(夜のセイフク[その13]の続き)
「(美少年ではないミージュ君も入れて、『何会』は何をするのだ?)」
というビエール・トンミー君の疑問は、その後、更に膨らんだ。
エヴァンジェリスト君は、『何会』にミージュ君以外にも3-4人入会させたのである。その中には、女子生徒も2人含まれていた。
女子生徒も会員であるならば、『何会』は美少年の『会』ではない。
会員の女子生徒たちが、美少女なら、美少年と美少女との『会』と理解してもよかったが、その女子徒たちは、いたって普通の容貌の持ち主であった。また、ミージュ君以外の会員男子生徒たちも、いたって普通の容貌の持ち主であったのだ。
「(エヴァ君は、アイツらを入会させて、一体、何をするつもりなのだ?)」
聡明なビエール・トンミー君ではあったが、美少年でも美少女でもない者たちが『会員』になっていることへの不満感が勝り、『何会』が仮に美少年の『会』、或いは、美少年と美少女との『会』であったとしても、ただそれだけでは何をする『会』か不明であることに思い到らなかった。
しかし、そんなビエール・トンミー君の思いを見透かしたのか、エヴァンジェリスト君が、ビエール・トンミー君の耳元に囁いた。
その日も、1970年の広島県立広島皆実高校1年7ホームの教室で(クラスのことを皆実高校では『ホーム』と呼んだ。今もそうかもしれない)、昼休みであった。
「もうしばらくだからね。もう少しだけ待ってね」
他の会員には、何も告げず(少なくとも、ビエール・トンミー君が知る限りはそうだった)、ビエール・トンミー君にだけ、エヴァンジェリスト君は、囁いたのだ。
「(そうか!ボクは違うんだ。ボクだけは、他の会員連中とは違うんだ!)」
(続く)
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