「ビエールには、無礼なことをしてしまいました」
エヴァンジェリスト氏に懺悔することではないとは思いつつも、エヴァンジェリスト氏がビエール・トンミー氏の友人である為、氏の前で思わず呟いてしまった(まあ、私自身、ビエール・トンミー氏の友人ではあるのだが…)
昨日、
.....こんな歴史話は、ビエール・トンミー氏よ、歴史では西洋美術史にしか興味がない君には退屈な話かね?
…と、このBlogに記してしまったのだ。
「ああ、退屈だああ、退屈だああ」と暇を持て余しているビエール・トンミー氏は、すかさずこれに反応して来た。
-------------------------------------------------
西洋美術史以外に興味が無いなんて
とんでもないことで御座います。
呉の大和ミュージアムにもちゃんと行って大和の模型の大きさと正確さに
感銘を受けたところです。
山本五十六および太平洋戦争の本もよく読んでいます。
つい先週も「戦艦武蔵」の本を読んで三菱重工がいかに苦労して武蔵を
造ったか、その武蔵がいかに戦争で活躍しなかったにかを読んだばかりです。
その前は「そのとき、空母はいなかった」という本を読んで真珠湾攻撃が実は
ちまたでいわれているほど戦火が無かったばかりか、アメリカがこの攻撃のこと
を知っていたのではないかという本を読みました。
その前は「あの戦争になぜ負けたのか」という本を読みました。
ただ、堀悌吉のことは寡聞にして知りませんでした。
父上殿がマツダで働くまえに戦艦「大和」の砲台の設計を担当したというのは
すごい話ですね。
-------------------------------------------------
と、メールして来たのだ。
「カレのことを、朝のゴミ出しの時、近所の奥さんがゴミ袋を置く際に前屈みになった胸の谷間を見て、よからぬ妄想をしているただの下司な老人だと勘違いしていました(参照:
ゴミは不倫の匂い?…【ビエール・トンミー氏の優雅な老後】)。
カレが先の戦争のことにそんなに真面目に向っていたとは知りませんでした」
...と、自身の顔の前で、右手を大きく左右に振りながら、エヴァンジェリスト氏が云った。
「相変らず、キミは甘いなあ」
「はあ?」
「キミはあまちゃんだよ」
「私、能年玲奈ではありませんよ」
「キミは甘いだけではなく、馬鹿なのかねえ」
「アータこそ、相変らず無礼ですねえ」
「いいか、アイツ(ビエール・トンミー氏)は、頭はいいんだ」
「まあ、それは知ってますが」
「アイツは、昨日の君のBlogでの君の仕掛けに慌てたのだ」
「仕掛け?」
「ああ、歴史では西洋美術史にしか興味がない君には退屈な話かね?って、奴さ。それは、ビエールに対する一種の挑戦状であったのだ」
「いや、挑戦という訳でもありませんでしたが…」
「君の指摘は図星であったのだ」
「図星?」
「歴史では西洋美術史にしか興味がなかったのさ」
「そうだったんですか!?」
「うむ、もっと正確に云うと、歴史には、西洋美術史にも太平洋戦争にも何にも興味はないのだ。アイツが母校の大学のオープンカレッジに通い、西洋美術史を学んでいるのは歴史に興味がある訳でも、美術に興味がある訳でもないのだ」
「ああ、そういうことなんですね」
「そういうことだ。オープンカレッジに通っている目的は…おっと、それ以上は云うまい。そのことは君がアンケートにしているからな」
「恐縮です。ええ、
------------------------------
では、質問です。
ビエール・トンミー氏が、オープンカレッジに行くことにした理由を以下から選べよ。
(1)現役女子学生目当て
[昔とった杵柄でナンパしたい、合コンとやらもしたい]
(2)オープンカレッジに通う美熟女目当て
[お互い家庭を壊さない程度に、ムフフ]
(3)美人の誉れ高い●●●子先生目当て
[出来れば、プライベート・レッスンも]
(4)奥さんに惚れ直してもらう
[今度、奥さんと欧州旅行をした際に、西洋の美術知識を披露して、『アナタ、ス・テ・キ』と云ってもらいたい]
------------------------------
って、皆さんにお訊きしているとことです」
「まあ、どれを選んでも、要するにアイツのスケベ心の為せる技、ってことさ。アイツはそのスケベ心を見透かされたくなく、急遽、齧ったのだ」
「齧った?」
「いいか、アイツは君も認める通り、頭はいいのだ。君の挑戦に憤慨して、そしてまた、自分がスケベであることを見透かされたくなくて、急いで勉強したのだ。
「そうなのか!」
「山本五十六についての本も、太平洋戦争に関する本もよく読んでいるなんて、嘘っぱちだ。つい先週も「戦艦武蔵」の本を読んだって云ってるが、そんな本があることは、君の挑戦の後に急いで勉強して、そんな本があることを知っただけだ」
「そうなんだ」
「『そのとき、空母はいなかった』という本も、『あの戦争になぜ負けたのか』という本も読まずに、急いでネットで書評か何かに目を通しただけで、あたかも本を読んだかの如く云っているのだ」
「コンチクショー!」
「ええ、そうです。知ってます」
「そんなアイツには、山本五十六についての本、太平洋戦争に関する本にどんなものがあり、その大雑把な内容について調べることなんてチョロイものなのさ」
「ああ、やられてしまった」
「アイツは更に巧妙だ。『堀悌吉のことだけは寡聞にして知らなかった』、と正直風に云っているが、これは罠だ」
「罠?」
「ああ、罠だ。『堀悌吉のことだけは知らなかった』、という言葉をそのまま受止めると、それ以外のことは知っているんだ、と錯覚させられてしまうのさ。『堀悌吉のことだけは知らなかった』、という言葉だけでは、それ以外のことを本当に知っていた、という証拠にはなっていない。なのに、その言葉を聞いた者は、『それ以外のことは知っているんだ』と錯覚してしまうのだ」
「確かにそうですね」
「アイツはそれだけのことを頭を持っている男だ。しかも、今は暇を持て余している老人だ。詐欺的な手口を考える時間は有り余っているのだ」
そうだったのか。危うくビエール・トンミー氏本人に、「無礼なことをしてしまった」と謝るところであった。
ビエールよ、その手には乗らんぞ!