「応募するんですか、『アミューズオーディションフェス2014』に?」
「ワシが?何故だ?」
「それはそうだが…」
「脊山麻理子ばりに、水着のDVDを出そうと考えてるんでしょ。だったら、どこか事務所に入っておいた方がいいんじゃないですか」
「なるほどなあ」
予想通り、その気になってきた。アオニヨシ君に負けじと、エヴァンジェリスト氏をからっかってみたのだ。
「だがなあ、『アミューズオーディションフェス2014』は、【俳優・モデル部門】が10 歳~19 歳までの男女、【歌うま・声優部門】が12 歳~25 歳までの男女、【バラエティー・タレント・キャスター部門】 でも16 歳~30 歳までの男女が応募資格だぞ」
「なんだ、そこまで知ってるって、私が云う前からその気なんじゃないですかあ」
「いや、だからワシには応募資格がないんだ」
「あなたも普通の人とおんなじなんですね」
「なんだと!?」
「応募資格なんてキマリに縛られるなんて、な~んだ、普通の人なんですね」
「いや、そういう訳ではない」
「だって、応募資格がないって….」
「ヒトの話は最後まで聞け」
「じゃ、なんですか?どういう訳なんですか?」
「『キミはまだ、キミの可能性にきづいていない。』っていうのが、このフェスのキャッチコピーだ」
「知ってますよ、そんなことくらい」
「甘いなあ、相変らず君は。いいか、このキャッチコピーには、もう一つの応募資格が隠れてるんだ」
「意味が分りません」
「自分の可能性にきづいていない奴が対象、ということではないか」
「それが?」
「ワシはワシの可能性にきづいておる」
「随分な自信ですね。60歳の老人に今更、何の可能性があるんですか?」
「それに、もう一つ気になることがある。各部門共通の条件として『特定のプロダクションやレコード会社と契約のない方』っていう項目があるんだ」
「アナタ、調べ上げてますね、でも、アナタ、どこのプロダクションやレコード会社とも契約していないでしょ」
「確かに、石原プロは、石原『プロモーション』であって『プロダクション』ではないからなあ」
「ぶふっ。『プロダクション』ではなく『プロモーション』であるにせよ、石原プロと契約してないでしょ」
「所謂、文書での契約はな」
「では、口頭では契約してるって云うのですか?」
「ノーコメントだ。事務所を通してくれ」
「どこの事務所ですか?」
「兎に角、ノーコメントだ。事務所を通してくれ」
「要するに、『アミューズオーディションフェス2014』に応募しても採用される自信がないんでしょ」
「ふ、ふ、ふざけるな。ワシを誰だと思っておる!」
「エヴァンジェリストさん、でしょ」
「自信ならある。だが、アミューズにワシは要らんだろう」
「石原プロだって要らないと思いますがね」
「アミューズは、東証一部上場の優良企業だし、福山も桑田も三宅もいるじゃあないか。寺脇も健(タケル)もいる」
「福山雅治、サザンオールスターズの桑田佳祐、三宅裕司、寺脇康文、佐藤健、ですね」
「然るに、石原プロはと云うと…..」
「分ってますよ、石原プロの窮状は」
「だったら…」
「でも、アナタだって困ってるんでしょ。生活苦なんでしょ」
「ああ、苦しい。だが待て、間もなく7/17が来る」
「7/17?」
「ああ、7/17だ」
「そうか、石原裕次郎の命日ですね」
「ノーコメントだ。事務所を通してくれ」
「アナタっていう人は」
「ところで、アミューズには『鹿』部門はないのか?」
「多分、ないと思います」
「『鹿』部門があれば、迷わず、アイツに応募させたのだが….」
勿論、アオニヨシ君のことだ(参照:アオニヨシ君、登場!....老人をあしらう。………サッカー日本代表が敗退した日。)。こうやっていつも誤摩化されるのだ。
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