2017年2月5日日曜日

【猪木さんとライオン】ビエール・トンミー氏とアレ。




キリンシティ東口店であった。2017年1月15日をもって新宿三丁目店が閉店となり、老人二人、東口店に来ていたのだ。

「いやあ、猪木さんはさすがだね。スケールが違う」

ビエール・トンミー氏は、見るからにスケベそうな髭をさすりながらエヴァンジェリスト氏に言った。





「猪木さんがどうしたのだ?」
「ライオンだよ。昔、猪木さんは自宅マンションでライオンを飼っていたんだそうだ。君は猪木さんのマンションでライオンを見たことはなかったのか?」
「いや、ない」
「猪木さんから聞いたこともなかったのか」
「聞いたことはない」
「ライオンは臭いんだそうだ」
「君だって臭いではないか」
「ムムッ。まあ、パジャマを着たまま10日は経っているからな

周知のことかと思うが、ビエール・トンミー氏は、パジャマを着たまま外出するのだ。寝ている時は勿論、起きてままパジャマを着たままだ。

そして、外出する時にもパジャマ姿なのだ。






この日も、ビエール・トンミー氏は、パジャマを着用していた。


「洗濯していないパジャマも臭うが、君が臭いのはそれだけではないだろ」
「えっ!?」
「分っているんだよ」
「な、な、何だ?何を言い出すのだ」
「君はアレを飼っているのであろう」
「アレ?アレって何だ?」
「幻の動物じゃよ」
「訳の分からんことを言うな」
「調べはついているのだ」
「ウチには猫が二匹いるだけだ」
「もう1匹、大物がいるではないか」
「おらん、おらん!ウチの中を調べれば分る」
「いや、お宅の中を調べてもアレは出て来ない。分っているのだ」
「だから、何なのだ、アレとは
「君の股間に飼っているものだ」
「うっ!.....き、き、君と言う奴は….」
「ツチノコだ。幻の動物、ツチノコだ」
「知らん、知らん!ノーコメントだ!」
「着たっきりのパジャマだけではなく、股間にツチノコを、それもかなり大型のツチノコを飼っているから君は臭いのだ!





「お客様、お待ちの方がいらっしゃるので、もうよろしいでしょうか」

店員が来て、老人二人は店を出た。

店を出る時、二人と(いや、ビエール・トンミー氏と)店内ですれ違う他の客や店員たちは、鼻をつまみ、眉を顰めた。









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