「アイツは一体、どうしたのだ。会社で何かあったのか?会社で何か辛いことでもあるのか?」
ビエール・トンミー氏は、エヴァンジェリスト氏に問うた。
「アイツは、君の会社の同僚だろう」
「アイツ?」
「そう、この鹿だ」
ビエール・トンミー氏は、エヴァンジェリスト氏に一枚の写真を見せた。
「何者だ。この鹿は?」
「一般には『怪鹿』と云われている」
「『怪鹿』?」
「しかし、その正体は君の会社の同僚であることはワシには分っている」
「ア、ア、アオニヨシか?」
「そうだ、アイツだ。糞で分った」
「まあるい糞か?」
(参照:【名古屋:夜の街】鹿、現る)
「臭くてたまらなかった!」
「アオニヨシが『怪鹿』であったのか」
「そんなことはとうに分っていたではないか」
(参照:「怪鹿」登場.....怪人2号の正体は?)
「アオニヨシがどうしたというのだ?」
「『入信させて下さい、私も』と云ってきたのだ」
「『入信』?そうか、君は、やはり宗教団体を主宰しているのだな」
「ワシは驚いた。しかし、奴は云うのだ『<変態の科学>教団の前の庭には、鹿がいるべきでしょう』、と。『出家させてほしい、とは申しません。<変態の科学>では、出家は6000人に一人しか認められないのでしょうから、入信だけでいいので』とも云った」
「『変態の科学』?君はやはりスコセッシの『沈黙』に影響され、宗教を始めていたのだな」
「いや、知らん、知らん。ワシはそんなものをまだ始めてはおらん」
「まだ?....そうか、君はやはり武道『変態道』を極め、それを昇華させ『変態の科学』なる宗教を興していたのか!」
「ウッ。知らん、知らん」
「君はその昔、アオニヨシに窮地を救ってもらったことがあるのだから、『変態の科学』のマスコット鹿にしてやればいいではないか。それに、アイツは『すすきの』好きのようだから、『変態の科学』に相応しい存在ではないか」
「知らん、知らん、教団を、いや、事務所を通してくれ!」
0 件のコメント:
コメントを投稿