオニヨシ君、ごめんなさい。
不器用な奴なんです、エヴァンジェリスト氏って男は。美味しいなら、素直に美味しいと云えばいいものを…本当にごめんなさい。まあ、私が謝ることではないが。
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