2014年12月22日月曜日

「エーデルワイス」を飲みながら(その5=最終回)….【ビエール・トンミー氏の優雅な老後】


「ウッ……」

「理性」はおろか「品性」まで喪おうとしていたビエール・トンミー氏であったが、二人の若い女性の会話が氏を救った。


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「リンカーンってなんだったけ?」

ミニ・スカートが訊いた。

「大統領じゃない?」

ホット・パンツが答えた。

「ああ、ラフマニノフに似てるやつね」

ミニ・スカートが納得した。

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「….いやあ、危ないところだった」

ビエール・トンミー氏は、ふうーっ、と息をついた。

「やはり、●●●子先生だ。●●●子先生は知的で、そして、綺麗で素晴らしい」

思い直したようにコーヒー「エーデルワイス」を啜った。

「しかし、明日(2014年12月22日)で、今期の講義はおしまいだ。残念だ」

と、●●●子先生に想いを馳せながらも、ビエール・トンミー氏の目は隣席へのチラ見を続けていた



(終り)




「エーデルワイス」を飲みながら(その4)….【ビエール・トンミー氏の優雅な老後】



ホット・パンツが美脚を組みかえた。

「……」

ビエール・トンミー氏は、息を飲んだ。

「……」

ミニ・スカートは、流した脚の先を交差させた。

「……」

ビエール・トンミー氏は、再度、息を飲んだ。

「いや、こんなことを目当てにこの店に来ている訳ではない」

しかし、ビエール・トンミー氏の目はもうチラ見といえるレベルではなくなろうとしていた。

「……」

「知性」はあっても「理性」は元々持ち合せないビエール・トンミー氏であったが、今や「品性」までも喪おうとしていた。

「ウッ……」


(続く)







2014年12月21日日曜日

「エーデルワイス」を飲みながら(その3)….【ビエール・トンミー氏の優雅な老後】



二人に若い女性は、席に着くと、ホット・パンツの方は脚を組み、ミニ・スカートの方は伸びやかな脚を見せびらかすように斜めに流した。


「……」

ビエール・トンミー氏は、まだ口を噤んだままであった。

「……」

ホット・パンツの女性は、コーヒー「ブラジルサントス」と「モカフレンチ」を注文し、チーズケーキも頼んだ。

「……」

ビエール・トンミー氏は、iPhoneを見るふりをしながら、4本の美脚にチラチラと目をやっている。

「……そうだ」

ビエール・トンミー氏は、ようやく再び呟いた。

「そうなんだ。ボクはオープン・カレッジ通いとゴミ出ししかしていない訳ではないんだ」

いつの間にか、ビエール・トンミー氏の前にはコーヒー「エーデルワイス」が置かれていた。

「えっ!?」

チラ見が店員にばれたか、と不安になったが、気を取り直して呟きを続けた。

「そうなんだ。ボクはオープン・カレッジ通いとゴミ出しだけではなく、時にこうやって散歩をして駅前の喫茶店でコーヒーを嗜むのだ」

そうして、コーヒー「エーデルワイス」に満足の笑みを見せた。


(続く)



「エーデルワイス」を飲みながら(その2)….【ビエール・トンミー氏の優雅な老後】



ビエール・トンミー氏が自宅最寄りの駅から徒歩3分のマンションの1階にある喫茶店、店の前にコーヒーミルを置いた喫茶店にいると、若い女性二人連れが店に入り、隣席に座った

「……」

二人とも美脚であった。

「……」

一人はかなりなミニ・スカート、もう一人は、ホット・パンツであった。共に、モデル並みに伸びきった長い脚だ。

「……」

ビエール・トンミー氏は、呟きを忘れ、美脚にチラチラと横目をやった。



(続く)





「エーデルワイス」を飲みながら(その1)….【ビエール・トンミー氏の優雅な老後】




「アイツ(「プロの旅人」氏)は、分ったようなことばかり書いて、実はなーんにも分っちゃいない」

注文したコーヒー「エーデルワイス」を待ちながら、ビエール・トンミー氏は、誰にともなく呟いた。

「ボクが、オープン・カレッジ通いとゴミ出ししかしてないと思っているようだが、それは大きな間違いだ」

自宅最寄りの駅から徒歩3分のマンションの1階にある喫茶店だ。

「仕事を完全リタイアして確かに暇だ。確かに、『退屈だあ、ああ、退屈だあ』とは云った」

そんなに高級店ではないが、シックな作りの店だ。

「暇で退屈だから、オープン・カレッジに通うことにしたのは、その通りだ」

出窓風のところに、壺やお皿が飾られている。

「オープン・カレッジには、アイツが思うような下劣な美熟女や女子大学生と出会えはしないかと)期待をして行くようになった訳ではないものの、失礼な言い方になるが、●●●子先生の講義は拾い物だった」

