(夜のセイフク[その12]の続き)
「(ミージュ君には悪いが……)」
ビエール・トンミー君は、そう思わざるを得なかったのだ。
1970年の広島県立広島皆実高校1年7ホームの教室で(クラスのことを皆実高校では『ホーム』と呼んだ。今もそうかもしれない)、昼休みである。
「ミージュ君も会員になったよ」
と、エヴァンジェリスト君が報告してきたが、ビエール・トンミー君は、ミージュクージ君は、『何会』の入会資格がない、と思ったのだ。
「(ミージュ君は、ボクたちのような美少年ではない)」
そうなのだ。ビエール・トンミー君は、自らも気付かない内に、何の『会』か不明であった『何会』は、美少年の『会』だと思うようになっていたのだ。
「みんなで仲良くやろうよ!」
エヴァンジェリスト君は、何を考えているのか、分らない。
「(美少年ではないミージュ君も入れて、『何会』は何をするのだ?)」
ビエール・トンミー君は、ミージュクージ君の入会に不満を抱きながらも、再び、『何会』が何の『会』であるのか不明、という疑問に思い到った。
(続く)
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