(夜のセイフク[その10]の続き)
「(ミージュ君と、ボクたちとは違う)」
そう思ったビエール・トンミー君は、その時、自身の中でいつの間にか、『何会』とは何の『会』であるのか、イメージを作りかけていたのだ。
「(この教室の中で…)」
1970年の広島県立広島皆実高校1年7ホームの教室である(クラスのことを皆実高校では『ホーム』と呼んだ。今もそうかもしれない)。
「(この教室の中で、『何会』に相応しい者は、エヴァ君と自分だけであろう)」
自惚れではなく、聡明なビエール・トンミー君は、『その』自覚があったのだ。
「(フォーリーブスも敵わないだろう)」
ビエール・トンミー君は、口の中で、当時、人気絶頂であったアイドル・グループの名前を呟いた。
(続く)
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