出窓風のところには、帆船の模型も飾られている。

●●●子先生は素晴らしい、いや、●●●子先生の講義は素晴らしい!しかし、●●●子先生目当てで通っている訳ではないんだ。勉強、勉強、勉強なんだ」

カウンター席もあるが、店員と向かい合うのも嫌なので、3人席に一人で座っている。

「『フレグランス作戦』なんて、とんでもない。ボクはもうソッチ(女性との色々なこと)の方は枯れているんだ」


と、若い女性二人連れが店に入り、隣席に座った。



(続く)





2014年12月20日土曜日

【離党】まき子夫人か猪木氏か



「だ・か・らあ、連絡はないって云ってるだろ、猪木さんからは、まだ」

とエヴァンジェリスト氏は否定するが、本当だろうか?

「でも、猪木さんは『次世代の党』を離党したんでしょ?」
「ああ」
「アナタは、猪木さんが離党することは予めご存じだったのではないですか?」
「特に連絡を頂きはしなかった」
「でも、アナタと猪木さんの関係ですから、云わずもがな、だったんでしょ」
「ワシと猪木さんとの関係?何だね、それは?」
「おお、お惚けですね」
「ううっ…」
「なんなら、事務所を通しましょうか?猪木事務所を」
「ううっ…」
「森山愛子にでも訊いてみましょうか、猪木さんとアナタとの関係を」
「愛子ちゃんのことを知っているのか?」
「ええ、彼女、今は歌手ですが、以前は猪木事務所のOLだったんでしょ。『森山愛子』っていう名前も猪木さんの命名なんでしょ?」
「そこまで知っていたのか…」
「猪木さんからは、一緒に新党を立ち上げようとでも云われているのではないですか?」
「ううっ…迂闊なことを云うな!」
「アナタもその気はあるんでしょ?『アベ(安倍晋三)には任せておれんからなあ』と仰っていたではないですか」
「それはそうだが…」


「ひょっとしてまたまき子夫人のことを気にしているのですか?」
「またそれか」
「もう一度申し上げますが、アナタは、石原プロと国とどちらが大事なんですか!?」
「おっと、その手には乗らんぞ」
「ええ?」
「君の質問は、猪木さんからワシに新党立ち上げの話が来ていることを前提にしているだろ」
「いや、そんなことは...」
「そこでワシが、YESでもNOでも答えたら、猪木さんからワシに新党立ち上げの話が来ていることを認めることになるからな。でも、そうはイカン」
「ちっ、バレたか」
「だ・か・らあ、連絡はないって云ってるだろ、猪木さんからは、まだ

勝ち誇ったかのようなエヴァンジェリスト氏だが、「まだ」と云っているところで、氏の置かれた状況は分かるというものだ。

エヴァンジェリスト氏の活躍に期待しようではないか。







2014年12月13日土曜日

「北極美術史を学ぶ!」….【ビエール・トンミー氏の優雅な老後】




「昇天なんかしませんよ。あくまで勉強。勉強」

とビエール・トンミー氏は強弁する。

「ルーベンスで昇天ですか?」

と『ビエール・トンミー氏追跡特別チーム』の特派員から追求されたのだ。

「でも、ルーベンスなんて全然興味ありません。だから勉強なんです」

と意味不明の弁明をする。ルーベンスは、そう、『キリストの昇架』を描いた画家である。

ビエール・トンミー氏は年明けから、オープンカレッジでルーベンスについて学ぶのだ。講師は勿論、●●●子先生である。


●●●子先生の講義は、春のシリーズ、秋のシリーズについで、これで3シリーズ目である。

「まあ、貴方が昇天するのも無理はありませんね、●●●子先生って、ほんとお綺麗ですからね。素敵な先生ですものねえ」

●●●子先生を褒める特派員の言葉に、ビエール・トンミー氏は気分を良くしたのか….

