2014年8月2日土曜日

鹿、ザ・バイブレーション



「キー!」

親子程、いや親子以上に歳の差があるエヴァンジェリスト氏をやり込め、勝ち誇るようにアオニヨシ君が鳴き声のようなものを上げた(参照:【続・足底筋膜炎】バラクとジョンウン、そして、エヴァンジェリスト氏)。

…と、エヴァンジェリスト氏の眼が光った。

アオニヨシ君の体のある部分を見つめ、一瞬だが眼を光らせた。そのことにアオニヨシ君は気付かなかったのであった(参照:鹿、ザ・ワイルド)。


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アナタは、携帯(電話)を、iPhoneをどう身につけているか?

アナタは男である。アナタが女性だとしても、男であったら、と仮定して考え、答えてほしい。

「ワシは、仕事の時は、iPhoneは通常、ワイシャツの胸ポケットに入れる」

と云うエヴァンジェリスト氏同様、私もiPhoneをワイシャツの胸ポケットに入れている。私も男だからである。女性はハンドバッグに入れるか、席についている時は、机の上に置いているではないか。

「個人用のiPhoneはカバーも何も付けず、そのまま胸ポケットに入れ、会社支給のiPhoneはカバーを付け、更にそのカバーにストラップを付け、胸ポケットに入れている」

会社支給のiPhoneは失くすとセキュリティ事故となり、面倒なことになるので、私も同じようにしている。

「しかるにだ、アイツはどうしていると思うか?」

アイツって?

「アオニヨシだ、『人間鹿』のアオニヨシだ」

いいのか、『人間鹿』なんて云って。

「『鹿男』ではないから、『人間鹿』ではないか」

いや、そういう問題ではなくて…

「『鹿』的人間は『鹿男』であろうが、アイツは基本が『鹿』で、その上で人間的であるのだから『人間鹿』ではないか」

それは余りにも失礼ってもんではないか。

「君もアイツのことを『鹿』としか思わなかったではないか」(参照:アオニヨシ君、登場!....老人をあしらう。………サッカー日本代表が敗退した日

確かに…

「まあ、『鹿』にせよ、『人間』にせよ、アイツはiPhoneをどうしていると思う?」

男だから、私たち同様、ワイシャツの胸ポケットに入れているのではなかったか。

「甘い!甘過ぎる!もっと観察しろ。ワシはアイツに云ってやったんだ」


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「このエロ『鹿』め!」

エヴァンジェリスト氏は、そうアオニヨシ君に云い放ったのであった。

「ええっ?何でですか?」

アオニヨシ君が怪訝そうに、そう言葉を返した。

「オマエはスケベエだ」
「まあ、否定はできませんが」
「あっさり認めたな」
「しかし、アナタに、しかも、今ここでいきなり『スケベエ』と云われる覚えはありませんよ」
「シラを切るのか」
「シラも大根も切りはしません」
「では、それは何だ!」
「それ?」
「そう、それだ!」

エヴァンジェリスト氏は、アオニヨシ君の股間を指した。

「えっ!これですか?」

アオニヨシ君は、iPhoneを手にとり、答えた。

「iPhoneですけど?アナタ、iPhoneを知らないんですか?」
「iPhoneをどうしていた?」
「どうしていたも何も、首から下げていただけですけど」
「首から下げ、どこに置いていた?」
「はあ?ただ下げていただけですけど」
「ワシの眼は誤摩化せんぞ。iPhoneをコカンに置いていたではないですか」
「ああ、丁度、股間辺りにあったかもしれませんね」
「このスケベ『鹿』め!」
「何故ですか?」
「普通、iPhoneはワイシャツの胸ポケットに入れるものではないか」
「私のワイシャツには胸ポケットはないんです」
「それは見れば分る」
「じゃあ、分るでしょ。胸ポケットに入れようがありません」
「何故、胸ポケットのないようなワイシャツを買うのだ?」
「たまたまですよ。デザインがいいなあ、と思って買ったら、胸ポケットのないワイシャツだったんです。このワイシャツ、お洒落でしょ?」

クールビズでアオニヨシ君が着ているワイシャツは、確かに、銀の横ストライプのお洒落なもので、胸ポケットはない。

「たまたまだとお!お洒落だとお!『鹿』がお洒落をするのか!?」
「『鹿』だって、お洒落くらいするでしょ」
「お洒落をする『鹿』なんて聞いたことがない。ワシには分っている」
「何が分っているのですか?」
「バイブだ!バイブレーションだ!」
「バイブレーション?」
「バイブレーション目当てだろ。電話やメールの着信があった際のバイブレーションだ」
「はああ?意味が分りません」
コカンを震わせるのだ」
「一体、何を云い出すんですか!」
「君は、仕事中にも拘らず、着信のバイブレーションで股間を震わせ、恍惚しているのだ」
「アナタ、変態ですね」
「君こそが変態だ。ひょっとしたら、電話やメールの着信の際だけではなく、5分おきのアラーム設定でもして、四六時中、バイブしているのではないか
「キー!」

アオニヨシ君のその叫び声は、『鹿』の鳴き声そのものであった。

図星であったかもしれない。しかし、私はアオニヨシ君に同情する。何も、公衆の面前で『恍惚』を暴露せずとも良かろうに

アオニヨシ君の隣のレディ・ウオーターメロン(参照:【歳末衝撃特報(1)】スイカの惨劇)が、二人の会話を聞き、頬を赤らめていたのであった。











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