「そうだ、●●●子先生はとても素敵だ。いや、綺麗だからじゃあないんだ。勉強だよ、勉強!●●●子先生の講義は凄いんだ。あんなに内容豊富で面白い授業って他にないんだ」

ビエール・トンミー氏は饒舌になった。

「来年度(4月から)は西洋美術史βをとって、再来年度はまた西洋美術史αを『再受講』してと繰り返していこうかなと考えているんだ。内容は西洋美術史だろうが、東洋美術史だろうが、アフリカ美術史だろうが、それこそ北極美術史だろうが、何でもいい

語るに落ちる、とはこのことだ。ビエール・トンミー氏は、特派員の罠に嵌ったのだ。

「あくまで勉強、勉強。決して昇天ではない」

と云うビエール・トンミー氏の目は既に昇天していた、と特派員は報告して来た。

特派員は更に付け加えた。

「トンミー氏は、その内、母校に再入学する、って云い出しかねませんよ。今度は勿論、文学部でしょう(トンミー氏は、商学部卒である)







2014年12月10日水曜日

【カメラはマズイ!】アオニヨシ君、危機一髪。



「いやあ、助かりましたあ、エヴァさん」

久々にアオニヨシ君である。

「エヴァさんには、いつも本当にお世話になっていますが、今度もエヴァさんのお陰で助かりました」

何やら、エヴァンジェリスト氏に矢鱈、感謝している。

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「はしのえみ」が近づいてきたんです。有楽町です。カメラクルーが付いていました。

『お兄さん、何をしているんですか?』

「はしのえみ」は、マイクを突き出して訊いてきました。『お兄さん』って、25歳ですよ、僕。アラフォーの「はしのえみ」に云われたくはありません。でも、答えました。

『いや、忘年会の会場の下見に行くところです』

面倒臭いんですが、柱のある会場を選ぶと怒る人がいるんです、会社に。だから、ちゃんと下見をして柱がないことを確認しなくちゃいけないんです。面倒臭いです。

いいじゃないの、愛があれば、柱があっても、って感じなんですけどね、僕的には。えっ?意味が分からないって?

私も分からないんですけど、サガラ的表現なんですって。エヴァさんに教わりました。日本エレキテル連合ではないんですって。

『本当は、サガラナオミ的って云うよりも、イワタニトキコ的なんだけどなあ』

って、エヴァさんは云ってましたけど、何のことか分りません。まあ、いいんです。エヴァさんはいつもそうなんですから。

『城みちるが、『なだや』の社長と一緒に出て来て、『ボクはイルカに乗った少年、おじさんはイリコに乗った中年』と云っていたのだ。『なだや』の安芸いりこのCMだ』


なんて、みんなが引くようなギャクにもならないようなギャグを云ってるんですからね。

『忘年会で何かイベントは企画してるの?』

はしのえみは、タメ口で訊いてきました。

『いえ、別に』

エリカ様的に答えてやりましたよ。アッタマにきたんです。一緒に忘年会の幹事をする女性たちが、イベントをやろう、って煩かったんです。「はしのえみよ」、お前もか、ですよ。

いいじゃないの、酒があれば、って感じなんですけどね、僕的には。

『本当は、いいじゃあないの幸せならば、なんだけだな』

そうらしいんですけど、エヴァさん的には。僕はまあ、どうでもいいんです。

『これ(このインタビュー)、テレビで流していい?』

「はしのえみ」がそう訊いてきたので、思わず、

『まあいいですけど…』

って答えかけてしまいました。番組は、どうやら、日テレの『お知らせパパラッチ!』のようでした。

その時、カメラがぐっと僕に近付いてきたんです。

で、ハッとしました。

『いや、ダメよ、ダメダメ!事務所を通してくれ!

思わず、エヴァさんの得意の科白(事務所を通してくれ)を口走っていました。

「はしのえみ」は、『変な奴』って目をして他に通行人に声をかけに行っちゃいました。一般人が何を偉そうに『事務所を通してくれ』だよ、って思ったようです。

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「正直、僕は、エヴァさんの『事務所を通してくれ!』を馬鹿にしていました。でも、その『事務所を通してくれ!』で僕は助かったんです」

アオニヨシ君は本気でエヴァンジェリスト氏に感謝しているようだ。

「まあ、分かればいい」

エヴァンジェリスト氏は鷹揚な態度をみせた。

「危機一髪でした」

額の汗を拭うふりをしながら、アオニヨシ君が云った。

「そうだなあ、正体がバレるところだったものなあ」

エヴァンジェリスト氏は頬に不敵な笑みを浮かべた。

「エヴァさんは何でもお見通しなんですね」

エヴァンジェリスト氏を見るアオニヨシ君の目は、尊敬の眼差しになっていた。

「ああ、まあ今後は気をつけるがいい。人間の目はごまかせても、カメラの冷徹な目はごまかせんぞ。カメラは、君の正体が『鹿』であることはお見通しなんだからな」

アオニヨシ君の独白にせよ、アオニヨシ君とエヴァンジェリスト氏との会話にせよ、マトモに聞いていると頭が痛くなってくる。







2014年12月7日日曜日

【妻の疑念】ネロは何を見て微笑んだのか、夫は何を見て微笑むのか….【ビエール・トンミー氏の優雅な老後】



「あの人ったら変だわ、今更、パトラッシュに興味を持つなんて…」

マダム・トンミーはお皿を洗いながら呟いた。

「アタシが小学5年から6年にかけて放送されたのよねえ、確か」

どうやら『フランダースの犬』のことらしい。

「感動したものだわ。ネロとパトラッシュが天使に抱えられ天に昇るところ、泣いちゃった…」

アニメの『フランダースの犬』のことだ(感動のラストシーンは、原作とは異なっているらしい)。

「でも、その頃、あの人は二十歳頃…ネロとパトラッシュを見ていたのかしら?」

そうだ、あの人、ビエール・トンミー氏は、夫人のマダム・トンミーよりも10歳年上なのだ。


「その頃は、オンナにうつつを抜かしていたって聞いたことがあるけど」

そうそう、その頃だけのことではないが、確かに二十歳頃のビエール・トンミー氏の頭の中にはオンナの子のことしかなかった。

「ネロが最後に見た絵、『キリストの昇架』について勉強したいなんて、あの人にそんな高尚な趣味あったかしら」

そんな高尚な趣味を持っている訳がない。

「まあ、いいわ。来年もオープン・カレッジに行ってもらった方が」


ビエール・トンミー氏は今度は、『キリストの昇架』を描いた画家について勉強すると云い出したのだ。

「毎日毎日、ウチにいられても鬱陶しいもの」

マダムは気付いていないのだ。ネロはキリストの昇架』を見て微笑みながら昇天したが、夫が何を見て微笑み、『昇天』しようとしているのか。







2014年12月2日火曜日

【選択】JAXAか石原プロか



「いやあ、困ったなあ」

困ったと云いながらも、エヴァンジェリスト氏は嬉しそうである。面倒くさいが、付き合ってやるか。

「一体、どうしたんですか?」
「いやな、これは絶対秘密だぞ、いいか」
「大袈裟ですね」
「まあ、国家機密と云ってもいいことだからな」
「ほおほ、それは大変ですね」

どうせ、くだらないことなのだ。

「ある筋の知合いから打診されたんだ」
「何をですか?」
「ジャクサだ」
「えっ?ジャック・ブリスコ?」
「ふざけるな!元NWA世界チャンピオンではない」
「ジャック・ブリスコは、全米カレッジレスリング選手権で優勝もしているんですよ」
「ああ、知っている。アメリカのカレッジレスリングは、普通のアマレスとは違って、総合格闘技向きとも云われるんだぞ」
「だから、地味ですが、強かったんです、ジャック・ブリスコは」
「しかし、アイツは、『全日』に遠征した際に、一週間だけジャイアント馬場にNWAのチャンピオンをプレゼントしたのが気に喰わん。まあ、『政治』上、仕方なかったのであろうが」
「で、ジャック・ブリスコに何か云われたんですか?」
「君はワシをからかっているのか?ジャック・ブリスコは、2010年に亡くなっているんだぞ」

ちっ、ばれたか。ちょっと揶揄ってみただけだ。

「JAXAだ」
「ああ、JAXAですね。ロケットの」
「宇宙航空研究開発機構だ」
「JAXAがどうしたんですか?誰に何を打診されたんですか?」
「いや、誰かは云えん。それは云えんが、JAXA入りを打診されたのだ
「ええーっ!JAXA入りですか?アナタ、宇宙飛行士にでもなるんですか?」

ああ、また妄想だ。しかし、宇宙飛行士になる、というのは、ちょっと行き過ぎだろう。

「違う、違う。『はやぶさ2』だ」
「えっ!?『はやぶさ2』って、この前の(2014年の)11月30日に予定していた打上げを明日(12月3日)の延期したっていう、あの『はやぶさ2』ですか」
「そうだ、その『はやぶさ2』だ」
「アナタ、『はやぶさ2』になるんですか?」
「タワケ!!!問題は、『はやぶさ2』の打上げ延期理由だ」
「雷を誘発する氷結層がある雲に覆われると見込れたからではないですか?」
「ほお、詳しいな。その通りだ。だから、カレは打診してきたんだ」
「カレって誰ですか?」
「だから、それは云えん、と云っただろ。国家機密と云ってもいいことだからな」
「では、そのカレは、アナタにJAXA入りして何をして欲しいんですか?」
「そこだ。そこなんだ。カレは、知っているのだ。ワシが『空を割った』ことがあるのを」
「ま、ま、まさか、あの時のことですか…」
「そう、その時のことだ」

そうなのだ。私は信じないようにしているが、エヴァンジェリスト氏は『空を割った』ことがあるのだ。

2012年2月1日の庄内空港でのことだ。

その日、暴風雪でANA893便が危うく欠航になるところを、エヴァンジェリスト氏が、「視界を開けさせてみせようぞ!」と云って念じたところ、程なくして(2、3分もしない内に)視界が開け、ANA893便は欠航を免れたのであった。


「カレは、ワシに云うのだ。『ロケットは、天候が悪いと、特に雷雲があると、いざという時にブースター分離する際の爆薬に落雷で引火するとマズイんです。だから、天候を操れる人が必要なんです』とな」
「なるほど…」

中途半端だが専門的そうで、何だか真実味がなくはない。

「で、どうするんですか?」
「だから、困っているんだ」
「だから、って?天候を操れはしないからですか?」
「なんだとお!失敬な!まき子夫人のことだ。舘(ひろし)さんのことだ」

ああ、また石原プロか。

「アナタが石原プロをなんとかしないと、このままでは孤軍奮闘の館さんが倒れてしまいかねないんですよね」
「そうなのだ。しかし、『はやぶさ2』のことも放っておく訳にはいかないからな」
「では、JAXAと石原プロを兼任すればいいではないですか」
「ばっかもーん!JAXAも石原プロも、兼任で務まるほど甘くはない!」
「では、どうするんですか?」
「ハムレットはこういう心境であったのであろうなあ。『生か死か』、いやJAXAか石原プロか』、それが問題だ

いやはや、相変らず目出度い人だ。







2014年11月30日日曜日

年棒4千円 < 石原プロ ?



「折角だが、月給100円で教師になる訳にはいかない」

エヴァンジェリスト氏が独り言ちた。

ああ、「マッサン」(朝ドラ)系の妄想だな。仕方がない、付合ってやるか。

「ええ、ええ。アナタには石原プロがありますからね」
「いや、そういう訳では…」
「マッサンにウヰスキー作りという夢があったように、アナタには石原プロ再建という使命があるんですからね」
「まあ、それもなくはないがな」
「アナタがなんとかしないと、このままでは館さんが倒れてしまいますよ」
「ああ、徳重(聡)、宮下(裕治)、池田(努)、金子(憲史)には、もっとしっかりしてもらわないとな」
「神田(正輝)さんは?」
「まあ、それは云うな」
「館さん、孤軍奮闘ですからね。石原プロを辞めた渡辺邦斗は、今(2014年11月)、綾瀬はるかの『きょうは会社休みます。』に出ていますものね」
「まあ、玉木(宏)も出ているからな」
「えっ、どういう意味ですか?」
「ギョーカイのことは深く詮索するな」
「なににせよ、アナタは仮に、年棒4千円(現在の価値に換算すると、数千万円とも云われる)積まれても、サントリーには入社しないんでしょ。石原プロの為に」
「君は一体、何を云っているのだ?年棒4千円?そもそも、そんな端た金でワシが動くものか!ワシの手取りは月8万円もあるんだからな、ハッハッハ」

そうだ、そうだったのだ。エヴァンジェリスト氏は今、手取り8万円の再雇用者なのだ。(参照:『マルチ』VS『再雇用者』(その6=最終回)

エヴァンジェリスト氏は病んでいる。

私はそれ以上、冗談を云うことができなくなった….





2014年11月24日月曜日

【リアル】宮藤官九郎は真実を描く



「カンちゃん、頑張ってるなあ」

ああ、また始った。エヴァンジェリスト氏が「カンちゃん」って云うときは、猪木さん(本名:猪木寛至)のことではなく、宮藤官九郎のことなのだ。「『官』ちゃん」なのである。


まあ、いずれの「カンちゃん」も、エヴァンジェリスト氏が「カンちゃん」と呼べる程の仲とは思えないが。

「カンちゃんの書くものは、リアルなんだ。観音菩薩が、なんて、荒唐無稽のようでリアルなんだ」

どうやら、宮藤官九郎の最新作「ごめんね青春!」のことのようだ。

しかし、観音菩薩が亡くなった母親で、主人公の平助やその兄の一平には、母親の姿で現れるなんて、リアルではなく、やはり荒唐無稽だと思うのだが…

「君は相変らず何も分っちゃいないんだなあ」

失敬な!

「最近のドラマや映画は、すぐに登場人物をタイムスリップさせたり、霊を登場させたりする。それは気に喰わん。ご都合主義だな」

「ごめんね青春!」の観音菩薩もその類ではないのか?

「ああ情けない。君には分らないのか、カンちゃんの手法が。いいか、観音菩薩は、心の声なのだ。平助の、そして、一平の自身の心の声なんだ。登場人物自身の真実の声なのだ

それはそうだが…

「一種の演劇的手法なんだ。タイムスリップや霊とは根本的に異なるのだ」

エヴァンジェリスト氏は、一体、どうしたというのだ。この間は、Windows偏重、USB禁止、セキュリティ問題について語ったかと思ったら(参照:【新総理誕生?】何故、Windowsを使うのか?何故、USBを禁止するのか?)、今度は宮藤官九郎・論か。演劇論だ。

「君は少しは反省したらどうかね。このところ、君のブログは、ビエール・トンミーに毒されて、グロな話ばかりではないか!」

うっ、それを云われると云い返せない。ビエール・トンミー氏のお下劣が伝染したようなのだ。

「少しは真面目なテーマに変えてやろうと思ってな」

一応、感謝はしておこう。







2014年11月23日日曜日

【新総理誕生?】何故、Windowsを使うのか?何故、USBを禁止するのか?



「君ねえ、一体どうしてなんだい?」

いきなりエヴァンジェリスト氏が質問を投げかけてきた。

「一体、みんな、って云うか、企業は、どうしてWindowsを使うんだい?」
「いやまあ、それは標準だからじゃあないですか」
「企業は今、矢鱈、セキュリティに五月蝿いじゃあないか」
「ええ、ウチの会社もそうです。たまったものではありません」
「そんなにセキュリティに五月蝿いのに、ウイルスなんかに弱いと云われるWindowsを何故、使うのか?」
「だから、世界標準のOSだからではないかと…」
「世界標準だったら、セキュリティは弱くても構わないっていうことなのか?」
「いや…」
「つまり、企業はセキュリティを重視していると云っているが口先だけのことなんだな」
「まあ、そう云えばそういうことになるかもしれませんが」
「それに何故、USBを使っちゃいけないんだ?」
「それはデータ漏洩を防ぐ為でしょ」
「それはUSBが可哀想じゃあないか」
「はあ?」
「USBが悪いのではなく、パソコンがいけないんじゃないか。そもそもパソコンでデジタル・データを作成するのがいけないんじゃあないか?利用を禁止するなら、USBよりもパソコンの方ではないか?」
「まあ、それはそうかもしれませんが、それでは仕事になりません」
「昔は、パソコンはなかったが、仕事はちゃんとできたぞ」
「確かに、私たちが社会人になった30数年前にはまだパソコン無いに等しい状態でした。でも、仕事はしていました、みんな」
「じゃあ、なくてもいいではないか」
「そんな屁理屈を仰らずに」
「では、USBを禁止すれば、データ漏洩は防げるのかね?」
「それは、絶対に、ではないでしょうね」
「そうだろうなあ。だったら、USB禁止も屁理屈みたいなもんだろ。USBではなくとも、ワシが誰かに拉致されて拷問をされたら、吐いちゃうぞ。情報漏れ漏れだぞ」
「えっ?何を吐くんですか?」
「君の正体だ!」
「ええーーーーっ!そ、そ、それだけは止めて下さい」
「『プロの旅人』氏の正体はだなあ、実は…」
「と、と、と、と、と、ダメよダメダメ!」
「だったら、USBを禁止でもすればいいだろう」
「いや、そんなことをしても…」
「では、パソコンを禁止すりゃあいいだろう。そうすれば、データ漏洩は防げる、と思っているんだろ」
「いや、それは私がそう思っている訳ではなく…」
「USBやパソコンの中のデータよりも、ワシを拷問にかけた方が、もっと有益な情報を得られるぞ」
「ええ、ええ、アナタの仰る通りです」
「デジタル情報よりもアナログ情報の方が、もっと行間の分かる情報になるものさ」
「ええ、そうですね」
「『プロの旅人』氏の正体も、ビエール・トンミーの性癖も何もかも、云っちゃうぞ、拷問にあったらな」
「ビエールの性癖は幾ら云っても構いませんが、私のことは….ダメよダメダメ!」
「ど、しよっかなあ~」
「そんな悪キャラなった中邑真輔みたいな言い方は止めて下さい」
「じゃあ、USB禁止を解除しろ。Windows使用は禁止しろ。内部統制なんてなくしちまえ。個人情報保護法も無効にしろ!」
「そこまで仰るのであれば、貴方が総理大臣になったらいいではないですか」
「うっうっうっ。そう来たか」
「それはその通りなんだがなあ。アベには任せておれんからなあ」
「そうだ!そうだ!」
「だが、まき子夫人のこともあるしなあ」
「アナタは、石原プロと国と、どちらが大事なんですか!?」
「うっうっうっ。それ以上は、ダメよダメダメ!」


エヴァンジェリスト氏はすっかり狼狽えてしまった。こうして、Windows攻撃、USB攻撃をなんとか凌ぐことができたのであった。








2014年11月16日日曜日

【フン飾】忠猫….【ビエール・トンミー氏の優雅な老後】



「そうか、カレーかあ」

ビエール・トンミー氏が独り言ちた。

「たまには為になるんだなあ、『プロの旅人』も」

こちらが聞いていないと思って(一応、聞こえていないことになっているのだ)、失敬である。

「さすがにカレーはバレるだろうが、『プロの旅人』氏の推測は示唆的であった」(参照:【懺悔】ウンコも嘘をついた….【ビエール・トンミー氏の優雅な老後】

何を企んでいるのだ?

「そうだ、何も自分のウンコを提出する必要はないのだ。代替物を出せばいいのだ」

ハハ・エヴァンジェリストの「協力」(ウンコ偽装)のことは、私も知らない(ことになっている)が、ビエール・トンミー氏も知らないはずだ。

「実は、小学生のときに、一瞬、『犬の雲古を・・』と考えたことはあった。さすがに実行はしなかったがな。当時は、幼いなりに理性というものがあったのだ」

『理性』という言葉程、ビエール・トンミー氏に相応しくないものはない。彼には、『知性』はあるが(まあ、頭は良かった)、『理性』なんてあろうはずがない。

「しかし、もう自分も還暦だ。『理性』なんてかなぐり捨てよう」

一体、何をするつもりだ?

「ウチのキティに、ひとフンばりしてもらうとするかあ、来年の人間ドックではな」

な、な、なんと、胃炎と誤飲による炎症で治療に3万一千円も要した猫(キティ・トンミー)のウンコを代りに提出しようというのか!?それは、『フン飾』ではないのか。

「キティにとってもいいことだ。健康状態が分かるんだからな。ナハナハナハナハ!」

おお、忠猫キティか……世も末だ。







2014年11月15日土曜日

【懺悔】ウンコも嘘をついた….【ビエール・トンミー氏の優雅な老後】



ビエール・トンミー氏の衝撃的な告白について、

「あきれたもんですねえ」

とエヴァンジェリスト氏に同意を求めたところ、エヴァンジェリスト氏は異様と云っていい程に狼狽えたのであった。

そう、ビエール・トンミー氏は、人間ドックで検便のゴマカシをしたのであった。

ウンコは検査当日を含め6日以内のものを2回採取しないとならないのに、1週間前に一度の採取で2本の検体を作り、日付を適当に書いて提出したのだ(今回に限らず、毎回そうしている、というのだ)。(参照:【疑惑】ウンコは嘘をつかない….【ビエール・トンミー氏の優雅な老後】

しかし、臨床検査技師の眼は誤魔化せず(実際のところ、眼で見抜いたのか、鼻で嗅ぎ分けたのかはわからないが)、再提出を求められたのであった。


還暦にもなって恥ずかしい所業である。そのことに同意を求めたところ、エヴァンジェリスト氏は異様と云っていい程に狼狽えたのである。

「あ、あ、ああそうだな。あきれたもんだ…」
「なんだか、アナタ、様子が変ですね」
「いや、そんなことはない」
「いえ、変です。アナタ、嘘をつくと鼻の穴を拡げる癖があること、自分で分ってますか?」

すると、慌てて鼻を抑えて云い繕った。

「うっ、いや、ちょっと鼻炎気味なんだ」
「アナタ、ひょっとして……そうか、アナタもやったんですね。ウンコ偽装」
「し、し、失敬な!」
「アナタも一度の採取で2本の検体を作って提出したんですね」
「いや、それは違う!そうではない。絶対にそんなことはしていない」
「では、どんな偽装をしたのですか?」
「五月蝿い!これ以上の質問は、事務所を通してくれ!」

ついに、お得意の科白(「事務所を通してくれ」)で誤魔化しに入った。

まあ、エヴァンジェリスト氏が検便嫌いであることは知っている。(参照:【人間ドック】「いやああん、そこだけは止めて!」(その3)

「アナタ、ウンコに代りにカレーでも提出したんでしょ」
「う、う、五月蝿い!これ以上の質問は、事務所を通せ!」

そう云って、エヴァンジェリスト氏は立ち去った。


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ふうう……いやいや、危ないところだった。

アイツ、今日は妙に鋭いなあ。「代りにカレーでも提出したんでしょ」には驚いた。

尤も、カレーで誤魔化せると思う程、ワシは愚かではない。が、アイツ、いいところを突いてきやがった。

しかし、ハハの名誉の為に真相を明かすことはできないんだ。

そう、まさか、小学生の頃、ワシが提出した検便の中身が、ハハのウンコだったと白状する訳にはいかないんだ。

子供の頃から検便は大嫌いだった。しかも、昔のトイレは水洗ではなくボッチャン式(汲み取り式)だったから、自分のウンコを新聞紙で受け止めなくてはならなかった。

便所自体が臭くて、できれば行きたくはないところであったが、更に、ウンコを新聞紙できとんと受け止めるにはワザが必要であり、面倒で、嫌で仕方がなかった。

臭い上に面倒な検便は、それはもう大嫌いであったのだ。

そこで、見るに見かねたハハは自分のウンコを検体として提供してくれたのだ

これには、さすがの臨床検査技師も気付かなかったのだ。参ったか、ビエールよ!

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2014年11月8日土曜日

【疑惑】ウンコは嘘をつかない….【ビエール・トンミー氏の優雅な老後】



「コイツめえ、やりやがったな。」

臨床検査技師はため息まじりに呟いた。

「何故、普通にできないんだろう。ウンコは、検査当日を含め6日以内のものを2回採取なのに」

OCセンサーを前にして、ある採便容器に書かれた名前を見た。

エール?いや、エールか、妙な名前だ」

そう、採便容器の名前欄には、「ビエール・トンミー」と書かれてあった。

「一度の採取で2本の検体(ウンコ)をとるんじゃあないよ。コチラはプロだ。直ぐに分かるんだよ、偽装はね」

しかし、検査結果用紙には、『再提出:1本の日付が古すぎます』と書いた。

「武士の情けだ」

『一度に2本分とってありました』って書かれたら恥ずかしいだろうと、『ビエール』とかいう見知らぬおじさんを思いやったのだ。


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11月の三連休明けにビエール・トンミー氏からメールが届いた。

エヴァンジェリスト氏が若い女性と国立市にある一橋大学の学園祭や天下市を巡ったことに嫉妬したのだ。(参照:【疑惑の旅スペシャル】一橋祭・天下市・市民祭(シーン国立)


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今回のプロの旅人を見て疑問に思いました。

「休日に=仕事がらみではなく」
「国立で=仕事がらみではなく」
会った「若い」女性とは誰かということです。
  
可能性として考えられるのは次の4つかと考えられます。
(1)奥さんと行った
(2)娘さんと行った
(3)一人で行った
(4)本当に若い女性と行った

(1)の可能性
  一番可能性がありそうだけど、「バイトの後輩」の説明が付かない。

(2)の可能性
  「バイトの後輩」の説明は付くし、その他の状況も矛盾なく
  説明が付く。が、しかし、20代の若い女の子が還暦のオヤジ
  と一緒に学園祭に行くという状況が不自然。

(3)の可能性
  意外と可能性は高い気がする。しかし本当にそうなら寂しい!

(4)の可能性
  全く100%可能性は無いと断言します。

本当のところはどうなのでしょう?

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そして、その後に、告白が書いてあった。


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ちなみに私の三連休の主な出来事は病院がらみの以下の二点でした。

(1)検便偽装発覚
  人間ドックに検便を2回に分けて採取して持参しなければなりません
  でしたが、便秘ぎみのため用心のため1週間前に一度の採取で2本
  の検体を作り、日付を適当に書いて提出しました(今回に限らず
  毎回そうしています)。ところが今回はそのうちの一本の日付が古すぎる
  と再提出を求められました。したがってもう一回、雲古だけを持って
  電車に乗って病院へ行かなければなりません。

(2)猫の病院
  ウチの猫が夏以降500グラムも体重が減少し、食べ物を吐いたり咳をしたり
  するので病院へ連れていきました。結果は胃炎と誤飲による炎症だろう
  ということで薬をもらいましたが。治療費はアッと驚く3万一千円。猫には
  保険がないので人間より圧倒的に高いのです。

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「あきれたもんですねえ」

とエヴァンジェリスト氏に同意を求めたところ、エヴァンジェリスト氏は異様と云っていい程に狼狽えた………